バレーボール使い郷田豪

バレーボール使い郷田豪

破天荒な少年が、バレーボールの競技に使用するボールをさまざまな用途に使用しつつ、数々の個性的な仲間に囲まれながら日々を過ごしていく中編ギャグマンガ。「週刊少年ジャンプ」で、2007年15号から51号まで連載された。

正式名称
バレーボール使い郷田豪
ふりがな
ばれーぼーるつかいごうだごう
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

舞網高校に通う須藤ネオは、通学途中にトラックが居眠り運転をしている場面に出くわしてしまう。進行方向には子供たちがおり、あわや大惨事というところで、突如目の前に大柄な少年が立ちふさがる。彼はバレーボールをタイヤの下に仕込み、運転手の目を覚まして惨事を回避させた。それを目撃していたネオに対し、郷田豪という自らの名前と、バレーボール使いであることを明かす。

破天荒かつ社交的な性格で、舞網高校で人気者になった豪だったが、そんな彼を危険視する風紀委員四天王の影が、不気味に迫りつつあった。

登場人物・キャラクター

郷田 豪 (ごうだ ごう)

舞網高校に転校して来た1年生の少年。卓越した身体能力を誇り、運動神経も抜群。その一方で、周りからは宿題どころか勉強道具を忘れたり、スポーツのルールを覚えられないので、バカ呼ばわりされている。正義感が強く仲間想いな面があり、いじめなどを目撃した際には、怒りを露にする。その一方で、どんな悪党にも立ち向かっていくほど正義感が強く、そのパワフルな振る舞いで、大勢の仲間から信頼されている。 なお、趣味はギャンブルと自称しているが、作中でギャンブルを行ったことはない。

須藤 ネオ (すどう ねお)

舞網高校に通っている1年生の少年。かつてバレーボール部に所属していた。先輩の黒田に理不尽な理由で辞めさせられ、さらにクラスの不良であるカサミヤスヒロからいじめを受けており、鬱屈した日々を過ごしていた。しかし、偶然知り合った郷田豪によって結果的に助けられ、彼の滅茶苦茶な振る舞いに翻弄されながらも、相棒としてともに行動している。 旅野緋乃に想いを寄せているが、本人にはまったく気づかれていない。

旅野 緋乃 (たびの ひの)

舞網高校に通っている1年生の少女。「ピノ」のあだ名で呼ばれることが多い。女子バレーボール部に所属しており、須藤ネオとも面識がある。ネオの努力を誰よりも認めており、彼を罵倒する黒田に対しては、堂々と怒りを露にする気丈な性格の持ち主。反面、他者からの好意には疎く、ネオからの想いにはまったく気づいていない。 さらに、のちに杉越翔陽に好意を寄せていることが発覚してしまう。

1年1組の担任 (いちねんいちくみのたんにん)

舞網高校で、郷田豪が所属する1年1組の担任を務めている中年の男性。同じ教師である宮田と比較すると、容姿から性格まで何もかもが地味である。一方で思考がズレている面があり、豪を転校生として紹介した際には、「バレーボール使い」であることに触れずに、趣味であるギャンブルに興味を示していた。

黒田 (くろだ)

舞網高校に通っている2年生の少年。バレーボール部に所属している。傲慢な性格で、才能がない人間は努力をしても無駄だ、と公言してはばからない。そのため、才能がないとして須藤ネオに辛く当たり、バレーボール部を辞めさせる、といった暴挙に出た。一方、エースプレイヤーである丹波零空は尊敬している。なお、バレーボール部の中でも、カサミヤスヒロや丹波とは異なり、最後まで豪の仲間になることはなかった。

カサミ ヤスヒロ

舞網高校に通っている1年生の少年。バレーボール部に所属しており、黒田とともにネオに辛く当たっていた。しかし、郷田豪とかかわるうちに、前向きになっていくネオを見て、考えを改めていく。のちにカサミヤスヒロ自身も、白神行宇に弱みを握られており、パシリなどをさせられていたことがわかるが、豪によって助けられた。

須藤 ネコ (すどう ねこ)

舞網高校に通っている1年生の少女。須藤ネオとは双子だが、どちらが先に生まれたのかは本人たちも知らない。学業の傍らでモデルの仕事をしており、容姿には自信を持っている。また、ケンカも滅法強く、その腕力は不良を簡単に倒してしまうほど。反面、頭の出来は郷田豪に匹敵するほど残念なものとなっており、ネオからことあるごとに突っ込まれている。 最近、仮面をかぶったストーカーの被害に悩んでいたが、豪のバレーボールを使った力業によって解決。さらにプロポーズされたと誤解してしまい、舞網高校でも有名な馬鹿カップルとして知られることになる。

杉越 翔陽 (すぎごえ てるき)

舞網高校に通っている1年生の少年。クラス随一の秀才で、先読みの巧みさから、秀才を通り越してエスパーであるとも噂されている。その先読みで、杉越翔陽の身に降りかかる危険を幾度となく回避している。その際には決まって、「計算通り」とドヤ顔を披露している。秀才であることを鼻にかけたような言動が目立ち、クラスメイトからは距離を置かれていた。 しかし、須藤ネコを巡って郷田豪と対立し、のちに和解。バレーボール使い部の一員に迎えられ、性格も改善された。

宮田 (みやた)

舞網高校の英語教師で、バレーボール部の監督も務めている中年の男性。「一体」を「ワンボディ」と言うなど、語学能力の信頼性は限りなく危うい。宿題を忘れてきた生徒に対しては、間接的にダメージとなるような罰則を課すなど、容赦のない一面を持つ。源カズシ、及び丹波零空の父親でもあり、丹波が孤立した際には心を痛めていた。

前園 雀昭 (まえぞの じゃくしょう)

舞網高校に通っている1年生の少年。風紀委員に所属している。舞網高校では風紀委員は大きな影響力を持っており、それを笠に着て横暴な態度を取っていた。風紀を乱す存在として郷田豪に目をつけるが、彼のバレーボール占いによって、エロ本を持っていることが発覚してしまい、窮地に陥る。しかし豪に悪気はなく、自覚なしにフォローを受けたため、和解。 バレーボール使い部の一員に迎えられた。

城 イサム (じょう いさむ)

舞網高校に通う少年で、風紀委員四天王の1人。「トイレのジョー」の異名を持つ。風紀の乱れはトイレから始まると考えており、普段から男子トイレの中に潜んでいる。前園雀昭が敗北したことを受け、男子トイレで用を足していた郷田豪と須藤ネオを襲撃する。床に洗剤を撒いたり、トイレ掃除用の器具を使って攻撃したりと、不潔な戦法を駆使するが、豪のバレーボールを使った戦法に敗北。 トイレを綺麗に使う大事さを説かれて、改心した。

氷湊 クル (ひみなと くる)

舞網高校に通っている1年生の少女。非常に寒がりで、年がら年中コートとマフラーを羽織っている。また、笑った顔を見せたことがなく、田中ゆーじろーからは、そういった意味でも寒がりと思われている。海では水着を着用していたが、マフラーだけは決して外そうとしなかった。大の犬好き。

田中 ゆーじろー (たなか ゆーじろー)

舞網高校に通っている1年生の少年。郷田豪のクラスで学級委員を務めている。目測で人の身長を測れるという特技を持つ。ルックス、運動、勉学のすべてにおいて中途半端であると自認しており、お笑いを極めることで、クラスの人気者となろうとしていた。決して笑おうとしない氷湊クルを笑わせた豪にライバル意識を持ち、ギャグ対決を挑もうとした。 しかし、豪の指摘によって、実は田中ゆーじろー自身がクルを好きだと気づかされる。その気持ちを伝えようと、頭に「大好きです」と文字を書いてもらうが、クルにはホクロのせいで、「犬好きです」と誤解されてしまう。しかし、それが逆に功を奏し、犬好き仲間として認識されることとなった。のちにバレーボール使い部に入部している。

椎名 ジュン (しいな じゅん)

舞網高校に通う少年で、風紀委員四天王の1人。痛々しい性格の持ち主で、自らを「CJ」と称し、自分の考案したロゴをプリントしたシャツを着ている。人の話を聞かない郷田豪に苦労しながらも、彼にバレーボール使い部の存亡をかけたフリースロー対決を挑んだ。

氷湊 蘭丸 (ひみなと らんまる)

舞網高校に通う少年。風紀委員四天王の1人で、氷湊クルの兄でもある。普段は物静かだが、カッターを持つと人格が変わり、人を切り刻みたくなるという危険人物。しかし実際に得意としているのは裁縫で、毛糸を自在に操るため、「毛糸ボール使い」を名乗っている。妹であるクルには非常に甘く、彼女が常に巻いているマフラーも、氷湊蘭丸の手作りである。

丹波 零空 (たんば れいくう)

舞網高校に通う少年で、風紀委員四天王の1人。腕っ節が非常に強く、不良を率いるほどのカリスマ性を持つ。また、邪魔だと認識した相手は、無差別に襲う危険性を秘めている。バレーボール部の部長を務めているが、現在は孤立してしまっている。バレーボールをふざけたことに使うとして、郷田豪に並ならぬ怒りを抱いている。

源 カズシ (みなもとの かずし)

バレーボール使い部が海合宿に向かった際に出会った男性。バレーボールに非常に詳しく、郷田豪をはじめとしたバレーボール使い部のメンバーに特訓を課した。その正体は舞網高校バレーボール部のコーチで、丹波零空の兄。丹波が荒れてしまった原因を知っている素振りを見せる。なお、父親である宮田、および丹波と苗字が異なるが、その理由は明かされていない。

白神 行宇 (しらかみ こう)

舞網高校に通っている1年生の少年。かつてサッカー部員だったが、現在はどこにも所属していない。ボイスレコーダーを自在に使いこなすことが可能。カサミヤスヒロの熱唱シーンを録音し、それをネタに脅していた。しかし、郷田豪のバレーボール占いによって、白神行宇自身の弱みが発覚してしまい、以後カサミに手を出さないことを誓う。

集団・組織

バレーボール使い部 (ばれーぼーるつかいぶ)

郷田豪を中心とした部活。半ば勢い任せに結成されており、活動内容などが一定していない。須藤ネオを始め、豪によって半ば強引に入れられた者が大半だが、そのほとんどが、入部前と比較して充実した学生生活を送っている。なお、バレーボール部とは別の部活だが、田中ゆーじろー以外のメンバーは運動神経がいいため、バレーボールも問題なくこなすことができる。

風紀委員四天王 (ふうきいいんしてんのう)

舞網高校の風紀委員に所属する4人の生徒たち。表向きは学内の風紀を正すために活動しているとされているが、全員心に深い傷を負っており、他者と壁を作ってしまっている。豪との対決を経て全員が改心し、バレーボール使い部の助っ人として仲間入り。のちにバレーボール使い部四天王と呼称されることになった。

場所

舞網高校 (まいあみこうこう)

郷田豪や須藤ネオらが通っている高校。教師、生徒ともに非常に個性的で、常識人がほとんど存在しない。風紀委員が学内のヒエラルキーにおける頂点に据えられており、彼らの横暴な振る舞いに、迷惑をこうむっている生徒も多かった。しかし、豪が転入し、さまざまな活躍を見せることで、徐々に改善の兆しを見せていった。

その他キーワード

ニセノート

杉越翔陽が、宿題を忘れたカサミヤスヒロに強奪されたノート。カサミはこれを使い、授業で目立とうと考えていた。実際は、カサミの筆跡でテロの計画などが練られたもので、これを目の当たりにした宮田によって、カサミはこっぴどく叱られる羽目になった。杉越は、カサミに強奪されることを予期して、このノートを作ったと語っている。

バレーボール使い (ばれーぼーるつかい)

バレーボールの競技に使用されるボールを使い、攻撃や防御を行う使い手のこと。郷田豪は自らをバレーボール使いを名乗っており、バレーボール占いやバレーボール使用ガードなど、さまざまな技を駆使して、危険から身を守ったり、敵対する相手の弱みを発見している。

バレーボール占い (ばれーぼーるうらない)

郷田豪が使用する、バレーボール使いの能力の1つ。原理は一切不明だが、バレーボールに占いたい相手の似顔絵を描き、破裂させることで、名前、住所、星座など、占った相手の詳細を知ることができる。弱点を占うことも可能で、豪はこの能力を使うことで、前園雀昭や白神行宇を懲らしめることに成功している。

バレーボール使用ガード

郷田豪が使用する、バレーボール使いの能力の1つ。バレーボールを盾として使うという、一見すると何の変哲もない技である。しかし、杉越翔陽に使用した時は、彼がバレーボールを割ることを豪が見抜いており、催涙ガスを仕込んで杉越にもダメージを与えた。なお、ボールを持っていた豪はガスを直接浴びたため、杉越以上のダメージを受けた。

遠隔操作 (えんかくそうさ)

郷田豪が使用する、バレーボール使いの能力の1つ。その名の通り、バレーボールに触れずに操作することができる。豪いわく、バレーボールと対話を繰り返すうちに身についたというが、バレーボール占い同様、原理は一切不明である。なお、最初は触れずに転がすだけだったが、のちに飛ばしたり、爆発させることもできるようになった。

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