概要・あらすじ
そう遠くない未来、エンターテインメント、サービス業、あらゆる部門への転用を可能とするハイパーツール「ハイクラスAI」工学が発展した世界。その工学者の頂点に立つという、謎のアリオト(ハカセ)が日本に降り立つ。彼が日本に来た目的は、椎葉ひなつであった。ひなつを巡り、ハカセが騒動を巻き起こすハイテンションな日々が幕を開ける。
登場人物・キャラクター
椎葉 ひなつ (しいば ひなつ)
学生の身ながら、クールさが売りのモデルも兼業する高校1年生の少年。容姿には自信を持っており、何を着ても似合ってしまうため女装などしてもつまらない、とこぼす場面もある。妹の椎葉こなつには愛情を持っており、離れている間も気にかけていた。アプリコのことが好き。
アリオト
とある国のとある組織に属する20代の男性。椎葉ひなつと椎葉こなつの兄妹からは「ハカセ」と呼ばれている。機関「人形の心臓」の中ではランク「ジョーカー」と呼ばれる最高位のハイクラスAI工学者である。人格破綻者でもあり、より人間に近いハイクラスAIを作るためにひなつを追い掛け回して、データを取っている。ひなつの成長を見守るという使命のもと、彼女のストーカーをしている。
椎葉 こなつ (しいば こなつ)
椎葉ひなつの妹で、当初は養護施設の院長の家に預けられていた小学生。だが、アリオトの助言によってひなつは椎葉こなつを引き取ることを決め、以降はひなつの家で一緒に暮らすようになる。人の顔色を窺うところがあるが、基本的には明るく良い子。アリオトの作った鳥型帽子を気に入っている。
アプリコ
見た目は少年のアリオトが作った3つの最高級ハイクラスAIのうちの1体。戦闘能力に特化し、爪が鋭い。猫をモデルにしているため、性格は気ままでマイペース。基本的に猫の仮面を付けているが、椎葉ひなつを助ける時に、外れてしまい、その顔を見たひなつが恋に落ちてしまう。
カーラ・ウル・グルラ (かーらうるぐるら)
20代の男性。とある国のとある組織に属するアリオトの護衛役。登場時はアリオトを国に戻らせるために日本に来ていたが、彼にここにいてほしいと頼まれたことにより、日本で護衛をすることになった。のちに女装して「カラ子」を名乗り私立祭王学園に潜入した際に女の子たちと仲良くなり、カラオケに行ったりアルバイトをする日々を送っている。
ガルダ
見た目は青年のアリオトが作った3つの最高級ハイクラスAIのうちの1体。頭脳として積んだハイクラスAIの人格データを投影して話ができるようになっている。索敵データでGPSのように対象を追尾、サーモスキャンなどができる。
飛騨 まりか (ひだ まりか)
料理好きな美少女で、椎葉ひなつのクラスメイト。入学時の面接で得意料理は肉じゃがと回答し、合格した一芸入学者。ひなつ、岩魚稲丸、不軌建太の3人をふんわりした空気で包み、仲良くやっていける稀有な存在で、クラスメイトからは一目置かれているが本人はそのことに気付いていない。
岩魚 稲丸 (いわな いなまる)
椎葉ひなつのクラスメイトの、いつも真顔で寡黙な少年。入学時の面接で書類に忍者の末裔と書いたことで、合格し一芸入学者になった。本当に忍者の末裔なのかは作中では明らかにされていないが、素早い動きを得意とし、校内に非常事態が発生した際には、一瞬でハイクラスAIを倒した。
不軌 建太 (ふき げんた)
椎葉ひなつのクラスメイトで、強面な少年。本人は強面ゆえにすぐ喧嘩を売られることを気にしている。握力と背筋力は学校の面接前に測定したが、あまりの力に装置が壊れてしまったため正しい数値がでなかった。それが理由で一芸入学者となる。
メグレズ
20代の男性。過去にアリオトに見下されたと勘違いし、一方的に敵視していたハイクラスAI工学者。機関「人形の心臓」でのランクはジャック。元々軍事用ハイクラスAIを作っていたが、本人はエンターテインメント用ハイクラスAIを作るほうが得意。特に人格を作るという点では、アリオトを上回る腕前。現在は和解しており、アリオトに自ら会いに行くほど仲がいい。
カプト
メグレズによって作られた、見た目は少女のハイクラスAI。軍事よりも人格に重きを置いた、可愛らしいハイクラスAIになっている。なお、過去にカプトという名前のメグレズが作ったハイクラスAIがあったが、過去のカプトは暴走し、強制停止させられた。
カウダ
メグレズの助手を務める20代の男性。糸目で黒髪の人間。椎葉ひなつを誘拐した際に、メグレズがひなつのことをハイクラスAIだと勘違いしたまま頭を開けようとしたのを、ひなつが人間だと理解した上であえて止めなかった危険人物。基本的にはメグレズの命に従うが、時折独断行動もとる。
ミザール・レダ (みざーるれだ)
20代の女性。とある国のとある組織に属しているハイクラスAI工学者。機関「人形の心臓」でのランクはクイーン。アリオトに共同研究を何度も持ちかけたがアプリコがいることを理由にすべて断られたため、アプリコを破壊するために日本までやってきた。パピリオの製作者。
パピリオ
見た目はやんちゃな子供の最新のセンサーやモーターを搭載し、対アプリコ用として開発されたハイクラスAI。特殊戦闘機構として、ダメージ蓄積システムを搭載。外部からいかなる攻撃を受けても、そのダメージを蓄積して戦闘エネルギーに変換するという機能を持つ。
フロスト・フィッシュ (ふろすとふぃっしゅ)
サーカスの副座長で、Dr.ロビンの開発者の青年。サーカスすべてのハイクラスAIを開発した。日本名「氷魚」で、左近堂絵里の別作品『高速エイジ』に出てくる宝石泥棒と同一人物。アリオトが「焦土のアリオト」と呼ばれていることを知っている人物。宝石と宝石のようにキラキラ輝くものが大好きで、キラキラしているという理由で工学者であるアリオトとアプリコを狙った。
Dr.ロビン
見た目は青年のフロスト・フィッシュによって作られたハイクラスAI。サーカスの座長で、アリオトやメグレズ以外には工学者だと思われていた。体術に優れ、スイッチによって戦闘モードに移行できる。また、フロストと共に盗賊団を組織している。
場所
私立祭王学園 (しりつさいおうがくえん)
椎葉ひなつたちが通っている学園。一芸入学が多く、一芸入学者は学費や学食などのさまざまなものが無料となっている。学園長曰く、ゲームの開発のために作った学園で、毎年学園長自らが一芸入学として選抜した生徒を投入して、年数回のゲームと同様の指令を出して開発データを得ている。先生たちも全員学園長の会社のプログラマー。
紫瑠腐ランド (しるふらんど)
子供たちに大人気のテーマパーク。マスコットキャラクターはハンタージョー君とその恋人のミセス・ルビーちゃん。パレードも行っており、初めて椎葉ひなつたちが行った際には、パレードにメグレズが参加していた。
マクド99 (まくどきゅうじゅうきゅう)
人形の心臓に籍を置くものだけが入れるアバターチャットルーム。入る方法はさまざまだが、アリオトは椎葉ひなつから借りたゲーム機からアクセスしている。アリオトのアバターはとさかのついた鳥で、他にも色々なアバターがある。
サーカス
フロスト・フィッシュによってエンタメ用に作られたハイクラスAIで構成されたサーカス。演技をしているハイクラスAIたちは、戦闘用のハイクラスAIに近い動きをしており、その動きにアリオトとアプリコは終始感嘆していた。のちにフロストによって本当に戦闘用ハイクラスAIであることが明かされる。
その他キーワード
ハイクラスAI (はいくらすえーあい)
エンターテインメント、サービス業、福祉、運輸、そして果ては軍事まで、あらゆる部門への転用を可能とするハイパーツール。ここ数年で大きく地位を飛躍させ、椎葉ひなつたちの暮らす世界に溶け込んできた。日本ではエンターテインメント用に特化しているが、他国では軍事用が主な利用目的になっている。
人形の心臓 (にんじょうのしんぞう)
世界中のハイクラスAI工学者を、所属する国や組織に関係なく、功績だけでランク付けをする機関。ランクはトランプ形式でピラミッド型。絵札ランク者は大抵博士号を持つ各国のお抱え工学者ばかりである。メグレズのランクはジャックで、アリオトのランクはジョーカー。ジョーカーは最高ランクであり、該当する者はアリオト1人しか存在しない。
書誌情報
ハカセがっ！！ 6巻 KADOKAWA〈シルフコミックス〉
第1巻
(2011-04-22発行、 978-4048704014)
第2巻
(2011-12-22発行、 978-4048861809)
第3巻
(2012-08-22発行、 978-4048869287)
第4巻
(2013-03-22発行、 978-4048915618)
第5巻
(2013-11-22発行、 978-4048660907)
第6巻
(2014-09-22発行、 978-4048667883)
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