リィンカーネーションの花弁

リィンカーネーションの花弁

初連載作『素足のメテオライト』に次ぐ小西幹久2作目の連載作品で代表作。現代日本を舞台に、「輪廻の枝」と呼ばれるナイフで前世の才能を継承する「廻り者」たちの戦いを描いた物語。主人公の高校生、東耶は、クラスメイトの灰都との出会いを経て、異能者集団「偉人の杜」に参加する。アルバートの才能を獲得した東耶は、シリアルキラーとの対決を経験し、武蔵の才能を持つ灰都との関係を深めながら、宗矩など歴史上の剣豪たちとの因縁に巻き込まれていく。本作は、「装束変化」「武器生成」「知識継承」の三つの要素による能力表現システムを採用した異能バトル。江戸時代の剣術と現代の格闘技を融合させた戦闘描写が特徴で、190名を超えるキャラクターが登場する。能力発現時に花弁が舞う様子や装束変化による視覚表現、「廻り者」たちが前世の才能者の立ち居振る舞いや思想までも再現し、独自の世界観が構築されている。また、廻り者たちが形成する地下社会では、才能使用による体力消耗など明確な制約が設定されている。マッグガーデン「月刊コミックブレイド」2014年7月号から9月号まで連載。同誌が9月号で刊行を終了し、「コミックブレイド」としてWebへ移行したため、2014年9月5日から連載が引き継がれ、「MAGCOMI」としてリニューアル後も継続。その後、同社「月刊コミックガーデン」でも2017年9月号から連載。2026年にテレビアニメ化。

正式名称
リィンカーネーションの花弁
ふりがな
りぃんかーねーしょんのかべん
作者
ジャンル
バトル
 
異能力・超能力
レーベル
ブレイドコミックス(マッグガーデン) / BLADEコミックス(マッグガーデン)
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作品の概要

基本情報

初連載作『素足のメテオライト』に次ぐ小西幹久2作目の連載作品で代表作。

要旨と舞台設定

現代日本を舞台に、「輪廻の枝」と呼ばれるナイフで首を切ることで前世の才能を得る、「廻り者」たちの戦いを描いた物語。兄との比較に苦しむ高校生の扇寺東耶は、クラスメイトの灰都=ルオ=ブフェットとの出会いを経て、異能者集団「偉人の杜」に参加する。

ストーリー展開

物語は、東耶がアメリカのシリアルキラーであるアルバート・ハミルトン・フィッシュの才能を獲得し、ほかのシリアルキラーと対決する展開から始まる。そして、宮本武蔵の才能を持つ灰都の道場再建や、柳生宗矩などの歴史上の剣豪との因縁が主要なストーリー要素となる。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、「装束変化」「武器生成」「知識継承」の三つの要素で能力を表現する異能バトル。江戸時代の剣術と現代の格闘技を融合させた戦闘描写が特徴的で、190名を超えるキャラクターが登場する。

作品固有の表現技法と特徴

作中では、能力発現時に花弁が舞う様子や装束変化による視覚表現を通じて、独自の世界観が構築されている。また、「廻り者」たちは、前世の才能者の立ち居振る舞いや思想までも再現している。

世界観の構築と設定

「廻り者」が形成する地下社会には、才能の継承によって過去と現代が交錯する世界が構築されている。また、「偉人の杜」による罪人格の排除や、才能使用による体力消耗など、明確な制約と規則が設定されている。

連載状況

マッグガーデン「月刊コミックブレイド」2014年7月号から9月号まで連載。同誌が9月号で刊行を終了し、「コミックブレイド」としてWebへ移行したため、2014年9月5日から連載が引き継がれ、2015年12月25日に「MAGCOMI」としてリニューアル後も継続。その後、同社「月刊コミックガーデン」でも2017年9月号から連載。

メディアミックス情報

テレビアニメ

2026年放送。アニメーション制作はBENTEN Film。主人公の扇寺東耶を千葉翔也が演じる。

登場人物・キャラクター

扇寺 東耶 (せんじ とうや)

才能に焦がれる男子高校生。年齢は16歳。目の下に隈(くま)があり、眼鏡をかけている。器用な努力家で、28万人以上が受けた全国模試で92位を取るほどに成績優秀。家柄もよく、さまざまな習い事の経験がある。そのジャンルは音楽、芸術、スポーツ、武道など多岐にわたるが、どの分野でもトップになれず、天才を妬むようになった。また多分野に秀で、神童と評された兄の西耶(せいや)への劣等感に苛(さいな)まれている。勉学こそ才能を示す最後の砦(とりで)と自分を追い込み、塾通いに加えて寝る間も惜しんで勉強しているが、兄との差は埋まらず、家名を汚す恐れがあるとの理由で家を追い出され、現在は一人暮らしをしている。灰都=ルオ=ブフェットとの交流を経て、前世の才能を引き出す力を秘めた「輪廻(りんね)の枝」を手に入れ、偉人を前世に持つ「廻り者」の組織「偉人の杜(いじんのもり)」に加入した。廻り者として不完全であることから、罪人を前世に持つ廻り者の才能を摘む、という組織の主要任務を担うことは少なく、雑用を任されることが多い。しかし、まじめに黙々と作業が進められる人材が少ないこともあり、組織の中心人物であるノイマンから重宝されている。前世は義賊として有名な大泥棒の石川五右衛門で、取り寄せた「才能」は物質に妨げられることなく標的を盗み出す「盗人(ぬすっと)の右腕」。たとえば、瓶を壊さずにボトルシップの船だけを抜き取るなどの芸当が可能で、生物の体内から臓器や血液を盗み出すこともできる。ただし、射程は約70センチと短く、組織の猛者(もさ)から侮られている。「盗人の右腕」には相手の「才能」を盗む能力も備わっているが、こちらは組織の人間にも打ち明けていない。盗んだ「才能」は「盗人の左腕」で自分の能力として扱うことが可能で、これを「盗品行使」と呼ぶ。当初は学者、芸術家、政治家などの名声に直結する才能を欲していたが、やがて敵味方を問わず才能を盗んで歴史を総括するほどの才能の持ち主となり、兄を超越することを目標とするようになった。

灰都=ルオ=ブフェット (はいと るお ぶふぇっと)

扇寺東耶のクラスメイトの女子高校生。年齢は16歳。灰色の髪と灰色の瞳を持ち、サイドテールの髪型をしている。フード付きの上着を好み、平時はフードを被(かぶ)っている。飄々(ひょうひょう)としているが好戦的な性格で、道場の師範だった養父の影響で、剣の心得がある。その腕前は剣道特待生に選ばれるほどだったが、彼女と対峙(たいじ)した部員は才能の違いに絶望して引退したことで剣道部を廃部に追い込んでしまう。これをきっかけにさまざまな悪い噂(うわさ)が広まり、周囲から距離を置かれるようになった。しかし、そもそも勉強が苦手で、まともに通学していない。その正体は、前世の才能を引き出す力を秘めた「輪廻の枝」で、後天的に才能を得た「廻り者」。偉人を前世に持つ廻り者の組織「偉人の杜」に所属しており、罪人を前世に持つ廻り者の才能を摘む任務に就いている。前世は剣豪として有名な宮本武蔵で、取り寄せた「才能」は「腹削ぎ」「首刈り」の二刀が出現し、筋力と動体視力が向上する、「人外の領域」と謳(うた)われる超絶剣技を扱えるようになる「歪二天礼法(いびつにてんれいほう)」。才能に対して異常な執着を見せる東耶に興味を示し、前世の才能を引き出す方法を教え、組織へと誘った。東耶が加入すると、自らが捨て子であること、養父への恩返しのために輪廻の枝を手にしたこと、不完全な武蔵の才能で養父にケガをさせてしまったことを明かした。灰都=ルオ=ブフェットの目下の目標は、完全な武蔵となり、閉館に追い込まれた養父の道場を再開させることである。なお、武蔵の才能を得てからも驕(おご)ることはなく、剣の稽古を継続している。

書誌情報

リィンカーネーションの花弁 1巻 マッグガーデン〈ブレイドコミックス〉

第1巻

(2014-11-10発行、978-4800003768)

リィンカーネーションの花弁 22巻 マッグガーデン〈BLADEコミックス〉

第19巻

(2024-01-10発行、978-4800014122)

第20巻

(2024-08-07発行、978-4800014818)

第21巻

(2025-02-10発行、978-4800015525)

第22巻

(2025-08-08発行、978-4800016263)

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