異世界チート魔術師

異世界チート魔術師

内田健の小説『異世界チート魔術師』のコミカライズ作品。異世界に落ちて魔術師となった西村太一と吾妻凛の冒険や戦いを描く異世界ファンタジー。「月刊少年エース」2017年2月号から連載の作品。

正式名称
異世界チート魔術師
ふりがな
いせかいちーとまじしゃん
原作者
内田 健
漫画
ジャンル
転生
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

日本に住むふつうの高校生、西村太一は、友人の小野寺貴史吾妻凛と共に、平凡な学生生活を送っていた。そんな太一は登校中に暴走した自転車から凜を守った瞬間に、足下に現れた見知らぬ魔法陣の光に取り込まれてしまう。太一と凜が目を覚ました先には、広大な草原や森が続く見知らぬ光景が一面に広がっていた。そこに鋭いツノを生やした巨大な馬が襲いかかってきたことで、太一は明らかに地球ではない場所に来てしまったことに気づき、必死に凜を守ろうとする。そこに現れたのは、ベテラン冒険者のバラダーラケルタメヒリャの三人組だった。馬の魔物を退けたバラダーたちのお陰で命を救われた太一たちは、バラダーたちと共に野営することになり、彼らが冒険者であることを知った太一は、自分たちの置かれた状況を悟る。別の世界からやってきたことを話すのをためらった太一は、この異世界「アルティア」で生きていくためには、自分たちの職を見つけて金を稼ぐ必要があると考える。バラダーたちの助言を受けながら職探しをすることになった太一たちは、手っ取り早くお金を稼いで生活していくために、冒険者を目指すことになる。バラダーたちの協力を得ながら太一たちが訪問したアズパイアの冒険者ギルドでは、冒険者に必要とされる魔力の検査を受ける決まりがあった。しかし、この魔力検査を受けたところ、太一たちはギルドマスターのジェラード・ボガードの指示でミューラに連れられ、ベテラン魔術師のレミーア・サンタクルのもとへ案内されることとなる。

第2巻

魔力再検査で西村太一吾妻凛は驚異的な魔力と素質を持っていたことが判明し、彼らはレミーア・サンタクルの弟子として修業し、アズパイアの冒険者を目指すことになった。膨大な魔力を持つ太一は未知の「魔導師」、凜は「四大魔術師」とそれぞれ稀有な素養を持つことがわかり、レミーアのもとで魔力の使い方を学ぶことになる。勘の鋭い凜はすぐに習得できたものの、太一は膨大な魔力をスムーズにコントロールできずにいた。それでも根気よく修行を続けた太一と凜はレミーアたちに別れを告げてアズパイアに戻り、宿屋「ミスリル」を拠点に地道な活動を続けながら、冒険者としての経験を積んでいく。それぞれの能力を活かしてハイペースで依頼をこなし、冒険者ランクをEランクまで上げた太一たちは、宿屋で世話になっているアルメダが行方不明になったことを知り、捜索に出ていたバラダーたちをサポートして彼女の救出に成功する。しかしその裏では、街中で「落葉の魔術師」を捜す謎の二人組が、太一たちの様子を見ながら暗躍していた。数日後、簡単な採取などEランクの依頼をこなしていた太一たちに、彼らを指名する特別な依頼が入ってくる。それはギルドマスター自ら太一たちの実力を見込んだうえでの、難題の解決を直々に依頼するものだった。その内容はスラム街で密売者の現状を調査するという、Dランクの冒険者が2度も失敗しているほどの、未知の難易度を持つ依頼だった。快諾した太一と凜は兄妹のフリをしながら、ゴロツキや荒くれ者が潜む危険な酒場に潜入する。

第3巻

Dランク冒険者として順調に活動を続け、新たな仲間としてミューラを迎えた西村太一吾妻凛に、郊外の農夫たちから新たな依頼が舞い込んできた。その内容は、最近アズパイアのメリラ畑に出没する、盗賊の捕縛と畑の警護であった。盗賊による盗難事件が相次いだことで名産品であるメリラの実が減り、その影響は街全体の物価にも出ていた。カシムたちから依頼を受けた太一たちは魔物と遭遇するが、そこにいきなり現れたのはオーガとオークだった。いずれもこの地域に棲息していないはずの魔物であることから、太一たちはこの襲撃は誰かに仕組まれたものだと疑い始め、その矛先は怪しい点がいくつも判明しているカシムに向けられる。太一たちが警戒を強める中、何かを企んでいるカシムとその背後に潜む者の手によって、新たな脅威が迫ろうとしていた。北の森で密採者たちに遭遇した太一たちはすぐに捕らえるが、彼らを雇って事件を仕組んでいたのは、やはりカシムであった。太一たちは魔術師として予測できない力を秘めるカシムと戦うことになるが、彼の不気味な笑みと気配に、太一は底知れぬ不安を抱く。一方、カシムに雇われたグラミが凛とミューラの前に現れ、二人は協力して激戦を繰り広げることになる。だが、グラミの強力な魔術攻撃の連続に、凜たちは予想以上に苦戦してしまう。凜とミューラを心配しながらカシムと対峙する太一であったが、フロストエレメントを繰り出したカシムは謎の紅い玉で力を与え、凶悪な力を発動する。

第4巻

カシムグラミを退けた西村太一たちだったが、太一は謎の精霊、エアリアルの力を借りた反動で気を失ってしまう。心配した吾妻凛ミューラによってレミーア・サンタクルの家で介抱され、数日ほど眠っていた太一はレミーアの家で目を覚ますが、彼の体は魔力欠乏によってダメージを受けていた。食事をして体力を少しずつ取り戻した太一は、レミーアにカシムとの戦いでエアリアルの力を借りたことを話す。それを聞いたレミーアは、精霊の恩恵を受けてその力を行使できる太一の魔導師としての能力は、精霊と会話できる力を持つ「召喚術師」だと語る。自らの能力を不思議に思いながらアズパイアに戻り、凜たちを捜すために外出していた太一は、男たちに絡まれていた少女を助ける。初対面なはずなのに親しい態度を見せるその少女に違和感を覚えた太一だったが、彼女の正体はかつて太一を狙っていた暗殺者のアナスタシアであった。暗殺者から足を洗ったアナスタシアはアズパイアのギルドに所属し、駆け出しの冒険者として活動していた。そんなアナスタシアといっしょに、街のどこかに潜む不穏な組織の調査をすることになった太一は彼女と地下に入り、次々と扉を破壊して敵のアジトを急襲。捕らえた敵から、街中に「真紅の契約」によって強化された危険なゴブリンが潜んでいるという情報を得た太一たちは、ゴブリンの居場所を調べたうえで街を守るために奮闘するのだった。一方、街中で行動していた凛とミューラは、何者かに尾行されているような怪しい気配に気づいていた。

第5巻

地下に連れ去られたミューラの救出に成功した吾妻凛は、魔力温存のために黒幕のロドラと戦うことを避け、彼女と共にその場を脱出する。一方、アズパイアの地下で敵を倒しながら進む西村太一アナスタシアは、奥の魔法陣に踏み込んだ瞬間に謎のゴーレムと遭遇。ゴーレムの強力な一撃が飛んできた瞬間、直撃を受けそうになったアナスタシアは死を覚悟するが、太一によって助けられる。魔力強化した太一によってゴーレムはみごと撃破され、再び彼に命を拾われたと自覚したアナスタシアは、今までにない安らぎを感じるのだった。さらに奥に進んだ太一たちは、ゴーレムをあやつっていた魔術師の二人組、ミロメロに出会う。ミロとメロの後ろには大量のレッドゴブリンが潜み、二人はそれらを街に放とうとしていた。だが、太一の忠告を聞かずにゴブリンを放とうとしたミロたちは、暴走したゴブリンたちに逆に襲われてしまう。強い恐怖を感じて太一たちに助けを求めたミロとメロは、間一髪で彼の攻撃に救われる。一方、地上では「真紅の契約」によって凶暴化した大量のレッドゴブリンがアズパイアに放たれる危機が迫る中で、アレンの報告を受けたギルド全体が重い空気に包まれていた。さらに3000匹もの魔物の大軍が外から迫っている脅威を知った凜は、ミューラと共に街を守り抜くことを決意する。そこにギルドから呼び出しを受け、異変を感知したレミーア・サンタクルが現れ、凜たちは彼女と共に防衛戦に参加することになる。

第6巻

アズパイアを狙った大量の魔物たちによる大侵攻がついに始まり、レミーア・サンタクルが大魔術を発動するまでの時間稼ぎをしていた吾妻凛ミューラは連携を繰り返しながら、魔物が街に侵入するのを防ぎ続けていた。時間稼ぎが成功してレミーアの魔術が発動し、巨大竜巻の中に多数の魔物が飲み込まれていく。一方、地下のレッドゴブリンを一掃してミロメロを仲間にした西村太一は、竜巻が起こった場所に凜たちがいると確信し、戦地を目指して動き出していた。その後もレミーアとジェラード・ボガードが先頭に立って善戦するも、強力なレッドオーガだけはレミーアの強力な魔術でも無傷のままだった。凜たちは全力を出して対抗するものの、レッドオーガの圧倒的な力に苦戦を強いられてしまう。多くの魔物との物量戦を前に、冒険者たちが徐々に疲労の色が濃くなっていく中、凜は太一が現れると信じながらも、レッドオーガに勝つのをあきらめる。そんな凜のピンチに颯爽と現れたのは、戦場に駆けつけた太一だった。仲間と合流した太一は一気に反撃を開始し、冒険者たちは疲労を見せながらも気力を取り戻し、次々と魔物を倒していく。太一は魔力で身体強化をしたうえでレッドオーガを相手取り、彼に援護を任されたミロとメロも加勢し、さらなる反撃で敵を追い詰める。だが、レッドオーガとの戦闘の最中に超巨大なツインヘッドドラゴンが突如出現。未知の存在の乱入により、事態はさらなる混乱に陥ってしまう。

第7巻

アズパイアを襲う魔物たちを食い止めた西村太一は、戦いに乱入したツインヘッドドラゴンの強大な力の前に敗北する。さらに戦いの途中で何者かにあやつられたアナスタシアが乱入し、敵の攻撃を受けて命を落としてしまう。絶体絶命の大ピンチの中で、太一はついに魔導師としての能力を覚醒させ、再び遭遇したエアリアルと正式に契約を交わす。吾妻凛のもとへ戻った太一は亡くなったアナスタシアを彼女に託し、ツインヘッドドラゴンに移動を提案したうえで、再び勝負を申し込む。エアリアルの力を借りることができた太一は、先ほどとは違う強力な力を手に入れ、ツインヘッドドラゴンとも互角に渡り合えるようになっていた。2頭から放たれた強力なブレスを止め、ダウンバーストを放った太一はツインヘッドドラゴンに勝利。敗北を素直に認めたツインヘッドドラゴンは、ある者から依頼を受けて太一と戦ったことを語ってその場を去る。いくつもの疑問を残しながらも、激しい戦いに勝利した太一は凜のもとに戻り、喜びを分かち合いながらアズパイアへ戻るのだった。事件からしばらくして、アズパイアは少しずつ復興が進み、人々にも元の日常や笑顔が戻ってきた。街を守り抜いた太一たちは、特訓をしたり実験に付き合ったりなど、束の間の平和な日々を楽しんでいた。そんな太一たちのもとに、エリステイン魔法王国の王家から使者が訪ねて来る。ジルマール・エリステインの使者を名乗るアルセナは、街を魔物から守った実力者である太一たちに、協力を仰ぎたいと申し出る。

第8巻

エリステイン魔法王国の王都「ウェネーフィクス」の上層部は、国際化に力を入れる「国王派」と、それに反発する「王弟派」に分かれて内乱の危機にあった。アルセナの案内を受け、西村太一吾妻凛ミューラレミーア・サンタクルと共に、王都へ向かう。太一たちを呼び出したシャルロット・エリステインは、彼と凛をアルティアに召喚したのは自分だと打ち明ける。さらにシャルロットは、内乱の鎮圧に協力すれば元の世界に帰す方法を探すと約束し、太一と凜は元の世界に戻るために彼女に手を貸すことになる。改めて国王のジルマール・エリステインと謁見した太一は、その場でエアリアルを召喚することで召喚術師としての力を見せると同時に、国王派の裏切り者をあぶり出すことに成功。ジルマールの信頼を得た太一は、いくつかの条件を出したうえで、国王派に加勢することになる。太一たちは優雅な王城生活を楽しみながら準備を整えていたが、スミェーラ・ガーヤから戦闘力を確認したいと練習試合を申し込まれる。剣術と肉弾戦の両方でスミェーラを圧倒した太一は、すっかり彼女に気に入られてしまう。そんな中、王弟軍が侵攻の兵を整えたとの情報が国王派にもたらされる。魔物ではなく人同士の戦いが近づき緊張が高まる中、太一は危険な戦争から凜を遠ざけようとする。だが、凜はいっしょに戦いたいという意志を曲げず、その決意を悟った太一は彼女を守り抜くと誓うのだった。そしてマーウォルト平原を舞台に戦争が始まり、太一は王弟派の軍隊を前に召喚術師としての力を発揮する。

登場人物・キャラクター

西村 太一 (にしむら たいち)

日本に住むごくふつうの男子高校生。吾妻凛の友人。黒髪の短髪で容姿や能力にこれといった特徴や特技がなく、異性にモテるわけでもないが、正義感が強く少々お人好しな性格の持ち主。凛や小野寺貴史と共に平凡な学生生活を送っていたが、交通事故から彼女を守ろうとした際に足下に現れた謎の魔法陣に巻き込まれ、アルティアに飛ばされてしまう。いっしょに転移した凛と共に行動していたが、ギルドでの魔力テストで圧倒的な力を持っていたことが判明し、力をコントロールするためにミューラとレミーア・サンタクルのもとで修業を始める。レミーアからは、一人で国を滅ぼすことのできるほどの超強力な魔力を持っていると分析されており、ふつうの魔術師にはない特別な魔術を扱える才能も秘めている。また、アルティアにおいて珍しいとされる「魔導師」としての素質を持ち、一般的な四属性の適性が不明で、どの属性が適正なのかはまったく未知の状態になっている。レミーアとの修行では魔力コントロールの飲み込みは遅かったが、根気よく修行を続けて制御の仕方を覚えていった。しかし少しでも油断すると、魔力の使い方や加減を間違えてしまうこともある。ミューラたちと別れたあとは凜と共にアズパイアの冒険者となり、数々の依頼をこなしながら活動し、すぐにDランクにまで昇格した。適正属性が不明な一方、膨大な魔力を駆使して肉体強化した格闘や肉弾戦を得意としている。かなり強力に身体強化がされているため並大抵の冒険者では傷一つつけることもできず、大ケガをしてもすぐに回復できる。さらに精霊を目視して会話できる素質も秘めており、精霊の恩恵を直接受けながら魔力を具現化する「精霊魔法」を知らずのうちに会得していた。

吾妻 凛 (あずま りん)

日本に住む女子高校生。西村太一の友人。茶髪のポニーテールに1本のアホ毛が目立つ美少女で、太一いわく「出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる」モデル体型で非常にモテる。気の強いところもあるが正義感が強くしっかり者で、前向きで勉強熱心な明るい性格をしている。幼少期からテニスに打ち込み、全国クラスの実力者として活躍している。交通事故から太一に守られた際に足下に出現した魔法陣に巻き込まれ、彼といっしょにアルティアに転移する。太一と協力し合いながら行動していたが、ギルドでの魔力テストで魔術師としての才能が判明。太一ほどではないが膨大な魔力と、火・風・土・水の四大属性のすべての適性を持つ「四大魔術師(クアッドマジシャン)」としての素質も見出される。太一と共にミューラとレミーア・サンタクルのもとで魔術の基本を学ぶが、もともと学校での成績がよかったこともあり、知的なセンスと飲み込みの速さを活かしてすぐに基本的な魔術を習得していった。修行を終えたあとは太一と共にアズパイアを拠点に、冒険者として活動している。ルックスのよさからアルティアに来てからもあちこちで注目されているが、本音では太一のことが気になっている。魔術師となってからは、先端が羽根状になった長い杖と青いローブを愛用している。冒険者としての経験を積むうちに、四大属性の魔術を自由にあやつれるだけでなく、イメージすることで魔導書に載っていない応用的な魔術にも対応できるようになった。また、これらの応用を活かして魔術剣「雷神剣」を具現化して、さらに強力な攻撃ができるようになった。ミューラがパーティーに加入してからは、彼女とタッグを組んで戦うことが多い。

小野寺 貴史 (おのでら たかし)

日本に住む男子高校生。西村太一と吾妻凛の友人。太一とは小学校の頃からの付き合い。小学生時代は野球に打ち込んでいたが、中学校からは空手に目覚めた格闘技少年。さわやかなイケメンで高校入学早々、すでに二人に告白されている。生徒たちのあいだでは、凛と付き合っているという噂が流れている。太一と凜との登校中、謎の魔法陣に巻き込まれた二人を見失う。

ミューラ

レミーア・サンタクルの弟子の魔術師。エルフの少女。エルフであるため100年以上の寿命を持つが、実年齢は西村太一たちと近い。長く尖った耳と黄金の長髪を持ち、その美貌と渡り合える者はいないと言われるほどの美しさを誇る。ふだんはクールで落ち着いているように見えるが、親しい相手に対してはツンデレのような態度を示すこともある。火と土の二属性をあやつる「二大魔術師(デュアルマジシャン)」であると同時に、剣術も得意とする「魔術剣士」であることから、「金の剣士」の異名を持つ。ジェラード・ボガードの指示で師のレミーアのもとに太一と吾妻凛を案内し、二人の修行を見守っていた。太一たちの話を聞くうちに彼らが別の次元から来たことに気づき、彼らが迷い人であることを知る数少ない人物となっている。器量がよく剣と魔術の実力は群を抜き、目立つ容姿を持つことから、冒険者ギルドを訪れるたびに注目されている。アズパイアのギルド内で知らぬ者はいないほどに有名な冒険者でもあり、Aランクの依頼を一人でこなせるほどの実力を持つ。今までは単独の冒険者として依頼をこなしていたため、冒険者としては一人で活動することが多かったが、太一や凜と共に行動するうちに、仲間意識が芽生えていく。特に凜が使う見知らぬ魔術や応用知識には深い興味を持っており、太一の膨大な魔力や潜在能力にも毎回驚かされている。太一と凜がDランク冒険者に昇格してからは二人のパーティーに加入し、小隊の護衛や畑の警護などいくつもの依頼をいっしょにこなしながら、二人に助言や協力をしている。戦いや交流を繰り返す中で、少しずつ太一に思いを寄せるようになっていく。

レミーア・サンタクル

アルティアでも指折りの実力を持つハーフエルフの魔術師の女性。ミューラの師匠に当たる。「エロスを無差別にまき散らす」と言われるほどの魅惑的な美貌とグラマーな体型を持つ美女だが、実年齢は82歳。火・水・風の三属性をあやつる一流の「三大魔術師(トリプルマジシャン)」としても有名で、「落葉の魔術師」の異名を持つ。弟子のミューラからも敬愛されているが、下着で玄関に出るなど無防備で横着な面もある。もとはアズパイア郊外の森にある家を拠点にしながら、趣味の魔術研究と料理を楽しみながら、ミューラを指導して暮らしていた。ミューラが連れて来た西村太一と吾妻凛の膨大な魔力と才能を見込み、魔力をコントロールするための修行を受けさせる。また、異世界に来たばかりの太一たちには魔術や魔力コントロールの指導だけでなく、アルティアの知識や生きるための術を教え、彼らが冒険者として独り立ちするまでは食事や住居などの世話もしていた。早い段階から太一たちが別の次元から来たことに気づいており、彼らが迷い人だと知る数少ない人物となっている。修行の中で太一の魔力の膨大さを何度も目の当たりにしており、その気になれば一国を一人で滅ぼせるほどの魔力を持つ彼にわずかな恐怖心を抱きつつも、未知の魔導師が持つ予測できない潜在能力に大きな期待を寄せている。太一と凜がEランク冒険者に昇格してからは、ジェラード・ボガードを通して二人に試練や難題を与え、彼らの力を引き出しつつ見守っている。アズパイアに危機が迫った際にジェラードから招集を受け、凛とミューラに協力する形で防衛戦に参加した。

バラダー

アズパイア唯一のBランク冒険者グループに所属する男性。ラケルタ、メヒリャと三人組で行動している。スキンヘッドで褐色の筋肉マッチョで、頭よりも体が先に動く豪快な性格の持ち主。異世界に来たばかりで魔物に襲われている西村太一と吾妻凛を助け、彼らを冒険者ギルドに案内した。冒険者としての実力は高く、アズパイアの人々からの信頼も厚い。

ラケルタ

アズパイア唯一のBランク冒険者グループに所属する青年。バラダー、メヒリャと三人組で行動している。細身で糸目の優しく冷静な好青年で、荒くれ者のバラダーと最年少のメヒリャをまとめている。異世界に来たばかりで魔物に襲われている西村太一と吾妻凛を助け、彼らを冒険者ギルドに案内した。アルメダ救出の際に凜の「四大魔術師(クアッドマジシャン)」としての実力を目の当たりにしてからは、凜のことが気になっている。

メヒリャ

アズパイア唯一のBランク冒険者グループに所属する少女。ラケルタ、バラダーと三人組で行動している。小柄で見た目は幼いが高い実力を持つ魔術師で、おとなしく知的で物静かな性格をしている。異世界に来たばかりで魔物に襲われている西村太一と吾妻凛を魔術で助け、彼らに冒険者の仕事についてアドバイスした。

ジェラード・ボガード

アズパイアにあるギルドを総括している、ギルドマスターを務めるエルフの中年男性。黒髪の褐色肌で顎ヒゲを生やしている。西村太一と吾妻凛の魔力適正検査の結果の報告を聞き、このままでは冒険者として送り出せないと判断してレミーア・サンタクルに紹介した。太一たちが正式に冒険者となったあとは、その才能を見込んで特別な指名依頼を出すなど、注目のルーキーとして期待を寄せている。アズパイアで事件が起こるたびにギルドに所属する冒険者たちをまとめており、防衛戦では総指揮官を務めた。すでに引退しているが元Aランクの凄腕冒険者で、戦闘では巨大な斧を使って戦う。

マリエ

アズパイアのギルドで受付嬢をしている女性。長髪を三つ編みにまとめた明るくおっとりとした雰囲気を漂わせ、いつも笑顔で冒険者たちに対応している。アズパイアに来たばかりの西村太一と吾妻凛の案内や魔力検査を担当するが、二人の驚異的な魔力と潜在能力に驚かされる。その後は修行して冒険者となった太一たちを歓迎し、上司のジェラード・ボガードと共に彼らの冒険をサポートしている。

アルメダ

アズパイアにある宿屋「ミスリル」を営む両親の手伝いをしている少女。花柄のバンダナを頭に巻いた美少女で、冒険者たちからの評判もいい。明るい性格で料理も得意。アズパイアで冒険者として活動を始めた西村太一と吾妻凛がよくミスリルを利用していることから、二人と親しくなった。ある事件に巻き込まれてゴロツキに捕まり、救出に来たバラダーたちが苦戦し、ピンチに陥っていたところを太一と凜に救われた。

グラミ

魔術師の女性。カシムに雇われている。黒髪の短髪でスマートな体型だが、暗殺よりもしびれるような戦闘を好む戦闘狂。何よりも戦いを好む好戦的な性格で、残虐で冷酷な一面も見せる。ほかの冒険者パーティーと組んで正体を隠しながら、西村太一と吾妻凛に近づいていた。「真紅の契約」を完成させるために、仲間の冒険者を皆殺しにしたうえで、凶悪魔物をあやつって太一たちのパーティーを襲わせる。ふだんは認識阻害効果のある黒いローブで気配を消しているため、優れた冒険者でも接近を感知することはできない。のちにメリラ畑の警備をしていた太一たちのもとに現れ、引き続きカシムと手を組みながら、凛とミューラを襲撃する。強力な魔術を次々と繰り出して凜たちを追い詰めるが強力な連携の前に敗れ、太一に敗れたカシムと共にその場から逃亡する。カシムと共にロドラの支配下に入るが、ロドラに呪いをかけられてからはクモのアザが手に刻まれる。その後はロドラの命令でミューラを誘拐するが、以前は戦闘狂だったのが丸い性格に変わっており、連れ去った彼女の居場所を凜に教えるなど優しい一面も見せた。

カシム

アズパイア郊外の農家を営む農夫の男性。盗賊による密採事件の続くメリラ畑の護衛の任務をギルドに依頼する。依頼を受けた西村太一のパーティーといっしょに行動する。銀色の長髪で糸目の礼儀正しい青年で、誰に対しても敬語で話す。温厚な農夫に扮しているが、実はグラミの雇い主であり、密採事件を仕組んでいた張本人。ある目的のためにグラミと手を組みながら、太一たちを利用しようとしている。その正体を明かしたあとは太一と一騎打ちになり、彼を脅すために吾妻凛とミューラを人質に取ろうと目論みながら、強力なフロストエレメントを使って猛攻を繰り返す。しかし、戦闘中にエアリアルの力を得た太一に逆転され、彼の一撃でフロストエレメントと右腕を失って逃亡。その後はグラミと共に白い服の男(ロドラ)に従っているが、失策の連続で立場を失いつつあり、自棄になって酒に溺れる日々を送っている。

アナスタシア

アズパイアに潜む不穏な組織に雇われた暗殺者の女性。西村太一と吾妻凛を付け狙う。愛称は「アナ」。ウェーブのかかった黄緑色の長髪の美女で、顔や全身が黒い服で包まれている。暗殺に失敗し太一に倒されたあとは、ジェラード・ボガードによって地下に幽閉される。カシムとの戦いを終えた太一とアズパイアで再会し、親しくなる。太一に命を拾われたことでギルドに所属しており、冒険者として太一と共に行動することが増える。冒険者になってからは可憐なドレスを着用し、髪も下ろしている。もとは冷酷な人形のようだったが、暗殺者から足を洗ってからは明るい性格に変わっていると同時に、太一に恩義を抱いている。元暗殺者というだけあって身体能力はずば抜けており、成人男性相手でも十分に戦えるのはもちろん、拷問によって相手から情報を引き出す方法も心得ている。太一と共にアズパイアの内部調査中、敵の隠れ家に潜入してゴーレムやレッドゴブリンに襲われた際に太一に救われたことで、今までにない安らぎを感じて彼に思いを寄せるようになっていく。太一と共に街に戻ったあとは危険な前線で戦うことになった彼を見送り、無事を祈りながら防衛戦に参加する。その後は魔物退治をしながらアズパイアを守っていたが、何者かが発した催眠術によって無心のまま戦地に歩いていき、ツインヘッドドラゴンの一撃から太一をかばって負傷する。太一に恋をしていたことを伝え、命を落とした。太一のおかげで手に入れた新しい人生に幸せを感じる一方で、暗殺業しかない自分の過去には後ろめたさを感じていた。

ミロ

ロドラの手下の魔術師の少女。土属性の魔術を使用する。メロとは瓜二つの双子姉妹だが、サイドテールの位置や髪飾りの形が異なっている。イタズラ好きで無邪気な性格をしている。アズパイアの地下室でレッドゴブリンを大量に生み出す実験を行い、ロドラの指示により強化されたレッドゴブリンたちを大量に街に放とうと目論んでいた。しかし、水晶玉が壊れたことで自分たちが使役するレッドゴブリンが暴走し、襲われたところを西村太一に助けられる。太一を慕って協力するようになり、行動を共にする。その後はメロと共にアズパイア防衛戦に参加し、太一や吾妻凛を援護しながら魔物の大群と戦う。

メロ

ロドラの手下の魔術師の少女。土属性の魔術を使用する。ミロとは瓜二つの双子姉妹だが、サイドテールの位置や髪飾りの形が異なっている。イタズラ好きで無邪気な性格をしている。アズパイアの地下室でレッドゴブリンを大量に生み出す実験を行い、ロドラの指示により強化されたレッドゴブリンたちを大量に街に放とうと目論んでいた。しかし、水晶玉が壊れたことで自分たちが使役するレッドゴブリンが暴走し、襲われたところを西村太一に助けられる。太一を慕って協力するようになり、行動を共にする。その後はミロと共にアズパイア防衛戦に参加し、太一や吾妻凛を援護しながら魔物の大群と戦う。

ツインヘッドドラゴン

アズパイアでの防衛戦中、地下から突如出現した謎のドラゴン。異世界における上位種族。二つの首と翼を持つ巨大な竜の姿をしており、言葉も話せる。レッドオーガと西村太一の決戦に乱入し、レッドオーガを喰らいながら戦いに参加する。レッドオーガをあっさり倒すほどの怪力を誇り、二つの頭から強力なブレスを連発して攻撃する。一度は太一を追い詰めるが、エアリアルと正式契約した彼と再戦し敗北する。太一の実力を認め、シェイドの依頼で太一と戦うことになったと打ち明ける。シェイドについて太一に警告したあとは、どこかへ飛び去っていった。

エアリアル (えありぃ)

風の精霊を名乗る謎の少女。四大精霊の一人。愛称は「エアリィ」。翡翠色の長髪で緑色の布と風や光をまとった露出度の高い容姿をしている。一見やさしく穏やかそうに見えるが、四大精霊らしい気位の高さを持つ。ふだんは掌サイズの小さな妖精のような見た目だが、実は人間やドラゴンよりも遥かに強力な力を持つ「上級精霊」という高位な精霊。カシムとの戦闘で死にかけた西村太一にテレパシーで呼びかけ、彼を魔導師としての新たな力に目覚めさせる。この時点では仮契約のような状態だったが、以前から太一を助けたいと思って自らテレパシーを送ることがあった。太一でも苦戦したツインヘッドドラゴンを「トカゲ」呼ばわりするなど、その正体や真の能力は謎に包まれているが、本来はふつうの人間では姿を見ることも声を聞くこともできない特別な存在とされる。訳あってしばらくは太一に力を貸せずにいたが、ツインヘッドドラゴンとの戦闘中に再び呼びかけ、力を求めた彼と正式に契約を交わす。その後は太一に同行し、主に戦いの場面で力を貸すようになり、ツインヘッドドラゴンとの激戦でも太一を勝利に導いた。高度な察知能力を持ち、空気のわずかな揺れから周囲の変化を感じ取れる。

ロドラ

アズパイアに潜む謎の組織に所属する男性。西村太一たちに敗北したカシムが「猊下(げいか)」と呼びながら付き従っている。白い服をまとって顎ヒゲを生やし、飄々としているように見えるが残虐な性格の持ち主。カシムをはじめ組織の者を従えながら数々の事件の裏で暗躍しており、アズパイアの物資を乏しくしたうえで街を内外から襲うなど、目的のためには手段を選ばず、周到で陰湿な一面がある。太一と吾妻凛の力を推し量っているような言動が見られるが、真の目的は不明。凜たちに敗れたグラミに謎の呪いをかけ、ミューラをさらって「真紅の契約」で凶悪化しようと目論む。凜が救出に来たことでこの企みは失敗したが、ミロとメロを使ってレッドゴブリンを街中に放ち、大量の魔物を差し向けて街を襲わせる。表向きは高位の聖職者であり、エリステイン魔法王国の教会においては枢機卿を務めている。

アレン

アズパイアのギルドに所属するEランク冒険者の青年。地味な見た目で冒険者としてはまだまだ未熟だが、上級冒険者のミューラにあこがれを抱きながら地道に腕を磨いている。ほかの冒険者と共に出ていた北の森の偵察任務中に大量の魔物が迫っていることを知り、仲間たちにギルドへの伝言を託される。早馬でアズパイアに戻ったあとは、街に危険が迫っていることをギルドに報告した。帰還の途中で魔物に襲われて負傷したため防衛戦には参加していないが、先輩冒険者たちに街を守るよう託す。

マギル

アズパイア郊外の小屋に住む農夫の男性。アズパイアの特産品、メリラの実の畑作りをしている。盗賊によってメリラが盗まれるようになったことで、農夫仲間のカシム、ライテと共にギルドに事件の解決を依頼し、西村太一たちを森に案内する。カシムが黒幕であったことに気づいたあとは、太一たちの無事を祈りながら森を出て避難する。太一たちがカシムたちを追い払ったことで、畑の平和を取り戻した。

フロストエレメント

カシムが召喚した氷属性のエレメント系の魔物。鋭い牙と爪を持った巨大な猫のような姿をしているが、本来は特定の姿を持たず、ほかの生き物に変身していることが多い。実態がないため物理系以外の攻撃手段を持たない西村太一を苦戦させたうえに、カシムによって強化され「レッドエレメント」に変貌する。しかし、エアリアルの力を借りた太一によって逆転され、死亡した。

レッドオーガ

大量の魔物と共にアズパイアに侵攻した真っ赤なオーガ。「真紅の契約」によって大幅に凶暴化している。防衛戦に参加した吾妻凛とミューラを苦戦させたうえに、レミーア・サンタクルの大魔術も通じないほどの強靭な肉体を持つ。圧倒的な力で凜たちを追い詰めるが、戦地に駆けつけた西村太一の怒りを買い、彼に打ち倒される。太一との戦闘中に乱入したツインヘッドドラゴンに喰い殺された。

シェイド

アルティアのどこかに潜んで暗躍している闇の精霊の女性。ツインヘッドドラゴンからは「あの御方」と呼ばれている。西村太一を召喚術師として選んだ存在でもあり、彼に数々の試練を与えるためにロドラやイニミークスを従えながら暗躍している黒幕。ロドラを使ってカシムとグラミを太一たちと戦わせた張本人であり、ツインヘッドドラゴンには太一と戦うよう命じた。また、イニミークスを使ってドルトエスハイムを唆(そそのか)すことで、緊張状態にあったエリステイン魔法王国を内乱に導いた。

アルセナ

エリステイン魔法王国の名家、ノーマン公爵家の娘。紫色の長髪で礼儀正しくおしとやかな美女だが、交渉や駆け引きを得意とする。アズパイアの防衛戦のあと、国王のジルマール・エリステインの使者として西村太一たちを呼び出す。太一たちに王国の情勢を話したうえで協力を要請し、承諾した彼らを王都ウェネーフィクスへと案内する。太一たちが正式に国王軍に加わったあとは、引き続き彼の王都見学の案内役などを務めるようになる。公爵家の令嬢として上品な振る舞いが多いが、ふつうの女の子らしい一面を見せることもある。幼少期からレージャ教の教徒として修業を積み、現在は大司教の地位にあり、教徒たちからは聖女様として慕われている。時おり教会に出向き、子供たちに護身術を教えている。

ジルマール・エリステイン

エリステイン魔法王国の国王を務める中年男性。シャルロット・エリステインの父親。弟のドルトエスハイムが起こした内乱を鎮めるために、時空魔導師のシャルロットに、救世主となる者を異世界召喚するよう指示した。レミーア・サンタクルとは旧知の仲で、若い頃は冒険者を目指して魔術の修行を彼女に受けていたことがあった。

シャルロット・エリステイン

エリステイン魔法王国の第二王女。ジルマール・エリステインの娘。銀髪の長髪に羽根のような髪飾りを左右に付け、可憐な白いドレスをまとった美少女で、他国から「朝露の姫君」と称されるほどの美貌を持つ。魔導師の中でも別次元に通じる特殊な力を持つ希少な「時空魔導師」であり、時と空間をあやつる。ジルマールの指示で、西村太一と吾妻凛をアルティアに召喚した張本人。本来は太一だけが召喚される予定であったが、召喚の儀式の最中に侵入した刺客が持っていたナイフから垂れた血が魔法陣に落ちた影響で、彼だけでなく凜も呼び寄せてしまうきっかけを作ってしまった。この件を太一と凜に深く謝罪したが、祖国を救うためとはいえ召喚魔法で二人を呼び出したことには、深い負い目を感じている。太一たちに内乱の鎮圧への協力を依頼し、王国の平和を取り戻した暁には、二人を元の世界に戻す方法を探すという約束を交わす。未来を変えるためには太一たちとの関係に軋轢があってはならないと考えており、彼らの信頼を失うことを恐れて慎重になっていた。しかし正直な気持ちを話したことで、太一たちの信頼を得ることができた。

スミェーラ・ガーヤ

エリステイン魔法王国の王国軍総司令官を務める女性。階級は将軍。褐色の肌に燃えるような紅髪でビキニアーマーに身を包み、好戦的で厳格な性格をしている。年齢は若いが、昔からの努力と実力で現在の地位にまで上がってきた武闘派。国内のどんな冒険者よりも高い戦闘力を持つ最強の戦士で、剣術はもちろん体術にも優れている。共に王弟軍と戦うことになった西村太一の力量を試すべく練習試合を申し込むが、彼の30%の魔力強化にも対応できるほどの実力で圧倒する。しかし、危険を感じて一気に60%まで魔力強化を引き上げた太一に敗北。練習試合のあとは高い戦闘力を持つ太一を気に入り、求婚する。開戦が近づいた頃には部下のパソスとベラ・ラフマや太一たちと協力しながら万全の出撃準備を整え、ニルガンが率いる軍隊と対峙する。

パソス

エリステイン魔法王国の騎士団長を務める男性。スミェーラ・ガーヤの部下。数千もの騎士や兵士たちをまとめている優秀な幹部で、スミェーラからの信頼も厚い。開戦が近づいた頃には、スミェーラの指示で間者に悟られないよう注意しながら、いつでも出撃できるよう準備を整えた。幼い孫娘をかわいがっている。

ベラ・ラフマ

エリステイン魔法王国の宮廷魔術師長を務める若い女性。スミェーラ・ガーヤの部下。ローブを身にまとい、3500人以上もの宮廷魔術師たちをまとめている優秀な幹部で、スミェーラからの信頼も厚い。開戦が近づいた頃には、スミェーラの指示で間者に悟られないよう注意しながら、いつでも出撃できるよう準備を整えた。その後は西村太一と共に前線に出て、開戦に備える。

ドルトエスハイム

ジルマール・エリステインの弟で、エリステイン魔法王国の建国以来3000年も国を支えてきたドルトエスハイム家の公爵。祖国への愛国心は強いものの、目的のためなら手段を選ばない冷酷さを秘めている。国王派とは勢力の均衡状態にあったが、国際化を推進するジルマールの政治の在り方を快く思っていなかった。魔術師の国外派遣政策をきっかけに本格的にジルマールに反発するようになり、王弟軍を率いるようになる。さらに右腕のイニミークスに唆されて、エリステイン魔法王国を二分する内乱を起こす。裏でカシムとつながっており、彼が狙っている吾妻凛の情報を求めている。終戦後は犯罪者として囚われ、処刑された。

ニルガン

エリステイン魔法王国の公爵の男性。王弟派としてドルトエスハイムに従う。ドルトエスハイムの指示で、スミェーラ・ガーヤが率いる国王派の軍勢と対峙することになる。マーウォルトの会戦では西村太一の予想以上の力に驚かされて自信をなくすが、イニミークスの策略で兵士たちを狂戦士にされてしまう。さらに戦いの最中、イニミークスに裏切られて死亡する。

イニミークス

ドルトエスハイムの副官を務める男性。ドルトエスハイムの優秀な右腕として彼からも信頼されている。実は真の主であるシェイドの命令で暗躍しており、ドルトエスハイムを唆してエリステイン魔法王国で内乱が起こるよう仕組んでいた。マーウォルトの会戦では、西村太一の力に怖気づいたニルガンに魔術石を渡す。これにより、200年前に史上最悪の戦闘を引き起こした精神操作の妖術を発動させ、素人に近い兵士たちを狂戦士へと変貌させる。

場所

アルティア

西村太一と吾妻凛が迷い込んだ異世界。現代日本とはまったく異なる剣と魔法の世界。街並みなどは中世ヨーロッパ風で、魔力を活用した魔術が発達している。別次元からアルティアに迷い込んだ者は迷い人と呼ばれているが、あまりアルティアの人間からは知られていない。文化レベルは中世と同等だが食文化はかなり洗練されており、現代でメジャーな料理も作られている。

アズパイア

アルティアに来たばかりの西村太一と吾妻凛が最初に訪れた大きな街。冒険者ギルドがある。アルティアで生きていくために冒険者となった太一たちの活動の拠点となっている。アズパイア郊外の畑で作られている「メリラ... 関連ページ:アズパイア

エリステイン魔法王国 (えりすていんまほうおうこく)

アルティアにある「四大王国」の一つ。魔術に秀でた国として知られる。王都はウェネーフィクス。現在はジルマール・エリステインが国王を務めているが、弟のドルトエスハイムがジルマールの政策に反発したことにより、国内の勢力が二分され内乱の危機に陥っている。内乱中のため王都の人出も減って閑散としており、街では騎士が巡回するなど緊張状態にある。王宮では、ベラ・ラフマをはじめとする優れた魔術師を多数抱え込んでいる。これらの魔術師は「宮廷魔術師」として他国からも一目置かれており、その質は世界一とされる。

その他キーワード

魔術 (まじゅつ)

アルティアに存在する術。精霊に魔力を与えることで、その対価としてさまざまな現象を起こす力を行使できる。一般的には火・水・土・風の四大属性をもとにした「現代魔術」が基本だが、光・闇・時空の三つの属性をも... 関連ページ:魔術

精霊魔法 (せいれいまほう)

魔導師のみがあやつれる古代魔法の一種。ドラゴンなどよりも高位の存在とされる精霊の力や恩恵を直接借りて、より強力にこの世に具現化できる。四大属性を使った通常の魔術と性質はほとんど変わらないが、行使する際の仕組みが異なり、精霊魔法は精霊の能力そのものを直接行使する。効果や性能は圧倒的だが、行使する精霊ごとに直接契約を結ぶ必要がある。特定の精霊と契約することで、精霊魔法をあやつれる魔術師を「精霊魔術師」と呼ぶ。ふつうの人間では聞くことができない精霊の声を聞いたり姿を見たりできる者は「召喚術師」と呼ばれ、さらに精霊の力をより強く引き出すことができる。

魔導師 (ゆにーくまじしゃん)

魔術師のうち、四大属性にいずれも適性がない特殊な力を持つ者の総称。アルティアには西村太一を含め六人しか存在しないとされる。魔導師は通常の魔術とは別に、精霊魔法をはじめとする四大属性とは異なる希少な光・闇・時空の属性を、真の力として行使できる。シャルロット・エリステインのように時空属性をあやつる魔導師は、「時空魔導師」と呼ばれている。

迷い人 (まよいびと)

別の次元からアルティアに迷い込んだ者の総称。なんらかのきっかけで次元に穴が開き、そこに落ちて迷い込んだり、魔導師の次元を超える魔法によって召喚されることで別の次元から移転したとされる。迷い人の存在はア... 関連ページ:迷い人

クレジット

原作

内田 健

その他

Nardack

関連

それゆけ! 異世界チート魔術師 (それゆけ いせかいちーとまじしゃん)

内田健の小説『異世界チート魔術師』のスピンオフ作品。異世界で魔術師となった西村太一と吾妻凛の日常を描いたゆるふわコメディ。「月刊少年エース」で2018年10月号から掲載の作品。 関連ページ:それゆけ! 異世界チート魔術師

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