マッハヘッド

マッハヘッド

暴走族の伝説的なヘッドだった兄に憧れ、最速かつ最強のヘッドになるために日々男を磨く中学生・斉藤栄士の姿を描いた作品。「週刊少年ジャンプ」1999年19号から32号に掲載された。

正式名称
マッハヘッド
ふりがな
まっはへっど
作者
ジャンル
不良・ヤンキー
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概要・あらすじ

暴走族「中野暴走阿闘武」の伝説的なヘッドだった兄・斉藤喜一に強い憧れを抱く少年・斉藤栄士は、入学したばかりの中学校で、さっそく持ち前の明るさとリーダーシップを発揮。クラスメイトを引き連れ、最速かつ最強のヘッドになることを目標に日々男を磨いていた。そんな折、友人となった坂本が3年生とのトラブルに巻き込まれ、池袋を拠点とする新興の暴走族「スケルトン」に連れ去られる事件が発生する。

1人で池袋まで来るように要求された栄士は、兄の特攻服を着て愛車のKH400を駆り、現場へと急行。リーダーの田村と、バイクによるチキンランで決着をつけることになる。

登場人物・キャラクター

斉藤 栄士 (さいとう えいじ)

中野区立北第九中学校に通う眼鏡をかけた中学1年生の男の子。ツンツンに立てた金髪に、兄のお下がりである長ランを身に着けるといった、クラシカルな不良の格好をしている。暴走族の伝説的なヘッドだった兄・斉藤喜一に憧れており、喜一のような最強で最速の男になろうと日々努力を重ねている。少々無邪気で無鉄砲なところはあるが、明るく仲間思いで、どんな状況でも諦めない一本気な性格。 本人は本気で突っ張っているつもりだが、考え方や行動はまだまだ子供っぽいところがあり、喜一からその未熟さをたしなめられることも多い。背がとても低く、喧嘩もさほど強くないが、顔面を思い切り蹴られても、涙目になりながら踏ん張り続けるなど、その根性は人一倍。中学への入学後は、立派なヘッドになるために、仲間を増やそうと躍起になる。 帰宅後は兄の愛車であるバイクのKH400を隠れて乗り回している。チキンランによる勝負で暴走族のリーダーにも軽々と勝利するなど、その乗車テクニックはすでに一流の域に達しており、ヘッドとしての資質の片鱗を見せる。

斉藤 喜一 (さいとう きいち)

18歳の整備工の男性で、斉藤栄士の兄。中野をシマにする暴走族「中野暴走阿闘武」の3代目の総長を務め、都内最速の名を欲しいままにし、高いカリスマ性で多くの仲間を惹きつける伝説的なヘッドだった。とある事情でヘッドを辞めて整備工となった後は、カタギとしてごく普通の生活を営んでいる。バイクに詳しく、バイクの魅力や乗り方を栄士に教えたのも斉藤喜一自身だった。 生まれ付いてのカリスマで、引退後も栄士を含む多くの人間から復活を期待されている。愛車としてチューニングしたバイクKH400を乗り回していたが、整備工になったあとに栄士におろしていた。未熟なうえに無鉄砲な栄士を心配し、時折元総長としてアドバイスを送る。バイクを愛しているがゆえにその危険性についても熟知しており、「バイクは人を殺せる機械」を持論としている。

吉田 勝彦 (よしだ かつひこ)

暴走族「中野暴走阿闘武」の元メンバーで、親衛隊長だった男性。眼鏡をかけたロングヘアの少年で、斉藤喜一と組んでいた過去を持つ。現在は暴走族を引退し、神戸で調理師学校に通っているが、「忘れ物」を喜一に渡すために中野へと戻って来た。「中野暴走阿闘武」の元メンバーで、他グループとの抗争で命を落とした藤原順平が単身で敵地へ乗り込んだ理由を、喜一のほかに知る唯一の人物で、それを城崎直哉と斉藤栄士に語っていた。

藤原 順平 (ふじわら じゅんぺい)

暴走族「中野暴走阿闘武」のメンバーの少年で故人。高校1年生の頃から喧嘩にあけくれる、手のつけられないワルだった。ヤクザに喧嘩を売って返り討ちに遭ったところを斉藤喜一に助けられたことが縁となり、「中野暴走阿闘武」の一員となる。加入後は喜一の気の置けない友人かつ、仲間を引っ張る欠かせない存在となる。他の暴走族に呼び出されていた喜一の代わりとして独断で現地に赴き、そこで殺害されてしまう。

城崎 直哉 (しろさき なおや)

池袋を根城にする暴走族「須カッ怒」の初代総長を務める男性。革ジャンを着込んだ、非常に目つきの鋭い不良少年。もともとは池袋最大の暴走族「魅葬優」のメンバーだったが、「中野暴走阿闘武」に「魅葬優」が潰されたことで行き場を失い、自らが総長となって「須カッ怒」を旗上げした。そのため、「中野暴走阿闘武」のヘッドだった斉藤喜一に強い憎しみを抱いており、引退した喜一を引っ張り出すために「中野暴走阿闘武」の元メンバーである吉田勝彦を血祭りにあげようとしていた。

堀口 一樹 (ほりぐち かずき)

暴走族「中野暴走阿闘武」のメンバーの少年。短髪にサングラスをかけ、「男」と書かれた特攻服を着用している強面の男性。ヘッドを退いた斉藤喜一を今でも尊敬している。見た目と違ってかなりフランクな性格をしており、斉藤栄士を弟くんと呼んでバイクに乗せ、街を流したりしていた。また、正義感も強く、女子高生に絡んでいた暴走族「須カッ怒」のメンバーを諫めたこともある。

水沢 (みずさわ)

中野区立北第九中学校に通う中学3年生の男子。仲間とつるんで校内を闊歩する不良生徒のリーダー格で、入学早々に目立った格好をしていた斉藤栄士に目をつけ、仁志をけしかけて、栄士をシメさせようとした。圧倒的な体格差を覆し、見事に勝利を収めた栄士の根性を認めることになる。

仁志 (にし)

中野区立北第九中学校に通う中学3年生の男子。水沢たちとつるむ不良生徒の1人で、何かと目立つ新入生の斉藤栄士をシメるために適当な因縁をつけて、タイマン勝負をしかけた。

前島 寿実 (まえじま すみ)

中野区立北第九中学校に通う中学1年生で、ショートヘアをした可愛らしい少女。通学途中に子供が川べりに落とした帽子を拾って遅刻したり、校庭に迷い込んだ子犬の面倒をみてあげるなど、困っている人や動物を放っておけない優しい性格。斉藤栄士との初対面時には、長ランを着込む彼の姿を見て「びろーんとした人」と呼んでいた。

坂本 (さかもと)

中野区立北第九中学校に通う中学1年生の男子。優しくおとなしい少年。入学早々に斉藤栄士と仲良くなり、友人兼舎弟として和気藹々としていたが、仁志を倒して血まみれになった栄士の姿を見て恐怖し、彼のもとを去ってしまう。

鈴木 (すずき)

中野区立北第九中学校の男性教師で、担当は数学。定められたルールをしっかり守らせる厳格な指導者だが、やり方が陰湿なため、生徒からは嫌われている。弱った子犬を教室に連れ込んで世話をしていた前島寿実を皆の前で糾弾し、クラス全員のテストの点を減点したうえで子犬を捨てさせ、結果的に寿実を孤立させてしまう。OBの斉藤喜一に殴られた経験があり、弟の斉藤栄士のことも警戒している。

梅本 アヤコ (うめもと あやこ)

中野区立北第九中学校の女性教師で、斉藤栄士のクラスの担任。優しい性格をしており、生徒からは友達感覚で見られている。栄士からは「アヤコ」と呼び捨てにされたが、特に気にせず会話している。そのため、同僚の鈴木から指導が甘すぎると叱責されてしまう。

田村 (たむら)

池袋を縄張りにしている暴走族「スケルトン」のリーダーの男性。金に汚く、女性に容赦なく手を上げる外道。坂本をさらい、おびきだした斉藤栄士とバイクによるチキンランの勝負をする。

その他キーワード

KH400

カワサキ製のレトロな単車。斉藤喜一の愛車で、徹底したチューニングがほどこされており、彼が都内最速伝説を築き上げる立役者となった。喜一が暴走族を引退した後は、斉藤栄士の愛車となる。

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