概要・あらすじ
1905年、中央ヨーロッパのアップフェルラント王国。首都シャルロッテンブルクで暮らす少年、ヴェルギール・シュトラウスは孤児で、スリで生計を立てている。ある日、悪党に監禁されていた少女フリーダ・レンバッハを助け出す。彼女は、王国の存亡に関わる秘密の鍵を握っていた。彼女を狙う数々の敵と対決し、冒険を重ねる中で、やがて二人は成長していく。
登場人物・キャラクター
ヴェルギール・シュトラウス
黒の短髪の14歳の少年。両親を早くに亡くし祖母に育てられるが、祖母の死後孤児となる。手先の器用さを生かし、ペンキ塗や馬車の修理をする以外にも、スリをして生計を立て一人で生きていく。正義感が強く悪漢を見ると手を出す。その性格から少女フリーダを助け、この出会いをきっかけに一緒に冒険に出ることになる。
フリーダ・レンバッハ
13歳の少女。ドイツ人だが、活発で物事の本質を理解する賢さを持つ。両親を早くに亡くし科学者の祖父に育てられる。祖父の研究が悪党に狙われ監禁される。ヴェルギール・シュトラウスに助けられ、冒険の末、外の世界を知り女飛行士の夢を抱く。
エーリッヒ
ヴェルのスリを手伝う少年。口が軽く、「つつぬけエーリッヒ」とあだ名される。ヴェルとフリーダが捕えられた際、警察に連絡してピンチを救う。その後、一緒に冒険に出る。
アルフレット・フライシャー
35歳。シャルロッテンブルク警視庁の警部。元は騎馬隊に所属し、乗馬を得意とし国内馬術競技大会のチャンピオンになるほどの腕前。ヴェルとは顔馴染みでうるさがられていたが、冒険の中でお互いに心を通わせるようになる。アリアーナを気に掛けており、彼女の危機を救う。
ヨーク・デンマン
アメリカ人。祖国アメリカでも悪事を繰り返している。アリアーナと共にフリーダを捕えた。一度フライシャー警部に逮捕されるが、アメリカ公使により釈放され、ヴェル達と戦いを繰り広げる。
ゴルツ
デンマンの部下の大男。乱暴ですぐ手を上げるが、ヴェルに倒されてパリで仕立てたコートを汚してしまったり、財布を擦られたりと間抜けなところも目立つ。
アリアーナ・ヴィシンスカ
ポーランド人の若い女スパイ。アッチラという忠実な黒い大猫を使う。打算のためにデンマンと組むが、本当の目的は別にある。祖国を失ったことに対して強く憤っている。
ツェーレンドルフ
アップフェルラント王国の騎馬憲兵隊の大佐。髭をたくわえた老兵士。元フライシャー警部の上司。女王陛下からの信頼も厚く、記録係としてヴェル達の探検に同行し、協力する。レーンホルム博士とは反りが合わない。
カロリーナ・フォン・シュタウピッツ
アップフェルラント王国の統治者。編み物を趣味とする一見温厚そうな老女だが、機知に富み、外交交渉でも大国に対して引けをとることなく小国を守り抜いている。
レオンハルト
アップフェルラント王国の幼い王子。カロリーナ女王の孫にあたる。カロリーナ女王と共に王宮に軟禁されるが、探検から戻ったヴェル達が王宮の中に進む手助けをする。
ヘルムート・フォン・レーンホルム
アップフェルラント王国の地方の町アイゼンヘルツに住む風変わりな男性科学者。王立学士院会員。ヴェル達の探検隊に加わり、様々な発明品や科学知識で冒険を助ける。ツェーレンドルフとは反りが合わない。「やつがれ」という一人称を使って話す。
クラウス・ボイスト
アップフェルラント王国の総理大臣。実直な政治家でカロリーナ女王に忠誠を尽くす。平民出身で、ノルベルト侯爵からは快く思われていない。
ゴッドリープ・フォン・ノルベルト
アップフェルラント王国の陸軍大臣。小国は大国につく以外に生存の途は無いと考え、アップフェルラント王国はドイツ帝国の一部となるべきと考えている。その実現のために様々な工作を行っている。
マグナス・フォン・デル・ウェンゼ
ドイツ帝国の将校。陸軍中将。アップフェルラント王国をドイツ帝国に併合するため、軍用列車台風(タイフーン)で乗り込もうとする。
アッチラ
『アップフェルラント物語』に登場する動物。黒い大猫でアリアーナに忠実で行動を共にし、手足となって動く。アリアーナが唯一心を許す相手。
場所
アップフェルラント王国
中央ヨーロッパに位置する架空の小国。首都はシャルロッテンブルク。カロリーナ女王が統治し、周囲を大国に囲まれ、外交戦上重要な舞台でありながら独立を保っている。
関連
アップフェルラント物語