メタモルフォーゼの縁側

メタモルフォーゼの縁側

夫を亡くして2年。退屈な毎日を送る75歳の老婦人、市野井雪は、偶然立ち寄った書店で、そうとは知らずにBL本を購入。これをきっかけに17歳の女子高校生、佐山うららと出会い、交流を深めていく。58歳という年齢差を超えて友情を育んでいく二人の、穏やかで新鮮な日常を描いたハートフルストーリー。「コミックニュータイプ」で、2017年11月17日から配信の作品。

正式名称
メタモルフォーゼの縁側
作者
ジャンル
その他恋愛・ラブコメ
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あらすじ

第1巻

真夏の暑い日、市野井雪は目当ての喫茶店が閉店していたため、近くの書店に足を運んだ。1年以上ぶりに書店に来た雪は、久しぶりにレシピ本のコーナーに向かうが、そこには思いがけずたくさんの漫画が並べられていた。その中にあった1冊の本の表紙絵の美しさに目を奪われた雪は、その漫画を購入して帰路に着く。その日の夜、ふと購入した漫画の事を思い出した雪は、布団に入って眠りにつくまでの束の間を楽しもうと、本のページをめくる。するとそこには、思ってもみなかった男子同士の恋愛模様が描かれていた。驚きつつも、雪はあっという間に1巻を読破。続きが気になって仕方がない雪は、翌日早速、2巻を購入してからいつもの病院へと足を運ぶ。そして病院からの帰りには、3巻を求めて再び書店へと向かうのだった。一方で、アルバイト書店員の佐山うららは、昨日BL本を購入していった老婦人の事が気になっていた。翌日になって、続きの漫画を購入しに来た老婦人の対応をする事になったうららは、これをきっかけに雪と親しくなり、個人的に連絡を取り合うようになる。

第2巻

市野井雪佐山うららに誘われ、大好きなBL作品「君のことだけ見ていたい」の作者、コメダ優が参加する同人誌即売会に足を運ぶ事になった。開催場所の池袋は、実は亡き夫との思い出の場所であり、雪は行く先々で夫の事を思い出す。一方で即売会イベントは、雪にとって今まで経験した事のない、新たな驚きに満ちた世界だった。雪の体力不足やうららの携帯電話の充電切れなど、さまざまなアクシデントが起こる中、広い会場内で二人は離れ離れになってしまうが、心配するうららをよそに、雪は一人で同人誌を買いあさり、自分なりにイベントを満喫していた。その後、無事に合流した二人は、お目当ての作家、コメダの同人誌を手に入れる事に成功。コメダ本人にも会えた事で、当初の目的を果たした雪とうららは、達成感と充実感を分かち合うのだった。

登場人物・キャラクター

市野井 雪

75歳の未亡人。2年前に夫を亡くして以来、穏やかながらも退屈な毎日を過ごしている。現在は一人暮らし中だが、自宅では書道教室を営んでおり、日中は子供達の賑やかな声が聞こえる生活を送っている。離れて暮らす娘の花江がおり、時々様子を見に実家に戻って来ているが、もはや気楽な一人暮らしだと、娘の世話も疲れを感じる対象となっている。 ある日、偶然購入した漫画がボーイズラブだった事に端を発し、アルバイト書店員の女子高校生、佐山うららと意気投合。BL友達となり、漫画を語れる唯一の存在となる。それ以降、うららを自宅に呼んでいっしょに食事をしたり、いっしょに出掛けてお茶を楽しんだりと、彼女の日常生活は色付き始める。夫を失った事による寂しさ、年齢による自身の衰えを受け入れながらも、日常を明るく生きようとしている様子が垣間見える。 うららとは、祖母と孫ほどの年齢差があるが、保護者面する事なく、時には自分から情報を提供したり、時にはうららに頼ってみたりと対等な友人関係を築いている。

佐山 うらら

駅前の書店「ブックス ナカ」でアルバイトをしている女子高校生。年齢は17歳。あまり自分の外見に気を遣う事もなく、いつもボサボサ頭をまとめただけの状態で、女子力は皆無。現在は母親と二人暮らし中。定期的に、離れて暮らす父親との面会を行っているが、義務感だけの打算的なものとなっている。BLが大好きな、いわゆる腐女子だが、漫画はすべて段ボールに詰め込んでいつも書棚の奥に隠している。 身近にBLを語れる友達もなく、心の奥底に押し込めている状態だった。しかしある日、市野井雪が、自分が勤務する書店でBL本を購入していった事をきっかけに、彼女と個人的な付き合いを開始。漫画を語れる唯一のBL友達となって以降、雪の自宅に招かれては、食事を御馳走になったり、いっしょに出掛けてお茶を楽しんだりと、潤いのある日常を送るようになる。 雪に対しては、年齢的にわからなそうな事をフォローしたり、年上の人に対する気遣いは忘れないようにする一方で、対等な友人関係を築こうと努力している。幼なじみの紡とは同じ高校に通っており、今でも昔からの呼び名「うらっち」と呼ばれ、時々当たり障りのない漫画を貸したり、言葉を交わす程度に仲がいい。 紡の彼女、英莉の女子力の高さや、紡との関係が気にかかっている。漫画に関してはもともと読むだけだったが、雪の言葉に感化され、描く事に興味を持ち始める。

佐山うららと同じ高校に通う男子。うららの家の近所に住む幼なじみで、うららからは、昔から「つむっち」と呼ばれ、時々漫画を借りたり、言葉を交わす程度にその関係は現在も続いている。明るく軽い性格で、見た目もチャラい。付き合っている彼女、英莉とはラブラブのつもりでいるが、彼女がクールな事から、自分達の関係を心配しているところがある。 うららの部屋に遊びに行った際、BL本の入った箱が部屋に出しっぱなしになっているのを発見し、うららがBL好きである事を知る。

英莉

佐山うららと同じ高校に通う女子。紡の彼女。ショートヘアでクールな印象を漂わせているが、いつも朝からヘアスタイルや身なりをしっかりと整えた、女子力の高い人物。紡とは真逆なタイプで、漫画にはあまり興味がなく、やるべき時には勉強もまじめにやる。テスト前になっても、のほほんとしている紡の様子を気にかけているほか、紡と幼なじみのうららとの関係が気になり、不本意にもうららに嫉妬心を抱く。

花江

市野井雪の娘。離れて暮らしているが、母親の様子を見ると言って時々戻って来ては、雪に甘えて羽を伸ばしている。ある時、久しぶりに実家に帰ったのをきっかけに、年老いた母親の姿だけでなく、長年住み続けた実家の老いに気づく事となる。また、実家のテレビ横に見慣れぬ漫画が置いてある事に気づき、それがBLである事を知って、何とも言えない感情を抱く。

コメダ 優

BL本「君のことだけ見ていたい」を執筆した女性。商業誌にも執筆しているプロの漫画家。自身の商業作品のスピンオフストーリーを同人誌として制作し、池袋での即売会イベントに参加したが、販売予定の作品が誤配送によりイベント開始時間に間に合わないアクシデントに見舞われてしまう。高校時代、テニスの漫画にハマった事がきっかけで、漫画家になったという経緯がある。

遠藤

漫画家のコメダ優のアシスタントを務める女性。ふんわりしたボブヘアにしている。自分自身でも漫画の執筆活動は行っているが、同人誌の制作のみに留めている。学生の頃、「タイバニ」という作品にハマった事がきっかけで、漫画を執筆するようになった。コメダを尊敬して慕っており、コメダからは「ちま」と呼ばれている。

相馬

漫画家のコメダ優の担当編集者を務める女性。ウエーブヘアの女子力高い系の人物で、コメダのもとに打ち合わせに訪れた際、今話題の激ウマ洋菓子「フレデリック・カッセルのミルフィーユ・ヴァニーユ」を手土産に持って来た。会社からコメダのもとへは、新幹線を利用して通っている。

その他キーワード

君のことだけ見ていたい

漫画家のコメダ優により執筆されたBL漫画。「佑馬」と「咲良」という二人の男子が織りなす恋模様を描いたラブストーリー。当初は季刊誌に掲載されていたため、コミックスは1年半に1冊のペースで刊行されていたが、その後、掲載誌が月刊誌となったため、月1回連載になった。市野井雪が表紙絵の美しさに惹かれ、購入した初めてのBL本であり、その後も佐山うららと共にコアなファンとなり、継続的に読み続けていく事になる。

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