デザートイーグル

鷹見沢林檎は、ある出来事がきっかけで同じ高校に通う鷲尾一期と友人になり、彼と共に母親を陥れた仇敵である御手洗雲好を追い詰める。しかし御手洗はただの使い走りで、林檎は彼が電話で口にした「衛東」と「國宮」こそが真の黒幕ではないかと推測する。そんな中、一期はかつて兄貴分として慕っていた國宮天が結成した「天一連合」が、さまざまな悪事に加担していることを知り、天が自分と林檎の仇敵だと確信する。天才的な頭脳を持った林檎と、腕力と度胸に優れた一期。対照的な二人は強い友情で結ばれ、やがて新宿全土を巡る陰謀に立ち向かうこととなる。

「天一連合」は國宮天が数年前に結成した武闘派集団で、芸能事務所やホストクラブ、キャバレークラブ、ITなど、さまざまな企業を手広く展開していた。しかし現在は半グレ組織に成り下がっており、麻薬売買やフロント企業を悪用した詐欺、脅迫、恐喝など、多くの犯罪に手を染めている。さらに、新宿の統一に加えて政財界を巻き込んだ陰謀を企てており、悪質な立ち退き交渉で市民の住居を奪うなど目的のためなら手段を選ばない。かつて天が高潔な志を持っていたことを知る鷲尾一期は、彼が悪行に手を染めていることを見過ごすことができず、天一連合と真っ向から対立する。なお、「天一連合」の由来は天と一期の名前から取られており、天は一期を初期メンバーの一人として迎え入れるつもりだった。

鷲尾一期は、宿敵である天一連合を瓦解させるために行動を起こすが、戦いの中で唯一無二の親友･鷹見沢林檎や、思い人の桃瀬桜と離れ離れになったことで意気消沈する。そんな中、一期は獅子神黒光のスカウトを受けてセキュリティ会社「雷音」に所属することになり、職務をとおして天一連合の内情を知り、反撃の糸口をつかむ。一方の林檎は、母親を陥れた仇敵の一人と思われていた衛東の意外な正体を知ると、彼と手を組んで一期とは別の形で天一連合の不正を暴くために奔走する。そして2年後に再会を果たした二人は、雷音のメンバーや新宿の裏組織に大きな影響力を持つ冠城大成たちを仲間に加え、新宿を私物化しようと企む天一連合に最後の戦いを挑む。