This Man その顔を見た者には死を

This Man その顔を見た者には死を

似顔絵捜査員が、不可思議な連続殺人に巻き込まれていくサイコサスペンス。「This Man(夢に出てくる男)」という、都市伝説をモチーフにしている。講談社「週刊少年マガジン」2018年21・22合併号から2018年48号まで連載。その後、同社「マガジンポケット」に移籍し、2018年11月14日から2019年4月3日まで連載。

正式名称
This Man その顔を見た者には死を
ふりがな
でぃす まん そのかおをみたものにはしを
原作者
花林 ソラ
漫画
ジャンル
サスペンス
レーベル
講談社コミックス(講談社)
巻数
既刊5巻
関連商品
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概要・あらすじ

天野斗は、宮入交番勤務の似顔絵捜査員。その仕事は、容疑者の似顔絵作成や身元不明遺体の顔の推定などである。天野は、恋人である三上玲愛に頼まれ、明里光代という女性の相談を受ける事になった。光代は、娘の明里星子を連れて天野の家にやってきた。彼女の相談は不審者に関する事だった。1週間前、家の前に見慣れない男が立っており、その男と目があって以来、星子が異常に怯えているというのだ。

星子は「感情性OE(過度激動)」と呼ばれる能力の持ち主で、相手の感情を即時に感じ取ってしまう。その星子が、不審者から感じ取ったのは、激しい憎悪だった。娘が怯える不審者の顔を、光代も確認したいとの事だった。独断で似顔絵捜査をする事にためらいを感じる天野だったが、光代に押し切られ、しぶしぶ承諾する。

人と接する事が苦手な星子は筆談を好む。天野は星子とメモでやりとりし、不審者の似顔絵を完成させる。似顔絵を見た星子は震え上がった。どうやらそっくりに出来上がったようだ。それは、丸顔の中年男性の顔だった。1本につながった太い眉、薄めの髪に広いおでこ、裂けたように大きく薄い唇といった特徴で、なんとも異様な雰囲気だった。

天野はこの不気味な男の顔に見覚えがあった。しかし、どこで見たのか、どうしても思い出せない。そこで、明里母娘が帰った後、同郷の親友しか参加していないSNSのグループトークに、この男の似顔絵を送ってみた。すると、グループの一人が、これは「夢に出てくる男、This Man(ディスマン)」だと答えた。

それは2006年に広まった都市伝説で、「世界各地で、何の共通点もない3000人もの男女が、夢の中で同じ男の顔を見た」という内容だった。つまり、実在しないはずの男の顔だ。おそらくテレビかなにかで見たのだろうと天野は納得したが、明里母娘が、ディスマンを見た事の説明はつかなかった。その日の夜、天野のもとに警視庁本部から電話が入った。

明里光代が殺されたのだという。急いで警視庁に駆けつけた天野は、娘の星子と筆談でコミュニケーションを図った。星子は殺人犯を目撃しており、どうやらその男はディスマンだった。そして、「ディスマンを見た者には死を」と話したと証言した。さらに問い詰めると、ディスマンから感じ取った感情は「おもしろい」だったという。

そこまで伝えて、星子はパニックになり、やがて眠ってしまった。ディスマンを見た事が殺された原因である事、犯人が都市伝説の男と同じ顔と名前である事など、わからない事だらけだった。帰宅した天野を待っていたのは、火事だった。自分の部屋が燃えていたのだ。炎の中、窓越しに人間の手が見えた。彼女の玲愛が、部屋に取り残されている。

そう考えた天野は、危険を顧みずに部屋に飛び込んだ。人間の手に見えたものは、手の形をした玩具だった。他の部屋を見回るが、彼女の姿はない。自分を陥れる罠だと気づいた天野は、ベランダから隣家の屋根に飛び移り、九死に一生を得た。道に佇み、屋根の天野を遠くから見つめていたのは、ディスマンだった。ディスマンは玲愛のコートを手にしていた。

彼女がさらわれた、そう考えた天野は、屋根から飛び降り、ディスマンを追う。しかし、野次馬の中に紛れたのか、ディスマンの姿は見えない。天野は警察手帳を掲げ、全員動かないように命令する。その時、人混みの中に爆竹が投げ込まれた。人々はパニックになって散り散りに姿を消した。あとに残されていたのは、玲愛のコートだけだった。

登場人物・キャラクター

天野 斗 (あまの はかる)

宮入交番に勤務する似顔絵捜査員の青年。熊本県出身。高校卒業後に警視庁に入る。被害者や目撃者と会話をしながら容疑者の特徴を聞き出し、似顔絵を作成する。プライベートで作成した不審者の似顔絵が、都市伝説の「This Man(ディスマン)」だった事から、自身も命を狙われる。

三上 玲愛 (みかみ れあ)

天野斗の恋人。女性雑誌記者。少々キツイ性格。ヨガスクールの知り合いである明里光代という女性に頼まれ、彼女を斗に紹介する。

明里 光代 (あけさと みつよ)

三上玲愛のヨガスクールの友達。明里星子という娘を持つ中年女性。自宅前にいた不審者の件で、玲愛を介して天野斗に相談する。星子の証言によって作成された不審者の似顔絵が、都市伝説の「This Man(ディスマン)」だった事から、ディスマンに殺害される。

明里 星子 (あけさと ほしこ)

明里光代の娘。中学生。黒髪のロングヘアが特徴。感情性OE(過度激動)と呼ばれる能力を持ち、他人の感情を感じ取ってしまう。その能力のため、学校に行く事もできない。自宅前にいた不審者を目撃しており、それが都市伝説の「This Man(ディスマン)」だった。母の光代がディスマンに殺された現場にも居合わせ、「ディスマンを見たものには死を」という言葉を聞く。 ディスマンから逃れるため、天野斗とともに逃亡生活を送る。

その他キーワード

This Man (でぃすまん)

2006年に広まった都市伝説。ニューヨークの精神科に寄せられた複数の女性の証言をもとに作成されたモンタージュを公開したところ、世界各地で何の共通点もない3000人もの男女が、夢の中で同じ男の顔を見たと名乗り出たというもの。つながった太い眉と、裂けたように大きく薄い唇が特徴。都市伝説ディスマンと同じ顔をした男が、明里光代を殺害したのを娘の明里星子が目撃しており、その際「ディスマンを見たものに死を」という言葉を残したという。

クレジット

原作

花林 ソラ

書誌情報

This Man その顔を見た者には死を 5巻 講談社〈講談社コミックス〉

第1巻

(2018-08-17発行、 978-4065123324)

第2巻

(2018-10-17発行、 978-4065129937)

第3巻

(2018-12-17発行、 978-4065134849)

第4巻

(2019-03-08発行、 978-4065141267)

第5巻

(2019-06-07発行、 978-4065150832)

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