テガミバチ

テガミバチ

異世界アンバーグラウンドを舞台に、郵便配達員の少年ラグ・シーイングが、相棒の半人半獣の幼女ニッチと共に、行方不明の母親と自分の恩人ゴーシュ・スエードを探し求める冒険ファンタジー。物語が進むにつれて、政府が秘密裏に何か実験を行なっていることや、反政府組織の暗躍など、話のスケールが次第に大きくなってゆく。緻密につくりこまれた世界観が魅力のひとつであり、単行本の巻末には詳細な設定資料が載っている。

正式名称
テガミバチ
ふりがな
てがみばち
作者
ジャンル
アドベンチャー
関連商品
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概要・あらすじ

四方を海で囲まれ、夜が明けることがない異世界の国アンバーグラウンド。そこでは町から町へテガミを運ぶ国家公務郵便配達員BEE(通称テガミバチ)という職業が存在する。テガミを狙う巨大生物鎧虫の襲撃を潜り抜け配達を続けるBEEは危険な職業だが、少年ラグ・シーイングはこの職業に憧れ、試験を合格しBEEの職に就く。

ラグは何者かに連れ去られた母親を探していたが、憧れの先輩BEEゴーシュ・スエードも行方不明になっていることを知り、配達業務をこなしながら、両者を探し続ける。多くの鎧虫や反政府組織リバースなど、様々な困難がラグを襲うが、彼は仲間とともにそれを切り抜け、目指す先へと進んで行く。

登場人物・キャラクター

ラグ・シーイング

銀色の髪を持つ少年。最下層区域ヨダカ出身。左目の義眼は赤色の精霊琥珀で出来ている。7歳のころに郵便配達員BEEのゴーシュ・スエードにテガミとして配達された。その道中でBEEの仕事の意義を知ったラグは、ゴーシュに憧れ続け、12歳の時に念願のBEEに採用された。 相棒(ディンゴ)は半人半獣の幼女ニッチ。ゴーシュの妹シルベットの家に暮らし、BEEとしての仕事をこなしつつ、行方不明となったゴーシュの行方と、何者かに連れ去られた母親の行方を探している。とても泣き虫で、感情が高ぶるとすぐ泣いてしまう。心弾を撃つときの技名は「赤針(アカバリ)」。

ニッチ

金色の長い髪に海色の瞳。外見は小さな女の子で、口調もとても幼いが、実際は二百年以上生きているらしい。母親の胎内にいる時に伝説の生物「摩訶(マカ)」の影響を受け、特殊な半人半獣として生まれた。手首から先は鋭い爪の獣の手となっている。髪を自分の意志で自由にあやつったり、刃物のように硬く鋭くすることができる。 その高い戦闘能力で郵便配達員ラグの相棒(ディンゴ)として彼を守る。名前を持っていなかったが、ラグと出会ったときに彼女が壁の隙間に座っていたことから「ニッチ」と名付けられる。見世物小屋に売られかけていたが、ラグになつき、相棒(ディンゴ)となる。パンツをはく習慣はなかったが、ラグに注意され、彼が持っていたデカパンをはくようになる。 ニッチにとって、ラグのデカパンをはくということは相棒の証である。

ステーキ

『テガミバチ』に登場する動物。見世物小屋で幼女ニッチと出会い、以後いっしょに行動するようになる。当初はニッチが食べるために連れてきたので、ステーキと名付けられた。四足歩行で、体の大半を大きな口が占める。言葉はしゃべれないが、人語は理解できるようである。鎧虫の関節の隙間を発見し指摘するなど、ラグとニッチのコンビにとって役立つ存在になっている。 医者で生物科学博士のDr.サンダーランドJr.によると、カペルマイスターという絶滅したと思われた古代種の生き残りだという。ニッチの頭の上が定位置。

ゴーシュ・スエード

郵便配達員BEEの一員。相棒(ディンゴ)はロダという名の犬。心弾を撃つときの技名は「黒針(クロバリ)」。足の不自由な妹シルベットを治療する費用のため猛烈に働いていたが、首都アカツキに勤務しはじめてすぐに行方不明となった。どうやら記憶を失い、現在は反政府組織リバースの一員となり、略奪者(マローダー)としてテガミを奪う活動に従事しているらしい。 以前の自分を捨て、現在はノワールと名乗っているようである。

シルベット・スエード

ゴーシュ・スエードの妹。ラグとは同い年の12歳。生まれたときから足が動かず、車椅子で生活している。ユウサリで一人で暮らしながら、行方不明になった兄を待ち続けていた。ラグと出会い、彼に兄の使っていた心弾銃「夜想曲(ノクターン)第二十番」をさずける。オリジナルの特製スープを作るのが得意だが、その味はラグいわく「ゲボマズスープ」で、どうやら兄ゴーシュ以外の人間には不評のようである。

ラルゴ・ロイド

ユウサリとヨダカに唯一存在する郵便館BEE-HIVE(ビーハイブ:通称ハチノス)の館長。黒ぶちメガネが特徴的な長髪の若い男性。館長という身分を隠し、情報収集や珍獣捕獲のために各地を旅して回ることもある。

アリア・リンク

郵便館BEE-HIVE(ビーハイブ:通称ハチノス)の副館長。メガネをかけた若い女性。行方不明になった郵便配達員BEEのゴーシュ・スエードとは幼なじみ。楽器を奏でることで、精神回復効果のある心弾「管弦楽組曲第三番(G線上のアリア)」を撃つことができる。

コナー・クルフ

郵便配達員BEEの一員。小太り体型の少年。相棒(ディンゴ)はガスという名の犬。地雷型の武器「心地雷(しんじらい)」を爆発させて闘う。技名は「黄爆(キバク)」。BEEの試験を受けるラグを会場まで案内した。食いしん坊で大食い。

ザジ

郵便配達員BEEの一員。尖った髪型が特徴的な、きつい目つきの少年。相棒(ディンゴ)はヴァシュカという名の黒豹。心弾を撃つときの技名は「青棘(アオトゲ)」。幼いころに両親を鎧虫に襲われて亡くした。鎧虫に復讐するためBEEになったので、配達業務よりも鎧虫殲滅を優先させている。 悪意の欠片を心弾として撃ち出す。

鎧虫 (がいちゅう)

『テガミバチ』の舞台に生息する生物。町と町の間にひそむ。人間の持つ「こころ」に反応し、旅人や郵便配達員BEEを襲う。鎧のように硬い外殻に身を包んだ昆虫のような姿をしている。様々な種類が存在するが、全て非常に凶暴で、巨大。関節の隙間に心弾を撃ち込み、体内に「こころ」を響かせることで鎧虫は退治できる。BEEは鎧虫退治用に心弾を撃ち出す様々な武器を所持している。

集団・組織

リバース

『テガミバチ』に登場する組織。反政府活動を行なう非合法集団。ユウサリとヨダカの各地に隠れ家を持つ。「精霊になれなかった男」と名乗る黒づくめの長髪の男が首領。首都アカツキでは政府が富を肥やすために恐ろしい実験を行なっていると糾弾し、政府への復讐と、首都が隠している秘密を暴くことを目標としている。

場所

アンバーグラウンド

『テガミバチ』の舞台である国名。夜が明けることがない。四方を海で囲まれ、中心部から、上流階級が暮らす首都アカツキ、中産階級が暮らすユウサリ、下等階級が暮らすヨダカの3つの区域で構成されている。首都アカツキは政府が選んだ人間のみ居住を許され、人工太陽に照らされている。国の外に向かうほど闇と貧困が増してゆく。 区域は分断され、通行証がなければ行き来不可能。国を統治している「女帝」は宗教的にも頂点に立ち、最高聖職者として崇められている。

その他キーワード

テガミ

『テガミバチ』の舞台で配達される物体の総称。アンバーグラウンド国家公務郵便配達員BEEによって配達される。通常は紙の手紙や贈り物など物品だが、配達用紙が貼られ切手料金に不足がなければ、生物でも人間でもテガミとして配達の対象となる。7歳だった少年ラグも配達用紙を左肩に貼付され、BEEのゴーシュ・スエードによって配達された。 送り手から受取人に向けた「こころ」が込められているので、テガミを所持する者は「こころ」に反応する鎧虫にしばしば襲われることになる。配達に危険が伴うため、郵便料金はとても高額である。

BEE (びー)

『テガミバチ』に登場する職業。アンバーグラウンド国家公務郵便配達員のこと。通称テガミバチ。国じゅうの町から町へ旅をし、国民のテガミを届ける任務。相棒(ディンゴ)と組んで二人一組で行動する。相棒(ディンゴ)は動物でも人間でも種類は問われない。最高称号者はヘッド・ビーと呼ばれる。蜂のマークが縫い付けられた帽子など、制服がある。 鎧虫退治用に心弾を撃ち出す様々な武器を各自で所持している。

心弾 (しんだん)

『テガミバチ』に登場する技の名前。自分自身の「こころ」の欠片を撃ち出す行為。大地の霊的エネルギーが実体化した精霊虫が樹脂などに閉じ込められ琥珀と化した「精霊琥珀」に持ち主の「こころ」を響かせることで撃ち出すことが可能となる。郵便配達員BEEが襲ってくる鎧虫を退治するために用いる。攻撃用の心弾以外にも、疲れている人間に撃ち込み「こころ」を回復させる心弾などもある。 「こころ」を消費するので、あまり使用しすぎると使い手は疲弊してしまう。

アニメ

テガミバチ REVERSE

どんな危険が伴おうとも、なんでも「テガミ」として送り届ける国家公務員「BEE」、通称「テガミバチ」。幼い頃に自らを守り届けてくれたゴーシュ・スエードに憧れ、「テガミバチ」の採用試験を見事突破したラグ・... 関連ページ:テガミバチ REVERSE

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