となりの稲荷

となりの稲荷

山奥の田舎にある足継村に引っ越してきた男子高校生の岩戸開は、稲荷神を名乗る狐面をかぶった奇妙な人との出会いをきっかけに、数々の怪異を体験していくこととなる。軽妙な会話で展開されながらも静かな恐怖を秘めた、日常系オカルトコメディ。「Palcy」で2018年10月4日から配信の作品。

正式名称
となりの稲荷
ふりがな
となりのいなり
作者
ジャンル
オカルト
 
ギャグ・コメディ
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あらすじ

高校進学に伴い、名古屋から山奥の田舎の足継村に引っ越してきた岩戸開は、周辺の探索をする中で駄菓子屋の横に小さな祠を見つけ、何げなくお参りをしてみることにした。だが、開が高校でも学年一の成績をおさめられるようにと願うと、祠からは「断る」という一言が返ってくる。驚いた開が祠を開けようとすると、突然狐の面をかぶった青年が現れる。願いをかなえてほしい開と、そんな気などさらさらない青年はかみ合わない会話を交わす中で、青年は「腕塚には行ってはならない」という一言を発する。開はその言葉の意味を確認しようとするが、そこに一人の少女、逆左右さくらがやって来る。この駄菓子屋で暮らしているさくらは、青年が「」という名の正真正銘の稲荷神であることを開に明かし、同時に開が同じ高校に通うことを知って、さっそく友達ができたと喜びをあらわにする。一方の咲は、さくらになれなれしく接する開に対して警戒感を抱く。(第一話「新しい町」)

登場人物・キャラクター

岩戸 開 (いわと かい)

身探(みさがせ)高校に通う1年生の男子。金髪ショートヘアで、キツい目つきをしたイケメン。クールで落ち着いているように見えるが、実際は明るい性格で何事に対しても物おじせず、少々なれなれしいところがある。名古屋から足継村に引っ越してきたばかりで、地元の風習にはなじみが薄く、足継村近辺では神様や妖怪がふつうに見えることに対しても、当初はまったく認めていなかった。一方で、逆左右さくらをはじめとする地元の人々との触れ合いを通じて、足継村ではこれらの事象がふつうであることを知ると、あっさり受け入れるなど順応性が高い。また、怖いもの知らずで非常に好奇心が強く、自分が身をもって体験したことでなければ納得しない部分もあり、危険な怪異にもためらいなく首を突っ込みがち。そのため、産土神(うぶすながみ)の足継彦打瀬尊や稲荷神の咲、さくらをはじめとした古くから足継村に住む友人たちには、心配されると同時に、その行動力を強く警戒されている。クラスメートの定国圭助や渡恭平とよく行動を共にしており、グループ内ではボケ役を担当している。実は、中学時代は学年で一番の成績をおさめていたほど成績がよく、身探高校の入試にもトップ合格を果たしている。

逆左右 さくら (さかそう さくら)

身探(みさがせ)高校に通う1年生の女子で、岩戸開のクラスメート。黒髪ロングヘアで黒目がちな大きな瞳を持つ。実家は駄菓子屋で、すぐとなりに咲の住む祠がある。明るく穏やかな性格で、引っ越してきたばかりの開や定国圭助に足継村のことをいろいろと教える。

定国 圭助 (さだくに けいすけ)

身探(みさがせ)高校に通う1年生の男子で、岩戸開のクラスメート。黒髪ショートヘアで、眼鏡を掛けている。身探町に引っ越して一人暮らしを始めたばかりで、地元の風習にはなじみが薄く、足継村近辺では神様や妖怪がふつうに見えることに対しても、当初はまったく認めていなかった。一方で、逆左右さくらをはじめとする地元の人々との触れ合いを通じて、足継村ではこれらの事象がふつうであることを知ると、あっさり受け入れるなど順応性が高い。ただし、自分が身をもって体験したことでなければ納得しない部分もあり、仮に相手が神であっても、理由もなく頭ごなしに告げられたことに対しては反発しがちなところがある。クラスメートの開や渡恭平とよく行動を共にしており、グループ内ではツッコミ役を担当している。

渡 恭平 (わたり きょうへい)

身探(みさがせ)高校に通う1年生の男子で、岩戸開のクラスメート。金髪ショートヘアで目つきが悪く、口数も少ないが、無意識に他人に気遣いするような優しい性格をしている。身探町に住んでいることもあり、稲荷神を見たことはあるが、妖怪の姿は見たことがなかった。だが、身探高校に入学後は近道のために足継村を経由して登下校するようになったことで、何かと妖怪に遭遇するようになる。怖がりであるものの感情が表に出ないうえに、生来の優しい性格もあって、遭遇した妖怪たちとどんどん友達になっていく。クラスメートの定国圭助の落とし物を拾ってあげたことをきっかけに、開や圭助と行動を共にするようになる。

(さき)

逆左右さくらの家のとなりにある祠に住む稲荷神。頭に鉢巻を巻き、狐の面をかぶった青年の姿をしている。つねにさくらのことを見守っており、心配事があればそのまま彼女について学校まで行ってしまうほど。さくらにとって不都合な人間には容赦をしない。どこからか狐を取り出して、触らせてあげることを条件に相手を言いなりにさせようとするなど、譲歩を引き出そうとする癖がある。

足継彦打瀬尊 (あつぎのひこうつせのみこと)

足継村の産土神(うぶすながみ)。淡い色のロングヘアを一つに束ねた青年の姿をしている。気が弱く、すぐに社に引きこもろうとする傾向があるが、足継村の氏子であれば、誰であっても等しく守るという産土神としての自覚は非常に強い。自分のことをバカにする者に対しては反省をうながすために祟ったりもするが、根本には氏子を守るという意識があるため、その内容は携帯のストラップを巨大化させるなど、かわいらしいものにとどまる。なお、足継村の稲荷伸はそろって性質が悪いため、氏子たちが彼らに祟られたりしないように心を砕いているが、足継村の稲荷神たちはいずれも足継彦打瀬尊より力が強いこともあり、内心では彼ら、その中でも特に咲のことを恐れている。

場所

足継村 (あつぎむら)

岩戸開が引っ越してきた村。開が通う身探(みさがせ)高校がある身探町の北に隣接しており、足継村の北には「腕塚」と呼ばれる地域が広がっている。足継村や身探町を含む近隣の地域では稲荷神の姿がよく見かけられているため、地元民にはその存在を認識されているが、中でも足継村の稲荷神は特にフランクで身近な存在となっている。また、足継村だけの特徴として、稲荷神だけでなく妖怪の姿が頻繁に目撃されることが挙げられ、足継村の西は妖怪ばかりが暮らす地域になっている。ちなみにここに住むのは、人に悪さをするほかの妖怪たちに溶け込めず、かといって一人でいるのも寂しいため、姿を隠さず人々といっしょに暮らしたいと願う心優しい妖怪ばかりである。この環境作りには咲が尽力したとされ、足継村で暮らす妖怪たちは咲に深い感謝の念を抱いている。なお、産土神(うぶすながみ)や稲荷神たちからは足継村の北に広がる腕塚が強く警戒されており、身探町の産土神や稲荷神たちには、その影響から足継村までもが警戒されている。

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