プライベート・プリンス

プライベート・プリンス

歴史の研究に打ち込む平凡な女子大学院生と、金髪の貴公子だが本性はひねくれた甘えたがりの王子との、身分違いの恋愛を描いたラブコメディ。「プチ・コミック」2005年2月号から2007年6月号にかけて連載された作品。

正式名称
プライベート・プリンス
ふりがな
ぷらいべーと ぷりんす
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
フラワーコミックス α(小学館)
巻数
既刊5巻
関連商品
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概要・あらすじ

大学院で歴史を研究する桜川都は、北欧の王国・エストリアの公爵家に嫁いだ日本人女性・リツコ妃の生涯について論文を書き、学者の道に進もうと奮闘中だった。そんな中、都はリツコ妃の曾孫でエストリアの王子のウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールが自分の大学に留学していたことを知り、資料提供の協力を求める。

だが甘いマスクの裏にひねくれた本性を持つウィルフレッドは、都が自分より曾祖母に関心を持つのが気に入らず、自分を好きになれば資料を見せると意地悪を言って、都をさんざん振り回すのだった。そんなある日、都はウィルフレッドと親しいのを他の女子学生から妬まれ、ひどい嫌がらせを受ける。そのせいで自宅のアパートに居られなくなり、困り果てて心が弱っていた都の前に現れたのはウィルフレッドだった。

彼は都を実家の旅館・「さくらがわ」に連れて行き、学者になることに反対する桜川香子を説き伏せて、都が研究を続けられるように力添えをするのだった。やがて2人は愛し合い、一夜をともにするが、身分違いの恋はさまざまな障害にぶつかることとなる。

登場人物・キャラクター

桜川 都 (さくらがわ みやこ)

英都大学文学部史学科修士課程1年の女性。22歳で、身長160cm、血液型はB型。髪型はウェーブのかかったミディアムヘアにしている。目が悪いため眼鏡が手放せず、見かけは平凡で地味な風貌。一方でスタイルが良く、ブラジャーはFカップ。しかし、桜川都自身は胸の大きさにコンプレックスを持っている。性格は真面目で、人一倍勉強熱心でもある。 東京都内の老舗旅館「さくらがわ」の一人娘。研究をやめて女将修行をしろと言う母親の女将・桜川香子に反発し、実家を出て一人暮らし中。大学院では近代女性史を専攻し、北欧の王国・エストリアの公爵家に嫁いだ日本人女性・リツコ妃を研究。成果をあげて、将来は学者になる夢を抱いている。 リツコ妃の論文を書くために、彼女の曾孫でエストリアの王子であるウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールに資料提供を求めるが、巨乳好きの彼に気に入られてしまう。資料提供を盾にされてさんざん振り回されるが、彼の優しさに触れるうちに恋心を抱く。ウィルフレッドの執事であるロバート・マクシミリアンからは「ミス・メロン」と呼ばれる。

ウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストール (うぃるふれっどえんりけりつかえすとーる)

北欧の国・エストリアの第2王子。王位継承権は兄の皇太子に次いで第2位の金髪の貴公子。年齢は20歳。身長184cm、血液型はAB型。愛称は「ウィル」。甘党で日本の和菓子を好むが、酒も強い。桜川都が研究している日本人女性・リツコ妃の曾孫にあたる。都が通う英都大学の日本文学科に留学中で、甘いマスクが多くの女性ファンの注目を集めている。 しかし貴公子然としたふるまいの裏に隠す本性は、プライドが高く、わがままでひねくれた性格で、そのうえ巨乳好きで女癖が悪い。一方で王子という難しい立場にあることを自覚しており、如才なく立ち回る術も心得ている。自分好みの巨乳だった都を誘惑するが、都が自分よりもリツコ妃の資料に強い関心を持つことに反発し、自分を好きになれば資料を見せる、と意地悪を言って都を振り回す。 しかし都が研究に情熱を傾け、自分に対しても自然な態度で接してくる姿を見るうちに、本気で想いを寄せるようになっていく。

ロバート・マクシミリアン (ろばーとまくしみりあん)

ウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールの執事を務めている男性。年齢は25歳。身長186cm、血液型はA型。北欧の王国・エストリアの王家に代々仕えてきた貴族で、「キャンベル伯」の称号を持つ家の生まれ。幼い頃から王子のウィルフレッドのそばに仕え続け、彼のひねくれた性格をよく理解しながら忠実に役目を果たしてきた。 どんな時も冷静沈着で、ウィルフレッドと桜川都が一夜をともにしたのを目の当たりにしても、まったく動じない。ウィルフレッドが都をメロンに例えたことがきっかけで、彼女を「ミス・メロン」と呼ぶ。

飯塚 千里子 (いいづか ちりこ)

英都大学文学部史学科修士課程1年の女性。桜川都と同じゼミに所属する親友。年齢は22歳。身長164cm、血液型はO型。父親は外務省の職員を務めている。都からはチリと呼ばれる。快活な性格で非常に友達想いでもあり、研究熱心な都を応援して何かと後押しをする。都がウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールと知り合うきっかけを作った存在でもあり、恋愛の悩みの相談にも乗っている。

桜川 香子 (さくらがわ きょうこ)

桜川都の母親。都内の老舗旅館「さくらがわ」の女将で、非常にしっかりした女性だが強情な性格。研究者の夫が家業の旅館経営に無関心だったため、女将として「さくらがわ」を切り盛りしてきた。都には若女将として跡を継いで欲しいと強く願っているが、歴史の研究者を目指す都には反発されているので、2人の間では言い争いが絶えない。 都がウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールと恋仲になったと知ると、料理人の小野寺誠と結婚させて「さくらがわ」を継がせようと目論む。

父親 (ちちおや)

桜川都の父親。植物学者で研究にしか興味がなく、研究所にこもりきりで滅多に家に帰って来ない。穏やかで優しい性格で、テレビや雑誌をほとんど見ない浮世離れした人物。親から老舗旅館の「さくらがわ」を受け継いだが、経営の才能や関心もなかったため、妻の桜川香子に経営を任せきりである。ずっと家族を放ってきたことに負い目を感じつつ、変わらない愛情を持ち続け、都の幸せも願っている。

小野寺 誠 (おのでら まこと)

老舗旅館「さくらがわ」で修行中の、腕のいい料理人の男性。年齢は21歳。身長178cmで、血液型はA型。真面目で誠実な人柄で、高校を卒業してすぐに「さくらがわ」で働き始め、自分の店を持つことを目指してひたむきに修行を続けている。都がウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールと恋仲だと知ると、長年抱いていた恋心を都に告白し、ウィルフレッドに対抗心を燃やす。

(あおい)

老舗旅館「さくらがわ」で仲居として働く若い女性。「さくらがわ」や女将の桜川香子、その娘の桜川都の将来を気に掛けている。都とウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールが恋仲だと知ると、女将に注意を促し、2人を引き離すための計画に協力する。

都築 (つづき)

京応大学文学部で助教授の青年。英都大学の文学部史学科出身で、桜川都が学部生の頃に所属していた研究室の助手だった。当時は都の恋人だったが、身勝手な性格で名声欲が強く、成績優秀な都を自分のために利用することしか考えていなかった。最終的には都の研究成果を横取りした挙げ句、彼女を捨てた。エストリアの王子であるウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールと都が親しいと知ると、彼を自分の研究活動の後ろ盾にするために、再び都を利用しようと目論む。

大泉 (おおいずみ)

英都大学文学部史学科教授の中年男性。桜川都の所属するゼミの担当教授でもある。ウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールが受講する世界史概論の授業も担当している。一時病気で入院したため、かつて自分の助手だった京応大学助教授の都築に授業の代理を頼んだ。この入院がきっかけになり、大泉を見舞いに訪れた都は元恋人の都築に再会することとなった。

リツコ妃 (りつこひ)

桜川都が大学院で研究対象としている日本人女性。北欧の王国・エストリアの王子であるウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールの曾祖母にあたるが、既に没している。日本名は「律子」。明治時代に華江男爵家に生まれ、1912年に日本を訪れたエストリアの皇太子の弟・ウェルズール公に見初められて結婚。2人の間には子供が生まれたが、夫は若くして亡くなった。 皇太子夫妻に子供が生まれなかったため、リツコ妃の生んだ子供が国王に即位し、現在の国王やウィルフレッドにその血を伝えている。彼女の影響もあって王家の一家は日本びいきで、ほうじ茶や和菓子を好む者が多い。

セシリア

北欧の王国・エストリアの王女。ウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールの6歳上の姉。髪型はロングヘアで派手な外見をしており、性格も勝ち気で押しが強い。王族ながら、いくつかのファッションブランドを経営する実業家でもある。ウィルフレッドよりも立場が強く、いつも彼に無理難題を言っては自分の事業に協力させている。 ウィルフレッドの執事であるロバート・マクシミリアンを一方的に慕っているが、あまり相手にされていない。桜川都が通う英都大学と提携しているセント・スタンリー大学の卒業生であり、現在は出資者として理事も務めている。

ジョージ・ブラウン (じょーじぶらうん)

アメリカの富豪。企業グループの総帥を務めながら高名な歴史学者でもある多才な中年男性。シカゴ大学の客員教授で私設の研究所も持っており、桜川都が以前から憧れていた人物。ウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールにロサンゼルスに連れて来られた都は、彼の計らいによって、パーティーの場でジョージ・ブラウンと会うことが叶う。

クリストファー・ローランド・ウェルズール (くりすとふぁーろーらんどうぇるずーる)

北欧の王国・エストリアの貴族・ウェルズール公爵家の嫡男。年齢は20歳で、血液型はB型。愛称は「クリス」。ウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールと同じくリツコ妃の曾孫にあたる。ウェルズール公爵家は王家から分家した貴族で、王家と非常に血筋が近く、かつてリツコ妃が嫁いだ家でもあった。ただクリストファー・ローランド・ウェルズールと王族のウィルフレッドとの間には歴然とした立場の違いが存在するため、幼い頃から彼に対抗心を抱き、何かにつけて絡んできた。 ウィルフレッドが日本で桜川都と親しくなったことを知ると、2人の仲を邪魔するために、オックスフォード大学への留学予定を取りやめて英都大学に留学した。

ローラ・ヘイワード (ろーらへいわーど)

クリストファー・ローランド・ウェルズールの婚約者の若い女性。ウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールの執事であるロバート・マクシミリアンの親戚にあたる。オックスフォード大学でクリストファーが留学してくるのを待っていたが、急遽日本に留学した彼を追って来日。勝ち気な性格で、気が多いクリストファーには手を焼いている。 貧乳にコンプレックスを持っており、クリストファーが桜川都に迫る現場に乗り込んだ時も、まず最初に都の巨乳に注目した。

国王 (こくおう)

北欧の王国・エストリアの現国王。ウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールの父親。桜川都が研究対象とするリツコ妃の孫にあたる。皇太子のアルフレッド、王女のセシリア、ウィルフレッドの3人の子供がいる。リツコ妃の影響もあって日本びいきであり、ほうじ茶や和菓子など好んでいる。温厚でおっとりした性格だが、結婚に関する王家の古いしきたりには忠実で、ウィルフレッドやアルフレッドに対しても厳格に守らせようとする。

王妃 (おうひ)

北欧の王国・エストリアの王妃。ウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールの母親。夫の国王と同じく温厚でおっとりした性格。遠く日本からやって来た桜川都の疲労を気に掛けるなど、優しく家庭的な女性。日本の土産物に興味を示したり、普段から夫とともにほうじ茶や和菓子を好むなど、日本びいきでもある。

アルフレッド

北欧の王国・エストリアの皇太子。ウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールの8歳年上の兄。愛称は「アル」。非常に優秀な男性で、オックスフォード大学に留学経験があり、法律を学んで首席で卒業、司法試験にも合格している。ウィルフレッドに恋人ができると、仲を引っかき回して邪魔をするという困った癖がある。彼が桜川都をエストリアに連れて来た時にも、2人の仲に割り込むような態度を取ってウィルフレッドをやきもきさせた。 だがこうした行為は、ウィルフレッドの恋人が王家にふさわしい女性かどうかを、冷静に見定めるためのものであった。

キャサリン・ハミルトン (きゃさりんはみるとん)

デザイナーの娘である若い女性。北欧の王国・エストリアの皇太子であるアルフレッドの恋人。彼とは相思相愛の仲だが、自身に離婚歴があることや宗教上の理由もあって、エストリアの国王や議会から結婚を反対されている。あるパーティーにウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールとともに出席したために、日本では彼の正式な婚約者だと報道されてしまう。

勅使河原 (てしがわら)

仙台在住の資産家で初老の男性。老舗旅館「さくらがわ」の以前からのお得意様で、優しく親切な人物。病気のために自宅で療養中。桜川都が母親の代理で小野寺誠とともに見舞いに訪れた際には、「さくらがわ」の将来を気に掛け、都が女将として母親の後を継ぐことに期待する。

(しゅん)

私立中学受験を目指す小学生。桜川都が学費や生活費を稼ぐため、家庭教師として教えている。母親には将来東京大学に入学し、医者になることを期待されているが、俊自身はあまりやる気がない。教えられている最中に都の巨乳に目を付けるなど、非常にませた性格をしている。

桐生 (きりゅう)

西海大学で教授を務める中年女性。近代西洋史が専門で、この分野では第一人者と評される研究者。研究一筋で生きてきたその姿は、桜川都が日頃から憧れを抱くものであった。都が学会で発表したリツコ妃に関する論文を評価し、研究者の道を歩むことに期待を寄せる。

場所

エストリア

北欧に位置する王国。気候は日本よりも寒い。現在の国王はウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールの父親。国王と王妃の間には3人の子供がおり、長男のアルフレッドが皇太子として後を継ぐことが決まっている。1912年に日本人女性のリツコ妃が当時の皇太子の弟と結婚し、その子供が国王に即位したため、現在の国王やウィルフレッドたち兄弟は日本人の血を引いている。 王家では、男子が優先して王位を継承する決まりや、王位継承者を差し置いて下の兄弟たちが先に結婚できない、というしきたりが厳格に守られてきた。

英都大学 (えいとだいがく)

桜川都や飯塚千里子が通う大学。文学部などが置かれている。エストリアの王子であるウィルフレッド・エンリケ・リツカ・エストールが留学しているため、彼の貴公子然とした外見に憧れて多くの女性ファンが集まり、世間やマスコミからも熱い注目を浴びている。

さくらがわ

東京都内にある老舗旅館。桜川都の実家。都の父親がその親から受け継いだ旅館だが、母親の桜川香子が女将として経営を取り仕切っている。美しい日本庭園がある純和風の建築で、離れの座敷も備えている。母親は都に跡を継がせたいと強く望んでいるが、都にそのつもりがまったくないため、2人の間では旅館の将来を巡って言い争いが絶えない。

書誌情報

プライベート・プリンス 5巻 小学館〈フラワーコミックス α〉

第1巻

(2005-07-26発行、 978-4091385956)

第2巻

(2006-01-26発行、 978-4091385963)

第3巻

(2006-06-26発行、 978-4091304940)

第4巻

(2006-11-24発行、 978-4091307361)

第5巻

(2007-07-26発行、 978-4091311641)

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