結婚詐欺師×エリート殺し屋の婚活アクション
下呂ヒカルは、裏社会の名家「毒使い」下呂家の次期当主だが、女性が苦手で一生独身を貫こうとしていた。そんなヒカルを見た祖母は、下呂家の血を絶やさないため、ヒカルの妹・アカリに結婚を強要する。同性愛者のアカリには決まった相手がいたが、祖母は強引だった。それを知ったヒカルは、妹が犠牲になることに耐えられず、自分が結婚することを決意する。ヒカルは、暴力団に拉致された超美人の結婚詐欺師・城崎メイの始末を頼まれていたが、結婚のプロとしてメイが必要だと感じ、彼女を救出。婚活アドバイザーになってほしいと依頼する。メイは、毒を盛られてまさに殺される最中の提案を「そんな提案(プロポーズ)はじめて」と快諾。こうして結婚詐欺師と殺し屋は出会い、奇妙な婚活が始まるのだった。
出会いを求めて「王子様作戦」を開始
メイをアドバイザーに、婚活を開始するヒカルだが、恋愛に不器用すぎて、女性に逃げられてばかりである。そこでメイが思いついたのが「王子様作戦」だった。ヒカルの魅力を最大限生かすには、人質救出やボディガードといった人助けの仕事で、相手に好意を抱かせるのが一番なのだ。人助けの依頼は、裏仕事の仲介サイト「ヤミナビ」にたくさん掲載されている。不当に奪われた美術品を持ち主に返すほか、正義の女泥棒・姫川杏子の救出や、大企業の後継者に指名された女子大生・嬉野シオリの護衛といった任務を通じて、ヒカルは彼女らと連絡先を交換していく。こうしてヒカルは、友達からやがて婚約者になるかもしれない女性たちと次々と出会っていく。
必殺の「変性血統++」で戦う使い手たち
「使い手」と呼ばれる暗殺者たちの集団は、五大名家(下呂家、道後家、有馬家、那須家、霧島家)とその分系・傍系で成立しており、それぞれが固有の暗殺術を持っている。例えば、ヒカルの下呂家は「毒使い」であり、傍系に「蟲使い」「針使い」などがある。「使い手」同士の闘いでは、「変性血統++(へんせいけっとうインクリメント)」という必殺技が繰り出される。これは、各々の一族が自らの殺しの業を、気が遠くなるほどの歳月をかけて磨き、進化させたものである。ヒカルの「変性血統++」は、毒薬【見】(トキシン みる)、毒薬【戈】(トキシン ほこづくり)など、自分に毒を投与して身体能力を向上させる業。「水使い」の潮雫は、水流を自在に操る【荊獄】(ラッシュヘル) 、「音使い」の鳴子弦弥は、精神干渉や音の刃で攻撃する【谺】(マインドウィスパー) といった業を使う。
登場人物・キャラクター
下呂 ヒカル (げろ ひかる)
数百年続く「毒使い」という殺し屋一族の末裔の男性。長身と眼鏡、右目の下のアザが特徴。黒いロングコートの下に大量の仕事道具を仕込んでいる。どんな困難な任務も完璧にこな凄腕(すごうで)だが、ターゲットは犯罪者などのクズ人間であることが条件。きれい好きで部屋は常に整頓していないと気がすまない。辛いことがあった夜は、公衆トイレなど汚いものをピカピカにしてストレスを解消する。1か月に約20万円を遊具菓子に使う。女性に対しては奥手でまともに話すことも困難。結婚をあきらめていたが、妹が下呂家存続のために無理やり結婚させられそうになり、心を変える。女性詐欺師の城崎メイをアドバイザーに婚活を始める。
城崎 メイ (きのさき めい)
超美形の結婚詐欺師。性別は男だが、ターゲットに応じて女装・男装を使い分ける。左目下に二つ、口の右下に一つのホクロがある。30秒あれば大抵の相手は落とせるという腕前の持ち主。病気の弟を救うために結婚詐欺をしているという。殺し屋に捕まり殺されそうになっていたところを、下呂ヒカルに救われ、下呂の婚活アドバイザーを務めることになる。
クレジット
- 原作
-
静脈
書誌情報
マリッジトキシン 11巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2022-08-04発行、 978-4088832135)
第2巻
(2022-11-04発行、 978-4088833231)
第3巻
(2023-02-03発行、 978-4088833330)
第4巻
(2023-04-04発行、 978-4088835112)
第5巻
(2023-07-04発行、 978-4088835815)
第6巻
(2023-09-04発行、 978-4088837048)
第7巻
(2023-12-04発行、 978-4088837499)
第8巻
(2024-03-04発行、 978-4088838731)
第9巻
(2024-06-04発行、 978-4088840369)
第10巻
(2024-08-02発行、 978-4088841564)
第11巻
(2024-11-01発行、 978-4088843025)