MAJOR

MAJOR

プロ野球選手の父を持つ主人公本田吾郎がその類まれなる才能といかなる困難にも負けないバイタリティを武器に、並み居る強豪たちと野球で戦っていく半生を描いた長編野球漫画。小学館「週刊少年サンデー」1994年33号から2010年32号まで16年間の長期連載となった。第41回小学館漫画賞少年部門受賞、サムライジャパン野球文学賞ベストナイン受賞。

正式名称
MAJOR
ふりがな
めじゃー
作者
ジャンル
野球
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概要・あらすじ

主人公本田吾郎は、プロ野球選手の父本田茂治と暮らしていた。主人公本田吾郎は父の死を経るも、野球と父が大好きで、自らを苦境に追い込みながら野球に打ち込む。日々努力を積み重ね、周りの人に見守られながら、やがてメジャーリーガーを目指すようになっていく。

登場人物・キャラクター

本田 吾郎 (ほんだ ごろう)

プロ野球選手である本田茂治の息子。野球一筋の熱血漢。野球に夢中になり過ぎるあまり自己中心的に振る舞うこともあるが、その野球に対する情熱は多くの人間の心を動かす。投げて打って守る、野球を全て楽しもうとしており、その為エース投手で四番というタイプの選手。当初は右投右打だったが小学生の頃に右肩を壊し、左投手に転向。 その際球のキレを身につけるトレーニングによって、力のあるジャイロボールを投げることが出来るようになった。メジャーリーグでは102マイルの剛速球を投げる。

清水 薫 (しみず かおる)

主人公である吾郎とは小学校からの仲。勝気な性格で男言葉を使うことも多い。小学校の頃から野球にひたむきに打ち込む吾郎に惹かれていたが、黙って福岡に転校した吾郎に激怒し一度は野球を憎むようになる。吾郎が中学生の頃に神奈川に戻ってきてから和解し、以降吾郎をずっと見守っている。 吾郎の入学する海堂学園高校の普通科にも合格したが、ソフトボール部のある聖秀学院高校に進学する。のちに吾郎と結婚し、二児を儲ける。

佐藤 寿也 (さとうとしや)

主人公である本田吾郎の最初の野球友達で野球人生を通したライバルにして親友。冷静沈着な性格で巧みなリードで相手を翻弄する。バッターとしてはチャンスにタイムリーヒットやホームランを打てる強打者。夜逃げした家族に捨てられたトラウマがあり、家族のことを想起すると呼吸困難に陥る為家族の記憶を封印していた。 育ててくれた祖父母の負担にならないよう恩に報いる為、野球の名門海堂学園高校の野球部特待生となってプロ野球選手になることに固執していた。

ジョー・ギブソン

メジャーリーグで活躍していたところを東京シャイアンズに破格の契約金で雇われ来日する。右足を高く上げる独特のフォームから160kmにも及ぶ剛速球を繰り出すサウスポー投手。当初は日本をアメリカのマイナーリーグ以下と見下していた。主人公である本田吾郎の父本田茂治をデッドボールで死亡させてしまったことで人生が一変し、苦悩を背負い続けていたが、自身の野球に対するモチベーションを見直し人間的に大きく成長する。 本田茂治の代わりに吾郎に夢を与え続け、目標となることを決意しメジャーリーグの第一線で活躍し続ける。

本田 茂治 (ほんだ しげはる)

主人公である本田吾郎の実の父でプロ野球チームである横浜マリンスターズで選手をしていた。もともと一軍と二軍を行き来する一軍半の投手だったが、妻である千秋の死後の無茶な練習がたたり腰を痛め、更に遠征中にひじを痛め一度は野球を諦ようとする。しかし親友である茂野英穀の助言を経てバッターに転向。 再び活躍をし始めるもジョー・ギブソンの投球を頭に受け死亡する。

茂野 英穀 (しげの ひでき)

主人公の父本田茂治とは高校時代からの親友で、同じ横浜マリンスターズのエース。本田茂治に打者転向を勧めた結果、彼が死んでしまったことに自責の念を抱いており、吾郎のことを何かと気遣っていた。その後吾郎の育ての母である星野桃子と結婚し、吾郎の義理の父となる。 吾郎が中学三年生の時に自身の限界を感じて引退する。

星野 桃子 (ほしの ももこ)

吾郎の通っていた幼稚園の先生で、のちに彼の養母となる。容姿に吾郎の実の母である千秋の面影があり、本田茂治と婚約をするが結婚を前にして茂治は死んでしまう。その後吾郎を引き取り茂野英穀と結婚するまで女手一つで吾郎を育てる。野球に詳しくないため、英穀や吾郎とすれ違うことも少なくない。

小森 大介 (こもり だいすけ)

小柄な体格だが抜群の野球センスを持つ。小学校でいじめられていたところを吾郎に救われ、野球に誘われたことで三船リトルに入団する。中学では不良のたまり場になっていた三船東中学野球部の主将を務め、吾郎と共に部の健全化につとめ、佐藤寿也達と戦う。吾郎と同じ海堂学園高校の入学の為、セレクションを受けるが脱落し、地元の高校の野球部に入部し、吾郎たちに対峙する。

安藤 (あんどう)

三船リトルの監督で、あんどうスポーツ用品店の店主。息子の肘を猛特訓によって故障させた過去を持ち、当時幼稚園児であった主人公である吾郎の才能に惚れて同様に硬球で変化球の練習をさせるも吾郎の父である本田茂治にその危険性を指摘される。その後も三船リトルの監督を続け、小学生となり入団してきた吾郎たちを指導していく。

山根 義隆 (やまね よしたか)

長髪の不良で、中学二年の時にレギュラーを奪われた先輩に逆恨みされ右ひじに再起不能の重傷を負わされた過去から、吾郎たちの所属する三船東中学野球部を執拗に妨害する。その後吾郎が右肩の故障からサウスポーに転向したことを知り、野球を諦めきれなかった自分と向き合い、再度野球をやっていくことを決意する。 小森大介と同じ地元の高校の野球部に入部し、吾郎たちの前に敵として立ちはだかる。

眉村 健 (まゆむら けん)

小学生のドッジボールチームに所属していたところ、海堂学園高校のスカウトである大貫に才能を見抜かれ、海堂学園中等部に入学。海堂の環境と自らの才能で中学時代に高校野球部の一軍に内定している。吾郎との対決では吾郎と同じジャイロボールを投げ、多彩な変化球も操り、吾郎を圧倒した。 試合前に集中する為、クラシックを聴きながらトイレにこもる癖がある。何事にも動じない、寡黙で冷静な鉄仮面であるかと思われたが、その実試合では常に緊張していて、あえて無口に振る舞おうとしているところがあり、トイレにこもる癖も実際には緊張をごまかすために行っていた。

草野 秀明 (くさの ひであき)

中京リトル・シニア出身で推薦で海堂学園高校に入学。特待生以外の海堂学園高校の一年は夢島と呼ばれる孤島に送られ地獄の特訓に励むことになるが、夢島組の中でも実力者でプライドも高い。外野手であることに誇りを持っており、吾郎の外野手を見下すような態度に反感を抱いていたが、のちに互いの実力を認め合う。

早乙女 静香 (さおとめ しずか)

夢島から這い上がってきた一年を受け入れる海堂学園高校野球部の二軍の監督で、総監督である早乙女義治の実の娘。無理をおして野球に打ち込んだ長兄の死の以降、同じ過ちを繰り返さないために父親が作ったマニュアル野球の指導を徹底していた。型にはまらない吾郎との衝突もあったが、のちに吾郎の理解者となる。

早乙女 泰造 (さおとめ たいぞう)

海堂学園高校二軍のトレーナーにして総監督である早乙女義治の次男で、筋骨隆々のオカマ。妹の早乙女静香と父が固執しているマニュアル野球に疑問を抱いている。無理をおして練習を続ける吾郎に休養の重要さを教え、正しいトレーニングの方法を指導した。

江頭 哲文 (えがしら てつふみ)

海堂学園高校野球部部長で一軍のチーフマネージャー。元経営コンサルタントで理事長から野球部改革を一任されさまざまな実績を上げたことで監督以上の実権を握る。吾郎の波乱万丈な過去とそのスター性に目をつけ海堂学園高校の広告塔として利用しようとしていたが、吾郎は海堂学園高校を中退してしまう。 そのことに激しい怒りを感じた江頭は吾郎の転校先に様々な圧力をかけたり、練習試合で選手に命じて吾郎を故障させるなど吾郎を執拗に妨害しようとする。

大貫 明 (おおぬき あきら)

海堂学園高校の敏腕スカウトで吾郎の才能に目をつけ特待生入学させようとするが、講じた策が裏目に出て失敗する。海堂学園高校のマニュアル野球に一定の理解は示しているものの、吾郎はマニュアルの型を超える怪物であると確信していた。

清水 大河 (しみず たいが)

清水薫の二歳下の弟で、横浜リトル・シニアで五年間レギュラーをしていた実力者。海堂学園高校を中退し、聖秀学院高校に野球部を作った吾郎に興味を示し、名門の誘いをけって聖秀学院高校野球部に入部。冷めた性格で吾郎がけがをした時にはすぐに野球部を辞めようとしたが、吾郎の不屈の闘志やチームの熱気に動かされ、吾郎の穴を埋めるべく奮闘する。

田代 (たしろ)

野球経験者でリトル・シニア時代には捕手で四番を打っていた。野球の実力があったが、経営者である父の反対で野球を止めさせられ、野球部の無い聖秀学院高校に入学する。その反動で野球を毛嫌いしていたが、吾郎の熱意に刺激され、再び野球に打ち込む。二年のブランクがあったが海堂のエース候補であった吾郎の速球をしっかりと見て捕るなど優れたキャッチャーである。

八木沼 隼人 (やぎぬま はやと)

関東大学の学生で、野球の名門EL高校出身、甲子園出場経験もある。空港で置き引きに遭った吾郎を助け、共にメジャーリーグチームのサーモンズのトライアウトを受けて合格する。就職を希望する親にはメジャー挑戦を反対されていた。その後シングルAまで昇格するも、故障が原因で解雇され日本に帰国する。

ヒルベルト・サンチェス

ベネズエラ出身のベテラン投手でメジャーリーグチームであるサーモンズのエース。若いころは吾郎と同じ速球派だったが、歳を取り力が衰えてからは制球力を売りにする技巧派に転向した。鉄枠を使ったコントロール勝負で吾郎に実力を見せつけ自信を喪失させる。

サンダース

マイナーリーグのチーム3Aメンフィス・バッツで長年正捕手を務めてきたベテラン。ヒゲが特徴的で吾郎からはおっさんと呼ばれている。メジャー昇格経験がないまま三十代半ばに差し掛かり、引退も考えていたが吾郎の熱意にほだされて野球を続けることを決意する。

ジェフ・キーン

ドラフト一位の大卒ルーキーで一年で2Aから3Aメンフィス・バッツに昇格してきたエリート。球団の期待は高く、データ主義の冷静沈着なリードを特徴とし、サンダースから正捕手の座を奪った。クールな性格から吾郎と衝突することもあるが、サンダースの引退を吾郎と共に止めようとするなど決して冷酷なわけではない。

ビリー・オリバ

球を全力で投げることが出来なくなり、イップスになった吾郎を診察した心理療法士。片田舎で妻と犬と共に暮らしている。吾郎の不調の原因を渾身の一球が打たれたことではなく、ギブソンという人生を通しての偉大な目標が失われてしまったことで野球に対するモチベーションが保てなくなったことが原因だと分析している。 また、かつて不調で苦しむギブソンの診察も行ったことがある。

ジョー・ギブソンJr. (じょー・ぎぶそんじゅにあ)

メジャーリーグの一流投手であるジョー・ギブソンの長男で、全米ドラフト一位でプロ入りした二世選手であり、圧倒的な打撃力を誇る四番打者。ポジションは三塁手。常に父の視線の先にあった吾郎を敵視していたが、父の真意に触れてからはそれも無くなり、互いによきライバルとして意識するようになる。

鈴木 コジロー (すずき こじろー)

シアトル・シーガルズに在籍する俊足好打好守の現役日本人メジャーリーガー。実在する野球選手の鈴木イチローがモデルであると思われる。W杯日本代表キャンプの際に代表入りを目指す吾郎と勝負をして勝利し、吾郎の投球の単調さを指摘するが、その実力を見抜き、代表入りを推薦する。

集団・組織

三船 リトル (みふね りとる)

『MAJOR』に登場する少年野球チーム。吾郎が幼稚園児の時は強豪チームの一つであったが、吾郎が小学生の頃にはメンバーも減り、選手達のモチベーションも低く、練習場所であるグラウンドまで地元サッカーチームに奪われようとしていた。

横浜 リトル (よこはま りとる)

『MAJOR』に登場する少年野球チーム。県内屈指の強豪チームで、吾郎の父である本田茂治も昔は在籍しており、監督の樫本修一は茂治の幼馴染で当時一緒にプレーをしていた。恵まれた練習環境と優秀な選手達を持つ。

海堂学園高校 (かいどうがくえんこうこう)

『MAJOR』に登場する高校。最強とうたわれる野球の名門校で数多くのプロ野球選手を輩出している。全国から有望な選手をスカウトして集めており、夢島と呼ばれる孤島での厳しい特訓を無事突破した選手やスカウトの目に留まった特に優秀な特待生には最新の設備と各種トレーナーによる恵まれた環境での練習が許される。 訓練からプレーまで、徹底したマニュアル野球を特徴とする。

聖秀学院高校 (せいしゅうがくいんこうこう)

『MAJOR』に登場する高校。元女子高であり、吾郎編入時には全日制課程には吾郎を入れて八人しか男子生徒が在籍していなかった。普通科は偏差値の高い進学校で、吾郎は体育科に編入した。野球部は存在しなかったが、吾郎の努力によって新たに設立され、屋上にある選手たちで作ったグラウンドで練習をする。

メンフィス・バッツ

『MAJOR』に登場する野球チーム。メジャーリーグ一歩手前の3Aリーグのチームであり、メンバーの個々の能力は悪くなかったが所詮メジャーリーグへの踏み台として選手たちには勝利への執着心がなかった。吾郎が入団したことでチームの意識改革が始まり、3Aリーグの優勝を目指すようになる。

続編

MAJOR 2nd (めじゃー せかんど)

満田拓也の『MAJOR』の続編。前作の主人公でもあるプロ野球選手、茂野吾郎の息子、茂野大吾にスポットを当て、彼の野球半生を描いた漫画作品。野球選手として才能や熱意に恵まれていた吾郎と異なり、偉大な父親... 関連ページ:MAJOR 2nd

アニメ

メジャー(第1シリーズ)

主人公の本田吾郎は5歳。父親であるプロ野球選手の本田茂治に影響され、凄いピッチャーになるのが夢の元気な男の子。既にボールを持って野球の真似事まで始めていたが、その時の本田茂治は引退の瀬戸際まで追い詰め... 関連ページ:メジャー(第1シリーズ)

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