ユメかウツツか

ユメかウツツか

『ストロボ・エッジ』『アオハライド』などで知られる咲坂伊緒の連載作品。現代日本を舞台に、人見知りで口下手な少女、宝生いろはと、彼女が唯一心を開ける先輩の阿久津想との恋愛模様や高校生活を描いたドリーミング・ラブストーリー。集英社「別冊マーガレット」2024年7月号から連載。

正式名称
ユメかウツツか
ふりがな
ゆめかうつつか
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
既刊4巻
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孤独な少女とイマジナリーフレンド

本作は、イマジナリーフレンドをテーマにしたラブコメディで、主人公は人付き合いが苦手な女子高校生、いろは。幼少期の経験から他人と話すことができなくなり、高校でもクラスで孤立していたいろはの唯一の心の支えは、受験勉強中に図書館で出会った先輩の想との思い出だった。しかし、高校に入学してからも想との再会は叶わず、次第にいろはは彼をイマジナリーフレンドとして創り出し、会話を交わすようになる。入学から2か月が経ったある日、いろはが休み時間に想と話しているところをクラスメイトの神山に目撃されてしまう。

訳あり留年男子×コミュ障ぼっち女子

以前からいろはに興味を持っていたクラスメイトの神山は、彼女が妄想の相手と会話していることを指摘する。戸惑いながらも、いろはは「彼は実在する」と必死に反論する。そんな彼女の窮地を救うかのように、本物の想が二人の前に現れる。思い出や想像の中でしか会えなかった想とついに再会したいろはだが、彼が一つ上の先輩ではなく、自分たちと同じクラスメイトであることを告げられる。実は想は病気で留年しており、入院していたためにこれまで登校できなかったのだ。本物の想と出会った日から、心を閉ざしていたいろはの日常が少しずつ変わり始める。ミステリアスな想と、彼にだけは素直になれるいろはの不思議な恋愛と日常が幕を開ける。

想との交流を通じて変化するいろはの日常

想の事情を知ったいろはは、安堵の気持ちを抱きながら、本物の想との交流を通じて少しずつ他者とのコミュニケーションを学んでいき、以前から想が気になっていたいろはの思いは、確かな恋心へと変わっていく。これを機に、孤立しがちだった彼女はクラスに溶け込み、五十嵐という親友も得る。五十嵐との友情や、以前からいろはを心配していた神山の存在も、内気な彼女の心を少しずつ変えていく。周囲との交流を通じて成長したいろはは、友人たちと共に青春を謳歌するようになる。いろはの両親にまつわる過去や、互いに足りない部分を教え合う想との関係性の行方も見どころとなっている。また、繊細ないろはの葛藤や感情を表現する心理描写、柔らかな少女漫画風のタッチも本作の大きな魅力となっている。

登場人物・キャラクター

宝生 いろは (ほうじょう いろは)

とある高校に通う1年生の女子。内気で口数が少なく、人と話すのが苦手。明るい茶髪をロングヘアにしている。極度の人見知りだが、中学生の頃に図書館で出会った想とは、言葉を交わさなくても意思疎通ができ、彼にだけは心を開くことができた。想との再会を願いながら勉強に励んだものの、入学した高校には想がいなかったため、彼の思い出をもとにイマジナリーフレンドを作り出している。幼少期に両親がいないことを友人に話して気まずくなった経験から、人と話すことに苦手意識を抱いている。両親の死後、祖父に引き取られた。

阿久津 想 (あくつ そう)

いろはと同じ高校に通う1年生の男子。いろはが中学生の頃に図書館で出会った一つ年上の先輩にあたる。気さくな性格で、いろはが気兼ねなく会話できる数少ない相手の一人。脳腫瘍のため入院していた影響で留年しており、2か月間登校できなかったが、復学していろはと再会を果たす。しかし、脳腫瘍の手術後は後遺症から記憶が断片的にしか残っておらず、手術前と比べて感情表現が乏しくなっている。

書誌情報

ユメかウツツか 4巻 集英社〈マーガレットコミックス〉

第1巻

(2025-02-25発行、978-4088431062)

第2巻

(2025-02-25発行、978-4088431079)

第3巻

(2025-07-25発行、978-4088431598)

第4巻

(2025-11-25発行、978-4088431970)

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