ダンダダン

ダンダダン

龍幸伸の代表作。幽霊の存在は信じていないが宇宙人の存在は信じている高倉健と、宇宙人の存在は信じていないが幽霊の存在は信じている綾瀬桃が、幽霊や都市伝説、宇宙人、UMAとジャンルを問わずさまざまな怪異に見舞われる姿を描いたオカルトアクション。集英社「少年ジャンプ+」2021年18号(4月6日)から連載。「次にくるマンガ大賞2021」Webマンガ部門で第2位、「全国書店員が選んだおすすめコミック2022」で第1位を獲得。2024年10月テレビアニメ化。

正式名称
ダンダダン
ふりがな
だんだだん
作者
ジャンル
オカルト
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊17巻
関連商品
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あらすじ

妖怪・ターボババアとの戦い

地味でまったく目立たないオカルトオタクの高倉健は、一部のクラスメイトからいじめを受けており、そんな高倉を綾瀬桃は助ける。この出来事がきっかけとなり、高倉と桃は初めて会話を交わす。そして高倉は、超能力やUFOは信じているものの、幽霊には否定的だということが発覚し、桃は反対に幽霊以外のオカルトには否定的であった。二人は意見が対立し、お互いの主張を証明しようという流れとなる。その日の夜、高倉は桃が指定した隣市の心霊スポットのトンネルへ、桃は高倉が指定したUFOの聖地へと向かう。そこで高倉は妖怪・ターボババアに呪われ、男性器を奪われてしまう。一方の桃は、宇宙人のセルポ星人によって誘拐され、繁殖活動の実験体として強姦(ごうかん)されそうになる。そんな中、桃はチャクラを刺激されたことで超能力に目覚める。さらに高倉もターボババアに呪われた影響から、人間離れしたパワーを手に入れる。こうして二人は窮地を脱するが、ターボババアの呪いによって高倉の男性器は奪われたままだった。綾瀬星子から呪いを解くためには除霊が必要だと聞かされた高倉と桃は、再びトンネルへと向かうのだった。

妖怪・アクロバティックさらさらとの戦い

ターボババアとの戦いを通して、高倉健綾瀬桃は友達のような関係を築いていた。高倉は、自らの男性器をターボババアから取り戻したと考えていたが、金玉がないことに気づく。ターボババアは高倉の男性器を奪った際に、金玉を落としていたのだ。高倉の金玉は金色の球体として存在するようになり、高倉と桃は金玉を探すために奔走する。そんな中、白鳥愛羅が高倉の金玉を拾い、持ち歩いていたことによって彼女の霊力が開花してしまう。霊や物の怪(け)の類を認識できるようになった愛羅は、自らが美少女すぎるがゆえに、勇者として選ばれたのだとカンちがいする。そして、以前から愛羅に付きまとっていた妖怪・アクロバティックさらさらは、彼女を自分のものにしようと襲い掛かる。

セルポ星人の再来

白鳥愛羅は妖怪・アクロバティックさらさらとの遭遇以来、高倉健のことを意識していた。男性から非常にモテるものの恋愛経験のない愛羅は、高倉に対して的外れなアプローチを繰り返し、それを目撃した綾瀬桃は複雑な気持ちを抱く。そんな中、高倉と桃、愛羅は突如学校に張られた結界内に閉じ込められてしまう。その結界を張ったのは以前桃が襲われたセルポ星人で、高倉と桃の生殖器を狙って襲い掛かって来る。ターボババアの力を使った高倉と超能力を使える桃のコンビに加え、アクロバティックさらさらの能力を使えるようになった愛羅と共に、セルポ星人を相手に奮闘する。しかし、セルポ星人はさまざまな能力を駆使する宇宙人と契約しており、三人は窮地に追い込まれてしまう。

走る人体模型

妖怪や宇宙人との戦いを通じて、高倉健は徐々に綾瀬桃のことを意識し始めていた。そんな中、桃の家に彼女の幼なじみで初恋の相手でもある円城寺仁がやって来る。円城寺はある日突然、目の前に正体不明の歪(ゆが)んだ顔を持つブリーフ姿の男が現れるようになり、お祓(はら)いを頼んだ霊能力者たちも次々と命を落としたため、知人の伝手(つて)で綾瀬星子を頼って来たのだ。こうして桃と円城寺はしばらく同居することになり、高倉はモヤモヤとした気持ちを抱く。そんな中、高倉たちが通う高校の人体模型がまるで生きているかのように動き出し、どこかに向かって全力疾走をする事件が発生。人体模型の股間に金色に光る物体を見た高倉と桃は、高倉のまだ発見されていない片方の金玉ではないかと考え、あとを追うことにする。

仁を呪っている者の正体

円城寺仁の前に現れるようになった、歪んだ顔を持つブリーフ姿の男の正体を探るため、高倉健綾瀬桃は三人で仁の自宅がある温泉街へと向かう。到着した仁の家には特別変わったところはなく、桃は温泉を楽しむために出かける。すると桃は、そこが混浴温泉だと知らずに入浴したことで、街の男性たちに囲まれてしまう。しかし、勝手について来たターボババアのおかげでなんとか難を逃れた桃だったが、これが街で幅を利かせている鬼頭一族のしわざだと知る。仁の自宅に戻った桃だったが、鬼頭一族の女性たちによって高倉と仁は暴行を加えられていた。鬼頭の一族は大蛇の怪異から温泉街を守ってもらうため、ほかの土地の者を定期的に生贄(いけにえ)として捧げていたのだ。こうして、高倉と桃は大蛇の怪異と戦うことになるが、歪んだ顔を持つブリーフ姿の男は、鬼頭一族によって理不尽に捧げられた男児であることが判明。そして仁は、思わず男児の境遇に同情してしまう。

テレビアニメ

2024年テレビアニメ化。10月3日よりMBS・TBS系列「スーパーアニメイズムTURBO」枠にて放送。アニメーション制作はサイエンスSARU。キャストは高倉健を花江夏樹、綾瀬桃を若山詩音が演じる。

登場人物・キャラクター

高倉 健 (たかくら けん)

とある高校に通うオタクの男子。非常に地味な外見とおかっぱ頭で、丸眼鏡を掛けている。女子にまったく免疫がない。UMAやUFOが大好きで、オカルトに傾倒しているが、幽霊の存在は信じていない。また自己評価が非常に低く、友達もいないため、せめて宇宙人と交流することにあこがれている。一人称は「ジブン」。学校でクラスメートからは「オタク、キモい」という扱いを受けている。クラスメートのヒマ潰しに紙屑を投げられてイジメられている姿を目撃され、綾瀬桃に助けられて友人となる。その後、幽霊は信じているが、UFOを信じていない桃と口論になり、心霊スポットのトンネルに一人で赴き、ターボババアに呪われ、憑依される。桃の超能力で呪いを抑えていないと憑依したターボババアが暴走してしまうため、桃とつねにいっしょにいなければならず、トイレや着替えをはじめ、プライバシーがまったくない状況に追いやられていた。ちなみに呪われたことで、男性器がなくなっている。憑依したターボババアの力を使うことができ、そのあいだは超人的な身体能力を発揮するが、思考が超ネガティブになり、やる気が著しく低下する。基本的には喧嘩や戦闘はからきしだが、桃と同様に土壇場ではみごとな機転を働かせる。また、全力を出せるのは1日2回までという制約がある。ターボババアの力を発揮する状態を「変身」と呼んでいる。ターボババアを不完全とはいえ除霊したあとは、桃の超能力で制御しなくても呪いが暴走することはなくなり、高倉健自身の意思で変身できるようになった。なお、桃は大ファンである俳優の高倉健と同姓同名であることに抵抗を覚えており、高倉がオカルト好きであることにちなんで「オカルン」と呼んでいる。初登場時の髪型はストレートの刈り上げだったが、桃の自宅に立ち寄った際に、憑依したターボババアに綾瀬星子が張った結界が引っ掛かって頭と体に火がつき、現在はパーマを当てたような髪型になっている。

綾瀬 桃 (あやせ もも)

高倉健と同じ高校に通う女子で、高倉とはクラスメート。非常に美麗な顔立ちで、男子からの人気も高い。友人は派手なギャル系が多く、クラスのカースト上位に位置している。言葉づかいは祖母である綾瀬星子に似て非常に汚い。俳優の高倉健の大ファンで、当然好きなタイプは「健さんみたいな人」だが、友人たちからは「そんな男は絶滅した」といわれている。高倉健と容姿や性格が似ている男性が理想だが、顔が似ているという理由だけで、金をせびるか彼女の体にしか興味のない男と付き合っていた。たまたま助けることになったオタクの名前が「高倉健」で一人称が「ジブン」、そのオタクが問い詰められた際の言い訳の言葉が「ジブン、不器用なんで」という高倉健要素が盛りだくさんだったため、シンパシーを覚えて友人となった。祖母と二人暮らしをしており、祖母の霊媒師という職業柄、幽霊の存在は信じているが、超能力やUMA、UFOなどのオカルトの類いはまったく信じていない。そのことで高倉と言い争いになり、UFOが現れるという廃ビルへ一人で赴き、「セルポ星人」という宇宙人に拉致される。その際、脳波に念力を当てられ、チャクラが開いて超能力に目覚める。能力は目視できるものを「なんでもつかめる力」で、高倉に取り憑いたターボババアを炎としてイメージし、「握る」ことで呪いを抑えていたが、つねにその状態でないとならないため、プライバシーはなく、取り憑いたターボババアの除霊に動き出す。戦闘中の機転にも長けており、敵から壁にめり込むほど撃ち込まれながら「結界の外」という安全圏を確保したり、市外に敵を誘導しないといけなかった時は、遠距離から電車を「つかんで」連れ出すなど、敵の裏をかく頭脳戦を得意としている。ちなみに男性との恋愛経験はあるが、まだ見ぬ高倉健のために処女を守り通している。

綾瀬 星子 (あやせ せいこ)

綾瀬桃の祖母。桃も綾瀬星子本人も祖母だと語っているが、外見が異常に若く年齢不詳で、近所では「美魔女」扱いされており、自称もしている。シワのない若々しい顔と抜群のスタイルを誇り、「昇天ペガサスMIX盛り」並みに髪を盛っている。部屋着はキャミソールにホットパンツを身につけているが、なぜか腹巻きを愛用している。霊媒師として活躍中で、素顔を隠してテレビにも出演している。芸名は「ドドリア三太」。霊媒師としての実力は本物で、対峙したアイドルの詐称した年齢や家族構成まで言い当てることができる。神社を自宅として使用しており、神社の敷地に結界を張って悪霊から身を守っている。ターボババアをはじめ、キャリアの長い悪霊や妖怪に詳しく、対処法も熟知している。除霊もできるため、ターボババアに取り憑かれた高倉健にも適切な対処を施す。星子自身がオカルトに浸かった生き方をしているにもかかわらず、超能力やUMA、UFOなどはまったく信じていない。何かとあおる癖があり、霊と会話するとき以外は基本的にふざけていて言葉づかいも汚い。テレビ番組『志村けんのバカ殿様』の大ファンで、志村けんを「日本の宝」だと絶賛している。

ターボババア

高倉健たちの住むとなり町の心霊スポットであるトンネルに出現する悪霊。昔は「100キロババア」と呼ばれていた。時速100キロの驚異的なスピードで駆け、カーブも減速せずに走ることができる身体能力を持つ。ターボババアに遭遇したあと、走って逃げ出す者を追いかけ「呪い」という形で憑依する。トンネルに居着いた地縛霊と融合し、悪霊としてとてつもない力を得ている。その力は綾瀬星子から「自分の縄張りの中ではほぼ無敵」と評されるほど。たまたま訪れた高倉に憑依し、暴走しようとするが、綾瀬桃の超能力によって抑え込まれる。しかし、抑え込まれたのも一時的なもので、超能力が緩めば時を止め、高倉の目に映った人間を攻撃できるという、チート級の強さを持っている。伝説級の悪霊ということもあり、星子に「縄張りから連れ出す」という対処法を知られていた。強さゆえの慢心から桃の挑発に乗って除霊されるが、完全には除霊されておらず、高倉の体から追い出されたあとは綾瀬家にあった招き猫の人形に意識だけ移り、ターボババア自身の力は高倉の中に残したままになっている。

白鳥 愛羅 (しらとり あいら)

高倉健と同じ高校に通う女子。自他共に認める美少女で、男子からの人気も非常に高い。自分の容姿に絶対的な自信を持っており、いたずらに地味なオタクの高倉に優しく接して自分に惚れさせようとする。男子にモテるものの、恋愛経験はまったくない。幼少期に母親が亡くなっているため、父子家庭に育つ。子供の頃に「アクロバティックさらさら」という妖怪を母親とまちがえたことをきっかけに、以降ずっと付きまとわれている。高倉の金玉を拾って持ち歩くことで、霊力が覚醒して、霊や異能の力が見えるようになった。愛羅本人は美少女すぎるがゆえに、世界を救う力を与えられたと本気で思っており、超能力を使った綾瀬桃の姿を見てからは桃を悪魔だと思い込んでいる。アクロバティックさらさらに襲われた際に、一度死亡したが、桃にアクロバティックさらさらの魂を愛羅の魂とつなげられ、一命を取り留める。以後、アクロバティックさらさらの力を使えるようになる。

円城寺 仁 (えんじょうじ じん)

綾瀬桃の幼なじみの男子高校生。桃とは小学生までいっしょだったが、中学校に進学するタイミングで地方の温泉地に引っ越した。ある日突然、目の前に正体不明の歪んだ顔を持つブリーフ姿の男が現れるようになり、綾瀬星子に助けを求める。その流れで桃の自宅に居候することになり、高倉健とも親しくなっていく。爽やかな容姿を持つ美少年で、コミュニケーションの能力が高いこともあり、かかわった女子からは非常にモテる。一方で円城寺仁自身も男子に興味がないことから、同性には敵が多いタイプ。桃の初恋の相手でもあるが、現在は愛想を尽かされており、相手にされていない。周囲からは「ジジ」と呼ばれている。

フラッドウッズモンスター

セルポ星人の仲間の宇宙人。性別は不明。人間の言葉を話すことはできるが一方的で、意思疎通を図るのは難しい。セルポ星人と同様に高倉健の男性器を狙っており、綾瀬桃の自宅を襲撃する。3メートルを超える身長と怪力を誇り、まるで相撲取りのようなふくよかな体型をしている。両手を地面についたら負けという、相撲のようなルールで高倉と戦う。

アクロバティックさらさら

大柄な女性の姿をした妖怪。サラサラの黒髪に赤いワンピースを身につけ、鋭い無数の牙が生えた大きな口を持つ。動きが非常に素早く、アクロバティックな技を駆使して人間を襲う。単語に「お」を付けて話す癖があり、「お不良(ツッパリ)」など独自の言い回しをする。以前、白鳥愛羅から母親だと間違われたことに喜びを覚え、ずっと彼女につきまとっている。愛羅が特別な霊力を持つ高倉健の金玉を拾って持ち歩いていたことから、彼女の霊力が覚醒して自分の姿を認識されるようになる。愛羅を自分だけのものにしたいと考えており、彼女の命を狙っている。妖怪になる前は人間で、貧しい生活の中でも必死に幼い娘を育てる優しい母親だった。

集団・組織

セルポ星人 (せるぽせいじん)

綾瀬桃の前に現れた宇宙人の集団。セルポ星人たちが住む星ではオスしか存在せず、生物的な進化を遂げることなく、皆同様の見た目をしている。また、感情を持てなくなっており、進化するためにメスの桃を誘拐し、犯したあとに生殖器を奪って研究しようと画策している。ふだんは髪を七三分けにした中年男性のような見た目をしているが、戦う際には網目模様の奇怪な宇宙人の姿にも変身できる。

書誌情報

ダンダダン 17巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2021-08-04発行、 978-4088825991)

第2巻

(2021-10-04発行、 978-4088828046)

第3巻

(2021-12-03発行、 978-4088828541)

第4巻

(2022-03-04発行、 978-4088830469)

第5巻

(2022-05-02発行、 978-4088831039)

第6巻

(2022-08-04発行、 978-4088832081)

第7巻

(2022-10-04発行、 978-4088832708)

第8巻

(2023-01-04発行、 978-4088833705)

第9巻

(2023-03-03発行、 978-4088834146)

第10巻

(2023-05-02発行、 978-4088835037)

第11巻

(2023-08-04発行、 978-4088835990)

第12巻

(2023-12-04発行、 978-4088837260)

第13巻

(2024-01-04発行、 978-4088838410)

第14巻

(2024-04-04発行、 978-4088838977)

第15巻

(2024-07-04発行、 978-4088840543)

第16巻

(2024-10-04発行、 978-4088842271)

第17巻

(2024-11-01発行、 978-4088842592)

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