女神の鬼

女神の鬼

舞台は80年代の広島県。主人公ギッチョを中心に、それぞれ「王様」を目指す不良少年たちの抗争を描いたヤンキーバイオレンス漫画。前半は広島の暴走族を巻き込んだ抗争、後半では「鬼」と呼ばれる更正不可能な不良少年たちを集めた鎖国島での争いが描かれる。同作者の『BADBOYS』『BADBOYS グレアー』『莫逆家族』と世界観を共有した作品。

正式名称
女神の鬼
ふりがな
めがみのおに
作者
ジャンル
不良・ヤンキー
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概要・あらすじ

1979年、広島。「王様」を夢見て暴れ狂う日々を送っていた小学生佐川義(ギッチョ)は、鬼に扮した男たちが子供を追い回す「鬼祭り」の日に四人の鬼たちと出会う。花山靖原真清虎鮫茂(ハンニャ)、望月隆(マンバ)、あまりの凶暴さゆえにほかの不良少年たちからも疎まれ追われていた4人の圧倒的強さを目の当たりにしたギッチョは、彼らに憧れを抱くようになる。

しかし、敵対グループに追い込まれた4人は全員逮捕されてしまう。やがて時は経ち1983年。ギッチョは中学校へ進学し、小学生時代の仲間たちと変わらず暴れまわっていたが、ある単車を手に入れたことで状況は一転、一帯の暴走族すべてを巻き込んだ抗争へと巻き込まれる。

抗争は激闘の末、数名の逮捕者、一名の死者を出し決着。憧れの男たちを失い目標を失ったギッチョは、ある噂を耳にする。それは「更正不可能な不良少年たちが集められた島」があるというもの。そこには法もなく、純粋に力が強い者が「王様」になれるという。ギッチョは島を目指すことを決意。島行きを許されたもう一人の仲間・アキラと共に島へと向かうのであった。

登場人物・キャラクター

佐川 義 (さがわ よし)

ツリ目で髪は金髪。母と三人の姉と暮らす、佐川家の長男。元ヤクザの祖父・佐川茶吉の血を色濃く受け継ぎ、凶暴で喧嘩っ早く傲慢な性格。反面、仲間思いで、どこか人を惹きつける魅力を持っているためか、慕うものは多い。幼いころ母に暴力を振るうろくでなしの父に立ち向かうため、強くなって「王様」となることを決意。 小学生時代からコージ、ドッチ、コンチャン、タニケンら仲間たちと、悪ガキ相手に暴れ回っていた。1979年の「鬼祭り」の際、鬼役だった花山靖、原真清、ハンニャ、マンバと出会い、交流を持つ。中学生となってからは、小学校時代に転校した先で出会ったショーチャン、アキラを加え、宿敵金田勝一を狙っていた。 ある日、四代目極楽蝶総長の三浦治と中尾鷹彦に計られ、極楽蝶入り。その際、深紅のCBXを手に入れたことで、本来の持ち主である陴威窠斗五代目総長内海鄭司に狙われることに。内海に完膚なきまでに叩きのめされ、その強さと度量の大きさに惚れ込むようになる。内海もまたギッチョを認め、正式にCBXを譲り受けた。 五代目極楽蝶総長になったが、大物たちが次々と街を去ったため意気消沈していた。その後鎖国島の噂を聞きつけ、松尾永一の審査を合格しアキラとともに島入り。真清と再会し、真清率いる東側グループに入るも、自分が「王様」になるためアキラと独立した。

山本 浩司 (やまもと こうじ)

小学一年生のときギッチョを負かし、以降ライバル視されるようになる。空手道場の先輩原真清に憧れており、弱視が原因で虐められていたときは、自身も目が悪かった真清に励まされたこともある。中学生となってからは、ギッチョらと行動を共にしつつ真清のチームフレイヤに入る。その後、鎖国島行きを望むが、松尾永一からはキレたときもどこかに理性を保てるタイプで、根は優しい男と判断され、不合格となる。

土居 竜也 (どい たつや)

にこやかで、女好きな性格。エロ本や情事の現場を探り当てる「エロセンサー」を持つ。小学生のころからギッチョと同級生で、中学になってからも行動を共にしていた。四代目極楽蝶総長の三浦治と中尾鷹彦に、単車と引き換えに極楽蝶入りを迫られるが拒否し、廣島ナイツの一員となる。鎖国島行きを望んでいたが、松尾永一からは手癖と女癖は悪いが島行きレベルじゃないと判断され、不合格となる。

谷 健太郎 (たに けんたろう)

小柄で気弱な性格。小学生のころからギッチョと同級生で、中学生になってからも行動を共にすることが多いが、足手まといになってばかりだった。廣島連合と陴威窠斗の抗争の際は、金田勝一に拉致された後、極楽蝶の三浦治と中尾鷹彦に利用され、争いの火種をまいた。抗争の後は東紳彌の策もあり、すべての糸を引いていた「裏社会のドン」と恐れられるようになる。 さらに六代目極楽蝶総長に就任した。

藤永 晃 (ふじなが あきら)

坊主頭でギッチョの仲間たちの中では一番身長が高い。小学生時代から金田勝一とは同級生で、対立していた。打倒金田を狙うギッチョたちとそのころ出会い、以降行動を共にしている。金田への憎悪が産む激しい暴力性もあり、鎖国島行きの審査に合格。独立し「王様」の座を狙うギッチョ唯一の仲間となる。

平野 障一 (ひらの しょういち)

兄の影響でロック好きとなり、「ロッケンローの王様」を目指している。自身で改造した、空気銃の扱いに長ける。小学生のころ転校してきたギッチョと対決し、以降行動を共にするようになる。金田勝一とも、そのころから因縁がある。鎖国島行きを望んでいたが、松尾永一からは音楽という現実的な夢を持っているという理由で不合格となる。

原 真清 (はら まさきよ)

フレイヤ初代総長。小学生一年生のころから弱視と遠視に苦しみ、苛立ちのまま暴れ狂っていた。ある日、同じく目の悪かった佐川舞から手製のアイパッチを貰い、救われた。以降、彼女を「女神」と崇め慕うこととなる。また、上級生だった北丸蛍に虐められていたところを、ハンニャとマンバに助けられ、初めて仲間の存在を意識、変化が訪れる。 そのため、仲間を傷つけられると激昂し、手が付けられないほど凶暴になる。中学生になってからはハンニャとマンバと組み暴れ回り、「青空町の3バカ」と恐れられていた。1979年の「鬼祭り」の際は「ハヤブサ」に扮した。そこでギッチョと出会い、舞の情報と引き換えに彼の子分となった。 その後、雛石顕治の策にはまった北丸蛍らの襲撃を受け、暴走の末検挙、鎖国島へと渡った。ギッチョと島で再会したときには、東側の総大将となっていた。

虎鮫 茂 (とらざめ しげる)

フレイヤ幹部。原真清に小学生のころ負けて以来、彼を慕い付き従っている。女好きで、巨根の持ち主。陴威窠斗初代総長虎鮫金次郎の従弟で、自身も陴威窠斗の一員だったが、脱退している。1979年の「鬼祭り」の際は「ハンニャ」に扮したことからギッチョたちからはハンニャと呼ばれている。 北丸蛍の襲撃事件で真清、マンバと共に検挙される。1983年に出所するが、真清の後を追って鎖国島入りした。島では東側に所属。

望月 隆 (もちづき たかし)

フレイヤ幹部。ハンニャと同じく小学生のころから原真清を慕い付き従っている。眉なしで髪型はスキンヘッド。「ばはは」という笑い声が特徴。1979年の「鬼祭り」の際は「マンバ」に扮したことからギッチョたちからはマンバと呼ばれている。真清、マンバと共に検挙された後、ハンニャと共に鎖国島入りし、東側の一員となる。

花山 靖 (はなやま やすし)

一匹狼の不良少年。原真清とは犬猿の仲。相手を選ばず暴れ回っていたため、陴威窠斗などのグループからも狙われている。頭に血が上ると体中に虫が這いずり回る幻覚に襲われ、我を忘れて暴走してしまう。小学生のころ、野球で佐川愛に負け、練習を重ね再戦を果たすが、体の成長もあり簡単に勝ってしまい、愛を初めて自分を負かした人間として一生命に代えても守ると宣言。 以降、彼女のことを「愛様」と呼び慕っている。1979年の「鬼祭り」の際は最強の鬼「サクラ」に扮した。そこでギッチョと出会い愛の情報と引き換えに彼の子分となった。その後、雛石顕治の策に乗せられ襲撃してきた北丸蛍らのグループを返り討ちにし検挙、鎖国島へと渡った。 その際、逃亡中に出会った牛山玄造を舎弟にしている。ギッチョと島で再会したときには、「王様」となっていた。

雛石 顕治 (ひないし けんじ)

初代陴威窠斗メンバー。雛石顕映の兄。幼いころから「目つきが悪い」と大人たちに疎まれて育ち、はぐれ者の仲間を求め陴威窠斗に入った。自分の部屋などをサイケデリックな落書きで埋め尽くしたり、切り落とした耳を収集したりと、異常な嗜好の持ち主。牛山玄造、小野寺慎と行動を共にしており、特に牛山からは理解者として強く慕われている。 1979年には、花山靖と原真清の名を騙り北丸蛍の彼女の耳を切り落とし、北丸たちの怒りが二人に向くよう仕向けた。しかし、陴威窠斗初代総長虎鮫金次郎に制裁され、鎖国島へと渡った。ギッチョが島へ渡ったときは西側の総大将となっており、毒虫から精製した粉で東側メンバーを苦しめた。

小野寺 慎 (おのでら しん)

初代陴威窠斗メンバー。雛石顕治、牛山玄造と行動を共にしていたが、北丸蛍の彼女の耳を切り落とした雛石の暴走をきっかけに二人から離れた。牛山とは小学生のころに出会い、彼の理解者として慕われていた。その後松尾永一の下で鎖国島の運営を手伝うようになる。島の外の社会でのし上がるという野望を抱いている。

牛山 玄造 (うしやま げんぞう)

初代陴威窠斗メンバー。言語障害を持ち、自分の言葉を理解してくれる人間に飢えている。言葉が通じない相手には激昂してしまう反面、理解者には献身的な態度で接する。理解者である雛石顕治と小野寺慎に付き従っていたが、三人共々陴威窠斗から破門、雛石は倒れ小野寺からは見捨てられさまよっていたところ花山靖と出会い、彼が自分の言葉を理解していたことを知り、舎弟となる。 その後検挙され、鎖国島へと渡った。ギッチョが島へ渡ったときは「王様」となった花山唯一の仲間として、手製の罠で彼を守っている。島で出会ったンア、ギッチョとも意思の疎通が可能となる。

虎鮫 金次郎 (とらざめ きんじろう)

初代陴威窠斗総長。ハンニャの従兄。雛石顕治、小野寺慎、牛山玄造らを破門し、制裁を加えた。その後、廣島連合との抗争で松尾安三に殺害される。初代極楽蝶総長の岩さんとは対立していたものの、友情を築いていた。

北丸 蛍 (きたまる けい)

北丸薫の兄。幼いころから原真清と因縁がある。陴威窠斗の雛石顕治一派や花山靖とも敵対しており、彼らに勝つためにヤクザになることを目論む。しかし、真清と花山の名を騙った雛石に彼女の耳を切り落とされ、激昂。仲間を集めて真清たちと花山を襲撃し、駆けつけた警察官を殺害してしまう。

金田 勝一 (かねだ かついち)

五代目陴威窠斗メンバー。サバイバルナイフを常に持ち歩き、躊躇なく人を刺す凶暴な性格。幼いころ、麻薬中毒の母親に襲われ重症を負ったが、コンに助けられた。自分を殺しかけたのは義理の母親だと思い込んでいたが、ある日真実を知り狂乱し、一帯の小学校にその名を轟かせる。アキラ、ショーチャンとはそのころから因縁がある。 ある日、スーパーの店員を刺し、警察に追い込まれコンにまで重症を負わせてしまう。中学生になってからはケンエーに引き込まれ陴威窠斗に加入。抗争では裏切ったケンエーに付いた。その後、検挙され、鎖国島へと渡った。島では西側の一員となる。

近藤 裕二 (こんどう ゆうじ)

五代目陴威窠斗メンバー。小学生のころはギッチョと同級生で、仲間だった。ある日金田勝一と出会い親友となり、母親に重症を負わされた金田を救った。その後、錯乱した金田に重症を負わされてしまうが、彼を許し探し続けていた。中学生になって金田と再会、陴威窠斗入りし、ギッチョたちと敵対する。 抗争では金田と共にケンエーに付いた。その後検挙され、鎖国島へと渡った。島では西側の一員となる。

内海 鄭司 (うつみ ていじ)

五代目陴威窠斗総長。普段は朗らかだが、激昂すると手が付けられないほど凶暴となる。得意技はヘッドバット。中学生のころから圧倒的強さを持ち、唯一のライバル五島と激しく争っていた。その後、那須一夫の誘いでケンエーと共に陴威窠斗に入る。陴威窠斗五代目の跡目を巡る「一年戦争」に有力候補として参戦していたが、最愛の彼女・飛鳥を事故で失ってしまう。 実は事故が対抗派閥の頭渥美政成の仕業と知ると暴走し、渥美に顔面が陥没するほどの重症を負わせた。さらにもう一人の対抗馬であった荒木健豪を倒し、五代目総長となった。その後、極楽蝶の吉弘充行と中尾鷹彦が盗んだ愛車のCBXをギッチョが持っていることを知り、襲撃。 我を忘れて怒り狂っていたが、仲間とともに懸命に戦うギッチョたちの姿を見て正気を取り戻し、三浦と中尾を追った。ケンエーに裏切られるがギッチョたちと共に戦い勝利、ギッチョにCBXを託した。しかし、警官の銃撃からケンエーをかばい、命を落としてしまう。

那須 一夫 (なす かずお)

五代目陴威窠斗副総長。中学生のころ、内海鄭司、ケンエーと共に陴威窠斗入りした。抗争ではケンエーの裏切りに会い戦線離脱。内海の死もあり、そのまま引退した。

雛石 顕映 (ひないし けんえい)

五代目陴威窠斗幹部。小学生のころから兄・雛石顕治に憧れ、一番を目指すが内海鄭司に完敗。中学生となってからも内海に挑み続けていたが、一度も勝てず苛立ちを募らせていた。兄を切り捨てた陴威窠斗に誘われ悩んでいたところ、先に廣島連合入りしていた東紳彌に出会い、東の「二番手に甘んじつつてっぺんを狙う」という考えを聞き陴威窠斗入りを決意。 金田勝一、コンを手下とし、入院していた荒木健豪とも通じチャンスをうかがっていた。その後内海たちに追い込まれた三浦治、中尾鷹彦を従え行動を開始、内海たちと対決するが敗北。警官の銃撃から、裏切ったはずの内海に庇われ、鎖国島へと渡る。 島ではどの勢力にも付かず、亡くなった内海のため「皆で楽しく暮らせるような国」を作ることを目論んでいる。

渥美 政成 (あつみ まさなり)

四代目陴威窠斗幹部。五代目の跡目を巡る「一年戦争」では有力候補の一人だった。手下の肩にカッターナイフで三角形のマークを刻み、恐怖を武器に勢力を拡大していた。手下を使い内海鄭司の彼女・飛鳥を事故で殺害するが露見し、内海に重症を負わされた。その後、鎖国島へと渡り、西側の一員となる。

荒木 健豪 (あらき けんごう)

四代目陴威窠斗幹部。喧嘩自慢の巨漢。武器はメリケンサックを愛用している。五代目の跡目を巡る「一年戦争」では有力候補の一人だった。渥美政成を倒した勢いに乗った内海鄭司に重症を負わされ、長らく入院していた。抗争では復帰し、ケンエーらと内海を追い詰めた。その後鎖国島へと渡り、西側の一員となる。 手慰みに寄生族に暴力を振るうなど凶暴な性質だったが、ドングリマナコに重症を負わされた際に富田朝子に助けられ、少し人間が丸くなった。

東 紳彌 (あずま しんや)

四代目廣島連合副総長。「アッアッアッ」という笑い方が特徴。中学生のころ、五島がトップを取ると見込み廣島連合入り。五島の下に付きながら、チャンスをうかがっていた。そのことをケンエーには打ち明けており、共に「てっぺんの景色」を見ようと陴威窠斗入りを促した。吉弘充行と中尾鷹彦の策で廣島連合と陴威窠斗が衝突した際は、五島と内海鄭司の共倒れを狙うが失敗。 その後、松尾永一の鎖国島の候補者選びを手伝い、島入り。西側の一員となる。

下平 崇 (しもだいら たかし)

四代目廣島連合幹部、「IRON WALL」総長。フルネルソンを得意技とする。廣島連合と陴威窠斗の抗争の際、東紳彌の野望を知り、行動を共にするようになる。その後鎖国島へと渡り、西側の一員となる。

五島 (ごとう)

四代目廣島連合総長。中学生のころから内海鄭司とはライバル関係で、内海の彼女・飛鳥とも幼馴染み。廣島連合と陴威窠斗の抗争の際は、東紳彌の企みに感づき、暴走した内海を止めようとした。さらに「濁りの巣」から内海を助けるため、チームを超えた協力関係を築いた。その後、引退しヤクザとなる。

北丸 薫 (きたまる かおる)

四代目廣島連合特攻隊長。北丸蛍の弟。小学生のころからギッチョ軍団と因縁がある。廣島連合と陴威窠斗の抗争の際、内海鄭司に完敗。彼に惚れ込み、「濁りの巣」から助け出そうとした。その後鎖国島へと渡り、東側の一員となる。

吉弘 充行 (よしひろ みつゆき)

四代目廣島連合幹部、「癇癪玉(クラッカー)」総長。中学生のころ原真清に敗れ、真清の目の悪さを付いた戦法で襲うが失敗。それを責めなかったの真清の度量の大きさに触れ、罪悪感に苛まれるようになった。廣島連合と陴威窠斗の抗争では、ケンエーを倒すが、金田勝一に刺され戦線離脱。 その後鎖国島へと渡り、東側の一員となる。釣りが得意で、島では食料調達係として活躍している。

三浦 治 (みうら おさむ)

四代目極楽蝶総長。中尾鷹彦、渥美政成とは幼馴染み。中尾と行動を共にしている。常に強酸のような薬品を持ち歩いている。親戚が所有するボウリング場の廃墟をアジトとし、数多くの盗難車を隠している。単車を欲しがるギッチョたちをアジトに連れ込み、単車と引き換えに口封じのため極楽蝶に入ることを強要。 ギッチョには内海鄭司の愛車とは知らずにCBXを与え、ギッチョたちが内海に狙われるきっかけを作った。その後タニケンを拉致し、廣島連合と陴威窠斗が衝突するよう情報を流し、共倒れを狙った。さらにケンエーと接触し手を組むが、内海とギッチョたちに敗北、検挙され鎖国島へと渡った。 島では西側の一員となっている。

中尾 鷹彦 (なかおか たかひこ)

四代目極楽蝶副総長。三浦治、渥美政成とは幼馴染み。三浦と共に暗躍し、抗争の火種を作ったが、内海鄭司とギッチョたちに敗北。鎖国島へと渡り、西側の一員となる。

小金沢 務 (こがねざわ つとむ)

廣島ナイツ初代総長。異常な女好きで、彼女も三人いる。小学生のころから自分の上を行くケンエーをライバル視していた。廣島連合と陴威窠斗の抗争の際は途中で参戦し、ケンエーを狙って内海鄭司側に付いた。その後、鎖国島へと渡り、東側の一員となる。

ギザ

四代目廣島連合「癇癪玉(クラッカー)」特攻隊長。吉弘充行の舎弟。抗争の際は、ケンエーを追うも三浦治に薬品を浴びせられ戦線離脱。その後、鎖国島へと渡り、東側の一員となる。

ウルメ

四代目廣島連合「癇癪玉(クラッカー)」幹部。吉弘充行の舎弟。常に潤んだ目が特徴。抗争の後、鎖国島へと渡り、東側の一員となる。島では料理の腕を活かし、食事係を仕切っている。

ンア

四代目廣島連合「癇癪玉(クラッカー)」幹部。吉弘充行の舎弟。異常に無口で、「ンア」としか喋らない。抗争の際は、ハンニャ、マンバを相手に互角以上の戦いを見せた。その後鎖国島へと渡り、東側の一員となる。島で出会った牛山玄造の言葉を理解し、友情を結んだ。

犬飼 友栄 (いぬかい ゆうえい)

福岡市出身で、県外から鎖国島へと送られた。圧倒的強さで九州中にその名を轟かせていた。どこか内海鄭司に面影が似ていている。上陸後最初に出会った東紳彌にそそのかされ、原真清を襲撃。本気の真清と互角の戦いを見せ、友情を築いた。その後東側の一員となる。

速水 翼 (はやみ つばさ)

大阪府出身。「狂」メンバー。魚住駆を従え強姦などの凶行を繰り返し、「狂」幹部から問題視されていた。木岡徳の妹・杏を強姦の上殺害し、逃亡の末鎖国島へと渡った。島では西側の一員となる。喧嘩などの荒事は魚住に任せ、自身は逃げ回る卑劣漢。

魚住 駆 (うおずみ かける)

大阪府出身。「狂」メンバー。速水翼に心酔し、彼の敵には容赦なく撃退する。速水の強姦には手を貸していたものの、行為には参加せず、速水のストッパーでもあった。速水とともに鎖国島入りし、西側の一員となる。

木岡 徳 (きおか とく)

大阪府出身。「狂」メンバー。妹・杏を強姦した速水翼を追い、鎖国島へと渡った。その境遇を聞いた犬飼友栄、原真清と手を結び、東側の一員となる。

樋口 (ひぐち)

東京都出身。スキンヘッドの巨漢。無口で「もあ~」としか言葉を発さない。肥満体でもあり、腹部の攻撃は通用しない。人間を失神させるほどの口臭と、手製のスタンガンが武器。窃盗の常習犯で更正施設に送られていたが、職員の女性を強姦、鎖国島へと送られる。島では最初に出会ったマンバをスタンガンで失神させたのをきっかに、接触してきたものをすべて攻撃。 それを見たドングリマナコら寄生族に、「王様」と崇められるようになる。

ドングリマナコ

寄生族の一人。小学生のころから佐川夢に憧れており、ある日強姦しようと試みるも失敗し、代わりに通りすがりの女児を強姦、重症を負わせる。それがきっかけで鎖国島へと送られた。当初は西側で下僕のように扱われていたが、ギッチョが島へとやって来た際東側へと亡命した。実はギッチョの持つ佐川家三姉妹のアルバムを奪い、花山靖、原真清との交渉の手段とすることを目論んでいた。 その後、樋口を「王様」と崇め、配下となる。

松尾 安三 (まつお やすぞう)

廣島連合二代目総長。松尾栄一の孫。坊主頭で肥満体。初代総長らを殺し、二代目となったことで、恐れられている。刑務所から出所後鎖国島入りしたが、島の惨状に恐れおののき、栄一に頼み込んで島から出た。

松尾 永一 (まつお えいいち)

鎖国島の運営を行う老人。ヤクザとも繋がりを持つ権力者。ギッチョの祖父佐川茶吉のことも古くから知っている。1979年から鎖国島の運営を開始し、更正不可能な不良少年や、その親族へ直接勧誘を行っていた。その後も定期的に島へと渡り、配給品などの配送を行っている。

岩田 章 (いわた あきら)

極楽蝶初代総長。引退後は、暴走族同士の行き過ぎた抗争を止めるため、白バイ隊員となった。三浦治、中尾鷹彦と騒動を起こしたギッチョたちに、二人を止めればこれまでの問題も見逃し、五代目を名乗ることも認めると言い渡した。

佐川 愛 (さがわ あい)

ギッチョの姉。佐川家の長女。小学生のころ、花山靖を野球で負かして以降、彼にボディガードとして付きまとわれている。

佐川 舞 (さがわ まい)

ギッチョの姉。佐川家の次女。小学生のころは弱視で、同じく目が悪かった原真清に手製のアップリケを渡した。以降、彼に溺愛されている。

佐川 夢 (さがわ ゆめ)

ギッチョの姉。佐川家の三女。ドングリマナコに襲われたことがトラウマになっていたが、後に克服し、結婚した。

富田 朝子 (とみた あさこ)

ギッチョの彼女。母親に暴力を振るう父親の存在や、金田勝一に虐められていたことが原因で男に恐れを抱いていた。小学生のとき、ギッチョに助けられて子分にされ、ギッチョ軍団の桃色担当となった。中学生になってからは、暴れ回るギッチョを心配し、鎖国島行きも阻止しようとした。

その他キーワード

鎖国島 (さこくじま)

『女神の鬼』に登場する用語。広島県安芸灘に浮かぶ島。1979年、松尾永一の発案で、「鬼」と呼ばれる更正不可能な不良少年を隔離する施設へとなった。いわゆる不良少年以外にも、ペドフィリアなどを理由にで隔離された者たちも存在し、「寄生族」と呼ばれ不良たちからは下僕のように扱われながら生活している。食料は定期的な配給のほか、自給自足でまかなっている。 年に一回、島内にある女神岩に置かれた御札を奪い合う「鬼祭り」が行われ、その勝者が島の「王様」となり法律を決める権利を得る。ギッチョらが島に渡ったときは、花山靖が「王様」となっており、原真清率いる東側と、雛石顕治率いる西側に別れて対立していた。

関連

BADBOYS (ばっど ぼーいず)

裕福な家の一人息子桐木司が家出をし、暴走族グループ極楽蝶の総長になる中で、様々な人と深い友情を築いていくサクセスストーリー。 関連ページ:BADBOYS

BADBOYS グレアー (ばっどぼーいず ぐれあー)

広島の暴走族グループ廣島連合や陴威窠斗たちの抗争を中心に、広島が統一されていく様を描いた不良青春ストーリー。同作者『BADBOYS』の続編。 関連ページ:BADBOYS グレアー

莫逆家族 (ばくぎゃくふぁみーりあ)

花神町に住む元暴走族の男たちが家族となって結束。かつての族仲間からの報復に、傷つきながらも立ち向かう。バイオレンスにコメディも織り交ぜたハードボイルドピカレスクドラマ。 関連ページ:莫逆家族

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