バツコイ

バツコイ

『彼女とカメラと彼女の季節』他で知られる月子が、2014年から2019年まで連載した作品。舞台は、虎ノ門にある女性ばかりの法律事務所。自由恋愛を満喫していた女性弁護士・美留町カホリと、純情だが妻子持ちの砂後谷輝義の「バツ」な恋を描いた、ダークなラブコメディ。講談社「ハツキス」にて、2015年1月号から2018年5月号まで連載。同誌リニューアルに伴い、電子雑誌「ハツキス」に移籍し、Vol.1(2018年6月25日)からVol.14(2019年7月25日)まで連載。高田里穂と渡部秀主演でテレビドラマ化され、2024年10月20日(19日深夜)より、BSテレ東にて放送。

正式名称
バツコイ
ふりがな
ばつこい
作者
ジャンル
不倫
 
裁判官・弁護士
レーベル
KCx(講談社)
巻数
全6巻完結
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エリート肉食系女子×天然の女たらし

28歳の女性弁護士・美留町カホリは、特定の彼氏をつくらず、恋愛のおいしいところだけを食べたい肉食系女子。ただし不倫はしないのがカホリのモットーである。一方、高校教師・砂後谷輝義は粘着系恋愛体質の32歳で、自覚がない天然の女たらし。妻子持ちだが、「完璧な主婦」である妻を満足させるだけの稼ぎがないことから家庭はギスギスしている。ひょんなことからカホリと一夜を共にした砂後谷は、妻との離婚に加えてカホリとの結婚を真剣に望む。地雷を踏んでしまったカホリは、既婚者であることを言わずに関係を持ち、あげく妻に速攻で浮気がバレたという砂後谷のバカさ加減に呆れ返る。しかし、なぜか砂後谷のことが気になって仕方がなくなり、アラサーにして初めて本気の恋を経験する。

もう一つの恋愛模様とさまざまな人間ドラマ

本作のメインとなるのはカホリと砂後谷の恋愛の行方だが、カホリの同僚・四十九院ヨーコと謎のフランス人ピエールとの関係も本作の見どころの一つ。モテキャラに見えるヨーコだが、じつは臆病な性格で、誰とも付き合ったことがない28歳の処女である。そんなヨーコは、カホリのために、砂後谷の妻に雇われていると思しき私立探偵ピエールと接触。以降、たびたび会ううちに相思相愛になっていく。また、既婚者と知りながら、砂後谷に惹かれる高校教師の絹田や、その友人でカホリの同僚でもある、バイセクシャルの杏西ユミオの存在など、さまざまな要素を含んだ人間ドラマが展開されていく。

カホリの前に立ちはだかる壁

カホリは、砂後谷の妻から慰謝料一千万円の賠償を求める内容証明書を受け取る。恋するカホリは周囲の意見を聞かず、別れない方向で戦うことを決意した。一方砂後谷は、何者かに不倫の噂を流され、大島の学校に転勤する。それからしばらくして、カホリの妊娠が発覚。子供のことを相談するために大島に向かったカホリは、砂後谷のアパートで、ほぼ全裸のグラマーな女性を目撃してしまう。不倫、妊娠、浮気と泥沼な展開に発展し、カホリの恋愛は大きな障害にぶち当たる。

登場人物・キャラクター

美留町 カホリ (みるまち かほり)

東京・虎ノ門にある女性ばかりの「オルキデア法律事務所」に所属する28歳の弁護士。「仕事が順調なら男はいらない」という考えのもと、特定の男をつくらず、気が向いたときだけ食事とセックスを楽しんでいた。人気フレンチを友人にドタキャンされた際、たまたま出会った砂後谷輝義を誘う。その後、砂後谷が既婚者とは知らずに関係を持ち、初めて男に恋愛感情を抱いてしまう。

砂後谷 輝義 (すなごや てるよし)

32歳の高校教師。メガネと刈り上げが特徴。妻子持ちだが妻とは別居中で、離婚交渉中。さらっと女性を褒める天然の女たらし。偶然出会った美留町カホリに食事に誘われ、ホテルで一夜を共にしたことで彼女に惚れ込む。おっちょこちょいで軽率な言動が目立つ。

四十九院 ヨーコ (しるしいん よーこ)

東京・虎ノ門にある女性ばかりの「オルキデア法律事務所」に所属する28歳の弁護士。美しい外見から誤解されているが、男性経験がない処女。控えめでシャイな性格に加え、学生時は勉強に明け暮れ、弁護士になってからは恋愛に対して疑心暗鬼になっていた。美留町カホリの尾行をやめさせるため、私立探偵らしき男性・ピエールに接触。デートを重ねるうちにピエールと恋愛関係になる。

書誌情報

バツコイ 全6巻 講談社〈KCx〉

第1巻

(2015-09-07発行、 978-4063808025)

第6巻

(2019-09-06発行、 978-4065170564)

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