ホームレス転生 ~異世界で自由すぎる自給自足生活~

ホームレス転生 ~異世界で自由すぎる自給自足生活~

徳川レモンの小説『ホームレス転生 ~異世界で自由すぎる自給自足生活~』のコミカライズ作品。ホームレス生活を送っていた田中真一が異世界に転生し、さまざまな困難に立ち向かいつつも仲間を増やして、自由に生きていく姿を描いた冒険ファンタジー。「ComicWalker」で2018年10月8日から配信の作品。

正式名称
ホームレス転生 ~異世界で自由すぎる自給自足生活~
ふりがな
ほーむれすてんせい いせかいでじゆうすぎるじきゅうじそくせいかつ
原作者
徳川 レモン
漫画
ジャンル
ファンタジー
レーベル
MFC(KADOKAWA)
巻数
全10巻完結
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

異世界に転生後、地上を目指す

渋谷でホームレスとして生活を送っていた田中真一は雷に打たれ、自分が死ぬことを理解しながら意識を失うが、次の瞬間、見覚えのない閉ざされた場所で目覚める。雷が直撃したのに無傷であること、自分の体が若い時のような力強さに満ちていること、見知らない場所にいることから、真一は自分が生まれ変わったと仮説を立て、周囲の情報を得るために行動を開始する。ある日、未探索エリアを歩いていた真一は、倒れていたエルフ族のエレナ・フレデリアを発見して救助する。エレナから今いる場所がモヘド大迷宮の地下十九階層であることを教えてもらった真一は、地上に出るためにエレナといっしょに行動するが、ジャックに襲われて下の階層に逃げる。真一たちは地上から遠ざかるが、地下二十階層で1000年前に生きていたムーアの隠れ家を発見する。さらに隠れ家で見つけたモヘド大迷宮の地図で地下二十一階層に畑があることを知り、真一は食料を確保するためにエレナを連れて向かう。途中で魔物に襲われている獣人の子供を助け、その子供にペロと名づけて仲間に加えると、三人は目的の畑から無事に食料を入手する。隠れ家を拠点に暮らすこと1か月、食料や装備を整えた真一たちは地上を目指して出発するのだった。

冒険者パーティー「ホームレス」結成

田中真一エレナ・フレデリアペロは、モヘド大迷宮の地下二十階層にあるムーアの隠れ家を出発して地上を目指し、地下十九階層でかつては倒せずに逃げることしかできなかったジャックをあっという間に倒す。そのまま地下十八階層を目指していたが、別の魔物から逃げている冒険者たちを発見して救助する。冒険者たちはエレナの知り合いの道化猿で、お互いの状況を説明し合って共に地上を目指すこととなった。人数が増えたこともあって地下十八階層以降は順調に進み、ついに真一たちはモヘド大迷宮を出て地上に到達する。モヘド大迷宮の近くにある街のマーナに着いた真一たちはギルドに向かい、冒険者パーティー「ホームレス」として登録するのだった。その後、マーナの外にファクティスドラゴンが現れたことでギルドから討伐依頼を受け、ホームレスも討伐に参加。ファクティスドラゴンの硬い皮膚と強力な力の前に冒険者たちは窮地に追い込まれる中、真一はエレナの体の一部がふだんと別の色で光っていることに気づく。その場所をツボ押しで突くと、一時的に痛みが出るものの、魔力が上がってこれまで使えなかった魔法が使えるようになることをエレナに伝えると、エレナはツボを突くことを決める。ツボ押しで魔力が大きく上昇したエレナは、その場にいる誰よりも強力な魔法をファクティスドラゴンに放つ。

マーナ掌握を狙うサキュバスとの戦い

ファクティスドラゴンとの戦いから数週間後、久しぶりに田中真一エレナ・フレデリアペロがマーナの街を訪れると街の雰囲気は一変していた。領主やギルドの幹部、多くの男性がカレンという女性の虜になっており、仕事もせずにカレンを称える集会ばっかりしていることを聞かされた真一たちは、生活必需品を買い漁っている時に集会参加者から襲われる。参加者の目的はエレナの抹殺だが、参加者たちの様子がおかしいことから、カレンにあやつられていると考えた真一は、彼らを殺さないように手加減して撃退する。翌日、マーナを訪れた真一たちは人捜しをしているゲイルフレアから声をかけられ、ゲイルたちが捜しているノヴァン・メディルが昨日の参加者の中におり、カレンにあやつられていることを教える。ゲイルたちの話を聞いて、ノヴァンが向かったモヘド大迷宮の地下三十階層にカレンがいると予想した真一は、ゲイルたちと協力して地下三十階層を目指す。道中、トラブルに見舞われるものの地下二十七階層に到達した真一たちの目の前にカレンが姿を現す。真一、エレナ、ペロの連携でカレンを圧倒するが、カレンが本気を出すと形勢が逆転。あっという間にエレナ、ペロ、フレアが戦闘不能となってしまう。

王都での予期せぬ再会

ノヴァン・メディルの救助を手伝ったこと、ペロが国で保護する聖獣であることで、冒険者パーティー「ホームレス」はアデル・メディルからローガス王国の王都に招待される。別の世界から転生したために今いる世界の知識が乏しい田中真一は、見識を広めるために王都に行くことを決める。メディル家の王都邸に到着した真一たちはアデルと話したあと、邸内でエレナ・フレデリアの父親であるフレデリア公と対面する。エレナにとっては9年ぶりの再会だが、冒険者を辞めさせて強引に実家に連れ戻そうとする父親に反発する。フレデリア公が考えを変えないために事態が進展しない中、突如大地震が王都を襲う。地震の影響を調べるためにペロといっしょに市街地を回っていた真一は、王都の外に50メートルはあるギガントミノタウロスを見つけ、エレナやフレアと合流して討伐に向かう。戦いを優勢に進めていながらも、決め手に欠けることに悩む真一たちの前にフレデリア公が現れ、エレナに最高位の破壊力を誇る特級魔法を授ける。

ホームレス飯店の開店と新しい仲間

ローガス王国の王都での戦いでフレアを仲間に加えて、田中真一エレナ・フレデリアペロは活動拠点のモヘド大迷宮の地下二十階層に戻ってきた。畑で栽培している野菜やモヘド大迷宮の魔獣を使った料理でフレアの歓迎会を開いていると、真一がモヘド大迷宮で採れる野菜や果実を使った料理の屋台を出して収入を得ようと提案する。準備を整えた真一たちは、モヘド大迷宮の入り口付近に「ホームレス飯店」を開店させるのだった。しかし開店初日はお客がまったくやって来ず、自信満々だった真一はショックを受ける。さらにお店の料理が勝手に動いているのを見つけた真一は、スキルで隠れていた犯人を捕まえる。犯人のリズ・シュミットは、両親がデスタルの指示で殺されたこと、自分が敵討ちできるだけの力を得るために鍛えてもらおうとホームレスに近づいたことを説明する。話を聞いた真一は、20年前に妻子を交通事故で失った時の怒りと喪失感を思い出し、リズも同じ思いを抱えていると感じて、貴族殺しは重罪と知りながらもリズを仲間に加えて協力することを決める。

デスタルの悪事の証拠

リズ・シュミットが仲間になって当面の目的が定まったホームレスは、田中真一がリズに戦闘経験を積ませ、エレナ・フレデリアペロフレアはホームレス飯店の営業に精を出していた。リズの戦闘訓練は順調だったが、ホームレス飯店は同業者であるダスティン兄弟の妨害もあって客足が伸びていなかった。真一は起死回生の案として料理に魔獣の肉を使うことを思いつき、店名も「ホームレス魔獣飯店」に変更する。店名のインパクトもあって冒険者の注目を集め、食べた冒険者がこぞって賞賛したことでホームレス魔獣飯店は一気に人気店となる。客を奪われたことに激怒したダスティン兄弟が、助っ人を雇って力ずくでホームレス魔獣飯店の排除に動くものの、真一とリズに簡単に撃退される。戦闘後、ダスティン兄弟が使っていた剣が父親のものであることに気づいたリズは、ダスティン兄弟が両親殺害の実行犯だと知り、激昂して襲いかかる。しかし真一はそんなリズを止め、ダスティン兄弟に命を助ける代わりにデスタルの悪事を証言することを約束させ、アデル・メディルのもとへ送る。さまざまな証拠がそろったあと、アデルはデスタルを捕らえるためにマーナの街の冒険者に依頼し、真一たちはデスタル領へ向かう。

国王主催の舞踏会

田中真一たち冒険者パーティー「ホームレス」は、ギガントミノタウロスからローガス王国の王都を守った功績で、ローガス王国国王のレイ・ローガス・シュタインと謁見することとなった。この謁見には裏の事情もあり、謁見後はホームレス、レイ、アデル・メディルゲイルだけが残ってエステント帝国デスタルについて話し合いがもたれる。真一たちはレイから、デスタルを利用した計画が阻止されたエステント帝国が直接的な侵略行動に出たことを聞かされ、さらにレイを狙う刺客をあぶり出して情報を得るため、レイが主催する舞踏会の護衛を依頼される。真一たちは王都を守った英雄として舞踏会の主賓として招かれ、多くの貴族から注目を浴びながら舞踏会は始まる。そしてダンスの時間となり、一人の女性がレイに近づいてくる。

王国防衛戦争

捕らえた刺客からエステント帝国が1か月後に侵攻してくる情報を得たローガス王国レイ・ローガス・シュタインは、ローガス王国の迎撃準備が整うまでの時間稼ぎを田中真一たちホームレスに依頼する。5万人のドラゴニュートを真一たち五人で足止めするという無謀な依頼だったが、真一はエステント帝国の進軍ルートの地形や、自分たちの能力を総合的に考えて可能だと判断して依頼を受ける。そして敵軍を、エレナ・フレデリアの広範囲魔法で起こした雪崩に巻き込んだり、空を飛べるホームレスグリフォンホームレスワイバーンを使って空から奇襲して無事に依頼を達成するのだった。最低限の態勢を整えることができたローガス王国軍は冒険者も集め、アーリア平原でエステント帝国を迎え撃つ。真一たちもローガス王国の国民が戦争に怯える姿を見て、彼らを守るためにも戦闘に参加する。人数や種族による戦闘力の差からローガス王国は少しずつ劣勢に追い込まれていく中、真一はある奇策を思いつき、戦場で指揮しているレイに前線を下げてマーナでの防衛戦を進言する。戦況から防衛戦が得策と判断したレイは全軍を後退させ、ホームレスと共にマーナまで後退させる。そして一人戦場に残った真一は、大量の眷属を召喚して敵本陣に突撃するのだった。

関連作品

小説

本作『ホームレス転生 ~異世界で自由すぎる自給自足生活~』は、徳川レモンの小説『ホームレス転生 ~異世界で自由すぎる自給自足生活~』が原作となっている。原作小説版は、徳川レモンが小説投稿サイト「小説家になろう」に「ホームレスでもできる異世界ダンジョン生活」という題名で投稿していた小説で、タイトルを「ホームレス転生 ~異世界で自由すぎる自給自足生活~」に変更されてカドカワBOOKSから刊行されている。イラストはoxが担当している。

登場人物・キャラクター

田中 真一 (たなか しんいち)

冒険者パーティー「ホームレス」のリーダーを務める男性。年齢は56歳。もともとは10年間ホームレスとして路上生活を送っていたが、雷に打たれて死亡した際に25歳に生まれ変わったうえで別の次元の世界に転生する。ホームレス生活が長かったために非常にバイタリティがあり、他人が嫌厭する食べ物でも平気で口にする。転生後はローガス王国のモヘド大迷宮の地下十九階層で目覚め、迷宮内で出会ったエレナ・フレデリアと協力して地上を目指す。モヘド迷宮内に活動拠点となるムーアの隠れ家や畑、果樹があることを知り、地上に出た時に地下二十一階層と地上を一瞬で行き来できる転送の神殿を見つけたことで、モヘド迷宮内で自給自足をしながら冒険者として生きていくことを決める。ふだんから落ち着いた性格で冷静な判断もできるが、たまに少年のような一面も見せることがある。魔物と戦っている中で「スキル拾い」というスキルを習得すると、戦うほど習得スキルが増えていき、際限なく戦闘能力が上昇する。種族は「ホームレス」という独自のもので、進化を2回してホームレス(変異種)からホームレス(王種)へと変化していく。

エレナ・フレデリア

冒険者パーティー「ホームレス」のメンバーの女性。年齢は19歳。種族はエルフで、のちに進化によって始祖エルフに変化する。サナルジア国公爵のフレデリア公の次女。魔法に優れたフレデリア家に生まれたものの、魔力は低いうえに初級魔法しか使えないことで、幼い頃からフレデリア公から冷遇されていた。大魔導士になることを夢見て、実家を飛び出して冒険者となる。しかしどれだけ鍛えても、魔力が増えたり中級以上の魔法を使えるようになったりせず、戦闘面では役に立たないことから主に荷物運びとして活動していた。ローガス王国のモヘド大迷宮の地下十九階層で、パーティー内でのトラブルによって一人行き倒れたものの田中真一に助けられ、協力して地上を目指す。知識が豊富で、料理をはじめとした家事全般も得意。魔力量が低くて初級魔法しか使えない欠点も真一のツボ押しによって解消すると、一流冒険者をはるかに凌駕する魔力を身につけた。進化後は魔法の規模が2倍以上になる魔の神髄というスキルを習得。ローガス王国王都を守る戦いでギガントミノタウロスを攻撃した時に、魔法の余波で街にまで被害が及んだことで王都に住む人から「破壊魔導士」と呼ばれるようになる。真一に好意を寄せており、恋のライバルであるリズ・シュミットとは何かと張り合うことが多い。

ペロ

冒険者パーティー「ホームレス」のメンバーの少年。ワーウルフの聖獣で、魔獣コボルドの子供として生まれたが捨てられて孤児となり、ローガス王国のモヘド大迷宮の地下二十一階層で魔獣に襲われているところを田中真一に助けてもらって仲間となる。「ペロ」という名前は真一に付けてもらった。最初は片言でしか会話できなかったが、エレナ・フレデリアに教えてもらって短期間に人語をマスターした。裏表のない素直な性格で、仲間意識が非常に強い。

フレア

冒険者パーティー「ホームレス」のメンバーの女性。年齢は18歳。種族はヒューマンで、のちに進化によってネオヒューマンに変化して念動力というスキルを習得する。7歳の時に冒険者だった両親が死亡し、8歳の時に祖母が死亡しためにローガス王国の王都で孤児となった。スラム街に迷い込んだノヴァン・メディルを助けたことで人並み以上の生活を送れるようになり、アデル・メディルに仕える近衛騎士となる。冒険者でなければ両親を失うこともなかったと考えており、筋違いと理解しながらも冒険者自体を強く憎んでいる。カレンに洗脳されたノヴァンの救出作戦で、田中真一と交流していくうちに冒険者への憎悪はなくなり、ギガントミノタウロス撃退後にホームレスに加入する。騎士道精神にあふれた正義感の強い性格で、凛とした佇まいをしている。年相応にかわいいものが大好きな一面があり、任務中も愛らしい小動物を見ると目を向けてしまう。ペロやホームレスグリフォンのふわふわな毛並みを触って癒されている。

リズ・シュミット

冒険者パーティー「ホームレス」のメンバーの女性。年齢は15歳。種族はヒューマンで、のちに進化によってダークヒューマンに変化して闇雲というスキルを習得する。シュミット男爵家の令嬢だが、両親が殺されたことで土地や財産を失っている。さらに両親を殺されたショックで声が出なくなり、筆談でコミュニケーションを取っている。両親の仇であるデスタルへの復讐を誓い、力をつけるためにホームレスに加入する。忍術、盗術、投擲というスキルを習得しており、冒険者になりたてながら規格外の戦闘能力を誇る。デスタルへの復讐を成し遂げ、気持ちの整理がつくと再び声が出るようになり、ホームレスの一員として両親の思いと共に生きていくことを決意する。戦闘では冷静沈着だが本来は人懐っこい性格の持ち主。田中真一に好意を寄せており、恋のライバルであるエレナ・フレデリアとは何かと張り合うことが多い。

スケ太郎

田中真一に従うホームレスゴールデンスケルトン。もともとは真一が眷属化のスキルで眷属にしたホームレススケルトンの一体だったが、真一の因子が与えられたことで突然変異して誕生した。通常のホームレススケルトンとの違いは、金色に光っていることと言葉をしゃべることで、真一からホームレススケルトンの指揮を任せられている。真一に「スケ太郎」という名前を付けてもらう。柔和な性格で誰にでも丁寧な話し方をする。

ホームレススケルトン

田中真一に従う魔獣。眷属化のスキルで眷属にした際に、真一の因子が与えられたことで誕生した新しい種族で、通常のスケルトンと比べると10倍の能力を誇る。200体以上のホームレススケルトンが眷属となっている。言葉を発することはできないためにコミュニケーションを取ることはできないが、真一やその仲間の言うことには素直に従い、敵の拘束や戦地への移送の運搬などを行っている。平時はローガス王国のモヘド大迷宮の地下二十一階層にある畑や果樹などの作業員や、屋台「ホームレス飯店」の店員として忙しく働いている。

ホームレスグリフォン

田中真一に従う魔獣。眷属化のスキルで眷属にした際に、真一の因子が与えられたことで誕生した新しい種族で、通常のグリフォンと比べると10倍の能力を誇る。背中に人を乗せることができ、空を飛んで素早く移動できる。地上を走ることも可能で、逃げ足の速い獲物を仕留めるときにも重宝されている。たてがみがふわふわしているため、フレアに触られていることが多い。

ホームレスワイバーン

田中真一に従う魔獣。眷属化のスキルで眷属にした際に、真一の因子が与えられたことで誕生した新しい種族で、通常の飛竜と比べると10倍の能力を誇る。飼い慣らすことは不可能といわれているドラゴン種で、真一の眷属化にもかなり抵抗していたが、真一が歌う童謡に心を許して眷属となる。背中に人を乗せることができ、空を飛んで素早く移動できる。爪やブレスによる攻撃が強力で、戦闘能力は非常に高い。

マイキー

冒険者パーティー「道化猿」のリーダーを務める男性。お調子者だが冒険者としては優秀で、国や街に大きく影響する作戦には必ず参加している。昔から騎士にあこがれており、ゲイルのこともよく知っている。

アニー

冒険者パーティー「道化猿」のメンバーの女性で、エレナ・フレデリアの姉。水属性の魔法が得意。自分の実力を考えずにむちゃばかりするエレナを心配しており、強い口調で注意することが多い。エレナが田中真一のツボ押しによって実力を発揮するようになると、エレナへの思いがより大きくなって過剰な接し方をするようになる。

ココ

冒険者パーティー「道化猿」のメンバーの女性。戦闘能力は高いが虫が苦手で、虫と対峙すると怯えて何もできなくなる。

ゲイル

アデル・メディルの近衛騎士団長を務める男性。誠実な人当たりのいい性格で、冗談を言ったりと誰ともフランクに接している。任務には忠実でアデルやレイ・ローガス・シュタインからの信頼も厚く、国家機密が話される場にもよく顔を出している。カレンに洗脳されたノヴァン・メディルの救出作戦で田中真一と知り合い、アデルやレイと真一の橋渡し役を務める。面倒なことを真一に押し付けることが多く、そのたびに真一から嫌みを言われている。

ノヴァン・メディル

アデル・メディルの息子。年齢は17歳。冒険者にあこがれており、一人で実家を飛び出して冒険者の街とも呼ばれるマーナに向かう。マーナでカレンに洗脳されると、エレナ・フレデリアへの刺客やモヘド大迷宮にエレナたちを誘い込むための要員に利用される。洗脳が解けたあとは冒険者になることをあきらめて実家に戻り、自分に任された仕事をこなしている。小さい頃に王都のスラム街に迷い込んだ自分を助けてくれたフレアには恩義を感じており、自分の気持ちを押し殺して近衛騎士を続けようとするフレアに、冒険者となって自由に生きるように後押しする。

アデル・メディル

公爵であるメディル家の当主を務める男性。ローガス王国の宰相も務めており、国王のレイ・ローガス・シュタインからの信頼も厚い。人脈も広く、大国であるサナルジア国公爵のフレデリア公とも長年懇意にしている。息子のノヴァン・メディルの救出作戦で協力してくれたのが冒険者パーティー「ホームレス」であること、ペロが国で保護する聖獣であることをゲイルからの報告を受けて知り、ホームレスを王都邸に招待する。

フレデリア公

大国・サナルジア国でフレデリア家の当主を務める男性で、エレナ・フレデリアとアニーの父親。爵位は公爵。傲慢な性格で、魔法に優れたフレデリア家に生まれながら魔力が低く、初級魔法しか使えないエレナにずっとつらく当たっていた。9年ぶりに再会したエレナが満足のいく実力を発揮していると、エレナの思いを無視して強引に実家に連れ戻して政略結婚させようとする。エレナから断固拒否され、田中真一から親としての在り方を問われて考えを改める。

レイ・ローガス・シュタイン

ローガス王国の国王を務める男性。若いながらも威厳とカリスマ性に優れ、情報を引き出すために自分の身を犠牲にしたり、味方の士気を高めるために戦争の最前線に赴いたりするなど豪胆な人物。

ムーア

1000年以上前に実在していた魔導士。世界大戦を一人で止めたり、世界を恐怖に陥れた怪物を倒したりといった数々の功績により、「大賢者」とも呼ばれている。老いを感じて表舞台から姿を消し、ローガス王国のモヘド大迷宮の地下二十階層に隠れ家を作って移り住む。地下二十一階層に野菜や果実、キノコ類などの食物を育てて自給自足の生活を送っていた。隠れ家の入り口は巧妙に隠されていたが、田中真一に発見され、真一たちの活動拠点となる。

ジャック

ローガス王国のモヘド大迷宮の地下十九階層に生息する魔獣。左目に傷があるオークで、獲物を執拗に追いかける性質がある。田中真一が「ジャック」という名前を付けた。巨体から繰り出す攻撃は強力で、転生直後の真一では手も足も出なかったが、装備を整えた真一によって倒される。

ファクティスドラゴン

ローガス王国のマーナに現れた大型のトカゲ型の魔獣。20年前に現れた時は200人の犠牲が出たほどの危険な魔獣で、マーナにいる冒険者が総出で討伐に向かう。冒険者パーティー「ホームレス」を登録した直後の田中真一も初めての依頼として参加し、エレナ・フレデリアの魔法で倒すことに成功する。

カレン

ローガス王国のマーナの支配を企む少女。見た目はか弱くて可憐な少女だが、その正体は災害級に恐れられるヴァンパイアとサキュバスのハーフ。サキュバスの魅了の力でマーナの人間をあやつり人形にして、邪魔となる冒険者同士で殺し合わせていた。自分の力に自信があるために冒険者を侮っていたが、同等以上の力を持つ田中真一によって倒される。

ギガントミノタウロス

ローガス王国の王都近くに現れた魔獣。5000万年前に生息していた50メートル級の超大型魔獣で、仮死状態で地下に眠っていた。目覚めたあとはエサを求めて王都へ侵攻していたが、冒険者パーティー「ホームレス」による決死の攻撃によって王都にたどり着く前に倒される。

ダスティン兄弟

屋台「串焼きタイガー」を切り盛りする兄弟。、兄のラライが店長、弟のヌヌイが副店長を務めている。ローガス王国のモヘド大迷宮の入り口近くで店を営んでおり、味はもちろんボリュームの多さで冒険者たちからは人気がある。一方で同業者にはみかじめ料を払うように要求し、拒否すると実力行使に出るなどあくどいこともやっている。屋台を営む前は強盗や暗殺など闇の仕事を請け負っており、デスタルの依頼でリズ・シュミットの両親の暗殺にも手を貸していた。

デスタル

伯爵であるデスタル家の当主を務める男性。表向きは自分の領地にある都市・バナンを発展させて領民からも慕われる名領主だが、裏ではエステント帝国への亡命を条件にして、エステント帝国にローガス王国を攻め込ませる大義を捏造しようとした売国奴。エステント帝国のガナン・ドラグニルと綿密に計画を立てていたが、リズ・シュミットの両親に計画を気づかれ、ガナンにシュミット家を皆殺しにするための人員を借りた。また、デスタル自身もダスティン兄弟にシュミット家の殺害を依頼した。

ガナン・ドラグニル

ドラゴニュートが住むエステント帝国の将軍を務める男性。年齢は30歳。ドラグニル侯爵家の長男で、種族はエンペラードラゴニュート。戦闘能力は今のエステント帝国では最強と噂され、いまだ無敗を誇っている。ドラゴニュート至上主義の持ち主で、ドラゴニュートによる世界統一を悲願としている。そのための第一歩としてエステント帝国の皇帝派をクーデターで一掃し、父親のドラグニル侯爵を皇帝、ガナン・ドラグニル自身を皇太子にして、隣国のローガス王国へ侵攻するための大義づくりのためにデスタルと接触する。クーデターは成功するものの大義づくりは冒険者パーティー「ホームレス」に阻止される。そのため、大義のないまま他国に戦争を仕掛ける強硬手段に打って出る。

シュリ

ガナン・ドラグニルに仕えるドラゴニュートの女性。残虐な性格をしている。潜入捜査や暗殺が得意で、リズ・シュミットの両親やレイ・ローガス・シュタインの暗殺を任されるほどガナンの信頼は厚い。リズの両親を実際に殺した人物でもある。

グランダル

ガナン・ドラグニルに仕えるドラゴニュートの男性。好戦的な性格をしており、アーリア平原での戦いでは体が鈍るという理由でフレアに攻撃を仕掛ける。

集団・組織

ホームレス

田中真一がリーダーを務める冒険者パーティー。登録時のメンバーは真一、エレナ・フレデリア、ペロの三人だが、活動していく中でフレアとリズ・シュミットが加わる。登録してからあまり時間が経っていないため、ランクは下から2番目の中級だが実力は最上位のマスター級と同等。ローガス王国の国王を務めるレイ・ローガス・シュタインや宰相のアデル・メディルとも懇意にしており、国家機密に相当する極秘任務も任されている。

道化猿 (ぴえろもんきー)

マイキーがリーダーを務める冒険者パーティー。メンバーはマイキー、アニー、ココの三人。ランクは上から3番目の上級で、国や街の存亡にかかわる任務などにも参加している。

場所

モヘド大迷宮

ローガス王国のマーナから徒歩2時間の場所にある迷宮。最下層には誰も到達したことがなく、各階層には魔獣が出現する。地下二十階層にはムーアの隠れ家があり、田中真一たちホームレスはモヘド大迷宮を活動拠点にしている。地下二十一階層には野菜や果実、キノコ類、家畜などを育てており、真一たちはこれらを使って自給自足の生活を送っている。

ローガス王国

レイ・ローガス・シュタインが国王を務める国。国土は狭いながらも豊富な水源と肥沃な土地があり、国民は豊かに暮らしている。水源と土地を狙うエステント帝国に大義もなく攻め込まれるが、レイの指揮のもとで徹底抗戦する。

エステント帝国

ドラゴニュートが住む国。穏健思想の皇帝派とドラゴニュート至上主義のドラグニル派で分裂しており、クーデターによってドラグニル派が実権を握っている。日照りの影響で食料難に陥り、餓えた国民の不満がドラグニル派に向かないよう、豊富な水源と肥沃な土地を持つ隣国のローガス王国に大義もなく戦争を仕掛ける。

その他キーワード

鑑定

田中真一が習得しているスキル。人物や物の情報を見ることができる。また、使用するとランクが上がり、より多くの情報を知ることができるようになる。

ツボ押し

田中真一が習得しているスキル。赤く光る場所を押し込むととてつもない痛みが発生するが、そのあとに疲労感がなくなり、身体能力が上昇する。敵に使うと一定時間行動不能にすることができるが、その後はパワーアップしてしまうために諸刃の剣となっている。のちに痛みが発生せずに効能を得られる活性術に強化される。

活性術

田中真一が習得しているスキル。ツボ押しが強化されたスキルで、緑色に光る場所を押し込むと疲労感がなくなったり、身体能力が上昇したりする。ツボ押しにあったデメリットが解消されており、敵に使うと弱点が赤く光る。

スキル拾い

田中真一が習得しているスキル。死亡した人間や魔獣が持つスキルを自分のものにできる。これにより、真一は戦えば戦うほどにスキルが増えて際限なく強くなっていく。ただし、スキルによっては人間離れした威力を発揮するため、多くの人間がいる場所では使用することができない。

眷属化

田中真一がタイガーバイソン(ヌシ)からスキル拾いで得たスキル。人や魔獣を支配でき、真一はスケルトンをはじめとしてさまざまな魔獣を眷属とした。眷属とした魔獣はいずれも真一の因子が与えられ、「ホームレス〇〇」という新しい種族として生まれ変わり、これまでの10倍の能力を得る。

眷属召喚

田中真一がカレンからスキル拾いで得たスキル。眷属化で支配下に置いた眷属をどこでも呼び出すことができる。一度に呼び出せる数に制限はなく、壁の向こう側でも呼び出せる。これにより、建物の外から内部に眷属を召喚し、窓の鍵を外してもらって建物に進入することも可能となる。

ヴァンパイア化

田中真一がカレンからスキル拾いで得たスキル。背中から蝙蝠のような翼が生えて身体能力が大きく上がり、飛行スキルを自由に扱えるようになる。自力で飛べるために行動範囲が大きく広がった。

念動力

進化したフレアが習得したスキル。手を触れずに物を動かせる効果があり、効果範囲はフレアを中心とした半径10メートルの球状。一度にあやつれる物の重さや数には限界があるが、フレアに近いほど効果は大きい。目の前の相手なら念動力で心臓を握りつぶせるほどの力が出せる。

忍術

リズ・シュミットが習得しているスキル。姿を隠せる「隠密」、敵の位置がわかったり感じ取れたりする「索敵」、軽快に動くことができる「軽業」の三つのスキルを内包しており、あらゆる場面で役立つ。

闇雲 (やみくも)

進化したリズ・シュミットが習得したスキル。形を自由に変えられる黒い雲を作り出せる。家一軒くらいまで大きくできるが、リズから離れすぎると消滅してしまう。煙幕のような使い方のほかに敵を拘束することもできる。

進化

生物として階級が上がる現象。たまに別の種族に変化することもある。発生する条件は判明しておらず、非常に珍しいために発生すると周囲はお祝いムードに包まれる。強い眠気を伴い、一定時間眠って起床すると進化が完了する。種族が変化して身体能力が大きく上昇し、新しくスキルを習得する場合もある。

セイントウォーター

ローガス王国のモヘド大迷宮の地下二十階層に流れる聖なる水。透き通って発光しており、魔力を大量に含んでいる。魔獣や魔物を寄せ付けない効果があり、飲んだ者にさまざまな恩恵を与える。

聖獣

人間の味方をしてくれる神聖な生き物。国によっては神のように奉られている。存在を確認した場合は国に報告しないと罰せられるほどの存在。ローガス王国では聖獣が5000年前に失われてからずっと不在だったため、聖獣であるペロの成長は国として重要な案件となる。

ドラゴニュート

身体能力に優れた人種族。エステント帝国に住んでいる。平均的なヒューマンの2~3倍の身体能力を誇り、その優秀さから自分たちこそが他種族の上に立つ支配者だと増長する者が多い。

クレジット

原作

徳川 レモン

キャラクター原案

ox

書誌情報

ホームレス転生 ~異世界で自由すぎる自給自足生活~ 全10巻 KADOKAWA〈MFC〉

第1巻

(2019-03-22発行、 978-4040655567)

第2巻

(2019-09-20発行、 978-4040640242)

第5巻

(2021-03-22発行、 978-4046802583)

第6巻

(2021-10-22発行、 978-4046809360)

第7巻

(2022-03-22発行、 978-4046812209)

第8巻

(2022-09-22発行、 978-4046816832)

第9巻

(2023-03-22発行、 978-4046822383)

第10巻

(2024-01-23発行、 978-4046827791)

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