概要・あらすじ
雪藤洋士は自転車で日本を旅する10代後半の青年。真面目で大人しく誠実な人柄で行く先々で、周囲の人々の助けを得ながら生きていた。ところが行く先々で、何の罪もない人たちが悪党たちに虐げられ、時には殺されてしまう。雪藤はその無念をはらすために、自転車のスポークを引き抜き悪党どもを暗殺していく。その後、暗殺者雪藤の誕生秘話から、その師と仲間たち、その背後に渦巻く日本国家に巣食う悪の秘密結社竜牙会との戦いとなっていく。
登場人物・キャラクター
雪藤 洋士 (ゆきとう ようじ)
外見は優男で、争いとはまったく縁のないように見える好青年。その正体は、法で裁けない悪と戦うブラックエンジェルズの一員。両親を交通事故で亡くし、引き取ってくれた叔父と叔母も強盗に殺害される。その時に、犯人扱いされた姉は自殺してしまう。天涯孤独の身となり、その後教会に引き取られる。幼い子供ながらに叔父夫婦を殺害した犯人に対する復讐心に燃えて、細い金属を投げて相手を倒す為の訓練を続けた。 悪を許さないという魂を持つ雪藤だったが、実は神に選ばれた特別な存在だった。武器は自転車のスポークを主に使用。決め台詞は「地獄へ落ちろ~~!!」。
松田 鏡二 (まつだ きょうじ)
空手の達人で190センチ以上の長身。登場した時は刑事だったが、暴力団と警察内部の奸計にはまって懲戒免職処分の憂き目にあう。偶然、雪藤洋士の暗殺現場を見てしまい、最初はそれは殺しだと雪藤を批判するが、次第に自らも雪藤と共に悪と戦う事を欲して、ブラックエンジェルズの一員となる。
麗羅 (れいら)
元竜牙会の殺し屋。ナイフを武器に戦う。ブラックエンジェルズとは当初距離を置いていたが、松田鏡二の捨て身の行動に心を打たれて、仲間に入る。後に松田の恋人となり、子供を身ごもる事になる。しかし、敵に毒殺されてしまう。
水鵬 (すいほう)
竜牙会を裏切った麗羅の殺害を命令されていたが、麗羅を愛するが故に竜牙会から逃げてしまう。幼い頃、麗羅と共に竜牙会の訓練施設で血のにじむような特訓を受けて殺し屋になった。得意な術は水を使ったもの。霧を出したり、水を渦のように操り、その力で巻き込んだ相手を切断するという大技を持つ。 正義や悪といった意識は無く、ひたすら麗羅を守るためにブラックエンジェルズがピンチの時に現れる。
ジュディ
アメリカ人の傭兵を父とし、教会のシスターである日本人の母を持つ少女。基本的には普通の女の子なので、他のブラックエンジェルズのメンバーのような特殊な戦闘能力は無い。武器は先端に槍の付いたムチを使う。雪藤洋士を愛しているのだが、敵に捕らわれたりと、離ればなれになっている期間が長い。 悲運の少女。
鷹沢 (たかざわ)
ブラックエンジェルズを創設した男。当初は神父として現れていたが、実は竜牙会創設メンバーの1人。物語途中で、眉間を撃ち抜かれて暗殺されてしまうが、実は、生きており、物語後半で再登場する。
羽死夢 (はしむ)
ブラックエンジェルズの一員。ずんぐりむっくりした小男だが、身体能力は高い。ブラックエンジェルズでは諜報活動をすることが多い。仲間の亜里沙に恋心を抱いているが、最後は非業の死を遂げる。
亜里砂
鷹沢の教会でシスターをしていた。その一方で、雪藤洋士が子供の頃通っていた学校の教師もしていた。心優しい女性。ブラックエンジェルズの中では、一番戦闘能力が低い。攻撃手段は催眠術。
牙 亮 (きば りょう)
第二部から登場する。元刑事だったが、女テロリストの妖姫を倒す為に執念を燃やし刑事を退職。荒廃した関東地方に乗り込んできた。警察学校の頃、松田鏡二と同期で、空手の腕を競い合った仲。最初は、雪藤洋士と対立していたが、やがてブラックエンジェルズの一員となる。
飛鳥 (あすか)
第三部から登場。牙亮と同僚の刑事だった、熱血漢で友達思いのいい男。武器はトランプ投げ。登場してしばらくの間は、雪藤洋士と対立していた。やがて雪藤を認めブラックエンジェルズの一員となる。
紅林 雄 (くればやし ゆう)
第三部から登場する。飛鳥そっくりの男性。首都を大阪に移し、異常な独裁国家になった日本政府に対抗する反政府ゲリラを結成して戦っていた。雪藤洋士の出会い戦いを重ねていき、ブラックエンジェルズとしての特殊能力を開花させる。
切人 (きりひと)
竜牙会のリーダー。その正体は鷹沢その人。M計画という、原子爆弾を使って富士山を噴火させ東京を壊滅させようという計画を実行しようと竜牙会を動かしていた。その一方でブラックエンジェルズを組織して竜牙会と戦うなど、二つの思考が同居している。物語中、別の人格と自ら称していた。
卑弥呼 (ひみこ)
第三部から登場する。切人の娘。父親同様に予知能力と相手の心を読むというサトリの能力を持つ。父の命令で悪魔憎涅巣(あまぞねす)という特殊能力を持つ女戦闘集団のリーダーを努めてブラックエンジェルズと戦う。毒蛾とナイフを武器としている。
神 霊士 (じん れいじ)
第三部から登場する。新政府の内閣最高顧問を務める。冷酷で残忍、支配欲が強く、自らが政府に取って代わって日本の支配者になろうとしていた。常に白い服を着ていることから、雪藤洋士と会った時に自分のことをホワイトエンジェルと名乗った。それ以降、神霊士たちはホワイトエンジェルと呼ばれる。 元々の上司であり超能力の師であった老師を国会の地下に幽閉していた。
勇気 (ゆうき)
新政府の元内閣最高顧問だった老師の弟の孫に当たる。老師よりも強い超能力を持つと評されている。その超能力は万能で、嵐を呼んだり、電撃を起こすことが可能。亜空間を作り雪藤洋士を封じ込めたこともある。最初は正義感の強い心優しい少年だったが、超能力を使うにつれてその能力を開花させると共に心の底に潜む悪の魂を呼び起こしてしまう。 ホワイトエンジェルの支配者となりブラックエンジェルズと死闘を繰り広げることになる。