概要・あらすじ
メンフィス・バッツの所属選手として、3Aリーグ優勝に貢献した主人公の茂野吾郎はアメリカから一時帰国、清水薫に告白して10年も続いた曖昧な関係から恋人関係に昇格させる。
一方、アメリカで野球の世界一を決めるワールドカップ(W杯)の開催が決定。そして、W杯にはジョー・ギブソンが出場することを茂野吾郎は知ってしまう。W杯に出場するため、様々な選手から指摘された自身の問題点を克服、同時に実力の底上げも果たす。
こうして茂野吾郎は見事にW杯の代表選手に選出され、世界と戦う舞台に上がることになる。
登場人物・キャラクター
茂野 吾郎 (しげの ごろう)
プロ野球選手である父の本田茂治に憧れ、幼少期からボールを持って育った少年。常に野球一筋で、野球のことを第一に考えている野球バカ。熱血漢で自己中心的なところはあるものの心根は優しく、チームメイトへの思いやりや責任感は強い。 カッとなりやすい性格で、度々暴力に訴えてしまうのが欠点。茂野吾郎にとっての野球選手の理想像は、「打って守って走れ、三振も取れるプロ野球選手」。 ピッチングに関しては、力のあるジャイロボールで対戦相手をねじ伏せるスタイル。球威もあり、バットをへし折ることも多い。またバッティングに関しては、どちらかといえば長距離打者で、よく長打を放っている。 持ち前の勝負強さも発揮され、チャンスの時ほどよく打つなど、かなりの野球センスを見せる。しかし、大雑把な性格が災いしてか、バントなどの小技は苦手としている。 W杯では開催前に様々な選手に指摘された自身の問題点を克服、その努力と実力が認められ、W杯日本代表選手に選出される。
ヒルベルト・サンチェス (ひるべるとさんちぇす)
W杯ベネズエラ代表のピッチャー。メジャーリーグではアナハイム・サーモンズのエースで、トライアウトから合流した茂野吾郎と知り合う。アナハイム・サーモンズを去る茂野吾郎にしたアドバイスが実を結び、メンフィス・バッツでの好成績につながったことを喜んでいる。
ジョー・ギブソン (じょーぎぶそん)
40歳を超えて300勝を達成するなど、輝かしい成績を残している一流のメジャーリーガー。現在も「ミスターメジャーリーグ」として先発を続けている。いつの日か、メジャーリーグの舞台で本田茂治の息子である茂野吾郎との対戦を望んでいる。 W杯直前に、茂野吾郎と息子であるジョー・ギブソン・ジュニアの直接対決を経て和解し、息子と共にW杯で優勝を目指すことになる。
アレックス・ゴンザレス (あれっくすごんざれす)
W杯アメリカ代表選手。W杯はメジャーのシーズン開始前の調整としてしか考えておらず、モチベーションの低い状態でチームに参加する。また、全盛期を過ぎたジョー・ギブソン、メジャー昇格したばかりのジョー・ギブソン・ジュニアが代表選手にいることにも批判的。 サードのスタメンとして出場するが、足の故障を理由にDHに回り、サードをジョー・ギブソン・ジュニアに譲ることになる。
佐藤 寿也 (さとう としや)
茂野吾郎の幼馴染で、茂野吾郎に勧められて野球を始めることになる。プロ野球選手としては開幕から活躍して周囲の期待に応える。シーズン途中からは故障した正捕手、矢田部に代わって、東京ウォリアーズのレギュラーに定着し、1年目で打率3割をマークし、チームの優勝に貢献して新人賞を受賞する。 その後、茂野吾郎から誘われてW杯を目指すことを決意し、ヤングジャパン入りを志願。 実力が認められて日本代表入りを果たす。そして公式戦でも出場の機会を得ることになる。
清水 薫 (しみず かおる)
茂野吾郎のリトルリーグ時代のチームメイトで、その後も何かと交流がある女性。聖秀高校を卒業後、女子大に進学してソフトボール部に入り、ソフトボールひと筋の日々を送る。そんなある日、アメリカから帰国した茂野吾郎と久しぶりに再会。 弟である清水大河にそそのかされて茂野吾郎を初デートに誘い、知り合ってから10年で茂野吾郎から告白されて恋人同士になる。
佐藤 美穂 (さとう みほ)
W杯の応援のためにアメリカに行った清水薫の前に現れた日本人の少女。当初は小野寺和香と名乗ったが、本当の名前は佐藤美穂。その正体は、佐藤寿也が小学生のとき、両親とともに行方不明になった実妹。 離れてからも野球で活躍する兄を応援してきたため、W杯でも影ながら応援するつもりでアメリカに来たが、偶然にも佐藤寿也と再会、自分の正体が佐藤寿也にバレてしまう。
佐々木 (ささき)
W杯日本代表の監督。日本を代表する知将で、冷静な采配が特徴。W杯で優勝するため、過去の実績や常識にとらわれないチーム作りを考え、バッティングピッチャーをしていた茂野吾郎など、若手選手も積極的に代表に選出する。
勝呂 (すぐろ)
現役メジャーリーガーでW杯日本代表のピッチャーだったが、故障で代表を離脱する。独特の投球フォームから繰り出す切れ味鋭いフォークボールが決め球。メジャーリーグに挑戦する日本人プロ野球選手のパイオニア的な存在。 柔和で紳士的な態度が特徴。茂野吾郎の握力の強さを知り、フォークボールを伝授する。
ジョー・ギブソン・ジュニア (じょーぎぶそんじゅにあ)
メジャーリーグの一流選手、ジョー・ギブソンを父に持つエリート。当初は一家離散を父と本田親子のせいだと逆恨みして、激しい憎悪を父と茂野吾郎に向けるが、茂野吾郎との対戦で、父親や茂野吾郎の野球に対する情熱を理解してわだかまりを解消させる。 その後、テキサス・レイダースに昇格して活躍し、W杯アメリカ代表に選出される。直球に強い長距離打者で、チャンスに強いスラッガー。 選球眼とミート力に優れ、また守備も華麗にこなすなど、抜群の野球センスを見せる。性格はプライドが異常に高く負けず嫌い。しかし、必要な努力は惜しまないなど、エリートならではの傲慢さは、少なくとも野球関連には見られない。
板尾 (いたお)
ニューヨーク・タイタンズに所属する現役のメジャーリーガー。W杯日本代表のメンバーでポジションはレフト。所属チームではクリーンナップを打つ強打者で、ジョー・ギブソンと同じチームだったこともある。 茂野吾郎との練習で実力を認め、佐伯京四郎とともに茂野吾郎の日本代表入りを推薦する。W杯では4番バッターとして、その長打力をいかんなく発揮して活躍する。
佐伯 京四郎 (さえき きょうしろう)
シアトル・シーガルズに所属する現役のメジャーリーガー。W杯日本代表のメンバーでポジションはライト。俊足、巧打、好守と三拍子揃った実力者で、自己の持つシーズン最多安打記録を塗り替えるなど、輝かしい記録も多く獲得している。 W杯前のキャンプで茂野吾郎と対戦し、厳しい言葉で欠点を指摘するものの、その後の対戦で欠点の克服を確認、その実力を認め、茂野吾郎の日本代表入りを推薦する。 W杯では1番バッターとして活躍する。
眉村 健 (まゆむらけん)
プロ野球の横浜ブルーオーシャンズ所属のルーキーとしてただ1人、最初からW杯の代表選手に選出された。冷静でクール、そして非常にマイペースな性格で、ほとんど表情を表に出さない。 高校時代に得意としたジャイロボールと多彩な変化球はプロ野球でも即戦力の実力があり、プロ野球1年目のシーズンで好成績を収めたことで実力を証明して見せた。
クレジット
原作
MAJOR (めじゃー)
プロ野球選手の父を持つ主人公本田吾郎がその類まれなる才能といかなる困難にも負けないバイタリティを武器に、並み居る強豪たちと野球で戦っていく半生を描いた長編野球漫画。小学館「週刊少年サンデー」1994年... 関連ページ:MAJOR