概要・あらすじ
倉本深青はロマンチストで独特な感性を持っているせいか、周囲から変わり者と思われていた。そんな深青はある日、学校の帰り道に一人でぶらりと立ち寄った水族館で、不良だと噂の幾見一矢を見かける。彼はそこで、いるかと心を通わせていたのだった。一矢が本当は純粋な心を持つ少年であることを知った深青は、次第に彼に心惹かれていく。
登場人物・キャラクター
倉本 深青 (くらもと みお)
高校1年生の少女。ロマンチストでちょっぴりドンくさく、独特な感性を持っているので周囲となじめないでいる。押しは弱いものの周囲には流されない性格で、基本的にマイペース。うるう年生まれで、誕生日は2月29日。生き物が好きで、水族館で見かけた幾見一矢のことが気になって仕方がない。
幾見 一矢 (いくみ かずや)
倉本深青と同じ高校に通う1年生の少年。学校になじめず、気に入らない相手とは口もきかないうえに、学校に堂々と遅刻したりと得体のしれない人物。そのため学校では不良と噂されているが、実はとても純粋な心の持ち主。いるかのドリーを想うあまり、海に還してあげたいと願っている。阿部雪乃に憧れている。
阿部 雪乃 (あべ ゆきの)
水族館で、いるかのトレーナーとして働く女性。さっぱりした明るい性格の持ち主で、不特定多数の男性から想いを寄せられている。彼女自身は幾見圭梧に好意を持っているが、その気持ちを押さえている。幾見一矢の気持ちにも気づいているが、年上の余裕で温かく見守り、小林祥大のアプローチは軽くかわしている。
小林 祥大 (こばやし やすひろ)
水族館の売店でアルバイトしている大学生の青年。阿部雪乃のことが好きで積極的にアプローチしているものの、相手にされていない。立ち居振る舞いからお調子者と思われがちだが、実はとても一途で真面目なタイプ。倉本深青の幾見一矢への片思いを応援する良き理解者。
幾見 圭梧 (いくみ けいご)
幾見一矢の年上のいとこで、水族館で働いている。仕事熱心で責任感の強い青年。一矢にとっては兄のような存在で、ドリーを想う一矢の気持ちを理解しつつも、水族館の職務を果たさなければいけないジレンマの間で揺れている。
大谷 (おおたに)
幾見圭梧の大学時代の恩師。自分の研究所でドリーを預かり、コンピューターを使って本格的に知能を研究したいと思っている。幾見一矢とドリーの結びつきを理解し、一矢の意思を尊重する。
深青の父 (みおのちち)
倉本深青の父親。ロマンチストで、娘が2月29日生まれであることに宇宙のからくりの神秘を感じ、宇宙と地球の色から連想して深青と名付けた。自然のものはすべて小さな宇宙だという考え方の持ち主。深青がロマンチストなのは父親の影響である。
千夏子 (ちかこ)
倉本深青の友達で、高校1年生の少女。ショートカットで元気っぱいの女の子。子供の頃、ちびっこ相撲大会で優勝した経験があり、男子を恐れさせている。深青とは中学生の時からの友達で、彼女が周囲から浮いた時はフォローしてくれるなど良き理解者でもある。
ドリー
水族館で飼われているいるか。頭が良く、ショーではいつも大活躍している。幾見一矢と心を通わせており、トレーナーよりも息が合っている。わざと水をかけてきたりなど、たまにイタズラ好きな一面も見せる。