泪~泣きむしの殺し屋~

泪~泣きむしの殺し屋~

環望の代表作の一つ。現代日本を舞台に、謎の組織に弱みを握られた泣き虫OLの仲里泪が不本意な殺人を強要され、泣きながらも人を殺し続けるノンストップ・アクションサスペンス。また、有能な女刑事の屋上翠が泪の関わった事件の調査に乗り出し、徐々に事件の核心にせまる様子も描かれ、ともすれば単調になりかねないストーリーに緊張感が付与されている。児童虐待、薬物を用いた性行為など、過激な場面が頻出する点も特徴となっている。双葉社「毒りんごcomic」Vol.13(2017年3月15日)からVol.75(2022年11月30日)まで連載の作品。電子版コミックスの第1巻が2017年9月、完結巻の第15巻が2022年11月に配信された。なお、電子版コミックスとは収録話数の異なる紙媒体コミックスが2018年1月より双葉社から順次刊行されている。

正式名称
泪~泣きむしの殺し屋~
ふりがな
るい なきむしのころしや
作者
ジャンル
殺し屋
 
サスペンス
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概要・あらすじ

登場人物・キャラクター

仲里 泪 (なかざと るい)

三ツ星信用金庫渋谷支店預金課に勤務する若い女性。ロングヘアで、左目の下に泣き黒子(ほくろ)がある。飾り気のなさから「地味ブス」と見下されているが、異性の情欲を唆(そそ)る豊満な肉体の持ち主で、着飾れば誰もが見惚(みほ)れる美女に変貌する。控えめな性格が災いしてさまざまなハラスメントに晒(さら)されているが、勤勉で誠実な人柄に好感を抱く者も少数ながら存在する。幼少期に父親から受けた虐待がトラウマになり、現在も男性に高圧的な態度を取られるとフラッシュバックが起きる。児童養護施設で出会ったハーフ美少年のミーシャを溺愛し、本当の姉弟のような関係が続いている。ミーシャが絡むと大胆な行動に出ることも多く、彼が薬物の売人とトラブルを起こした際には、総額で3000万円もの大金を職場から横領して急場を凌(しの)いだ。しかし、上司の宝田了一に証拠を握られ、揉(も)み合いの末に殺害。何者かが偽造した遺書によって宝田の死は自殺と断定され、横領も宝田の犯行として処理されたが、偽装を施した組織からスマホが届き、真実を公表されたくなければ指示に従えと要求されてしまう。これをきっかけに何者かに命じられるがまま、組織の殺し屋としても活動するようになったが、弱気な性質は相変わらず。泣きながら人を殺害し、事後はシャワーを浴びながら泣き明かしている。

屋上 翠 (やがみ みどり)

警視庁生活安全部風紀第2係に所属する女性刑事。階級は巡査部長で、年齢は28歳。疎遠になって久しいが、仲里泪の年上の幼なじみでもある。セミショートヘアで、パンツスーツを着こなしている。仏頂面で滅多に笑わず、見てくれで勝負できるタイプではないと揶揄(やゆ)されているが、正義感が強く、屈強な男性を単身で捕縛するなど荒事も得意としている。しかし、所轄の捜査に口を出す悪癖があり、現場の刑事から煙たがられている。上司の等々力課長からも苦言を呈されているが、つねに結果を出すことで処分を免れてきた。人身売買の疑いで国分留吉、売春斡旋(あっせん)の疑いで甲田正樹を追っていたが、彼らが立て続けに死亡したことを怪しんで、所轄の綾瀬刑事と独自の捜査を敢行。死亡事故として処理されそうになった甲田の遺体を独断で司法解剖に回し、殺人と突き止めた。また、現場となった恵友会記念病院の見舞客リストに泪の名前を発見。綾瀬から横領事件が発生した三ツ星信用金庫に泪が勤めているとの情報を得て、彼女との再会を決意する。映画『シン・ゴジラ』で市川実日子が演じた尾頭ヒロミがモデル。

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