概要・あらすじ
木葉忍流の14代当主・木場優児は、実の父である内閣総理大臣・板垣重政に仕えている。その使命は、表に出せない難事件を解決することであり、唯一の殺人許可証(マーダーライセンス)を持っている。平和を愛し、国民のために働く板垣重政には、黒幕・九鬼容堂を初め多くの敵が存在する。内閣情報調査室室長の東堂俊介の指令を受け、木場優児は忍術を駆使して強敵達と闘う。
登場人物・キャラクター
木葉 優児 (きば ゆうじ)
初登場時は20歳。木葉忍流の14代当主。母は木葉忍流の正当な血を受け継いだ木場雪絵。父は内閣総理大臣・板垣重政だが、その事は公には秘められ、木場の里で木場三太夫らに育てられた。殺人許可証(マーダーライセンス)を持つ唯一の男で、闇の名を「牙」という。 板垣重政に仕え、木葉忍流の忍術を駆使して諜報活動や暗殺活動を行う。また奥義の1つマッスルコントロールで全身の筋肉を自在に操り、身体を女性へ変形させることもできる。男性での表の顔は木場スイミングスクールの人気インストラクターにしてスポーツ栄養学のコンサルタント。女性での表の顔は板垣重政の主治医・木葉優子(きば ゆうこ)。 特命は、内閣情報調査室室長の東堂俊介からの「牙を突きたてろ」という電話が合図。首相官邸の地下に密かに作られた部屋で板垣重政、東堂俊介、検事総長河山三郎との密談の上、実行される。
木場 三太夫 (きば さんだゆう)
白い髭を生やした小柄な老人。普段は木場フィットネスクラブのオーナー兼スイミングインストラクター。スケベでお調子者だが、木場優児に木葉忍流の奥義を仕込んだ師匠であり、忍の技量は一流。内閣総理大臣・板垣重政の使命を受けた木場優児と共に難事件の解決のために動く。 木場優児からは「じっちゃん」と呼ばれているが、板垣重政や内閣情報調査室室長の東堂俊介は、尊敬の念を込めて「老師」と呼ばれている。
板垣 重政 (いたがき しげまさ)
現職の内閣総理大臣。「国民は自分の家族」という信条を持ち、国民の安全や社会の活性化を率先して取り組む。また、裏金などに一切手を出さない清廉潔白な政治姿勢もあって、国民からの信頼が非常に厚く、心酔する部下も多い。一方、そうした政治方針に反対する敵も次々に現れる。実の息子木場優児に唯一の殺人許可証(マーダーライセンス)を与え、難事件の解決の特命を下す。 外交面でも優秀であり、アメリカ合衆国大統領・ジョニー・バッシュらに一歩も引かないタフな交渉術を見せている。国際的な難事件が起こると、木場優児を解決に向かわせ、「日本最大の防衛費」と言っている。武道を心得ており、自ら戦うこともある。 また、絶体絶命の状況でも決して諦めることのない根性を持っている。
東堂 俊介 (とうどう しゅんすけ)
内閣情報調査室室長。優秀な官僚で、内閣総理大臣・板垣重政を深く信頼し、片腕として動く。木場優児を招集し、情報面で支える役割も担う。日本海の離島・神沖島の出身で、父は村長を勤めている。
河山 三郎 (こうやま さぶろう)
検事総長。板垣重政とお互い信頼が深く、内閣情報調査室室長の東堂俊介と共に、木場優児の存在と役割を知る数少ない人物。
九鬼 容堂 (くき ようどう)
政財界の黒幕と言われる大物。警察、自衛隊の他、国家の中枢まで影響力を持つ。日本征服を目論み、内閣総理大臣・板垣重政の失脚させるために次々に策謀を実行する。さらに香港の王孔明を通じてヘルス・アサシンズを仕向け、命を狙う。第二次世界単線中は化学兵器を担当する零号部隊の軍医中将だった。
ジョニー・バッシュ
アメリカ合衆国大統領。総理大臣・板垣重政に対して、防衛費の拡大を求める。元CIA長官。板垣重政の気骨と外交術を認める一方、軍備拡充を巡って激しく渡り合う。実在の政治家・ジョージ・ブッシュがモデル。
王 孔明 (おう こうめい)
香港最大の財閥・王財閥を28歳で統轄する香港経済の実質的な支配者。配下に殺人者集団・ヘルス・アサシンズを従え、九鬼容堂と通じて内閣総理大臣・板垣重政や木場優児の命を狙う。
九鬼 妖介 (くき ようすけ)
日本の黒幕・九鬼容堂の息子。闇の組織・WHO極東支部の幹部。英才教育と殺人術を施され、凄惨な生存競争を経て育った。武器規制の国際条約を阻むため日本の内閣総理大臣・板垣重政、アメリカ合衆国大統領ジョニー・バッシュの命を狙う。
ロビン・クラストン
アメリカ合衆国大統領。大統領選挙でジョニー・バッシュを破り選出された若き政治家。日本の内閣総理大臣・板垣重政を「おじいちゃん」と呼び挑発したが、そのタフな交渉術と側近・木場優子(木場優児)の存在を知り、認めるようになる。実在の政治家・ビル・クリントンがモデル。
リエ
ポニーテールの少女。木場三太夫の孫娘。木場忍流の忍術を授けられ、中華人民共和国で育った。木場優児の手助けをするために日本に戻る。
X (えっくす)
アメリカ合衆国大統領、ロビン・クラストンンが非常時に頼りにする男。台湾の原子力発電所襲撃事件に召集される。超人的なスピードを持つ白兵戦の名手。ロサンゼルスの東洋人街で「女神」と呼ばれていた女性を慕っており、彼女から木場忍流の紋章が刻まれているペンダントを貰った。
ばっちゃん
木場の里で木場三太夫と共に木場優児を育てた。香港の九龍城に居たが、居場所がなくなり新宿のストリップ劇場で働いていたところで木場優児と再会し、以後、共に内閣総理大臣・板垣重政のために働くようになる。
集団・組織
WHO (ふー)
『マーダーライセンス牙』に登場する組織。世界の軍産複合体上層部が構成し、戦争と破壊による利益で巨大化した闇の組織。謎につつまれ諜報機関の網にもかからないため、日本の内閣総理大臣・板垣重政やアメリカ合衆国大統領といった各国首脳でも容易に手が出せない。