あらすじ
第1巻
近隣諸国を侵略し続ける魔王のボボンの手が平和なペケペケの国まで伸び、ペケペケの国はあっという間に乗っ取られてしまう。ペケペケの国の王であるペケ王はボボンの攻撃から息子のペケルをかばって負傷し、妻のペケミ王妃やペケルに連れられて国からの脱出に成功するものの動けなくなってしまう。そこでペケルは、父親の代わりにボボンを倒してペケペケの国を取り戻す旅に出る。途中ではボボンによって生き魔術をかけられた湖や大木、結果的に国を捨てたペケ王を恨むペケペケ国民、ボボンの手下などから旅をジャマされるが、ペケルは仲間のコロガリ、クサメ、オウチと協力して困難を乗り越えてボボンの居城を目指す。
第2巻
魔王のボボンを倒す旅を続けるペケルとその仲間達。しかし、彼らはボボンがいる正確な場所を知らず、かつてボボンの手下だったイワガエルを仲間に加えて道案内をさせても、大雑把な案内しかできずに途方に暮れていた。だが、ボボンの居城があるガラク村出身のクリオと出会い、クリオからボボンの居城の位置を教えてもらったあとは、対岸が見えないほど大きい河やいくつかの村を越えて、無事にボボンの居城近くまでたどり着く。ペケルはあと少しでボボンを倒して国を取り戻す旅が終わると思っていたが、大量のボボンの手下にいっせいに襲われて、仲間ともども捕らわれてしまい、ボボンの眼前に連行されるのだった。
登場人物・キャラクター
ペケル
ペケペケの国の王子。明王扇の使い手。国が魔王のボボンに侵略された時に父親のペケ王、母親のペケミ王妃と共に国から脱出して生きのびる。その後は負傷して動けなくなった父親の代わりにコロガリ、クサメ、オウチを連れてボボンを倒して国を取り戻す旅に出る。まじめな性格で、仲間が人質になると激怒したり、湖に落ちた仲間を助けるために躊躇なく飛び込むなど仲間思い。 湖の水をほとんど飲んだり、地割れ部分に入り込んで地面を動かすなど、規格外の行動をする事もある。
コロガリ
ペケルといっしょに魔王のボボンを倒す旅をする石。もともとは河原に転がる無数の石の一つ。ボボンから生き魔術をかけられたため命が宿り、言葉をしゃべられるようになった。ペケルの一の子分を自称しており、旅をジャマしてくる相手にも勇猛果敢に戦いを挑む。怒るほどに体が硬くなり、怒りに満ちて体が黒くなると鋼鉄を貫けるようになる。
クサメ
ペケルといっしょに魔王のボボンを倒す旅をする花。もともとは都会の片隅にひっそりと咲いていた花。ボボンから生き魔術をかけられたため命が宿り、言葉をしゃべられるようになった。水がないと生きていけない。両腕代わりの根っこを突き刺せば養分を吸い取る術が使えて、吸い取ったあとは、普段はスリムな体がぽっちゃり体型になる。 なお、生物以外の養分を吸うと、くしゃみが止まらなくなる。
オウチ
ペケルといっしょに魔王のボボンを倒す旅をする犬小屋。もともとはゴミ捨て場に捨てられていた犬小屋。ボボンから生き魔術をかけられたため命が宿り、言葉をしゃべられるようになった。珍しい生物が大好きで、見つけると、口に当たるドアから体内に入れて収集している。体内にはユートピアと言われるような穏やかな異空間が広がり、そこで千種類を超える珍しい生物が楽しく暮らしている。
ペケ王 (ぺけおう)
ペケペケの国を治める王様。ペケルの父親。魔王のボボンにペケペケの国を侵略された時に負傷してしまい、妻のペケミ王妃、息子のペケルに連れられて国から脱出する。赤ん坊の頃のペケルだけでなく、子犬やトンボにすら吹き飛ばされて、虫も殺せぬほど弱いと思われている。しかし、これは「強い王より弱い王の国のほうが平和」という考えで振る舞っていた仮の姿で、実際はとてつもなく強い。
大木歩 (おおきあゆむ)
ペケル達が森の中で出会った大木。魔王のボボンにかけられた生き魔術により移動したり、言葉をしゃべられるようになる。オウチを捕らえてペケル達を踏み潰そうとするが、ペケルに幹を少しずつ折られてあせったところを、明王扇の一撃で吹き飛ばされる。その後、ペケルの強さにほれて旅に同行させてほしいと伝えるものの、大きさを理由に断られてしまう。
クリオ
ペケル達が魔王のボボンを倒す旅で出会ったクリ族の少年。バケツを使って空気を撃ち出すバケツ撃ちの使い手。ボボンの居城があるガラク村の出身で、ボボンが来たせいで離れ離れとなった家族を探して旅をしている。ボボンの話をしていたペケル達の事をボボンの仲間だと勘違いして、大量の矢で攻撃するが、誤解が解けたあとは、ペケルにボボンの居城への行き方を教える。
ボボン
生き魔術などの術が使える魔王。ペケペケの国を含む7つの国を侵略して来た男性。侵略後は雨が地面から空に向かったり、壁やほかの人と触れられなくなるなどの特異な現象を発生させるブラックボールを埋めて、そこに住む人達が自分に抵抗しないようにしている。ペケルの所在がわかると、ボボン軍団という直属の実行部隊にペケル討伐を命じる。
ウータロー
魔王のボボンに従うコブトリトカゲ。ペケルが大木歩と戦っているのを見て、ペケルの事をボボンに報告する。これ以降、ボボン軍団がペケル討伐に向かう時に道案内役を務める。
イワガエル
魔王のボボンに従う巨大なカエル。全身が岩でできており、その硬さとカエルのジャンプ力を活かして、上空から体当たりで攻撃してくる。野蛮で、非常に好戦的な性格の持ち主。ボボンの命令でペケル討伐に向かうものの、コロガリ、クサメ、オウチの連携の前に敗れる。その後、珍しい生物という理由でオウチの体内に収容される。 オウチの中で暮ら始めた当初は暴れていたが、徐々に穏やかな性格に変わっていく。
キマラ
魔王のボボンに従う少年。ボボンが作り上げたボボン軍団の副長を務める。火の玉を出したり、自由に空を飛べるなどの術が使え、さらに口から超音波を出せる。ボボンの命令で、特異な現象を発生させるブラックボールを埋める場所を探している時にペケルと出会い、戦いを挑むが、返り討ちに遭う。それ以降、ペケルを倒せば手柄になると考えて何度もペケルを襲撃する。
ゴレム
魔王のボボンに従う巨大な兵士。ボボンが作り上げたボボン軍団の隊長を務める。巨体ゆえにボボンの居城に入れず、つねに居城の近くに待機している。全身が鋼鉄でできており、堅牢な防御力を誇り、金属を引き寄せるマグネキューブが使える。ほかの軍団員と同じく意志を持って行動していると思われていたが、実は胸に操縦席があるロボットだった。
その他キーワード
生き魔術 (いきまじゅつ)
魔王のボボンが使える術。この術を受けると河原の石や草花、山などに命が宿り、自分の意志で動いたり会話する事ができる。効果は永遠に続くが、ボボンを倒せば解けると思われている。
明王扇 (みょうおうせん)
何枚もの葉っぱがついているような見た目の扇。ペケルが肌身離さず持ち歩いている。軽くあおぐだけで強風を出す事ができるが、ペケペケの国の王位継承者でないと使えない。