概要・あらすじ
東雲中学1年の菊川仁義は、西日本の首領(ドン)・武島将と出会い、喧嘩をしたことをきっかけに、鬼山にいる伝説の喧嘩鬼に弟子入りをすることになる。成長した仁義は、日本が外国勢の脅威にさらされていることを知り、仲間との友情を育みながら、日本を守るため、各地の硬派たちを集結させるべく、喧嘩による戦いを繰り広げていく。
登場人物・キャラクター
菊川 仁義 (きくかわ じんぎ)
東雲中学1年の男子生徒で13歳になるまで1度も喧嘩に負けたことがなかった。アメリカ留学を前に九十九里を訪れた武島将と運命的な出会いをし、敗北よりも死を選ぼうとする仁義を武島将は「最後の硬派」と呼んだ。その後、鬼山にいる伝説の喧嘩鬼に弟子入りをして、大きく成長し、黒田闘吉との戦いをきっかけに仁義軍団の長となる。 シカゴ軍団が日本侵略に現れたことを機に、外国勢から日本が狙われていることを知り、全国各地の硬派を集結させて日本を守ろうと決意。義兄弟たちと共に活動を開始する。出生は本人も知らず、小船に乗せられ、朝陽と共に九十九里不知火海岸に流れ着いたところを王林寺の菊川道元和尚に拾われ、育てられたことしかわかっていない。 必殺技は石頭である。
武島 将 (たけしま しょう)
西日本に最大の勢力を誇り、JWCから西日本の覇権を認められている武島軍団の首領。菊川仁義の最大のライバル。長ランを着ているが、学年や年齢はハッキリしていない。部下たちからは「ドン」と呼ばれている。幼いころから日本の首領となるべく、「勝者の教育」を受け、地上に現存するすべての格闘術を10年で会得した。 1度たりとも負ける事が許されない自分を倒すことができるのは、「敗北よりも死を選ぶ男」であると師から聞いており、仁義がそのただ1人の男と認識して「最後の硬派」と呼んだ。仁義との出会い後、アメリカに留学し、日本のJWC加入を申請するが、同時にシカゴ軍団の日本進攻などを知り衝撃を受ける。
喧嘩鬼 (けんかおに)
九十九里にある岩山・鬼山に昔から棲んでいる鬼。作中で語られる「喧嘩鬼の伝説」によると、喧嘩鬼は、鬼山でケンカの修行をしており、山中を通る人に喧嘩をしかけては、負けた者の生首を引きちぎって食べてしまうという。武島将と出会った後に、菊川仁義は1週間、鬼山を彷徨って喧嘩鬼に弟子入りを志願した。 喧嘩鬼は仁義を「男坂」を上りきれるかもしれない男として認め、喧嘩の奥義を伝授することになる。
黒田 闘吉 (くろだ とうきち)
闘吉連合のヘッド。13歳の少年。部下のアンパンを禁ずるなど「軟派みてえなマネ」を嫌っている。千葉県南西の99校を傘下に入れ、次に東雲中学を目指した。菊川仁義と出会い、野球対決など通じて心を通わせ、仁義軍団結成のきっかけを作る。昭和白虎隊との邂逅では当初、梓鸞丸と梓蘭丸を見分けられず苦戦した。
赤城のウルフ (あかぎのうるふ)
本名は不明。左目にアイパッチをしている黒い学ランを着た少年。上州、赤城のウルフ軍団の頭(ヘッド)。菊川仁義の下につくために130名の部下とともに九十九里不知火海岸に現れ、仁義と春奈が武島軍団に襲われているところを救った。アーチェリーとパチンコの名人で、パチンコで打った甘栗で、ロッドを曲げるほどのパワーがある。 パチンコを使った秘打「赤城おろし」などを駆使して闘う。
梓 鸞丸 (あずさ らんまる)
会津の昭和白虎隊の総長。白い長ランような服を着た男性で、副長の梓蘭丸は弟。昭和白虎隊には、戦いは仕掛けないが侵略してくる敵は全力で迎え撃つという掟があり、梓蘭丸と争った闘吉を疑うが、闘吉の心の中の声を聞き、菊川仁義と仁義軍団に合流した。洞察力に優れ、のちに横浜百花撰のメンバーから、仁義軍団の軍師と呼ばれた。
神威 剣 (かむい けん)
「北の帝王」と呼ばれる男。妹の神威雪や仲間と共に北海道の山中に住み、木の伐採などをしている。10歳のとき、網走に流氷に乗って漂着した虎と闘って倒し、どんなものも破壊する絶対の拳と掌「虎の手」を会得した。ふだんは温和だが、いったん猛気に火がつくと完全に虎のようになってしまい、素手で大木を倒すといった強さを発揮するようになる。 菊川仁義との闘いでも、その常人離れしたパワーと強さを発揮する。
横浜のジュリー (はまのじゅりー)
横浜百花撰を率いる神奈川の首領(ドン)。男だがフランス人形のような美貌からジュリーと呼ばれるようになった。本名は不明。主武器はロッド。物心ついたときから養護施設で育ち、人間不信に陥っている。港に停泊しているカサブランカ号というボロ船で1人暮らしをしている。
島村 春奈 (しまむら はるな)
東雲中学1年の女子生徒。菊川仁義のクラスメイトで、ケンカに明け暮れている仁義のことを心配している。仁義と一緒にいることが多く、九十九里不知火海岸では仁義と共に武島軍団からの襲撃を受け、その後、梓鸞丸が率いる昭和白虎隊にも襲撃されることになった。
集団・組織
東雲中学 (とううんちゅうがく)
千葉県の九十九里付近にある中学校。菊川仁義と島村春奈が入学した時点での番長は安岡。菊川仁義が長期欠席することになった際、クラスメイトや担任教師は仁義をあまり心配してはいないようだった。
ジュニアワールドコネクション
『男坂』に登場する組織。世界各国のジュニアマフィアによって構成されている。1年に1回、構成組織のドンが一堂に会して組織同志の問題を検討し、話し合いで力の均衡を保っている。加盟国同士はお互いに暗黙の不可侵条約を結んでいるような状態のため、個々の組織が領土を増やしたい場合、非加盟国を狙うことになる。武島将がアメリカ・ニューヨークでの会合に出席した時点で、シカゴ軍団のフォアマンはその時点での非加盟国である日本への侵略を開始していた。
仁義軍団 (じんぎぐんだん)
『男坂』に登場する団体。大将は菊川仁義である。黒田闘吉が率いる闘吉連合が母体となっている。その後、ウルフ軍団、昭和白虎隊、奥羽連合、神威剣といった軍勢が加わり、勢力を大きく増すことになった。
シカゴ軍団 (しかごぐんだん)
『男坂』に登場する団体。シカゴのドン・フォアマンが率いている。JWC関係団体の中で先陣を切って日本侵略を開始した。日本進攻隊のリーダーはフレイザーで「MIDNIGHT SPECIAL」などを繰り出して菊川仁義を苦しめる。同時期にアメリカ・ニューヨークでドン・フォアマンと武島将も対決することとなる。
場所
鬼山 (きざん)
千葉県の九十九里付近にあると思われる岩山。山中を通る人に喧嘩を仕掛けては、負けた者の生首を引きちぎって食べてしまうという喧嘩鬼伝説があり、喧嘩鬼がケンカの修行をしている山だといわれている。ここで、菊川仁義が喧嘩鬼に弟子入りを志願することになる。
星龍山王林寺 (せいりゅうさんおうりんじ)
千葉県の九十九里付近にある寺。菊川仁義が住んでいる。不知火海岸に小船に乗せられて漂着した仁義を菊川道元和尚(故人)が拾い、この寺で育てた。仁義が住む家ということで、梓鸞丸が率いる昭和白虎隊や横浜百花撰の襲撃を受けた。週に2、3度、子供たちに書道教室を開いており、横浜百花撰の襲撃時には、梓鸞丸が代理教師を、赤城のウルフが子守をしていた。
書誌情報
男坂 11巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(1985-01-10発行、 978-4088517513)
第2巻
(1985-04-10発行、 978-4088517520)
第3巻
(1985-07-10発行、 978-4088517537)
第11巻
(2024-01-04発行、 978-4088836089)