あらすじ
異世界転生
見たことのない木々や謎の動物に囲まれた状態で、レイジは意識を取り戻した。自分が異世界にいることを認識したレイジは、満員電車に乗って嫌な仕事に行かなくてもよくなったことに快哉(かいさい)を叫び、なにがしかの役立つスキルを習得しているはずと、さっそく自分のステータスを確認してみる。するとそこには、「鑑定」「創薬」と記されていた。戦うためのスキルでないことに一抹の不安を覚えるレイジだったが、そんな彼のもとに、苦しそうなうめき声が聞こえてくる。声のする方を見に行くと、そこには狼のような動物が深手を負って倒れていた。気の毒に思ったレイジは、さっそく身につけたスキルを用いて、周囲の薬草から「ポーション(優)」を創作。これによって全快したその動物は、突然少女の姿となって「ノエラ」と名乗り、命を救ってくれたお礼をするため、レイジについていくと言い出す。そして近くにあるという「カルタ」の町へとレイジを誘うのだった。
若返りの薬
回復効果に優れ、非常に口当たりのいい「ポーション(優)」を雑貨屋で取り扱ってもらったことで、ある程度まとまった軍資金を手にしたレイジは、カルタに自分のドラッグストア「キリオドラッグ」を開店。店のもととなった廃屋に住み着いていた謎の存在・ミナやノエラと共に、地に足をつけた生活を開始する。アルフやガストン、ジラル・アロンゾなど町の住人や、クルルをはじめとした近隣からの客との触れ合いを通して、レイジは店で扱う商品を拡充し、異世界での生活にも慣れていく。そんなレイジの前にある日、カルタをはじめとする近隣の町や村を治める領主である、バルガス家の使いの者が現れる。彼の招きに応じてバルガス家の屋敷を訪れたレイジは、そこでフラム夫人から、一つの依頼をされることとなる。
自給自足
レイジは、フラム夫人に頼まれた「若返りの薬」は作れなかったものの、代替案で彼女の悩みをみごとに解消。さらに、強力な盗賊団に悩まされていたアナベル率いる「赤猫団」を助けたり、フラム夫人の娘であるエレインに協力したりと、レイジはその創薬の技術と人のよさで、有力な人脈をどんどん広げていく。そんなある日、薬の材料を取りに森に入ったレイジは、森に自生している薬草が減少傾向にあることに気づき、薬草を自ら栽培しようと考える。しかも都合のいいことに、実は大地主だったジラル・アロンゾが、レイジに農地を貸そうと申し出てくれるのだった。こうして薬草の栽培を始めたレイジは、新たに植えた作物を枯れにくくする「栽培エース」のスキルを身につける。
ミナの秘密
ミナは、薬草の採取などで危険な目に遭うこともあるレイジやノエラを心配し、自分も屋敷の外に出たいと考えていた。だが、ミナが屋敷から一歩でも外に出ると、実体でいるか霊体でいるかにかかわらず、なぜかリビングのソファーに瞬間移動してしまう。このことをミナに相談されたレイジは、リビングの調査を開始。ミナから、過去の住人がリビングを改装したことがあるという情報を得たレイジは、屋敷を「キリオドラッグ」に改装した際に世話になったガストンを家に呼び、リビングの床下を見てみたいと願い出る。「エナジーポーション」を飲んでレジェンドバージョンに変貌したガストンは、本来3日かかるはずの作業を1日もかからずあっという間に成し遂げ、リビングの下にあった地下室への入り口を構築するのだった。地下室に降りたレイジは、書斎のようなその部屋で、ミナの母親の形見であった「フリューレ家のブローチ」を発見する。
関連作品
小説
本作『チート薬師のスローライフ ~異世界に作ろうドラッグストア~』は、ケンノジの小説『チート薬師のスローライフ ~異世界に作ろうドラッグストア~』を原作としている。一二三書房「ブレイブ文庫」から刊行され、イラストは松うにが担当している。
メディアミックス
TVアニメ
2021年7月から9月にかけて、本作『チート薬師のスローライフ ~異世界に作ろうドラッグストア~』の原作小説『チート薬師のスローライフ ~異世界に作ろうドラッグストア~』のTVアニメ版『チート薬師のスローライフ ~異世界に作ろうドラッグストア~』が、TOKYO MX、BS11、AT-Xで放送された。監督は佐藤まさふみ、脚本・シリーズ構成は金杉弘子、キャラクターデザイン・総作画監督は住本悦子が務めている。キャストは、レイジを福島潤、ノエラを松田利冴、ミナを熊田茜音が演じている。
ネット配信アニメ
2021年7月から、本作『チート薬師のスローライフ ~異世界に作ろうドラッグストア~』の原作小説『チート薬師のスローライフ ~異世界に作ろうドラッグストア~』のTVアニメ版『チート薬師のスローライフ ~異世界に作ろうドラッグストア~』が、dアニメストアで配信された。ビデオマーケットやGYAO!、DMM動画ほかでも随時配信。監督は佐藤まさふみ、脚本・シリーズ構成は金杉弘子、キャラクターデザイン・総作画監督は住本悦子が務めている。キャストは、レイジを福島潤、ノエラを松田利冴、ミナを熊田茜音が演じている。
登場人物・キャラクター
レイジ
突然、なんの前触れもなく異世界に転生した青年。年齢は24歳。本名は「桐尾礼治」だが、異世界の人々には「レイジ」と呼ばれている。異世界に転生した時に「鑑定」「創薬」のスキルを身につけ、もともとまったく知識がないにもかかわらず、薬を創作できるようになった。また、植物などを見るだけで、創作に必要なものか判別することも可能。のちに、植えた作物が枯れにくくなる「栽培エース」のスキルも習得する。異世界に転生し、森の中で目を覚ましたところで、深手を負って倒れていたノエラを発見。創薬スキルを生かしていきなり「ポーション(優)」を作り出し、ノエラの命を救ったことで懐かれ、彼女に案内された「カルタ」の町を訪れる。のちにミナのいた廃屋を改装してドラッグストア「キリオドラッグ」を開店し、カルタに腰を落ち着けることとなる。ノエラには、「あるじ」と呼ばれている。レイジの作る薬は、かつて住んでいた現代日本にあったものとイメージが近く、異世界に一般的にあるものと比べると、効能はもちろん飲み薬の場合は味にも優れる。優秀なポーションを作る技術と、誰かのためにその腕を惜しまない人のよさから、カルタの住人には「薬神」「錬金術師」などさまざまな名で呼ばれて慕われている。基本的にツッコミ気質で、何か腑に落ちないことがあると突っ込まずにはいられない。また、少々あまのじゃくなところがあり、純粋なミナをふざけてからかって楽しんだりと、趣味の悪い一面もあるが、根は非常に優しい。実は恋愛経験がほとんどなく、その点において少々コンプレックスを抱いている。
ノエラ
人狼の少女。かわいらしい顔立ちで、狼のような耳と尻尾を持ち、片言で話す。森の中で深手を負って倒れていたところを、転生して異世界にやって来たばかりのレイジに発見され、彼の作った「ポーション(優)」を飲んで一命を取り留めた。以後はレイジのことを「あるじ」と呼び慕い、彼と行動を共にするようになる。少女の姿をしているときは小柄だが、狼のような姿になることも可能で、その際はレイジを背中に乗せて走ることもできる。ちなみに、ノエラ自身はあくまで自分は「人狼」であると主張しており、「獣人」と言われると怒る。
ミナ
レイジがノエラに案内されてやって来た「カルタ」の町の廃屋に住む、謎の存在。おっとりとした胸の大きな美少女で、少々天然気味でドジなところがある。本来は人の目には映らないが、実体化することも可能で、体の一部だけ、または特定の人物にだけ見えるようにもできる。ミナの存在により、彼女が暮らす屋敷はカルタの住人には気味悪がられており、同時に長いあいだ屋敷が取り壊されずに残る理由にもなっていた。住む場所を探していたレイジが、アルフに紹介されて屋敷を訪れた際に知り合い、ドラッグストアを作りたいという彼に共感して協力するようになる。すでに死んでいることもあり、レイジには幽霊扱いされているが、ミナ本人は家の守り神を自称し、望みは屋敷に住んだ者が幸せな生活をすることと語っている。ちなみに屋敷から離れることはできず、一歩でも外に出ると瞬時にリビングのソファーに移動してしまう。実はこれは、床下の地下室に置かれていたミナの母親の形見「フリューレ家のブローチ」の力によるもので、ミナが一定の距離を離れると、フリューレ家のブローチの近くに引き戻されるためであった。このことが発覚してからは、フリューレ家のブローチを持ち歩くことで、屋敷の外にも出られるようになった。
アルフ
「カルタ」の町で雑貨店を営む男性。最近五人目の子供ができたが、稼ぎの悪さを理由に妻に厳しく当たられ、生傷が絶えない状態にある。レイジが売り込んできた「ポーション(優)」の味と効能に魅了され、むしろ頭を下げて自分の雑貨店で扱うことを願い出る。これにより、店は大繁盛してレイジとウィンウィンの関係を築き、彼が異世界で生きていくための基盤をつくることに貢献した。また、住む所を探していたレイジとノエラに、ミナが暮らしていた廃屋を紹介したのもアルフである。少々自分勝手で、「革命」という言葉が好きな何かと暑苦しい性格だが、もともと住む所がなかったレイジとノエラを自分の家に来ないかと誘ったり、食事をごちそうしたりと人がよく、その人柄はレイジにも好感を抱かれている。
ガストン
「カルタ」の町で大工を営む老人。年齢は80歳を過ぎ、腰が曲がってつねにプルプル震えており、耳も遠く、人に何か聞かれるとすぐにばあさんとの馴れ初めを語り始める。かつてはレジェンドとしてほかの大工仲間たちからあこがれられる存在だったが、現在は思うように動かない自分の体を嘆いている。レイジから、ミナが暮らしていた廃屋をドラッグストア「キリオドラッグ」に改装する依頼を受けた際、レイジの作った「エナジーポーション」で往年の体力と筋骨隆々とした体格を取り戻し、本来1週間以上かかる改築作業を1日でやってのける。ちなみにこの姿は、レイジに「レジェンドバージョン」と呼ばれている。その後も、屋敷に関して困ったことがあるとレイジに呼ばれ、エナジーポーションでレジェンドバージョンになっては即座に問題を解決している。なお、レジェンドバージョンになると体格が変化するだけでなく、バトル漫画のキャラクターのように勢い任せで威勢のいい口上を長々と述べたり、妙なアクションポーズを取ったりするようになる。その姿は、ミナやノエラには「二重人格」「ただ狂気」などと評されている。
クルル
エルフの青年で、リリカの兄。涼しげな目元をした優雅な物腰の美形。近隣では一番の弓の腕前を持ち、カルタ祭の催し物で弓の長距離狙撃を披露する予定だった。だが、最近になって急に的に矢が当たらなくなってしまい、どうにか改善する薬はないかとレイジのドラッグストア「キリオドラッグ」を訪れた。その外見と口調に反して実際はつかみどころのない飄々とした性格の男色家で、レイジの尻に自分のナニを入れる、または自分の尻にレイジのナニを入れるなどと、尻の話を主体に下ネタばかりを口にし、レイジを困惑させる。ちなみに弓の腕前が低下していたのは、練習のし過ぎによる目の疲れが原因であった。
リリカ
エルフの女性で、クルルの妹。レイジが驚くほどの美人。クルルのことを心から敬愛しているが、彼が最近ドラッグストアの「デイジー」なる人物にご執心のあまり、様子がおかしいことを心配してドラッグストア「キリオドラッグ」を訪れた。当初、ミナのことを「デイジー」だと勘違いしていたが、「デイジー」とは恐らく「レイジ」の聞き間違いであること、そしてクルルが実は男色家で何かとレイジにせまっていることを聞かされ、大きなショックを受ける事態となった。その際、クルルの性欲が抑えられれば男色の気も多少は治まるのではないかと考えたレイジに、鎮静剤「強ランデンエキス」を創作してもらう。だが、クルルを正気に戻したいと焦るあまり大量に薬を投与したために、ひと騒動を起こすこととなってしまう。実はクルルの妹でありながら、弓矢の扱いが非常に下手という弱点を抱えている。
ジラル・アロンゾ
「カルタ」の町で暮らす少年。フェリスと最近付き合い始めたばかりだが、心配性で異常に嫉妬深いフェリスに刃物を突き付けられて追い回される日々が続いており、精神的に疲弊している。一度はフェリスと別れようと思ったものの、当然彼女がそれを受け入れるはずもなく、たまたま知り合ったレイジに助けを求める。彼にリラックスできるお茶「ランデンフラワー茶」を創作してもらったことで、フェリスがよく眠れるようになり、精神的に安定したおかげで、彼女との穏やかな交際を再スタートさせる。この一件以来、レイジとは友人として親しくするようになるが、フェリスが精神的に不安定になるとすぐにドラッグストア「キリオドラッグ」に飛び込んで相談を持ち掛けてくるので、レイジには鬱陶しがられている。実は多くの畑を所有する、カルタでも名を知られた地主の一家で、ジラル・アロンゾ自身が当代の主となっている。なお、これによって仕事もせずに昼間から恋人とイチャついていても生活できるのかと、レイジには軽い妬みも込めて「勝ち組リア充」と評されている。レイジのことは友人と考えており、乱獲を避けるために自ら薬草を栽培しようと考えた彼に無料で土地を貸し出したりと、少々気弱なところはあるが人柄はいい。
フェリス
最近、ジラル・アロンゾと付き合い始めた少女。もともと心配症でネガティブ思考だったところもあり、何かとジラルのことを心配してばかりいる。心配が高じて夜も眠れず、現在は非常に嫉妬深く情緒も不安定で、何かあるとすぐに人に刃物を突き付けてせまるようになった。心配のあまり夜も眠れないという点に目を付けたレイジに、リラックスできるお茶「ランデンフラワー茶」を創作してもらい、夜にぐっすりと眠れるようになったことで、元の穏やかな性格を取り戻す。実はカルタの隣町の豪商の娘で、ジラルとの交際は親も公認となっている。
アナベル
「カルタ」の町の警備を任う傭兵団「赤猫団」の団長を務める女性。露出の多い鎧を身につけたクールな美女で、優れた剣の腕前を持ち、本気になると相当な威圧感を放つ。口調は荒っぽく傍若無人に振る舞うこともあるが、根はまじめで酒も飲まず、博打もしない。一方で、照れ屋で少々子供っぽいところがあり、本音とは裏腹なことを言うときには声が非常に小さくなる癖がある。レイジが作る「ポーション(優)」の味にハマってしまい、団の備蓄をちょろまかしては資金難を招いていたが、レイジが作る新商品のモニターを赤猫団で行う代わりに、ポーションを無料で分けてもらう契約を締結し、問題を解消する。部下のドズが、自分たちの手に負えない事態を迎えるとレイジに協力を仰ぎたがるが、そのことについては団の恥を外にさらすとして、あまり快く思っていない。ただし、なんだかんだでドズとは仲がよく、いいコンビとなっている。
ドズ
「カルタ」の町の警備を任う傭兵団「赤猫団」の団員の男性。団長を務めるアナベルの腹心で、大柄な体型でスキンヘッドの強面。ある日、レイジが食堂で新商品の売り込みをしていた際に、「ポーション(優)」の味にハマったアナベルが不必要にポーションを浪費してしまうため、どうにか安く分けてもらえないかと願い出た。レイジが作る新商品のモニターを赤猫団で行う代わりに、ポーションを無料で分けてもらう契約を締結。以来、レイジのことを非常に信頼し、自分たちの手に負えない事態を迎えると、彼に協力を仰ぐようになる。このことについては、団の恥を外にさらすなとアナベルに叱責されることもあるが、なんだかんだでアナベルとは仲がよく、いいコンビとなっている。
フラム夫人
「カルタ」の町の領主・バルガス家の夫人。年齢のわりに肌のコンディションが悪く、晩餐会などで諸侯から「老け顔」と嘲られていた。レイジの噂を聞きつけ、若返りの薬の創作を依頼するが、そのためには非常に希少な材料が必要ということもあり、期間的な理由でその依頼を受けてもらうことはできなかった。その代わりとして、レイジに「美容ジェル」を創作してもらい、彼の言うとおりに毎晩肌のコンディションを整えることに腐心。これが功を奏し、外見を大幅に若返らせることに成功する。ただし、これは美容ジェルの効果もさることながら、それによってフラム夫人が自らに自信を持ったことも大きな一因であった。
エレイン
「カルタ」の町の領主・バルガス家の娘。フルネームは「エレイン・フェーン・ドラン・バルガス」で、金髪のロングヘアを縦ロールにした、かわいらしい少女。晩餐会で意中の相手であるガラルド家のラースを落とすため、母親であるフラム夫人の紹介で、ホレ薬を作ってもらうためにレイジのドラッグストア「キリオドラッグ」を訪れた。まだ幼く、また上流階級の貴族ゆえに高慢で気が利かないところはあるが、実際は根は非常に素直。エレインの身分をまったく意に介さない一方で、毒舌口調とは裏腹に自分を子供扱いして親切にしてくれるレイジのことを、「変な人」呼ばわりしつつも憎からず思っている。ノエラには、その髪型から「マキマキ」と呼ばれており、エレイン自身は気づいていないが、レイジを巡る恋のライバルとして警戒されている。一方でエレインの方は、同年代の友達が少ないこともあり、ノエラのことを気に入っている。のちに、キリオドラッグの手伝いをしたことをきっかけにノエラとは和解し、友人として交流するようになる。
ヒーズ
中年の男性冒険者。口ひげと顎ひげを生やした強面で、バイキングヘルムと鎧を身につけており、二人の男性冒険者と行動を共にしている。人を襲うコドラを倒す依頼を受け、協力を求めてドラッグストア「キリオドラッグ」を訪れた。冒険者として相応の実力を持つが、態度が尊大で少々自己中心的なところがある。一方で、これまであまり縁がなかったこともあって女性に弱く、純情な一面がある。コドラの調査に出向く際、レイジのついでながらミナにお弁当を作ってもらったのをきっかけに彼女のことを気に入り、以降、キリオドラッグを訪れる際はタキシードを身にまとい、花や焼き菓子など、ミナへのプレゼントを持参するようになる。ただしミナには、自分のことを変な目で見ていたと嫌われており、完全に空回りしている。
コドラ
「カルタ」の町の近くにある森に棲む、口から火を吐く小型のドラゴン。森を守る存在だが知能が高く本来は温厚で、森を崩壊させるほどの何かがなければ、基本的には静観している。木こりや漁師の存在も許容しており、ふだんは人間の前に姿を現したり、ましてや攻撃を仕掛けたりすることはない。そのため、人間にはその存在すらほとんど知られておらず、コドラの本質を知るのは、ノエラなどごく少数の者に限られる。最近になってコドラに襲われたという報告が多数上がるようになり、ヒーズがコドラ討伐の依頼を受けることとなった。ノエラの話と現状の相違に違和感を覚えたレイジが調査したところ、食料となる木の実が森に不足しがちになったために、コドラが幻覚作用のある「アリマナ草」を常食していることが発覚。レイジの作った「解毒薬」により、正気を取り戻す。
ポーラ
「カルタ」の町の道具屋で店主を務める若い女性。昼は道具屋の店番、夜は持ち込まれた物の修理で寝るヒマもないほど忙しく、レイジのドラッグストア「キリオドラッグ」で販売している「エナジーポーション」を愛飲して頑張っている。明るく気さくな性格で、少々なれなれしいところがあり、たまたま包丁を買いに道具屋を訪れたレイジに、なんの気なしに道具や武器防具の修理が簡単に行えるようになる薬の制作を依頼。彼が「超強力接着剤」を生み出すきっかけをつくった。
集団・組織
赤猫団
「カルタ」の町で活動している傭兵団。領主の依頼により、カルタの警備を担っている。団長はアナベルが務め、団員にはドズなどがいる。まじめに仕事をしているが、領主からもらっている依頼料は決して高くはなく、財政的には芳しくない状態が続いている。アナベルの好物である「ポーション(優)」を無料で分けてもらうことを条件に、ドラッグストア「キリオドラッグ」の新商品のモニターとなる契約をレイジと結び、以後は何かと彼とかかわることが多くなる。ドズをはじめとする団員たちはレイジのことを信頼しており、彼のことを「薬神」と讃えることもある。
場所
キリオドラッグ
レイジが「カルタ」の町に開店したドラッグショップ。もともとはミナが暮らしていた廃屋だが、ガストンをはじめとする経験豊富なレジェンド大工たちが改装することで新たに生まれ変わった。レイジが「鑑定」「創薬」スキルを活用して作った薬が売られている。なお、看板には「キリオドラッグ」と書かれているが、カタカナのために異世界の住人にはなんと書いてあるのかわからない。
クレジット
- 原作
-
ケンノジ
- キャラクター原案
-
松うに
- 協力
-
一二三書房