概要・あらすじ
W杯では惜しくも準優勝で、敗戦投手にもなってしまった主人公の茂野吾郎。しかし、W杯での活躍が認められてメジャー昇格し、インディアナ・ホーネッツの一員として夢の舞台に踏み出す。
しかし、開幕戦でイップスが発覚。その後も左腕の血行障害など、幾度となくアクシデントに見舞われてしまう。その度に不屈の精神でアクシデントを克服し、インディアナ・ホーネッツを地区優勝へと導き、茂野吾郎自身も、さらなる高みを目指すことになる。
登場人物・キャラクター
茂野 吾郎 (しげの ごろう)
プロ野球選手である父の本田茂治に憧れ、幼少期からボールを持って育った少年。常に野球一筋で、野球のことを第一に考えている野球バカ。熱血漢で自己中心的なところはあるものの心根は優しく、チームメイトへの思いやりや責任感は強い。 カッとなりやすい性格で、度々暴力に訴えてしまうのが欠点。茂野吾郎にとっての野球選手の理想像は、「打って守って走れ、三振も取れるプロ野球選手」。 ピッチングに関しては、力のあるジャイロボールで対戦相手をねじ伏せるスタイル。球威もあり、バットをへし折ることも多い。またバッティングに関しては、どちらかといえば長距離打者で、よく長打を放っている。 持ち前の勝負強さも発揮され、チャンスの時ほどよく打つなど、かなりの野球センスを見せる。しかし、大雑把な性格が災いしてか、バントなどの小技は苦手としている。 W杯の決勝戦で敗戦投手となるが、その活躍が認められて、ついにメジャーのインディアナ・ホーネッツでデビューすることが決定する。
サンダース
メンフィス・バッツで長年キャッチャーを務めてきたベテラン選手。念願だった3A優勝後は自主トレ中に古傷を故障してしまい、引退を余儀なくされる。その後はインディアナ・ホーネッツの球団職員兼ブルペン捕手を担当し、縁の下の力持ちとしてチームを支えている。
ジョー・ギブソン・ジュニア (じょーぎぶそんじゅにあ)
メジャーリーグの一流選手、ジョー・ギブソンを父に持つエリート。当初は一家離散を父と本田親子のせいだと逆恨みして、激しい憎悪を父と茂野吾郎に向けるが、茂野吾郎との対戦で、父親や茂野吾郎の野球に対する情熱を理解してわだかまりを解消させる。 W杯優勝後はテキサス・レイダースの主力として開幕から活躍するものの、極度の不振に陥り、悩める日々を送ることになる。 直球に強い長距離打者で、チャンスに強いスラッガー。選球眼とミート力に優れ、また守備も華麗にこなすなど、抜群の野球センスを見せる。性格はプライドが異常に高く負けず嫌い。 しかし、必要な努力は惜しまないなど、エリートならではの傲慢さは、少なくとも野球関連には見られない。
清水 薫 (しみず かおる)
茂野吾郎のリトルリーグ時代のチームメイトで、その後も何かと交流がある女性。現在は女子大のソフトボール部に所属。ソフトボールに打ち込む一方で、メジャーに昇格した茂野吾郎に会うため、旅費稼ぎのアルバイトに精を出していたが、そのことを先輩に叱責され、一時はソフトボールもアルバイトも辞めてしまう。 しかし、小森大介たち周囲の人間から励まされ、再びソフトボールに討ち込むことになる。 その後、メジャー昇格2年目のシーズンを終えて一時帰国した茂野吾郎からプロポーズを受けて承諾する。
エミリー・ファーガソン (えみりーふぁーがそん)
茂野吾郎の左腕の症状が血行障害だと診断した診療所の女性医師。茂野吾郎の依頼でビリー・オリバーが紹介した。その後、茂野吾郎の無茶で必死な願いを受け入れ、地区優勝が決まるまで治療にあたる約束をする。 インディアナ・ホーネッツの大ファンでもある。
佐藤 寿也 (さとう としや)
茂野吾郎の幼馴染で、茂野吾郎に勧められて野球を始めることになる。プロ野球選手としては開幕から活躍して周囲の期待に応える。シーズン途中からは故障した正捕手、矢田部に代わって、東京ウォリアーズのレギュラーに定着し、1年目で打率3割をマークし、チームの優勝に貢献して新人賞を受賞する。 W杯での準優勝後は日本に戻り、茂野吾郎の試合はテレビ観戦やネットで見て自分への励みにしている。 そしてプロ2年目では打点王に輝くことになる。また、茂野吾郎や清水薫の協力で、W杯中に再会した妹の佐藤美穂とも和解し、過去を克服する契機となった。
ソフィア・リード (そふぃありーど)
インディアナ・ホーネッツの球団職員。茂野吾郎のサポート役として派遣されてきたスポーツトレーナーで、茂野吾郎をCMに出演させる説得役も命じられている。当初は自己中心的な人間として認識していたが、野球にかける情熱を感じて認識を改める。 後に茂野吾郎の専属コーチ役に志願することになる。また、選手の生活全般を管理するコンディショニング・コーチの資格も持っているなど、多彩な才能を見せる。
ジョー・ギブソン (じょーぎぶそん)
40歳を超えて300勝を達成するなど、輝かしい成績を残している一流のメジャーリーガー。いつの日か、メジャーリーグの舞台で本田茂治の息子である茂野吾郎との対戦を望んでいたが、ついにその夢がW杯の決勝戦の舞台で実現するものの、試合中に狭心症で倒れてしまい、一旦は引退に追い込まれてしまう。 W杯での敗戦投手となった茂野吾郎を心配していたが、茂野吾郎の試合中の異変を見てイップスだと見抜き、茂野吾郎のイップスを治療するために陰ながら奔走する。 そして、自身の心臓の手術が成功すると現役に復帰し、シカゴ・バイソンズに所属して、再び茂野吾郎と対戦することになる。
ビリー・オリバー (びりーおりばー)
スポーツ・サイコロジスト。イップス(投球恐怖症)になった茂野吾郎の治療にあたり、登板時に突然崩れる症状から茂野吾郎を回復させた。イップスの原因は、当初はW杯の決勝戦で打たれた事だと思われていたが、本当の原因はジョー・ギブソンが引退し、「偉大な目標」が失われてモチベーションが低下したからだと診断した。 以前、不調に悩んでいたジョー・ギブソンのケアを担当したことがあり、そこからジョー・ギブソンとの交友関係は続いている。 茂野吾郎を治療したのも、ジョー・ギブソンの依頼がきっかけとなっている。
ジェフ・キーン (じぇふきーん)
ドラフト1位でメンフィス・バッツの親球団であるインディアナ・ホーネッツに入団した。徹底的にデータにこだわったリードが特徴。絶対の自信とプライドが高く、バッテリーを組んだ茂野吾郎とはよく衝突するものの、実力自体は認めている。 また、心根は優しく面倒見のいい一面も持っている。インディアナ・ホーネッツのメジャー開幕戦において、ノーヒットノーラン寸前で急に崩れた茂野吾郎を見てイップスの疑いがあると見抜き、後日さらに茂野吾郎が隠していた血行障害も見抜くなど、鋭い観察眼と豊富な知識を併せ持つことも特徴のひとつ。
クレジット
原作
MAJOR (めじゃー)
プロ野球選手の父を持つ主人公本田吾郎がその類まれなる才能といかなる困難にも負けないバイタリティを武器に、並み居る強豪たちと野球で戦っていく半生を描いた長編野球漫画。小学館「週刊少年サンデー」1994年... 関連ページ:MAJOR