概要・あらすじ
カナ・モリワキとレイジ・ハヤマはある日、謎の声に導かれて洞穴を発見する。そして2人は、鬼の墓に足を踏み入れたため百匹の鬼の封印を解き、世の中に放ってしまう。その責任の一端を「罰」という形で負うことになり、カナは、昼は人の姿でいられるが夜は鳥の姿に、レイジは、夜は人の姿でいられるが昼は馬の姿に、それぞれ変わることになってしまった。
つまり、互いに人の姿で会うことができない状態となる。2人が元に戻るには、百匹の鬼をすべて回収しなければならない。カナとレイジは、僧に託された武器を手に、解き放たれた百匹の鬼と戦い、すべてを回収するために奔走する。
登場人物・キャラクター
カナ・モリワキ (かなもりわき)
考古学研究会に所属する大学生。レイジ・ハヤマの彼女。美人だが気が強く、レイジとはケンカになることも少なくない。レイジとタクローと3人で組んでいたバンドでは、ボーカルを担当。鬼の墓をあばいた罪で、日中は人間の姿でいられるが、陽が落ちると鳥の姿になる。これは百匹の鬼を回収するまで元に戻らない。僧からもらった指輪で、回収した鬼の能力を自在に操ることができる。
レイジ・ハヤマ (れいじはやま)
考古学研究会に所属する大学生。カナ・モリワキの彼氏。いつも冷静で、興味があるのはカナと音楽だけ。タクローとカナと3人で組んでいたバンドではサックスを担当。鬼の墓をあばいた罪で、陽が落ちている間は人間の姿でいられるが、日中は馬の姿になる。これは百匹の鬼を回収するまで元に戻らない。僧からもらったブレスレットを使って鬼と戦う。 ブレスレットは、局面に応じて必要な武器の形をとる、。
トオル
中学2年の男子生徒。恐竜好きで、将来は考古学者になりたいと考えている。しかし勉強は成果が出ず、スポーツは苦手、彼女もできない、身長も伸びないと、すべてに対して不満を募らせる日々を送っている。カナ・モリワキに一目惚れする。
春の天帝 (はるのてんてい)
封じられていた百匹の鬼のうち、四帝鬼の1人。気象を操って雷や雨を降らせ、水害を起こすとされている。遊びと称し、たくさんの鬼を使って無関係な人々を自殺させ、その遺体をゾンビ化させる。
タクロー
カナ・モリワキとレイジ・ハヤマの大学の同級生の青年。かつて3人でバンドを組み、音楽活動に勤しんだ仲間。現在は単独でデビューを果たし、目下売り出し中のアーティストとして活動している。
夏の炎帝 (なつのえんてい)
封じられていた百匹の鬼のうち、四帝鬼の1人。炎を操り、人の心に語り掛けることができる。まだ何も知らなかったカナ・モリワキに語り掛け、洞穴へ向かわせて封印を解くように導いた。事の発端となった鬼。
モモコ
馬が大好きな女性。トキヤの隣の家に住む。競馬のジョッキーを目指している。トキヤに想いを寄せているが、互いに素直になれないため、関係が進展しないでいる。土地を売って町を開発しようとするトキヤに反発し、思い出の詰まった大切な町の風景を守ろうとしている。
トキヤ
生き物に優しい青年。モモコの隣の家に住む。馬の調教師を目指している。モモコに想いを寄せているが、互いに素直になれないため、関係が進展しないでいる。東京の企業に自宅周辺の土地をまとめて売り、町を開発してもらう計画を進めている。
黒騎士 (くろきし)
秋の風女帝の義弟。彼女を護る黒ずくめの男性。500年昔、まだ人であった頃、義姉である秋の風女帝を想い、彼女が嫁いだ公家の男性を刺殺した。これにより人の道を踏み外し、魔道へと落ちて黒騎士となった。
秋の風女帝 (あきのふうじょてい)
封じられていた百匹の鬼のうち、四帝鬼の1人。風を操り、カマイタチを起こして人を傷つける。黒騎士とは義姉弟。500年昔、まだ人であった頃は、風を祀る神社の巫女だった。その後、公家の男性に見初められ嫁入りするが、暴力に悩まされる日々を送った。義弟によって夫は殺されたが、義弟を愛するあまり人の道を踏み外し、魔道に落ちて鬼となった。 人だった頃の記憶は失っている。
冬の地神帝 (ふゆのちしんてい)
封じられていた百匹の鬼のうち、四帝鬼の1人。その姿は石でできた石像で、北の海深く眠ると言われる。人の体を石に変え、負の感情だけを増幅させて人を裁く。最後の神殿の城壁を、マグマ溜まりとなって護っており、彼の眠りを覚ますことは、噴火・爆発を意味する。
カオリ
レイジ・ハヤマの妹。兄が大好きで、いわゆるブラザーコンプレックス。兄の彼女であるカナ・モリワキを嫌っている。兄からプレゼントされたお人形を、中学生になった現在も大切にしている。旅行先で大地震に遭い、行方不明になる。
王 (おう)
封じられていた百匹の鬼の中で、99匹の鬼を統括する鬼。最後の神殿にいる。氷を操り、相手を取り巻いて凍りつかせる「雪狼」「霜夜鴉」を使役して攻撃する。アンモナイトのような姿をしているが、これは仮のもの。実体は別のところに存在する。
僧 (びしょっぷ)
僧侶のミイラ。応仁の乱の頃、大地震で沈んだという地域の横穴で発見された。500年前、百匹の鬼を封じ、彼らを外に出さないように番をしてきた。レイジ・ハヤマとカナ・モリワキによって封印が解かれたため、レイジには昼間、馬になるように、カナには夜、鳥になるように、その責任を「罰」という形で2人に負わせた。鬼に打ち勝つために、レイジには武器になるブレスレットを、カナには捕らえた鬼の力を自在に操ることができる指輪を与え、百匹の鬼を回収するよう命じる。
その他キーワード
ビショップの輪 (びしょっぷのわ)
一般的には、火山の爆発や核爆発の後に、太陽のまわりに輪になって生じて見えるコロナの光冠のこと。作中では、何の理由もなく発生したため不吉なものとされ、「天変地異の前触れ」と囁く者もいる。また、ビショップの輪が見えるときは、近くに鬼がいることを示す。この現象が起きてから、梅雨でもないのに2か月以上雨が降り止まない日々が続くなど、さまざまな災害が発生。 また、連続通り魔や、連続放火など、殺人事件も絶えなくなった。
百匹の鬼 (ひゃっぴきのおに)
500年前、僧によって封印された100匹の鬼。人を騙し、争わせて殺し、あらゆる天地に災害を与える禍となるもの。100匹の頂点には王が君臨し、その下には四帝鬼と呼ばれる春の天帝、夏の炎帝、秋の風女帝、冬の地神帝の4匹の鬼がおり、その下に95匹の使い魔たる鬼が控えている。
ブレスレット
僧からレイジ・ハヤマに渡されたもの。もともとは僧が使っており、局面に応じて必要な武器となって、持つ者を助ける。ブレスレットと指輪は、動物と人間の状態であるレイジとカナ・モリワキが、意思疎通を図るために必要なものでもある。2つがそろって初めて用をなし、どちらが欠けても役に立たない。
指輪 (ゆびわ)
僧からカナ・モリワキに渡されたもの。もともとは僧が使っており、捕らえた鬼の力を自在に操る能力を秘めている。ブレスレットと指輪は、動物と人間の状態であるカナとレイジ・ハヤマが、意思疎通を図るために必要なものでもある。2つがそろって初めて用をなし、どちらが欠けても役に立たない。