ハーシェリク 転生王子の英雄譚

ハーシェリク 転生王子の英雄譚

楠のびるの小説『ハーシェリク 転生王子の英雄譚』のコミカライズ作品。交通事故によって命を落とした平凡な女性は、そのまま異世界に転生する。一部の貴族たちの横暴によって、腐敗し切っていたグレイシス王国の第7王子・ハーシェリクとして転生し、国の危機を救うために立ち上がる女性の姿を描いたファンタジー作品。

正式名称
ハーシェリク 転生王子の英雄譚
ふりがな
はーしぇりく てんせいおうじのえいゆうたん
原作者
楠 のびる
漫画
ジャンル
転生
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あらすじ

第7王子として転生したハーシェリク

平凡な事務員として働いていた女性は交通事故で命を落とし、グレイシス王国の第7王子・ハーシェリクとして転生する。転生前からオタク趣味のあったハーシェリクは、剣や魔王が存在しているファンタジー世界を楽しみつつ、父親のソルイエと美しく優しいきょうだいに恵まれて成長する。ある日、ハーシェリクの誕生日パーティーに、突然伯爵のルゼリアが乱入し、バルバッセの不正を告発するとともに、国民の不満を代弁する。そのまま捕らえられ、投獄されたルゼリアに会いに行ったハーシェリクは、この国がバルバッセの企みによって腐敗していることを知る。こうしてハーシェリクはソルイエとルゼリアのため、そして国民のためにバルバッセを追放することを決意する。まずは証拠集めのため、ハーシェリクは王国の重要文書が収められている部屋に侵入する。そこで書類を物色していると、義賊の影の牙と鉢合わせしてしまう。国の不正に関する書類ならば持ち出してもらって構わないと考えているハーシェリクは、その後もたびたび影の牙に目的の品を提供する。その代わりにハーシェリクは、影の牙に対して城下町に連れ出してほしいと交換条件を出す。

影の牙と手を組むハーシェリク

ハーシェリクグレイシス王国の現状を知りたいと、たびたび身分を偽って城下町に足を運ぶようになる。そんな中、ハーシェリクはメイドのメリアの裏切りに遭い、誘拐されてしまう。影の牙のおかげで難を逃れたハーシェリクだったが、あらためて国民たちの王室への不満が高まっていることを実感する。特に、今回の誘拐騒動を起こしたメリアの出身地であるグリム伯爵の領では、庶民が不当な税金に苦しめられていると知り、ハーシェリクはバルバッセによる不正の証拠集めの一環として、その地に向かうことにする。ルーク・フェーヴルからスカウトを受けた影の牙は、筆頭執事としてハーシェリクに同行する。

関連作品

小説

本作『ハーシェリク 転生王子の英雄譚』は、楠のびるの小説『ハーシェリク 転生王子の英雄譚』を原作としている。原作小説版は楠のびるが小説家になろうに投稿した作品で、「転生王子」シリーズとして双葉社「Mノベルス」から刊行されている。

登場人物・キャラクター

ハーシェリク

グレイシス王国の第7王子で、金髪灼眼の美少年。年齢は3歳。七人の兄と二人の姉がおり、末っ子ということもあって周囲から非常にかわいがられている。実は35歳の誕生日前日に交通事故で命を落とした女性の転生した姿。何不自由なく愛されて育ってきたものの、ハーシェリク自身の誕生日パーティーで発生したルゼリアの告発事件から、グレイシス王国の政治に不信感を抱くようになる。そして、ルゼリアの敵討ちとソルイエを解放するため、大臣のバルバッセの不正を告発することを決意する。外見は3歳の幼児だが、中身は転生する前のままであり、記憶も知識もそのまま残っている。転生前は長らく事務職をしていたことから、書類を整理したり、数字を扱ったりする事柄に長けている。家族からは「ハーシェ」と呼ばれており、城下町で身分を隠して行動する際には、転生前の名前である「リョーコ」と名乗っている。

ソルイエ

グレイシス王国の第23代国王を務める男性で、ハーシェリクの父親。ハーシェリクの母親に当たる王妃を病で亡くしており、その忘れ形見の第7王子で末っ子のハーシェリクを溺愛している。七人の王子と二人の姫を持つ人物ながら、子供がいるとは思えないほどの若々しさと、非常に整った容姿をしている。実親である前国王と王妃、そしてソルイエ自身と妻のあいだに生まれた第一王子が王族しか患わない謎の奇病で他界しており、バルバッセから自分に従わないとソルイエや子供たちが同じ目に遭うと脅されている。家族を守るため、バルバッセの不正や犯罪行為を見て見ぬふりをしている。

ルーク・フェーヴル

ソルイエの筆頭執事を務める男性。ハーシェリクの身の回りの世話もしている。ソルイエの幼なじみで、死去したハーシェリクの母親である王妃とも親しかった。生前の王妃からソルイエの力になるように言われており、今でもそれを忠実に守っている。影の牙がハーシェリクと通じていることを知り、影の牙をソルイエの筆頭執事の一人としてスカウトした。

影の牙 (かげのきば)

グレイシス王国の庶民として暮らしている青年。依頼を受けた際には義賊としても活動している。依頼された書類を盗むために城に侵入した時に、ハーシェリクと知り合いになる。その後、ハーシェリクと通じている事実をルーク・フェーヴルに知られ、ソルイエの筆頭執事の一人としてスカウトを受ける。以降、ハーシェリクと行動を共にし、護衛役も務めている。つねに黒い衣装を身につけているため、ハーシェリクからは「クロ」と呼ばれている。

メリア

グレイシス王国のハーシェリクが暮らす屋敷で、メイドを務める女性。ハーシェリクの身の回りの世話をしている乳母でもある。メリア自身の出身地であるグリム伯爵の領では、庶民が不当な税金に苦しめられており、王族に話を聞いてもらいたい気持ちから、ハーシェリクの誘拐事件に加担してしまう。裏切り者の立場ではあるが、ハーシェリクのことは心から愛している。

バルバッセ

グレイシス王国で大臣を務める貴族の中年男性。王族だけが患う謎の奇病をあやつる、不思議な能力を持っている。その奇病で現国王のソルイエを脅し、家族を人質に取るかたちで、実質的には国を動かす立場になっている。バルバッセ自身の私腹を肥やすために政治を利用しており、そのためには役人の横暴と癒着を許すなど、悪事の限りを尽くす。また、国民には重い税金を課している。国民の不満が高まった際にはソルイエを盾に逃げるつもりで、民衆の前に姿を現すことはほとんどない。

ルゼリア

グレイシス王国の貴族の男性で、爵位は伯爵。ハーシェリクとは誕生日パーティーの会場で知り合いになる。バルバッセが王国の名を盾に私腹を肥やしている証拠をつかみ、告発しようとしたところ、妻と息子が不自然なかたちで交通事故に遭い、そのまま他界する。この出来事が自身に対する警告だと理解しつつも、不正の証拠を集め続けていたが、バルバッセの企みによって投獄されてしまう。

場所

グレイシス王国 (ぐれいしすおうこく)

グランディナル大陸にある、500年以上の歴史と広大な国土、強大な軍事力を誇る国。「北の大国」と呼ばれており、現在はハーシェリクの父親であるソルイエが、第23代国王として国を治めている。しかし、ソルイエは大臣のバルバッセに家族を人質に取られている状態であり、実質的にはバルバッセが政治を行っている。そのため、役人の横暴や癒着などによって治安が乱れており、国民は重い税金にも苦しめられているため、王室への不信感を募らせている。

クレジット

原作

楠 のびる

キャラクター原案

あり子

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