第三王子は発光ブツにつき、直視注意!

第三王子は発光ブツにつき、直視注意!

山田桐子の小説『第三王子は発光ブツにつき、直視注意!』のコミカライズ作品。人のオーラが見える特異体質を持つ、貧乏伯爵家の令嬢リナ・ランドールは、第三王子ジルベルトの結婚相手を決める夜会へと招かれる。そこで出会ったジルベルトは、直視できないほどのオーラを放つ人物だった。眩しさのあまり顔もわからないジルベルトと地味でつつましいリナ、二人の関係を描く王宮ラブコメディ。「Comic Walker」で2019年8月7日から配信の作品。

正式名称
第三王子は発光ブツにつき、直視注意!
ふりがな
だいさんおうじははっこうぶつにつきちょくしちゅうい
原作者
山田 桐子
漫画
ジャンル
ラブコメ
 
異能力・超能力
レーベル
フロース コミック(KADOKAWA)
巻数
全3巻完結
関連商品
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あらすじ

第1巻

リナ・ランドールは貧乏伯爵家の令嬢。お人よしすぎてカモにされたリナの父が原因となり、人を注意深く観察するようになったリナは、いつしか人を取りまく気、オーラが見えるようになった。リナは日々畑仕事に精を出す極貧生活を送りつつ、淀んだオーラをまとった人からの商談や投資話からランドール伯爵家を守ろうと目を光らせていた。そんなある日、王宮からリナあてに第三王子ジルベルトの結婚相手を決める夜会の招待状が届く。最低限の務めだけを果たすつもりで王宮に上がったリナだったが、ジルベルトが姿を現した途端、彼の放つ光輝くきらびやかなオーラが眩しすぎて、ジルベルトの顔を直視することができないという衝撃の事態に陥る。ジルベルトから顔を背けたリナは、翌日には帰宅するつもりでいたが、なぜか最終王妃候補五人の中に選ばれ、結婚相手が決まるまでのあいだ、王宮での暮らしを余儀なくされることになる。ほかの候補者であるメルリア・オルディスアリサ・ユーセラライラ・バシュレマリーベル・リッチモンドたちは、すでに火花が飛び散るとげとげしい状況となっていた。自分がこの争いに巻き込まれるのは嫌だと、リナは王子に非礼にならない最低限の態度で興味のないそぶりを見せつつ終始対応する。そんなリナの様子が気になった候補者たちは、質素な身なりのリナに各々がさまざまなものをプレゼントし、対話しようとし始める。そしていつしか候補者たちの距離は縮まっていき、五人の王妃候補者たちに友情が芽生え始める。そんな中、ジルベルトと二人の時間を過ごしていたリナは、町中で負のオーラをまとった怪しい人物を発見。その直後、ジルベルトがナイフで切りつけられるという事件が発生。間一髪、リナが身を挺する形でジルベルトを守ることに成功するが、これがきっかけでリナにオーラが見えるという事実をジルベルトやグレン・アルトーに知られ、リナは王子を守るための人間警報器としての役割を課されてしまう。

関連作品

小説

本作『第三王子は発光ブツにつき、直視注意!』は、山田桐子の小説『第三王子は発光ブツにつき、直視注意!』を原作にしており、一迅社文庫アイリスより刊行された。イラストは三月リヒトが担当している。

登場人物・キャラクター

主人公

ランドール伯爵家の令嬢で、年齢は17歳。伯爵家の長女として生まれたが、実家が非常に貧乏なために畑仕事などもすべて自分で行っている。お人よしすぎるリナの父が、簡単に人にだまされることがきっかけで、人を注... 関連ページ:リナ・ランドール

ジルベルト

エルヴァスティの第三王子で、年齢は22歳の独身。もともと国王の正妃だったリーゼから生まれたため、王太子になるはずだったが、リーゼが病で亡くなり、側妃のトリアンナが正妃の座に就いたため、王位継承権が下がる形となった。王位継承権に興味はなく、王位を継ぐつもりもないが、父王のフィリクスと兄にすがりつかれ、継承権を放棄することができない状態。そのため、王位継承権を巡る争いに巻き込まれており、命を狙われている。そんな状況下で妃をめとるように国王命令が出され、逃げ場を失ったため、王妃候補を選ぶための夜会を開くことになった。ただし、兄より先に子供が生まれれば、王位継承を巡る状況はさらにややこしくなることが予想されるため、王妃候補の選出は広く隔たりのない形が取られ、それぞれの派閥の顔を立たせるための最大の配慮がなされたうえで、第三王子派のメルリア・オルディス、王妃派のアリサ・ユーセラ、中立派のライラ・バシュレ、民間に近いマリーベル・リッチモンドが選出された。リナ・ランドールが残されたのは、彼女から夜会でにらみつけられたためで、実は気に入ったわけではなく、リナのことは「珍獣枠」というとらえ方をしている。ジルベルトの持つオーラは、眩しすぎるほどに輝かしく、その輝きはリナが直視できないほど。王妃候補たちに対しては、分け隔てなく接し、毎日一人一人と時間を過ごすことで一人にしぼろうと考えている。そんな中、リナとのデートの際に突然暴漢に襲われる事件に遭遇。リナが身を挺して守ってくれたおかげで事なきを得たが、これがきっかけとなってリナにオーラが見えるという事実が発覚し、自分の身を守るため、彼女の力を借りることになった。当初から自分に対して興味のなさそうなリナに対しては、あの手この手でアプローチするが、何をしても興味なさげなため、最終的にはリナが好きそうな農業の本を引き合いに出し、リナに愛称で呼ぶことを約束させた。リナに対して手や額にキスをしたり、抱きかかえて移動させたりと、乙女心をくすぐる行動をしたがる。

メルリア・オルディス

赤いオーラを身にまとっている公爵令嬢で、年齢は20歳。王弟殿下のご息女で王族の血を引いているためか、優雅で美しい雰囲気を放ち、堂々としている。第三王子ジルベルトの結婚相手を募集する夜会に出席し、最終候補として五人の中に残った。幼少の頃より、ジルベルトに思いを寄せており、自分以上に王妃にふさわしい者はいないと、王妃候補として共に残ったリナ・ランドール、アリサ・ユーセラ、ライラ・バシュレ、マリーベル・リッチモンドらに辞退して帰れと強気の姿勢を見せて威嚇した。しかし、王宮での生活の最中、いつも地味で古臭いデザインのドレスを身につけ、やぼったいリナの様子にしびれを切らし、廊下ですれ違ったのをきっかけに、自分の持ち物の中から彼女に似合うアクセサリーやドレスをプレゼントした。厳しい態度を取っていたのは王妃候補としてひとくくりで見られることに我慢できなかったというのが理由だが、これを機にリナやほかの王妃候補と、いい関係を築くことになる。実家は第三王子派に属する。

アリサ・ユーセラ

赤いオーラを身にまとっている侯爵令嬢で、年齢は18歳。ユーセラ家の長女として、幼少期より第三王子ジルベルトのお相手として呼び声が高いと噂されていた。今回、ジルベルトの結婚相手を募集する夜会に出席し、最終王妃候補として五人の中に残った。自分を含めた王妃候補のリナ・ランドール、ライラ・バシュレ、マリーベル・リッチモンドら四人に対し、辞退して帰れと威嚇したメルリア・オルディスに対して、彼女に聞こえるように、ぼそっと「売れ残りが」と暴言を吐いた。ふだんの言葉づかいは丁寧だが、非常に気が強い。ドレスやアクセサリーは所詮飾りにすぎない、自らを磨かずして本当の美は手に入らないという考えを持ち、美への意識は高い。髪の毛はいつもサラサラに手入れされており、つねにいい香りを身にまとっている。ある時、リナがメルリアからもらったアクセサリーを身につけていることに気づき、自分の持ち物の香油や化粧品をプレゼントした。これを機にリナやほかの王妃候補と、いい関係を築くことになる。実家は王妃派に属している。

ライラ・バシュレ

青いオーラを身にまとっている伯爵令嬢で、年齢は16歳。文官の家系に生まれ、ライラ・バシュレ自身も理知的な雰囲気を漂わせている。今回、ジルベルトの結婚相手を募集する夜会に出席し、最終候補としてリナ・ランドール、マリーベル・リッチモンド、アリサ・ユーセラ、メルリア・オルディスを含む五人の中に残った。外見だけにこだわる軽い女性など、すぐに飽きられるという考えを持ち、内面の美に対して意識が非常に高い。毎日図書館に通っているリナを素晴らしいと褒め、賢さこそ女性の武器だと称賛した。ある時、リナの気に入る書籍があるはずとリナを自室に呼び、本をプレゼントし、殿方を飽きさせない知識について語った。これを機にリナやほかの王妃候補と、いい関係を築くことになる。実家は中立派に属する。

マリーベル・リッチモンド

淡い橙色のオーラを身にまとっている男爵令嬢で、年齢は21歳。父親が豪商として名を馳せ、最近になって貴族に取り立てられた家系のため、よくも悪くも貴族らしさは薄い。今回、ジルベルトの結婚相手を募集する夜会に招待されたために出席し、最終候補としてリナ・ランドール、メルリア・オルディス、アリサ・ユーセラ、ライラ・バシュレを含む五人の中に残った。ある時、メルリアやアリサ、ライラと共に過ごした様子のリナを見て、自分も接点を持ちたいと猛烈にアプローチした。王宮も王妃候補たちも堅苦しい人ばかりだと、気疲れする様子を見せ、気さくなリナと友達になりたがった。おしゃれに敏感で、最近の流行は王宮からではなく、町の自分と同世代の女性から発信されているのだと得意げに話し、年頃の女性のなんたるかをリナに語って聞かせた。これを機にリナやほかの王妃候補と、いい関係を築くことになる。候補者の中では最も民間に近い存在。

ハディ

リナ・ランドールが王宮で暮らす際に、リナ付きの侍女を務めることになった女性。身の回りの世話や、給餌などが主な仕事。リナが第三王子のジルベルトと二人で過ごした日、リナがジルベルトに対して無関心に見えると意見し、失礼を承知で王子と結婚すれば、実家の窮地を救えるのではないかと意見した。大きなチャンスを目の前にしながら、無欲で消極的なリナをもったいないと感じている。その後、ほかの王妃候補者からプレゼントされた香油や化粧品を使い、明らかに美しくなっていくリナを見て、次にジルベルトと二人で過ごす日までにはもっと見違えるほどの美を手に入れているのではないかと、リナの今後に期待を寄せている。

グレン・アルトー

第三王子のジルベルト付きの侍従を務める男性。非常に濃い青に、薄い緑が薄く覆っている不思議なオーラを身にまとっている。冷静で計算高く、表面上は穏やかなふりをしているが、笑顔の下では何を考えているかわからないタイプ。ジルベルトが襲われた事件が起きた時、いっしょに過ごしていたリナ・ランドールが、王子よりも先に不審人物に気づいたことで犯人とのつながりがあるのではないかと疑い、聴取するためにリナに面会に来た。その後、リナにオーラが見える不思議な力があることが証明されたため、その嫌疑は晴らされたが、リナにジルベルトを守ってくれないかと提案。その見返りとして、リナの生活全般を保障するほか、リナの実家への資金援助や、特別手当の支給を約束することを条件に出した。最終的には、承諾しなければ実家がより困窮するように圧力をかけると脅し、強引に約束を取り付けた。そのまま王子の王妃になってもかまわないと、あっけらかんと提案するが、ほかの王妃候補との関係性を守りたいというリナ本人の希望により、偽名を使って変装してジルベルトに付き従い、王子を守ることを承諾した。

リナの父

リナ・ランドールの父親で、ランドール伯爵家の当主を務めている。優しい性格で、お人よしのためにカモとして多くの人から狙われている。このため、もともと裕福でなかったランドール伯爵家がさらに極貧となり、追い詰められる原因をつくった。それがきっかけで、娘のリナに人のオーラが見えるようになったため、最近はその力に頼るようになり、商談を持ち掛けられても即決せずに必ずリナに相談している。

場所

エルヴァスティ

物語の舞台となる国。今から28年前、現国王フィリクスの正妃リーゼのもとに、隣国である北の大国のロークから側妃としてトリアンナが輿入れをした。その後、トリアンナは第一王子のイェリクと第二王子のヨエルを設けるが、この王子よりものちに正妃であるリーゼから生まれた第三王子、ジルベルトが第一王位継承権を持つことになる。その後リーゼが病で帰らぬ人となり、トリアンナが繰り上がりで正妃となったことから、10年ほど前、生国の権力と取りまきの後押しを得て、自分の子であるイェリクを王太子に据えることに成功した。しかしイェリクが王になることで、不仲なロークからのエルヴァスティへの過干渉が強まることが懸念されていて、そもそも第三王子こそが王太子なのだという根強い声もあり、王太子を推す王妃派と反対勢力にあたる第三王子派に別れ、王位継承権を巡る対立が深刻化している状況にある。

その他キーワード

ランドール伯爵家 (らんどーるはくしゃくけ)

とある辺境の地をおさめる斜陽伯爵家。領地に主だった特産品もなく、もともと裕福ではなかったが、自給自足を基本としてつつましい生活を送っていた。刈り入れ時には家族総出で手伝うなど、領民とも良好な関係を築いており、笑顔の絶えない暮らしぶりだった。しかしある年、天候不良による冷害で、農作物が近年まれに見る不作となった。さらに追い打ちをかけるように日照りが襲い、領地が甚大な被害を受けることになった。農業を主な収入源としていたため、領地経営は立ち行かなくなり、館内の金目の物を売り払って借金をしてなんとか冬を乗り越えようとした。しかし、その矢先にリナの父が、資産家や商人などから簡単に騙せるカモとして狙われてしまい、その結果、さらなる極貧となって、現在に至るまで苦しい生活を余儀なくされている。

オーラ

人が全身を覆うようにまとっている色。黄色は元気でお調子者、緑色は優しい平和主義者、青色は冷静で理想が高く、橙色は明朗でウソが吐けない、赤色は情熱的で行動力がある、紺色はまじめで頑固なところがある、紫色は信心深くミステリアスと、それぞれが持つ色には意味があり、それよって、性格や人柄などを大きく分類することができる。色はこれだけにとどまらず、中間色に至っては千差万別に存在し、白や黒、金色や銀色も存在する。また、色の濃淡や配置など、組み合わせ次第で意味合いが変化する。リナ・ランドールだけが見ることができる特殊なものだが、リナ自身のオーラは見ることができない。

クレジット

原作

山田 桐子

キャラクター原案

三月 リヒト

書誌情報

第三王子は発光ブツにつき、直視注意! 全3巻 KADOKAWA〈フロース コミック〉

第1巻

(2020-02-05発行、 978-4040643717)

第2巻

(2020-12-04発行、 978-4046800336)

第3巻

(2021-12-03発行、 978-4046807946)

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