ドロップフレーム

ドロップフレーム

成家慎一郎の代表作の一つで、自主制作映画とタイムリープをテーマにしている。現代日本の仙台市を舞台に、映画好きの男子高校生、刻鐘閏之介が、恋人の奏多ルウの運命を変えるために時を超えて奮闘する姿を描いたタイムリープ青春ミステリー。一迅社「月刊ComicREX」2015年4月号から2016年12月号にかけて連載の作品。

正式名称
ドロップフレーム
ふりがな
どろっぷふれーむ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
推理・ミステリー
レーベル
REXコミックス(一迅社)
巻数
全4巻完結
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予測不能のタイムリープミステリー

本作は、文化祭での上映を目指し、夏休みに五人の仲間たちと自主制作映画の撮影に励む閏之介が、さまざまな不思議な出来事に遭遇する青春活劇として描かれる。物語は、当初は少年少女たちの夏休みを彩る爽やかな日常ラブコメディのように始まる。しかし、謎めいた少女、ルウの登場をきっかけに、ミステリーやタイムリープといった要素が織り交ぜられ、平穏な日常が一変し、シリアスで緊張感あふれる雰囲気へと変貌を遂げる。物語の随所に散りばめられた伏線は、タイムリープや事件との関連性を考察する楽しみを提供してくれる。

夏休み中の出来事が運命を大きく変える

映画好きの仲間たちと共に、閏之介は自主制作映画の撮影に取り組んでいた。監督・脚本、カメラ・大道具、衣装と、それぞれが得意分野で奮闘する中、役者が不足していることに悩んでいた彼らは、ハーフの美少女、ルウと出会う。急遽参加することになったルウとの撮影が順調に進む中、閏之介とルウは惹かれ合い、恋に落ちる。しかし、閏之介は日常のさまざまな場面に言いようのない違和感を覚え、それが次第に強まっていく。そしてある日、恋人のルウが無惨な遺体として発見される。この事件をきっかけに、仲のよかった友人たちとの友情は脆くも崩れ去り、最高だったはずの夏休みは最悪の日々へと変わってしまう。

二人がそれぞれのタイムリープに挑む

愛するルウの死に混乱する閏之介は、8月の任意の日付にタイムリープできる特異な能力を持っていた。閏之介はその能力を駆使して犯人の手がかりを探し、ルウの死という未来を変えようと奔走する。試行錯誤の末、他者の未来を変えることができることに気づいた閏之介は、その能力を応用して間接的にルウを守ろうと試みる。孤独な戦いを続ける中で、閏之介はやがて事件の被害者であるルウ自身も8月にタイムリープする能力を持っていること、そしてその能力は2月29日生まれの者に発現しやすいことを知る。タイムリープできるのが8月1日のみとなったルウは、閏之介と共有した情報をもとに、自らの死を回避する行動を開始する。一方、閏之介も事件当日の8月20日に介入し、ルウを救おうとする。最悪の未来を避けるために、閏之介とルウがどのように行動し、どのような結果をもたらすのかが大きな見どころとなっている。

登場人物・キャラクター

刻鐘 閏之介 (こくしょう じゅんのすけ)

とある高校に通う2年生の男子。映画制作に情熱を注ぎ、映像編集を担当している。名前の由来は、閏年の2月29日に生まれたことにある。8月2日、文化祭の上映作品の撮影で訪れたひまわり畑でルウと出会い、瞬く間に恋に落ちる。しかし、ルウが8月20日に何者かに殺害されると友人たちは一変し、自ら命を絶つ者も現れる。ルウの死を境に、平穏だった日常は音を立てて崩れ去っていく。実は8月をランダムにタイムリープできる能力を持っており、この力こそがルウを救う唯一の希望となる。しかし、タイムリープできる日付は選べず、一度訪れた日付には二度と戻れないという制約がある。

奏多 ルウ (かなた るう)

城由理(しろゆり)学園に通う美少女。日本人の父親とイギリス人の母親を持つハーフで、交換留学生として日本にやってきた。閏之介たちが8月2日に映画撮影のために訪れたひまわり畑で運命的な出会いを果たす。役者がおらず困っていた閏之介たちのグループに加わり、ヒロイン役を務めるうちに彼に惹かれ、やがて恋人同士となる。しかし、夏祭りのデートのあと、何者かによって殺害され、彼女の遺体は無惨にもバラバラにされた状態で発見される。実は、ルウ自身も閏之介と同じく2月29日生まれで、彼と同様に8月をランダムにタイムリープできる能力を持っている。

書誌情報

ドロップフレーム 全4巻 一迅社〈REXコミックス〉

第1巻

(2015-07-27発行、978-4758065306)

第2巻

(2015-11-27発行、978-4758065566)

第3巻

(2016-06-27発行、978-4758065931)

第4巻

(2016-10-27発行、978-4758066273)

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