ハルカの陶

ハルカの陶

特に陶芸の知識もなかった主人公の小山はるかが、一目惚れした備前焼の大皿の作者、若竹修に弟子入りし、備前焼に関わる人々と交流を重ねながら、備前焼についての知識を得て、技術を高めていく陶芸がテーマの漫画。第13回岡山芸術文化賞功労賞受賞作品。原作はディスク・ふらい。

正式名称
ハルカの陶
ふりがな
はるかのすえ
作画
原作
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

主人公の小山はるかは自分の人生を振り返り、「何かに一生懸命になったことも夢もなかった」と、無気力気味になっていた。そんなある日、はるかは、会社の先輩と訪れたデパートで、備前焼の展覧会を目にする。そこに展示されていた大皿に、強い魅力を感じたはるかは一念発起し、会社をやめ、その製作者に弟子入りするために岡山へ向かった。

しかしそこで待ち受けていたのは、若いながらも偏屈で、きつい性格をした製作者の若竹修と、「弟子は取らん」の一言だった。

登場人物・キャラクター

小山 はるか (こやま はるか)

大学を卒業後、就職して三年。特別なことはなく、ごく普通に過ごしてきた25歳。人生のうちずっと、別段夢もなく、頑張った覚えもない、こんなはずじゃあなかった。なんていう事を、ふと考えていたときに、デパートの展覧会で、若竹修が作った備前焼の大皿と出会い心を打たれる。持ち前の明るく行動的な性格で、良くも悪くも辺りをグイグイとひっぱる。 そんな彼女の周りには、不思議と人が集まってくる。

若竹 修 (わかたけおさむ)

無愛想だが、魅力的な作品を作る備前焼の作家。10歳のときに備前焼の作家だった両親をなくして以来、彼の周りからは人が離れ、彼も周りとのコミュニケーションを放棄していた。しかしハルカとの出会いで、少しずつそんな彼の態度も変わっていく。

榊 陶人 (さかき とうじん)

人間国宝に選ばれている備前焼作家。ハルカの事を気に入っており、何かと気にかけている。それと同じく若竹修も気にかけており、幼少期から見守っていたため、保護者のような目線で、彼の成長を喜んでいる。基本的にフレンドリーで軽い感じの性格だが、人間国宝に選ばれるだけはあり、その技術は超一流。 そして備前焼のこととなると時折、人が変わったような表情をすることも。

伊佐木 巧 (いさき たくみ)

職人最高峰の日本伝統工芸士の会長であり、人間国宝でもある。作品の質とは相反して、本人の気性は激しく荒々しい。そんな性格から「鬼の伊佐木」と恐れられている。榊陶人とは古くからの中で、「さっちゃん」、「たっちゃん」と呼び合う仲。

松崎 陽子 (まつざき ようこ)

松崎保典の妻で、備前焼の女性作家。はるかには初め辛く当たるが、大学を出て東京からやってきて作家を目指した過去から、似た境遇のハルカを気に入り応援する。若竹修とは備前焼の養成所からの仲で、ハルカと関わることで成長していく姿を見て喜んでいる。

松崎 保典 (まつざき やすのり)

松崎陽子の夫であり、備前焼の作家。小太りで温厚そうな見た目通りの性格。個性の強い面々の緩衝材のような役割や、保護者のような役割を担うこともある。備前焼小町代行として、イベントステージに立つハルカの写真を、勇んで撮りに行くといった一面もみせる。

宮本 ミヨ (みやもと みよ)

大きな畑を持つ、近所に住むおばあさん。しばしばハルカたちに畑でできた野菜を分けてくれる。あるとき畑を手放すことになるが、ハルカがその畑を引き継ぐことになる。図らずもハルカに陶芸にも役立つ力の入れ方を教えた人物でもある。

広田 ゆかり (ひろた ゆかり)

ハルカの元上司。ハルカを連れて訪れたデパートで、備前焼の展覧会が開かれており、偶然だがハルカが陶芸に目覚めるきっかけを作った。ハルカを高く評価しており、のちに彼女を会社に連れ戻しに来るも、彼女の陶芸に対する本気の姿勢を垣間見て、連れ戻すことを諦める。

場所

伊部 (いんべ)

岡山県備前市伊部。本作の舞台であり、良質な粘土が産出されることから、昔から備前焼が盛んであり、作家や陶芸店が集中している。

その他キーワード

備前焼 (びぜんやき)

『ハルカの陶』に登場する焼き物。産地を岡山県の備前市周辺とする焼き物であり、日本六古窯のひとつ。釉薬を一切使わない作りで、土の色が全面に押し出されている。窯変という現象で生まれる模様が特徴で、そのいくつかは作中でも登場する。とても頑丈であり、実用性の高い焼き物でもある。

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