勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした

勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした

灯台の小説『勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした』のコミカライズ作品。平凡な大学生の青年の宮間快人は、ある日、異世界召喚に巻き込まれるものの、そこは戦いも謀略もない平和な世界だった。優しい人々との触れ合いを通して成長してい快人の姿を描く、異世界ハートフル日常コメディ。「月刊コンプエース」2019年5月号から掲載の作品。

正式名称
勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした
ふりがな
ゆうしゃしょうかんにまきこまれたけどいせかいはへいわでした
原作者
灯台
漫画
ジャンル
ファンタジー
 
ラブコメ
関連商品
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あらすじ

第1巻

平凡な大学生の青年の宮間快人は、ある日、偶然近くにいた光永正義が異世界「トリニィア」に召喚されるのに巻き込まれてしまう。同じく巻き込まれた柚木陽菜楠葵と共に、快人は召喚者のリリア・アルベルトから事情を聞く。トリニィアは初代勇者の活躍で平和そのもので、今はその平和を讃える「勇者祭」の準備中。初代勇者にあやかって異世界から「勇者役」を召喚しようとしたところ、なんらかのイレギュラーで快人たちが巻き込まれたというものだった。元の世界への帰還は1年後に可能で、それまでは異世界の歓待を受けることとなった。快人は幼い頃の両親の死をきっかけにしてすべてをあきらめ、地味で平凡な暮らしをしてきた。異世界でも変わらず過ごそうと考えていたが、そこで快人は一人の魔族クロムエイナと出会う。彼女に導かれることで多くの人と出会い、多くのものを目にしていった快人は、次第に彼女に心を開き、この優しい異世界で自分のしたいことを見つけると決意する。そして明くる日、快人たちは神殿に神の祝福を受けに来ていた。病気を予防するために神の力を授かりに行った快人は、そこで謎の女神シャローヴァナルに遭遇する。クロムエイナの知り合いで、彼女に頼まれて祝福にやって来たシャローヴァナルだったが、快人と話すうちに個人的に興味を持ち、己の意思で彼に祝福を与えるのだった。

第2巻

ちょっとしたボタンの掛け違いで宮間快人は、クロムエイナリリア・アルベルトたちに正体を隠していると思っていたが、彼女は聞かれなかったから答えなかっただけだった。誤解が解け、快人はリリアにクロムエイナからの手紙を渡すものの、そこに書かれていたのは魔界の頂点である六王の一角「冥王」の名前だった。リリアは冥王訪問という激動のイベントをこなすが、その後、すぐさま時の女神クロノアの訪問という新たな激務をする羽目となる。快人はクロムエイナに相談し、クロノアとの対談に彼女と仲がよいというアインを同行させる。しかし、実はアインとクロノアは仲が悪く、出会ってすぐに一触即発の空気。場は混沌と化し、そこにさらにシャローヴァナルまで乱入してくる。実はシャローヴァナルは創造神で、快人もその事実を知って仰天する。混乱に次ぐ混乱の果てに、なんとか無事にクロノアとの対談は終了するものの、リリアは想定外の創造神の降臨にさらに頭を痛める結果となる。快人はリリアに迷惑を掛けたのを申し訳なく思い、気分転換のためにエルフたちのお祭り「宝樹祭」に彼女を誘おうと考える。その準備のため、快人は王都に買い物に行くが、彼はそこで一人の少女と出会う。

第3巻

買い物に出かけた宮間快人が出会ったのは、六王の中で「最も恐ろしく危険な存在」といわれる死王のアイシス・レムナントだった。アイシスは凶悪無比な力を持つが、本人の意思とは関係なく災厄を巻き続ける存在で、長い年月を周囲から腫れ物のように扱われ続け、孤独に苛まれていた。アイシスの孤独を感じ取った快人は、かつての自分がクロムエイナに救われたことを思い出し、アイシスに手を差し伸べ、彼女の手を取る。快人の優しさに救われたアイシスは、彼と友人となり、彼が今暮らすリリア・アルベルトの屋敷を訪問する。またしても新たな六王の登場に、リリアはさらに心労を積み重ねてしまったため、快人はその詫びも兼ねてあらためてリリアを宝樹祭に誘う。準備の最中に奇妙な雑貨店の店主アリスや怠惰な最高神フェイトなどと知り合いつつ、快人は宝樹祭に思いを馳せる。一方、アイシスと仲がよいクロムエイナは、彼女が快人のおかげで明るくなったことを喜ぶ。しかし、二人は快人がシンフォニア王国の国王であるライズ・リア・シンフォニア十八世に冷遇されていることを知って激怒。王宮に殴り込みに行こうとしたため、慌てた界王のリリウッド・ユグドラシルに止められる。二人から仲裁を任されたリリウッドは気苦労を感じつつも、二人が入れ込む快人に興味を抱くのだった。

関連作品

小説

本作『勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした』は、灯台の小説『勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした』を原作としている。内容は本作と同じく平凡な青年の宮間快人が、平和な異世界「トリニィア」に召喚され、さまざまな人との交流をきっかけにして成長していく姿を描いたハートフル日常コメディとなっている。原作小説は灯台が「小説家になろう」に投稿していた作品で、モンスター文庫より刊行された。イラストはおちゃうが担当している。

登場人物・キャラクター

宮間 快人 (みやま かいと)

大学3年生の青年で、年齢は21歳。どこにでもいる平凡な顔立ちで、地味で目立たない生き方をしている。過去に大きな事故に遭って両親と死別。自らは奇跡的に助かるものの首に大きな傷痕を残してしまう。この時、大きな感情のうねりに翻弄されたため、感情を大きくゆさぶられるのを嫌うようになった。大きな変化をもたらすため、不幸と同じくらい幸福なことが嫌いで、高校時代はそれが行き過ぎてすべてに投げやりになって生きてきた。現在は過去に受けた傷もかなり癒え、周囲に目を向ける余裕が生まれてきているが、その一方で「特別」にあこがれている自分がいることを自覚している。光永正義に巻き込まれる形で、異世界「トリニィア」に召喚される。勇者役に選ばれたのは正義で、宮間快人自身が特別になれなかったことに心のどこかで落胆するが、あきらめのよさから平凡で平和な生活を満喫しようと考える。しかしそこでクロムエイナと出会い、彼女に導かれることで己の殻を打ち破り、異世界で自分のしたいことを見つけると決意する。快人本人も自覚しているとおり平凡な人間で、これといった取り柄はないが、クロムエイナと会ったのを皮切りに世界中の要人と出会っていく。その人を引き寄せる才能はクロノアから最早「呪いの類」といわれ、彼が要人と会うたび、彼の異世界での世話役であるリリア・アルベルトは胃を痛めている。異世界で過ごすうちにクロムエイナに魔法を教わったことで「感応魔法」を習得したほか、シャローヴァナルに興味を持たれたことで、創造神の祝福を受けている。日記を書くのが日課で、亡き両親に伝える手紙のような文体で日記を書いている。

クロムエイナ

六王の一人「冥王」として魔界に君臨する少女。銀色の髪をセミショートに整え、金色の瞳を持っている。小柄な体型で、中性的な雰囲気を漂わせた子供のような見た目をしているが、魔界の頂点の一角に君臨する存在。一人称は「ボク」。絶大な魔力と人界にすら多大な影響力をもたらす資金力を持ちながら、六王の中でも快活で温厚な人柄で、各地に絶大な人気がある。親しい人からは「クロ」と呼ばれている。太古の昔から存在する古い魔族の一人で、どんな種族も分け隔てなく愛する。種族になじめないはぐれ者にも積極的に手を差し伸べ、彼らを家族と呼んで共に暮らしているため、自然と慕われて王になった経緯を持つ。迷いを抱いた者を導くのを生きがいにしており、異世界に来たばかりの宮間快人の前に現れ、彼にいろいろな助言を与え、仲を深めていく。ベビーカステラが好きで、実験的に新しい味のベビーカステラを作っているが、時折変な味のベビーカステラも作ってしまう。現在の少女の姿は仮初のもので、本来は性別は存在せず、生まれたばかりの頃は定まった形のない黒い煙のような姿をしていた。本来の姿になった際の力は絶大で、創造神であるシャローヴァナルに唯一匹敵する存在だといわれている。

シャローヴァナル

神界の頂点に君臨する「創造神」の女性。真っ白な髪を長く伸ばして、白いドレスを身にまとった白ずくめの格好をしている。淡々と無機質に人と接し、抑揚のないしゃべり方をする。性格はドが付くほどの天然で、他者の意を介さずマイペースに行動する。極端な平等主義者で、自らの作り出した世界のものすべてに平等に愛を注ぐが、同時にあらゆるものを同格に扱うためにすべてに無関心。そのため、あらゆる感情が希薄で、極端にマズイ料理もマズイとは思っても、それ以上の好悪の感情は抱かない。世界の頂点に君臨する存在で、その力は全知全能に等しいとされるが、唯一クロムエイナだけは彼女に比肩しうる力を持つとされる。かつてはクロムエイナと神界、魔界を巻き込んだ戦いを行ったが、現在は「コイバナ」をするほど仲がよくなっている。クロムエイナに宮間快人の祝福をするように頼まれるが、個人的に快人に興味を持ち、自分の意思で彼に祝福を授ける。頼まれた際には適当に祝福するつもりだったが、彼に興味を持ったために本気で祝福を行った。その後はたびたび快人と交信し、彼にかかわっているが、異世界人から仕入れた恋愛ゲームのまちがった知識を披露するため、快人を振り回すことが多い。クロムエイナと快人からは「シロ」と呼ばれている。

リリア・アルベルト

アルベルト公爵家の当主を務める若い女性で、年齢は22歳。金髪をストレートロングに伸ばして、上品なドレスに身をまとっている。現国王のライズ・リア・シンフォニア十八世の腹違いの妹で、公爵家当主に即位しているが、第四位王位継承権も所持している。兄が過保護すぎるあまり、出会いらしい出会いがまったくなく、独身人生を突き進んでいる。勇者役以外の異世界人である宮間快人、柚木陽菜、楠葵の世話を担当することとなったが、兄が快人を冷遇しているのには腹を立てており、一時期は王宮に殴り込みをしそうなほど怒り狂っていた。当初は快人に対して温厚に接していたが、クロムエイナを皮切りに、世界中の要人と知り合いになる快人に心労を募らせ、よく胃を痛めている。快人のおかげで公爵家としての影響力も増大しているが、それ以上に苦労を背負い込んでいるため、同じ苦労人であるクロノアにシンパシーを抱かれている。実はかつては騎士団に所属しており、わずか14歳で王国騎士団第2師団の師団長にのぼり詰めた天才剣士。若くして王国の猛者を次々打ち負かしたため、「白薔薇の戦姫」の異名で呼ばれていた。ただ、この勇名が轟いたことで、当時の婚約者が彼女に怯えて婚約撤回した。結果的に彼女の男っ気のなさに拍車を掛ける原因となっていたため、彼女にとって忘れたい過去となっている。

ルナマリア

リリア・アルベルトのお付きのメイドを務める若い女性。水色の髪でリリアとは付き合いが長く、友人のように気安く接している。慇懃無礼な態度で、メイドという立場にありながら主人や客に対して失礼な言動が多い。しかし能力は高いため、性格以外はリリアからも信頼されている。リリアからは「ルナ」の愛称で呼ばれる。冥王クロムエイナの信奉者で、彼女と直に言葉を交わした際には感激のあまり失神した。

ジークリンデ

リリア・アルベルトに仕える女剣士。赤い髪をボブカットにしたエルフで、リリアの屋敷の警備を担当している。元は騎士団に所属していたが、魔物との戦いで大ケガを負って引退した。ケガの後遺症でしゃべることができず、喉元のケガを隠すためにいつもロングマフラーを巻いている。親しい人からは「ジーク」と呼ばれている。家庭的な性格で、料理を趣味としている。声を出せないために会話はできないが、宮間快人は感応魔法で通じ合うことができるため、すぐになかよくなった。

アイシス・レムナント

六王の一人「死王」として魔界に君臨する少女。灰色がかった白い髪で、血のように赤い瞳を持っている。物静かな性格ながら、怨霊が集まって死の概念が形となることで生まれた存在で、彼女の身にまとう「死の魔力」は生きとし生ける者すべてに恐怖を与える。死の魔力はアイシス・レムナント自身にも制御ができず、つねに垂れ流し状態となっており、気が弱い者では彼女を目にしただけで気を失うほど凶悪な能力となっている。また、死の魔力は彼女の精神状態にも左右されるため、不機嫌なときの彼女の魔力を浴びれば、訓練を受けた者でも廃人になる危険性がある。このため六王の中でも「最も恐ろしく危険な存在」として認知され、「死の化身」「死の象徴」とも呼ばれて恐れられている。ただし、アイシス本人は寂しがり屋で優しい性格のため、自らの力を嫌悪している。死の魔力は同格の力があれば耐えられることから、同じ六王のクロムエイナとリリウッド・ユグドラシルとは仲がよいが、それ以外の者で彼女とまともに接することができる者はおらず、つねに孤独な日々を過ごしている。彼女の領土は貴重な宝石が採掘できるのもあり、資産力はかなりのもの。有り余る財力をすべて本につぎ込んでおり、彼女の居城はたくさんの本が所蔵されている。本を買いに出かけたところ、たまたま宮間快人と遭遇。人間関係に絶望していたが、恐怖を覚えつつも自分と向き合った快人に特別な感情を抱くようになる。快人を自分の運命の相手と思っており、初対面で結婚を申し込むほど快人に惚れ込んでいる。

アリス

王都で雑貨屋を営む少女。素顔は金髪の美少女ながら、恥ずかしがり屋であるためにふだんから仮面や着ぐるみを身につけ、あまり素顔を見せることはない。猫など動物の着ぐるみをよく身につけているが、着ぐるみが非常に不気味なデザインのため、初対面の人は目にしただけでかかわろうとする者はいない。素材の調達から加工まで一人でこなすマルチな才能を持ち、本職の狩人や職人顔負けの技術を持つ。アリス自身の作り出す商品は出来がよく、自前で素材を用意していることから値段も良心的だが、着ぐるみの接客が致命的に評判が悪いため、店はいつも閑古鳥が鳴いている。またギャンブルが趣味であるため、つねに金欠で、その日の食事にさえ事欠く極貧生活を送っている。素顔のときは内気な恥ずかしがり屋だが、顔を隠すと途端に図々しくなるお調子者。店を訪れた宮間快人がいろいろ買ってくれたのをきっかけにして、交流を持つようになる。裏稼業を副業にしており、そちらでは「シャドウエッジ」の異名が轟くほど繁盛している。

柚木 陽菜 (ゆずき ひな)

高校1年生の少女で、栗毛色の髪をショートボブにしている。小柄で明るく活発な性格をしており、学校では陸上部に所属していた。光永正義に巻き込まれる形で、異世界「トリニィア」に召喚される。正義とはいとこにして幼なじみ。同じ部活に所属しているため、楠葵からも正義とは付き合っていると思われていたが、恋愛感情は皆無で、正義と恋人になることは鳥肌が立つくらい嫌らしい。宮間快人のことは当初は距離感を図りかねていたが、徐々に信頼関係を築いていく。兄が快人のクラスメートだったことに気づいてからは、彼を「先輩」と呼び慕っている。快人経由でクロムエイナの教本を読んだため、恐ろしい勢いで魔法が上達しており、特に身体能力を強化する魔法に大きな適性を見せた。陸上部に所属していたため、わずかな期間で100メートルを1秒で走れるほどの身体能力を手に入れている。

楠 葵 (くすのき あおい)

高校2年生の少女。すらっとした長身の体型で、艶やかな黒髪を長く伸ばしている。光永正義に巻き込まれる形で、異世界「トリニィア」に召喚される。正義や柚木陽菜と同じ学校に通っており、彼らからは先輩として慕われている。優等生的立ち居振る舞いが多いが、実はゲーマーで、子供の頃からゲームが大好き。宮間快人のことは当初は頼りなく思っていたが、程なくして同じオンラインゲームをやっていたことに気づいて意気投合する。快人経由でクロムエイナの教本を読んだため、恐ろしい勢いで魔法が上達しており、特に土属性の魔法に異常な才能を見せている。通常では習得に年単位の期間が必要な中級魔法も程なくして習得している。

リリウッド・ユグドラシル

六王の一人「界王」として魔界に君臨する女性。精霊の一種で、人間の若い女性の姿をしているが、髪が樹木の葉っぱのように生い茂るなど、体中に樹木の特徴が色濃く存在する。クロムエイナと同じく温厚な人柄で、植物をあやつることで豊穣をもたらすことから、エルフたちからは信仰の対象として崇拝されており、六王の中でも最も配下の数が多い。面倒見もよく、アイシス・レムナントの境遇を不憫に思い、よく彼女のもとを訪れてはその孤独を慰めている。六王の中では良識派で、アイシス含むほかの六王が暴走した際にはそのブレーキ役も受け持っているため、かなり苦労している。宮間快人たちが暮らすシンフォニア王国は、自然の恵みを享受している国であるため、彼女は豊穣を司る存在として扱われている。このためシンフォニア王国内では、時に国王さえ無視できないほど大きな影響力を行使することができる。

クロノア

「最高神」の一柱で時空を司る「時空神」の女神。赤い髪を一つ結びにした美女で、スレンダーな体型をしている。まじめで責任感が強い性格をしており、ほかの最高神が問題児ばかりであるため、実質的に神々の業務を取り仕切っている苦労人。シャローヴァナルの忠実な部下として、彼女の言葉に従うが、天然気味なシャローヴァナルに振り回されることも多い。シャローヴァナルとも懇意にしている宮間快人には驚愕しており、彼に警告をするとともに、快人に振り回されるリリア・アルベルトには同じ苦労人としてシンパシーを感じている。クロムエイナを危険視し、彼女の家族であるアインとは顔を合わせただけでお互い罵倒し、殺し合いをする関係。ただ、アインとの関係は悪友というのが一番近く、ケンカが終わったあとはいっしょに酒盛りしたりもしている。

フェイト

「最高神」の一柱で運命を司る「運命神」の女神。長く伸ばした藤色の髪をツインテールにしている。かなり怠惰な性格で、いつもクッションに寝そべった体勢でいる。移動の際もクッションを浮かせて移動しており、立つ姿すらまれ。運命を見て、決定づけるという強大な能力を持ち、神族の中でも重要な仕事を任されているが、仕事もサボってばかりいるため、クロノアからよく折檻を受けている。異世界の人間から得た知識で「ニート」をリスペクトし、ニートになることを目指している。仕事をサボり、異世界人の宮間快人を隠れ蓑にしようと企むものの、あっさりクロノアに見つかる。その後、快人がシャローヴァナルにフェイトが一日だけ休めるようにお願いをしたことで、彼に強い興味を持つ。ふだんは怠け者だが、神族の本能的なものでシャローヴァナルにだけは絶対服従で、彼女の言葉にだけは意に反していてもまじめに聞き受ける。また運命を見通す力も、異世界人で自分より格上のシャローヴァナルの祝福を受けた快人にだけは通用しないため、彼を「面白い存在」と思い、あの手この手で彼を味方に引き込もうと企む。ただし、色仕掛けなど行き過ぎた行動を取ることもあり、その場合はクロムエイナから折檻を受けるのがお約束となっている。

アイン

クロムエイナの家族の一人で、メイド服を身にまとった女性。白金色の髪をした小柄な人物で、主を立てる控えめな性格をしている。メイドという仕事に誇りを持つ完璧主義者で、あらゆる雑事を完璧にこなす。クロムエイナの家族の中では最古参で、彼女に次ぐ力を持っており、その力は最高神にすら匹敵する。クロノアの停止した時間の中でもふつうに動けるほどで、その力を駆使してメイドの業務を行った際には、彼女の姿が幾人にも分身したかのような光景となる。メイドとして必要になるあらゆる技能を習得しており、料理の腕前も本職を軽く超えるほど。伝聞の情報だけで日本食を再現して、宮間快人を驚愕させた。

ゼクス

クロムエイナの家族の一人で、骸骨姿の魔術師。リッチと呼ばれる種族で、魔法に長けている。見た目に反して陽気で気さくな性格をしており、人当りが非常にいい。魔法具を取り扱う商会の中では最大手である、セーディッチ魔法具商会の会長は彼の配下で、会長経由で宮間快人に食事会の招待状を送った。骸骨然とした姿をしているが、ふつうに飲食は可能で、食事会を陽気に楽しんでいた。

アハト

クロムエイナの家族の一人で、オーガの男性。オーガの中でも特殊個体と呼ばれる存在で、通常のオーガは赤か緑の肌に角が一本生えているが、彼は青い肌に二本の角が生えた姿となっている。体の大きさをある程度自由に変化させることができ、人間大の大きさから見上げるほど大きな巨人姿になることができる。面倒見のよい兄貴肌な性格で、食事会の際には異世界に来たばかりで緊張していた宮間快人の面倒を見て、緊張をほぐした。かつては特殊個体で、強い力を持っていたため、同族から孤立していた。その後は同族の集落から飛び出し、方々で暴れ回っていたが、そのツケが回って死に掛けるほどの重症を負ってしまう。死を待つばかりの状況の中、クロムエイナと出会う。圧倒的な力を持ちつつも、自分たちを対等に扱い、孤独を癒やしてくれたクロムエイナに強い感謝の気持ちを抱き、彼女と共に歩むことを決めた。見た目は厳つい大男だが、実はクロムエイナの家族の中では比較的若手で、ラズリアよりも年下。

ノイン

クロムエイナの家族の一人で、黒い甲冑を身につけた女性。ふだんは全身甲冑姿で素顔を隠しているが、実は日本人。黒い髪をポニーテールにセットしており、大和撫子然とした雰囲気を漂わせている。過去に召喚された勇者だが、クロムエイナに見初められ、彼女と共に生きることを決意。帰還を拒み、この世界で生きることを選んだ。現在はクロムエイナの力によって人間から魔族に転生し、クロムエイナの家族として幸せな日々を過ごしている。食事会では宮間快人には先達として助言を行った。故郷の味である日本食の再現に躍起となり、ラズリアとアインに頼み込んでお米の再現に成功している。快人にお米をおすそ分けするとともに、彼から豆腐の再現方法を断片的ながら仕入れ、その再現に闘志を燃やしている。実は初代勇者「ヒカリ」その人。魔力を物質化する魔法に大きな適性を持ち、通常では考えられないほど少ない魔力で物質を作り出すことができる。ふだん彼女が身にまとっている全身甲冑も彼女の魔法で作り出したもので、作り出した鎧であれば着脱も魔法によって一瞬で行うことができる。

ラズリア

クロムエイナの家族の一人で、小さな妖精の少女。桃色の髪を長く伸ばし、背中からは蝶のような羽根を生やして空を飛んでいる。天真爛漫で無邪気な性格をしており、一人称は「ラズ」で、語尾に「ですよ」と付けてしゃべる。見た目は幼いがかなり長命らしく、アハトより年上。植物を育てるのが得意で、彼女が育てた作物はいかなる条件下でも最高の品質となる。ノインに頼まれてお米の栽培も行っており、日本食の再現に一役買っている。

ライズ・リア・シンフォニア十八世 (らいずりあしんふぉにあじゅうはっせい)

シンフォニア王国の国王を務める男性。リリア・アルベルトの腹違いの兄で、妹を溺愛するあまり、彼女に寄り付く悪い虫を徹底的に排除している。このため、リリアの婚期が遅れに遅れ、彼女からは目の敵のように思われている。リリアの屋敷が実質的に男子禁制になっているのもライズ・リア・シンフォニア十八のせいで、そこに入り込むこととなった宮間快人には、新年のパーティーの招待状を送らないなど地味に冷遇している。しかし、それがのちにクロムエイナとアイシス・レムナントの不興を買う原因となり、あやうく六王のうち二人を敵に回しかける大事となりかける。

光永 正義 (みつなが せいぎ)

高校1年生の眼鏡を掛けた少年。勇者役としてトリニィアに召喚される。柚木陽菜、楠葵とは同じ部活仲間で、陽菜とは幼なじみで、葵のことが気になっている。宮間快人とは初対面で、召喚直後に引き離されて完全に別行動となっているため、お互いに伝聞程度にしか現状を知らない。陽菜が王宮で行われた新年のパーティーで再会した時は、勇者役になったことでかなり増長していたらしく、陽菜からは多少痛い目を見た方がよいと思われている。

シリアス先輩 (しりあすせんぱい)

本作『勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした』のシリアスの概念が具現化したメタ的な存在。白い髪をボブカットにして、セーラー服を着た少女の姿をしている。本編にシリアス展開がないためにいっさい出番がなく、コミックスでは本体表紙部にその存在を追いやられている。原作小説版『勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした』の単行本でも同様に本体表紙に追いやられており、本作でそのことに言及している。本編をシリアス展開にしようと躍起になり、コミックス版がシリアス展開になることを期待しているが、一向にシリアスにならないために頭を抱えている。

場所

トリニィア

宮間快人たちが召喚された異世界。次元を隔てて「神界」「人界(じんかい)」「魔界」の三つの世界がサンドイッチ状に連なる世界で、三つの世界は各地にあるゲートで自由に行き来ができる。「神界」は神々が住まう世界で、「人界」は人間やエルフ、亜人たちが住まう世界で、「魔界」は魔族が住まう最も広大な世界となっている。1000年前は人界の住人は魔界や神界の存在を認識しておらず、神界や魔界の上層部はほかの世界には不干渉の立場を貫いていたが、魔王がその条約を破って人界への侵攻を開始してしまう。結果的に魔王は勇者によって倒され、勇者の説得に応じた冥王の協力で三界は和平条約を締結し、交流を始めることとなる。

その他キーワード

感応魔法 (かんのうまほう)

宮間快人の習得した魔法。魔力の流れを敏感に「感知」して、その魔力に恐るべき速度で「適応」することに特化した魔法で、非常に珍しいタイプの魔法だとされる。高位の魔族や神族は文字どおり格が違い、垂れ流す魔力だけで周囲を威圧するが、この魔法を使えば恐ろしい速度で適応し、その者と接することができる。平凡な力しか持たないが、自分たちに委縮しない快人という存在は高位の魔族や神族にとって相当珍しく、その事実だけで彼に興味を持つ者もいるほど。ただし、恐ろしい速度で適応できるとしても、アイシス・レムナントのように適応する前に多大な恐怖を覚えさせる存在は天敵で、快人がアイシスと仲よくなれたのは彼自身の心の強さが根底にあったからだとされる。また、感応魔法によって魔力の微細な流れも感知できるため、感情を読み取り、動物たちとの意思疎通にも大きな力を発揮する。逆に自分の感情を魔力に乗せることで、相手に伝えるといった使い方も可能となっている。

宝樹祭 (ほうじゅさい)

シンフォニア王国にあるエルフの街「リグフォレシア」で行われるお祭り。エルフたちの祀る「宝樹」に実がなる時期に毎年行われる祭りで、その時期にはエルフたちだけではなく、国内外の多くから人々が集まる。リグフォレシアの宝樹とは精霊の宿る樹「精霊樹」で、リグフォレストの東にはこの樹木が生い茂り、精霊たちが暮らす「精霊の森」が存在する。宝珠の実は精霊の協力なしで収穫するとすぐに劣化してしまう性質が存在するため、宝樹祭では人と精霊が協力して実を収穫し、友好を深めるという側面が存在する。また、宝樹祭で行われる実の収穫祭では、集めた実の数を競い、優勝者は精霊と祠で一晩過ごす決まりとなっている。これは精霊に認められた証になるため、エルフたちにとってはとても名誉なことだとされる。

魔法 (まほう)

魔力をあやつり、超常現象を引き起こす技術。魔法を使うには魔力が必要とされ、これ自体は多かれ少なかれすべての人が持ち、異世界人にも存在する。ただ、専門技術であるために習得には相応の時間が必要で、魔法が発動できるようになるだけでも、人族は平均で1年ほど時間が必要となる。現在は「魔水晶」と呼ばれる魔法を扱う術式と魔力を保存できる宝石が普及しており、これを利用して作られた魔法の道具「魔法具」を扱うのが主流となっている。魔法には「火」「水」「風」「土」「雷」「光」「闇」の七属性に、無属性魔法を加えた八属性が存在するとされる。ただし、これは人族における常識で、魔族はそのまま魔力を使う「無変換魔法」と、魔法を火や水といった別の物に変換して使う「変換魔法」と考えている。人族の魔法理論は理路整然としているがその分難解で、一方、魔族の魔法理論は大雑把で感覚的な部分が多いが、その分単純となっている。ただ魔法を発動させるだけなら魔族の理論の方が圧倒的に早く、人によってはたった1日で魔法を習得できる。一方、技術者として育てるならば人族の理論の方がよいとされる。

勇者 (ゆうしゃ)

世界を平和に導いた初代勇者を讃える祭典「勇者祭」の主役に選ばれた者に与えられる役割。勇者祭は十年に一度行われる決まりとなっており、その際には初代勇者が異世界より召喚されたのにあやかって、異世界より勇者役となる異世界人を呼ぶのが通例となっている。召喚された勇者は一年間、国賓として歓待され、各地を巡って勇者役として祭典に参加することとなる。勇者召喚の術式には神々の力が深くかかわっているため、異世界からの帰還の際には神々の力を借り受けることで元の場所、時間、状態に戻されて帰還することができる。通常は召喚される人物は一人のみだが、なんらかの不具合があり、宮間快人たちは光永正義の召喚に巻き込まれる形で召喚された。異世界人には召喚された際に会話や文字を読む力が与えられるため、最低限のコミュニケーションは可能となっている。

六王 (ろくおう)

魔界を統治する六人の王の総称。それぞれ「冥王」「界王」「死王」「戦王」「竜王」「幻王」と呼ばれている。高位の魔族は情報隠蔽魔法を利用することで、第三者は情報を得ることができず、たとえ人からその魔族の名前を聞いても、第三者はその名前を正しく認識できない。冥王、幻王、死王も情報隠蔽魔法を使っているため、直に会った者でなければその名前を認識することはできない。また界王、戦王、竜王はそれぞれの事情から情報隠蔽魔法を使わずにおり、こちらは第三者も名前をふつうに認識できる。1000年前の魔王との戦いでは、魔王は六王に反逆したが、六王とは隔絶した実力差があり、冥王に物の数分で手勢ごと壊滅させられている。ただその後、魔王が人界に攻め込んだのは彼らにとっても計算外で、不可侵の取り決めで手を出すことができずにいたが、冥王が初代勇者に説得されたことで協力。魔王討伐後、勇者と冥王が尽力したことで三界の和平が実現した。

祝福 (しゅくふく)

神が人間に与える加護。防御魔法の一種のようなもので、神の力を受けることで災害や病気から身を守りやすくなる。加護の強さは与える神の格の高さに比例する。格は下から下級神、上級神、最高神となっており、さらにその上にすべての頂点である創造神が存在する。基本的に得られる加護は下級神のもので、上級神以上は一国の王でもなければ受けることができない。最高神の加護であれば、簡易的な祝福でも目にすることはまれだとされる。宮間快人は創造神であるシャローヴァナルより加護を授かるが、シャローヴァナルですら加護を与えるのが初めてだったため、効果は本人たちもよくわかっていない。クロノアによると、シャローヴァナルの加護は世界そのものの加護を受けられるとされる。

クレジット

原作

灯台

キャラクター原案

おちゃう

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