概要
異世界の地上界であるアルカナ」の植物学者フォーが息子替りに作ったロボットのパルムは、慕っていたフォーの妻シアンが亡くなってから、心を閉ざしていた。ある日、地底人ソル族の女戦士コーラムがやってきて、天界トートから持ち帰った、万物の源となるトートの卵を、滅亡の危機にある地底世界タマスを救うためにフォーに託す。
登場人物・キャラクター
パルム
地上世界アルカナ の植物学者フォーが、心を病んだ妻のシアンを慰めるために、金属質の巨木クルップの樹から造った少年型ロボット。女戦士コーラムからもたらされたトートの卵を体内に収納し、クロップの樹の樹液であるクロスカーラによって生命力を回復させられた。 地底世界タマスへの旅を続ける内に、人間になりたいという望みが生まれ、同時に心のなかに憎悪や傲慢も生まれていく。
フォー
地上世界アルカナの植物学者。妻のシアンと共に金属製の巨木クロップの樹の樹液クロスカーラを捜し求めていた。しかし、シアンが心を病んでしまい、それを癒すためにパルムを造り出す。 天界トートから戻ったコーラムにトートの卵を託されるが、地底人のモヒ族に殺される。
ラーラ
知性を持つ巨大な植物であるソーマによって生み出された新しい人類。寿命が尽きようとしているソーマが、世界を継承させるために創造した。ソートが造る事の出来なかった魂を、万物の源であるトートの卵によって補完されようとしている。
シアン
地上世界アルカナの学者。夫のフォーと共に金属製の巨木であるクロップの樹の樹液クロスカーラを捜し求めていた。その探索の末に心を病み、それを癒すために造られたパルムを可愛がる.。 この後、病が癒えないままに亡くなった。
地底のゲリラ (ちていのげりら)
『パルムの樹』に登場する組織。地底世界タマスを統治する、知性を持つ巨大な植物であるソーマに抵抗する地底人達の抵抗組織。万物の源であるトートの卵を求めるソーマに対抗し、それを運ぶパルムを妨害する。
ソル族 (そるぞく)
『パルムの樹』に登場する種族。ソーマの支配を逃れ、地下世界タマスから万物の源であるトートの卵を捜し求めるために地上世界アルカナへ上ってきた人々。女戦士コーラムやその息子シャタはその血を引く。
モヒ族 (もひぞく)
『パルムの樹』に登場する種族。知性を持つ巨大な植物であるソーマによって地底世界タマスから追放された地底人の一族。ホタ、ガス、バクの三人が一族の罪を償うために、万物の源であるトートの卵を狙う。
シャタ
地上世界アルカナ最大の町フラミンゴの少年窃盗団のリーダー。地底人ソル族の女戦士コーラムの息子だが、母を知らずに育った。パルムの体内に収納されていた万物の源であるトートの卵に宿るコーラムの魂の幻影に母の存在を知り、共に旅をする事を決意する。
ダルマ屋ガラ (だるまやがら)
地上世界アルカナ最大の町フラミンゴの川に浮かぶ船で営まれる雑貨商「ダルマ屋」の女主人。ポポの母親。かつては人気のある踊り子だったが、平凡な男であるポポの父親と結ばれ、その死後に雑貨屋を営む。 夫の面影を残すポポを執拗に虐待していた。
ポポ
地上世界アルカナ最大の町フラミンゴの雑貨商ダルマ屋ガラの娘。母親から虐待されて育つが、亡くなった父親の形見であるリュートを奏でていた。リュートの音に惹かれたパルムと出会い、当初は不気味に感じるが、共に地底世界タマスへと旅立つ。
コーラム
地底人ソル族の女戦士。幼い時に地下世界タマスから家族で地上のアルカナへ上り、そこで成長した。誰も行くことが出来ないと言われていた天界トートへと上り、万物の源となるトートの卵を手に入れて、戻ってきた。 そこで出会ったフォーにトートの卵を託し、姿を消す。その後、魂となってパルムを導く。
場所
タマス
『パルムの樹』に登場する異世界。かつて繁栄していた文明が埋没している地下世界。知性を持つ巨大な植物であるソーマによって統治されているが、その衰退によって滅亡の危機にある。地底人達は抵抗組織である地底のゲリラを作って、ソーマの支配に抵抗している。
フラミンゴ
『パルムの樹』に登場する町。地上世界アルカナで最大の町。町中に流れる大河ドラフ河に船の雑貨屋であるダルマ屋が浮かんでいる。パルムとポポが出会った場所となる。
トート
『パルムの樹』に登場する異世界。巨大な石柱でアルカナとつながっている、この世界の天界。誰も行くことが出来ないといわれているが、地底人ソル族の女戦士コーラムはそこから万物の源であるトートの卵を持ち帰った。
アルカナ
『パルムの樹』に登場する異世界。この世界の地上であり、最大の町はフラミンゴ。各地に金属製の巨木であるクルップの樹が生えており、パルムやポポが旅する舞台となる。
その他キーワード
クロスカーラ
『パルムの樹』に登場する液体。金属製の巨木クルップの樹によって分泌される樹液であり、強力なエネルギーを秘める。非常に希少な液体であり、植物学者のフォーとその妻シアンは生涯追い求めた。知性を持つ巨大な植物であるソートの根元にはこの泉があった。 地底人ソル族の女戦士コーラムによってもたらされたクロスカーラはパルムの血液となった。
ソート
『パルムの樹』に登場する植物。崩壊した過去の文明の残骸を吸収する事で知性を持つようになった、金属製の巨木クルップの樹。通常のクルップの樹よりもはるかに巨大で、地下世界タマスに根を張り巡らして統治する。 急激な老化によって危機に瀕し、タマスを滅ぼして、新しい人類に引き継がせようとしていた。そのために強力なエネルギーを持つ、万物の源であるトートの卵を必要とした。
トートの卵 (とーとのたまご)
『パルムの樹』に登場する物体。天界であるトートのエネルギーを秘めた、万物の源となるもの。地底人ソル族の女戦士コーラムが地上世界アルカナへ持ち去り、パルムの体内に収納された。後に、コーラムの魂が宿っていることが判明する。
クルップの樹 (くるっぷのき)
『パルムの樹』に登場する植物。金属化した巨大な樹木であり、先端にある巨大なレンズ状の物体で太陽光を取り込んで光合成をする。地上世界アルカナにエネルギーを供給する動力源でもある。パルムは、この樹を材料として造られた。