概要・あらすじ
友達がおらず家庭にも居場所がない、コミュ症で地下アイドルオタクの七海澪は、兄・七海蓮の存在だけが心の拠り所であった。しかし、その蓮が学校で突然倒れ、病院に入院してしまう。彼を見舞いに行った澪は、蓮の心が壊れてしまったことを医師から聞かされ、「ワンダーラビットガール」という聞き覚えのない言葉を口にする、変わり果てた蓮の姿を目の当たりにする。
蓮をもとに戻すため、そして彼の心を壊した相手に復讐するため、澪は蓮に扮して超エリート高校・青慶学院に乗り込み、調査を開始する。そんなある日、蓮の病室から謎のUSBメモリが見つかる。それを持ち帰った澪が自室のPCで開いてみると、内容は一部女子生徒たちの性癖リストであった。その中に「ワンダーラビットガール」も含まれているに違いないと考えた澪は、リスト内に記されていた性癖の情報を利用し、女子生徒たちに接近していくのであった。
登場人物・キャラクター
七海 澪 (ななみ れい)
高校1年生男子で童貞。年齢は16歳。引っ込み思案でオタク気質が強く、今は地下アイドルの沙織に夢中。そんな中、クラスメイトに沙織をバカにされたことで喧嘩に発展し、停学になってしまう。人との会話が苦手な「コミュ症」で、学校には男女を問わず友達がおらず、特に女子たちからはキモいと嫌われている。また、家族からは優秀な兄・七海蓮と比較されてきたため、自分に自信がない。 ただし、容姿は蓮と瓜二つである。一方で蓮との関係は非常に良好であり、兄の存在が心の拠り所になっていた。そんな蓮が心を壊して入院することとなり、彼を元気な状態に戻すため、そして何かをされたのであればその復讐をするため、蓮が発した「ワンダーラビットガール」という謎の言葉を手掛かりに、蓮に変装して青慶学院へと潜入することとなった。 以降はさまざまな性癖を持つ美少女たちの妄想に付き合い、あと一歩という状況まではいくものの、なかなか童貞を捨てられずにいる。蓮に変装しているため、青慶学院ではクールを装っているが、内面はエッチな煩悩だらけである。
七海 蓮 (ななみ れん)
超エリート校と名高い青慶学院に通う高校2年生の男子で、七海澪の兄。学校では生徒会副会長を務め、次期生徒会長の最有力候補。品行方正・成績優秀・性格良好と3拍子そろった好人物であり、男女ともに好かれている。中でも女子からの人気は高く、とにかくモテる。家では弟想いな兄で、母親と喧嘩をした澪の後を追って気遣うなど兄弟仲も良い。 地下アイドルが好きで追いかけたり、クラスメイトと喧嘩をしたりしている澪を「高校生らしい」とうらやましくも感じている。性格は異なるが、容姿は澪と瓜二つである。ある日学校で突然倒れ、そのまま心が壊れてしまい入院することとなった。その際に「ワンダーラビットガール」という謎の言葉を残している。のちに七海蓮の病室で学校の女子生徒たちの性癖の入ったUSBメモリが発見されたものの、蓮はクラウド保存派なので、これが彼の持ち物である可能性は低い。
市井 綾花 (いちい あやか)
青慶学院に通う高校2年生の女子で、2年E組に所属している。七海蓮の部屋に解読不能な走り書きと市井綾花の名前が書かれた紙が置かれていたため、まず最初に七海澪が接近した相手。気が強く無愛想な印象を与えるクールな性格。バストが大きく、周りの男子生徒からは「ドスケベ女」とも評され、一部ではアダルトビデオに出演しているとさえ噂されるほど。 性癖は「説教性愛」であり、怒られると性的に興奮してしまう。蓮の心が壊れる少し前に、蓮に対して告白をしており、未だに気持ちを吹っ切れずにいる。
白石 撫子 (しらいし なでしこ)
青慶学院に通う高校3年生の女子で、3年A組に所属している。七海蓮とともに生徒会副会長を務めている。成績優秀であり、将来は医学部を志している。医者になりたい理由は小さい頃にお世話になったため。黒髪ロングのぱっつん前髪で、周りからは白百合のように穏やかで清純だと思われているが、「医療性愛」という性癖の持ち主で、医療行為をされると性的に興奮してしまう。
成澤 こはる (なるさわ こはる)
青慶学院に通う高校2年生の女子で、2年A組に所属している。長い黒髪をツインテールにしており、アイドル好きな七海澪の好みのタイプである。性癖は「窃盗性愛」であり、捕まって責められる妄想をして興奮をする。窃盗といっても男子の持ち物を一時的に盗み、なくなったと慌てたところで返すのを楽しみにしている。
桜井 まゆ (さくらい まゆ)
青慶学院に通う高校2年生の女子で、2年C組に所属している。小柄で眼鏡をかけ、おとなしい性格をしている。図書館で七海澪が「AV全集」というオーディオ機器が掲載されている本をアダルトビデオの本と勘違いし手を伸ばしたところ、偶然にも同じ本を取ろうとして手が触れ合ったことで知り合う。性癖は「猥褻語多用癖」であり、写生大会と聞くと射精を思い出してしまうなど、意図しない下ネタに変換して興奮を覚える。 なお、七海蓮の病室にあったUSBメモリには桜井まゆの名前は入っていなかった。
小泉 ひな (こいずみ ひな)
青慶学院に通う高校2年生の女子で、2年E組に所属している。ふわふわのボブヘアにぱっちりとした大きな目を上目づかいにして話す。七海澪からは「モテマニュアル女子」と言われているが、澪本人も思わずグッときている。男子生徒たちからはまるでアイドルのような扱いを受けている。性癖は「閉所愛好」であり、狭い場所にいくと男子とくっついている妄想をしてしまい、性的な興奮を覚える。 九重悠とは中学時代からの知り合いである。
深雪 ありす (みゆき ありす)
青慶学院に通う高校3年生の女子で、3年B組に所属している。大人びた言動をする色っぽいお姉さんタイプであり、九重悠をからかって遊んでいた。悠からは「高飛車性悪女」と言われるほどの毒舌家であり七海澪に対しても罵倒するが、澪本人は「年上に罵倒されると何か興奮する」とまったく傷ついていない。性癖は「鏡越し嗜好」であり、鏡に映った姿で男性と関わり合いを持つと性的に興奮してしまう。
百合ヶ丘 ねね (ゆりがおか ねね)
青慶学院に通う高校3年生の女子で、3年A組に所属している。女王蜂であり、学園内では自己中心的な振る舞いが許されている。縁ノ柊からは「姉さん」と呼ばれている。大企業の令嬢であり、中等部時代には「夏休みの読書感想文で芥川賞を受賞できる」と称賛されたほどの才女。海外に行っていることも多く、帰って来る日は学園内でも噂になるほど。 男子生徒たちからは絶大な人気を誇り、登校時に鞄持ちをするために、徹夜する者までいる。完璧な人間であるはずが、実は七海蓮に告白をして振られた過去があり、蓮を逆恨みしている。性癖は「他者性行為窃視症」であり、男性が別の女性にいやらしい目線を送っている姿を見ると性的に興奮してしまう。
縁ノ 柊 (よすがの ひいらぎ)
青慶学院に通う高校3年生の女子で、3年A組に所属している。クールな性格の美女であり、感情を決して表に出さない。百合ヶ丘ねねに対しては「姉さん」と呼び、慕っている。ねねに告白をする男子生徒を嗜めることもあり、「腰巾着」などと暴言を吐かれることもあるが、本人は気にしていない。七海蓮に告白をして振られ、逆恨みをしているねねから、蓮に扮する七海澪にハニートラップを仕掛けるように依頼される。 性癖は「露出癖」であり、普段から胸元が大きく開き、へそを出した制服を着用している。
椎名 くるみ (しいな くるみ)
青慶学院に通う高校2年生の女子で、2年E組に所属しており、風紀委員としても活動している。成績優秀で真面目なおとなしい性格の持ち主であるが、一部男子生徒たちからは「とてつもない性欲の持ち主」などとよからぬ噂を立てられている。性癖は「正常愛好」であり、正しい行動と正しい言葉に性的興奮を覚える。何でもネット上に書き込み、炎上を誘う傾向がある。
生徒会長 (せいとかいちょう)
青慶学院に通う高校3年生の男子で、生徒会長を務めている。美男子かつドSであり、女子生徒たちからは絶大な支持を得ている。品行方正・成績優秀・性格良好と三拍子そろった七海蓮のことを気に入っており、次期生徒会長に推しても良いかと考えている。
勅使河原 まりや (てしがわら まりや)
青慶学院に通う高校2年生の女子で、2年B組に所属している。生徒会長秘書として生徒会に関わっている。生徒会長の命を受け、次期生徒会長最有力候補である七海蓮について情報を集めているが、蓮が七海澪と入れ替わっていることには気づいていない。正義感が強く、いじめられている生徒などがいると放っておけない。
九重 悠 (ここのえ はる)
青慶学院に通う高校2年生の男子で、2年B組に所属している。外見が良く成績優秀で女子生徒たちからチヤホヤされており、七海澪には「リア充」と嫉妬されている。しかし、実際は高校デビューであり、それまでは垢抜けなかった。市井綾花が偶然拾った九重悠の生徒手帳に「ワンダーラビットガール絶対に抱く」と書かれており、それを知った澪が情報を得ようと自分に接近してきた際には、「ワンダーラビットガール」の件からは手を引くよう忠告し、詳しいことは語らずにいる。 しかし、澪とは微妙に友情を育んでいき、のちに澪にとって人生で初めての友達となる。ちなみに、澪と蓮が入れ替わっていることも知っている。小泉ひなとは中学時代からの知り合いである。
大和 楓 (やまと かえで)
青慶学院に通う高校2年生の男子で、2年C組に所属している。アンニュイな雰囲気の美男子で、女子生徒たちから好意を寄せられているものの、本人はあまり気にしていない。九重悠と知り合いであり、「ワンダーラビットガールに関わると心を壊す」と七海澪に情報を提供した。誰に対しても社交的な人物であり、大田区出身ながら大阪弁で話す。
蒼井 みつば (あおい みつば)
青慶学院の女性教師で、年齢は20歳。オタク趣味があり、アニメのキャラクターのような話し方をする。同人誌を出席簿と間違って教室に持ち込むなどドジな自分を演出しており、男子生徒たちから絶大な人気を誇る一方で、女子生徒たちからは冷めた目で見られている。青慶学院の卒業生であり、在学していた2年前までは生徒会長を務めていた。 「ドジですね」と言われると性的に興奮してしまう。なお、七海蓮の病室にあったUSBメモリには蒼井みつばの名前は入っていなかった。
沙織 (さおり)
七海澪が大ファンで、もはや結婚をする気でいるほど大好きな地下アイドルの少女。澪の自室は沙織のポスターやグッズで埋まっている。ファンからは「しゃおり」の愛称で呼ばれている。ライブの他に握手会など、ファンとの交流も積極的に行う。
場所
青慶学院 (せいけいがくいん)
地域では名の知れた超エリート高校。七海蓮の母校であり、七海澪が変装して潜入している高校である。澪の母親は蓮が通っていることを誇りに思っている。
その他キーワード
女王蜂 (くいーんびー)
超エリートたちが通う青慶学院において、カーストの最上位にいる選ばれし女子生徒たち。絶対的な権力を誇り、女王蜂であればどんな横暴を働いても許される。