概要・あらすじ
忍者組織卍衆の里で修行中のムジナは非情の掟によって両親を失い、落ちこぼれながらも父親譲りの忍法を駆使して戦国時代を生き抜いていく。その後卍衆の若者たちはクーデターに決起。くノ一のスズメと恋に落ちたムジナは、首領を倒そうとするその内乱に巻き込まれてしまう。だが倒した首領は本物ではなく、やがて卍の里の影の支配者が服部半蔵であることが明らかになる。
登場人物・キャラクター
ムジナ
卍衆の下忍ゴキブリの一人息子で忍者修行中の16歳。仲間から疎まれる落ちこぼれだが優しい性格で、両親が卍衆の非情の掟により命を落としてからは父親譲りの忍法跳頭(はねがしら)を駆使して生き抜いていく。卍衆の首領の息子陣内が画策したクーデターには加わらなかったが、卍衆のくノ一スズメと恋に落ち、彼女を救うため、首領や服部半蔵と戦う羽目になる。
スズメ
卍衆の砦で働く下女で、くノ一のヒロイン。口がきけないが、偶然出会ったムジナと恋に落ち、以後一途に愛し続ける。くノ一としての才能を見込んだ卍衆の首領や服部半蔵に手篭めにされかけたり拷問されたりという、相次ぐ苦難に気丈に耐える美少女。
ゴキブリ
忍者組織卍衆の下忍でムジナの父親。無能とされ下っ端扱いされていた。だが、生き残る才にたけており、敵の囮になる任務を強いられた時、ムジナに忍法跳頭(はねがしら)を伝えて死地に赴いた。過去に卍衆の非情の掟によって、兄夫婦を殺されている。
サジ
ムジナと同じ卍衆の雲組に所属する、16歳の修行中の忍者。能力は高いが野心家でずる賢く、常にムジナを見下し虐待していた。卍衆の若者たちによるクーデターに加わって漁夫の利を得、新たな首領となるが、服部半蔵の操り人形となることを拒んで反旗を翻す。
陣内 (じんない)
卍衆を支配する首領百目鬼幻也齊の一人息子。忍者修行中だが゛実力は確かで、持ち前の正義感から非情な父親に反抗してクーデターを画策。ついに討ち果たしたものの、影の支配者が別にいることを明かされる。
百目鬼幻也齊 (どめきげんやさい)
卍衆の首領で冷酷な性格の上忍。実は影の支配者である服部半蔵の操り人形に過ぎなかったが、密かに反逆を試みるもクーデターの鎮圧に失敗。最後はみずから、息子陣内の刃にかかる。
彦一 (ひこいち)
卍衆の首領百目鬼幻也齊の側近で忠実な部下。かなりの手練れだったがその正体は百目鬼幻也齊と卍衆の監視役で、服部半蔵に不都合な者を暗殺していた。非情な反面、手にかけた者を供養する人間臭いところもある。
服部 半蔵 (はっとり はんぞう)
実在の服部半蔵をモデルにした伊賀忍者の上忍で、卍衆の影の支配者。徳川家康に仕え、伊賀再興のため卍衆を密かに下部組織として利用していた。
観世音 (かんぜおん)
百鬼衆の大頭。体中の毛を剃り、フンドシ一枚という出で立ちで仕込み杖を振るい、オカマ言葉を使う。実は盲目で、音や匂いを頼りにムジナや仲間たちを襲撃した。
集団・組織
卍衆 (まんじしゅう)
大名専属の忍者集団ばかりの戦国時代に、フリーで活動する忍者組織。そこに目を付けられ、密かに服部半蔵の支配下に置かれている。表向きの首領は百目鬼幻也齊。
百鬼衆 (どめきしゅう)
『ムジナ』の組織。「史上最強の忍び集団」を自称する傭兵忍者集団。大頭の観世音以下、奇形や障害を持つ忍者たちによって構成され、いずれも独自の術を駆使する手練ればかり。志濃国の人質となった徳平満千代奪還を命じられた、ムジナたちを迎え撃った。
奥目衆 (おうめしゅう)
『ムジナ』の組織。卍衆の中にあってその存在が隠されている、首領百目鬼幻也齊お抱えの秘密護衛忍者集団。正体は最強のくノ一たちで、首領に洗脳され、その冷酷な采配を陰で支えていた。裸体を見せて男の忍者を惑わす忍法海月落としを使う。
場所
卍の里 (まんじのさと)
卍衆が根拠地とする山里で、表向きは農村。場所は定かでないが上忍中忍下忍などが暮らし、首領の百目鬼幻也齊の屋敷卍砦がある。
その他キーワード
忍法・跳頭 (にんぽうはねがしら)
『ムジナ』の必殺技。ムジナの父のゴキブリが編み出した。剃り上げた頭からバネ仕掛けで頭髪のカツラを跳ね上げ、戦っている相手の意表を突く。そして驚いている隙に相手を倒すというもので、ムジナに伝えられた後、女の裸体画を同時に見せる跳頭(上)にパワーアップされた。