謎のアプリゲーム「パラショップ」のルールと戦略
「パラショップ」とは、通常では考えられない特殊能力を独自のポイントで売買できる謎のスマホゲーム。このゲームで売買される能力は、「中身を入れ替える能力」や「影を引っ張る能力」「落とし穴を作る能力」「動物を集める能力」など多種多様で、それぞれに異なる価格が設定されている。プレイヤーは、自分の能力を使ってほかのプレイヤーを気絶させたり、戦意を喪失させたりすることで、所有する能力の価値を上げることができる。価値が上がった能力を売却して得たポイントを使えば、より強力な別の能力に乗り換えることも可能だ。ただし、原則として能力は一人につき一つしか所有できず、新しい能力を手に入れるには現在の能力を売却しなければならない。また、プレイヤーには制限時間が設けられており、その時間内に自分の能力の価値を規定のポイントまで上げられなければ、命を落とすリスクがある。そのため、プレイヤーたちは生き残りをかけて、否応なくほかのプレイヤーと戦いポイントを稼ぐ必要がある。
高校生・天良木の命懸けのバトル
ある日、高校生の天良木は、自分のスマートフォンに見覚えのない謎のアプリ「パラショップ」が勝手にインストールされているのを発見する。不審に思い、アプリを削除しようとしたところ、偶然の接触から「藁を1本だけ動かせる能力」を購入してしまう。直後、現れたプレイヤー、西園寺公徳との戦いを余儀なくされるが、一見役に立たなそうなその能力を巧みに駆使し、彼を気絶させて1750ポイントを獲得する。しかし安堵する間もなく、天良木は「72時間以内にポイントが5000未満のプレイヤーは死亡する」という過酷なルールを知ることになる。生き残るため、天良木は敵である西園寺と手を組み、命を懸けたほかのプレイヤーとの戦いに挑むのだった。
個性豊かなプレイヤーたちとの激闘
西園寺と共にパラショップ攻略に挑む天良木は、「藁を1本だけ動かせる能力」の平和的な活用法を模索するが、生き残るためにはほかのプレイヤーとの戦闘が避けられないことを痛感する。やがて、個性豊かなプレイヤーが次々と現れ、激しい戦いに身を投じていく。80歳を超えながら「鼻毛ファイヤー」をあやつる八咫烏(やたがらす)のゼン、「パンをパンパンにする能力」を持つヤンキー女子の鬼塚莉央、さらに「服をガチガチにする能力」や「着ぐるみの一部を回転させる能力」を持つ服部兄弟との熾烈な戦いを経て、天良木は制限時間内に所有ポイントを10080まで引き上げることに成功する。こうして死の淵を乗り越えた天良木は、西園寺と共に神父の斎藤馨を新たな仲間に迎え入れ、チームを結成。パラショップの真実を暴くべく、次なる戦いへと挑むのだった。
登場人物・キャラクター
天良木 光定 (あまらぎ みつさだ)
とある高校に通う2年生の男子。低身長や天然パーマといった、ふつうならコンプレックスになりがちな特徴さえ、魅力として肯定的に捉える才能を持っている。その前向きな言葉に励まされたクラスメイトたちからは、親しみを込めて「コーテイくん」と呼ばれている。また、強面の相手にも物怖じせず、死の淵に立たされても生の尊さを見出すなど、並外れた度胸の持ち主でもある。ある日、偶然にも「藁を1本だけ動かせる能力」を手に入れ、命を賭けたゲーム「パラショップ」に参加することになる。持ち前の頭脳を活かし、わずか3日で能力の価格を500ポイントから10800ポイントまで引き上げることに成功した。のちに西園寺や鬼塚、斎藤と共に新たなゲームに参加し、彼らの司令塔として活躍している。
西園寺 公徳 (さいおんじ きみのり)
アプリゲーム「パラショップ」のプレイヤーである男子。天良木の最初の対戦相手で、彼からは「グラサンくん」と呼ばれている。陽気でお調子者な性格で、「タイマン、ヨロピコ」や「教えてチョモランマ」といった独特の言い回しを使う。また、ゲーム初心者をターゲットにしたり、有望なプレイヤーをスカウトしたりと、したたかで計算高い一面も持ち合わせている。パラショップでは「輪ゴムの威力を変える能力」を購入しており、指で弾いた輪ゴムに最大180kgもの衝撃力を与えることができる。のちにこの能力を売却し、「身体の一部を攣(つ)らせる能力」を購入した。
書誌情報
パラショッパーズ 3巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2025-05-16発行、978-4098541171)
第2巻
(2025-08-18発行、978-4098542116)
第3巻
(2025-11-18発行、978-4098543304)







