テラーナイト

テラーナイト

月見隆士の代表作。平成末期の日本を舞台に、都市伝説として語られる恐怖の怪異たちが人間とペアを組み、オカルティックな異能力バトルを繰り広げる。「口裂け女」「八尺様」「きさらぎ駅」など、オカルト界のスターたちが集結するドリームマッチに加え、随所に散りばめられたユーモアあふれるギャグシーンが見どころとなっている。小学館「裏サンデー」で2017年1月から2019年1月まで連載。

正式名称
テラーナイト
ふりがな
てらーないと
作者
ジャンル
バトル
 
その他ホラー・オカルト
レーベル
裏少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
全5巻完結
関連商品
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インターネットで拡散された恐怖の怪異たち

本作に登場する「恐怖(テラー)」は、SNSを通じて目撃情報が飛び交う謎めいた存在である。その正体は、都市伝説として語られる恐怖譚が人々の深層心理に呼応し、怪異として具現化したもの。しかし、目撃情報のある恐怖は、インターネットを介して広まった歴史の浅い恐怖譚に由来するものばかりであり、昭和の街談巷説(がいだんこうせつ)に由来する恐怖は確認されていない。そのため、遠野セイに取り憑いた口裂け女は、特異な存在として関係者の注目を集めている。

「恐怖」の潜在能力を引き出す「語り部」

「恐怖」と呼ばれる化物に取り憑かれた人間は「語り部(テラー)」と呼ばれる。語り部を得た恐怖は潜在能力を覚醒させ、その恐怖譚に由来する超常の力を扱えるようになる。たとえば「きさらぎ駅」の場合は、電車を用いて標的を異空間に隔離することができる。ただし、一人の人間に取り憑くことのできる恐怖は一体のみで、語り部が死亡した場合、恐怖もまた消滅してしまう。

口裂け女とセイがペアとなり「恐怖の夜」に挑む

「恐怖」は、消滅すると黒い気体のような存在に変わる。そして、ほかの恐怖は、それを喰らうことで成長する。恐怖がほかの恐怖を喰らうことは本能的な行動であり、力を巡る殺し合いは宿命とも言える。口裂け女に取り憑かれ、その語り部となった遠野セイは、「恐怖の夜(テラーナイト)」と呼ばれる殺し合いに巻き込まれる。セイは降り掛かる火の粉を払いのけるように、ほかのペアと壮絶な死闘を繰り広げることになる。

登場人物・キャラクター

遠野 セイ (とおの せい)

とある高校に通う男子。アルバイトで生計を立てている。年齢は15歳。目つきが悪く、冷たい人間だと誤解されがちだが、実際には孤独な人々に寄り添う優しさを持っている。父親の英志は民俗学者でありながら、オカルトへの偏愛が原因で失踪し、母親も英志に愛想を尽かして家を出て行った。現在は、オカルトマニアでニートの姉、ヘブンとアパートで暮らしている。家族を離散させたオカルトを嫌っていたが、誤解から口裂け女に好かれ、彼女のような恐怖の怪異たちが殺し合う「恐怖の夜」に「語り部」として参戦することになってしまう。なし崩し的に口裂け女と同棲することになるが、内心では彼女を憎からず思っており、交流を重ねるうちに、恐怖はただの怪異ではないと考えるようになる。やがて、セイ自身は人間に害を成す恐怖を狩る京獄紅(くれは)の活動に協力することになり、その過程で英志と再会することになる。

口裂け女

伝説の怪異「口裂け女」の「恐怖」。長髪をピンクに染めている。現代的なガーリーな服装を身にまとい、マスクを着用している。見た目はふつうの女子中学生のようだが、感情が高まるとその擬態が崩れ、口が耳まで裂けてしまう。料理が得意な一方で、デジタル機器の扱いは苦手。ストーカー気質で、容姿を侮辱されたり裏切られたりすると、激怒して相手を八つ裂きにしようとする。最強レベルの力を秘めた恐怖で、100メートルを6秒で走るという伝承に恥じない驚異的なスピードを誇る。さらに、鉈(なた)を具現化する能力を持ち、その切れ味はコンテナを両断するほど。のちに、より強力な大鋏(ばさみ)や大斧(おの)も具現化できるようになった。セイに恋をし、恐怖の怪異たちが殺し合う「恐怖の夜」の「語り部」となり、彼のアパートで暮らすようになった。かつての姿は、昭和に行われた恐怖の夜に参戦していた口裂け女「咲」と酷似していたため、やがて彼女も「咲」という名で呼ばれるようになる。

書誌情報

テラーナイト 全5巻 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2017-07-12発行、978-4091276551)

第2巻

(2017-10-19発行、978-4091280084)

第3巻

(2018-03-19発行、978-4091282170)

第4巻

(2018-08-17発行、978-4091284457)

第5巻

(2019-02-12発行、978-4091288363)

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