あらすじ
第1巻
ヒマを持て余していたヒュウガは、ヒマつぶしにMRの架空世界を作り上げ、そこに知り合いの思考パターンを組み込んだAIを空想の学院に通わせて反応を見るシミュレート実験を行っていた。AIは自らを人間と思うようにプログラミングされているため、現実世界と同じように生活を送っていた。一方のヒュウガも架空世界にログインしてAIたちの反応を確認したり、好意を抱くイオナとの日々を楽しんでいた。イセの介入による小さなトラブルは起こりつつも実験は順調に進んでいたが、ある時からヒュウガが作っていないAIが現れ、架空世界にバグを発生させるチートプログラムの配布を始めるのだった。
登場人物・キャラクター
ヒュウガ
自ら作ったMRの架空世界で、シミュレート実験を行う少女。右目にモノクルを掛けている。架空世界では知り合いの思考パターンを組み込んだAIを学校に通わせ、学生生活の中でどういった反応をするかを観察している。さらに好意を寄せるイオナとなかよくなる方法や、イオナといつもいっしょにいる邪魔者の千早群像への対抗手段を見つけるという目的もあるため、ヒュウガ自身も架空世界に一生徒として入り込んでAIたちと交流している。
イオナ
ヒュウガが作ったMRの架空世界で、生活する少女型AI。「現実世界のイオナ」の思考パターンが組み込まれている。寡黙な性格で感情の起伏がないことや、外見なども現実世界のイオナと似ている。ヒュウガから好意を寄せられているが特に反応を示すことなく、ふつうの友人として接している。いつも千早群像といっしょにいるため、タカオからは一方的に恋のライバルだと思われている。
タカオ
ヒュウガが作ったMRの架空世界で、生活する少女型AI。「現実世界のタカオ」の思考パターンが組み込まれており、外見も現実世界のタカオと似ている。千早群像に思いを寄せているが、告白する勇気が出せないでいる。群像といつもいっしょにいるイオナのことを勝手に恋のライバルと認識しており、イオナへ好意を抱いているヒュウガとは利害が一致するため、協力し合っている。
千早 群像 (ちはや ぐんぞう)
ヒュウガが作ったMRの架空世界で、生活する青年型AI。「現実世界の千早群像」の思考パターンが組み込まれており、外見も現実世界の群像と似ている。架空世界ではイオナやタカオが通う学院の教師を務め、女生徒からの人気も高い。イオナといつもいっしょにいるため、ヒュウガからは一方的に恋のライバルだと思われている。
イセ
ヒュウガに過剰なまでのコミュニケーションを取る少女。ヒュウガが作ったMRの架空世界にイセのAIがいないことに気づき、ヒュウガの許可を得ないまま、勝手にヒュウガの架空世界にログインして騒動を引き起こす。
アタゴ
ヒュウガが作ったMRの架空世界で、生活する少女型AI。「現実世界のアタゴ」の思考パターンが組み込まれており、外見も現実世界のアタゴと似ている。タカオを姉と慕っているが、タカオが千早群像のことばかり考えているため、群像に対していい印象を持っていない。タカオの恋路を邪魔しようとして、天羽琴乃から受け取った怪しいアイテムを使ってしまう。
天羽 琴乃 (あまは ことの)
ヒュウガが作ったMRの架空世界で、生活する少女型AI。学院長の娘で成績はつねにトップなため、生徒からの信頼は厚く、絶対的な権力を持っている。現実世界のヤマトがヒュウガの許可なく架空世界に作った存在で、アタゴやズイカクなどにバグを発生させるようなチートプログラムを渡して騒動を引き起こす。
ズイカク
ヒュウガが作ったMRの架空世界で、生活する少女型AI。「現実世界のズイカク」の思考パターンが組み込まれており、外見も現実世界のズイカクと似ている。理論より根性を優先する性格をしている。釣ったタコに「パウル」と名づけて家族として接している。学院に釣り部を創設して、部員勧誘のための宣伝写真を撮るべく大漁を狙っていたところ、天羽琴乃から「撒くだけで大物の魚が釣れる餌」を受け取る。
ヒュウガMK-Ⅱ (ひゅうがまーくつー)
ヒュウガが自分の分身として作ったAI。外見はヒュウガと似ているが、モノクルは左目に掛けている。ヒュウガが現実世界で活動している時に、天羽琴乃の対策として架空世界に送り込む。ほかのAIとトラブルを避けるために、落ち着いた行動および善意ある行動を取るようにプログラムされており、頼まれたことをなんでも引き受けることからみんなに好感を持たれている。イオナとも親しく会話していたことに嫉妬したヒュウガによって、体が小さくなった「ちびヒュウガ」として作り変えられ、以降はヒュウガのサポートをすることとなる。