三ツ首コンドル

三ツ首コンドル

魔女が各地に隠した伝説の「魔女の宝」をめぐる、盗賊同士の戦いを描いたファンタジー漫画。石山諒の初連載作品で、「週刊少年ジャンプ」2014年33号から49号にかけて連載された。

正式名称
三ツ首コンドル
ふりがな
みつくびこんどる
作者
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

常闇の三大盗」に数えられる大盗賊のマシマロは、とにかく「美しいモノ」が大好きで、魔力が込められ、持つ者に強大な力を与えるという「魔女の宝」を集めながら世界を旅していた。ある日、マシマロは人のために盗みを働く「正義の盗賊」を志す盗賊見習いの少女スーと出会う。スーはマシマロのそばで盗賊としてのスキルを磨きつつ、いつかはマシマロを越える大盗賊となりたいと語る。

そんなスーに光るものを感じたマシマロは、スーに自分の旅に帯同することを許可するのだった。こうして、「魔女の宝」を追い求める者がひしめく混沌の時代に、マシマロとスーのコンビの伝説が幕を開ける。

登場人物・キャラクター

マシマロ

「常闇の三大盗」の1人に数えられる大盗賊の男性。ピンク色の髪が特徴で、どんな物でも自ら手に入れる、その悪魔的な手腕から「薄紅悪魔」の異名で知られている。人でも物でも「美しいモノ」に強いこだわりを持ち、「美しくないモノ」を嫌っている。そのため、自分の美学に反する者には強い敵意を持ち、場合によっては武力行使もいとわない。 身体能力は高く、これまでにもさまざまな危険な場所でお宝探しをしてきた経験から、トラップに対する対応力も高い。ありとあらゆる物の魔力を見定める特殊能力「魔女の眼」を持つ。

スー

正義の盗賊を志す少女。幼少期に「常闇の三大盗」の話を聞いて以来、盗賊となるべく個人的に訓練を積んできたため、身体能力に優れる。「常闇の三大盗」の中でも特にマシマロに憧れを抱いており、マシマロと偶然出会って以降、行動をともにするようになる。マシマロの盗賊としての技術を間近で見ることで、盗賊としてのスキルを向上させつつある。 機転を利かせて相手の裏を突いたり、短時間でトラップを仕掛けるなど、戦闘においても優れたセンスを見せる。

サルサ

王国騎士を務める男性。村の宝である「竜殺しの大剣」を強奪したうえ、その村に護衛として勝手に常駐し、村人から金銭を巻き上げている。普段は洞窟に籠もって修行をしており、騎士として国の弱者を守るために日々鍛錬をしている。戦闘においては、修行で身に着けた刀身に炎をまとわせ相手を斬りつける「竜炎流剣術」を使用する。

キリンジ

大昔には60もあった大陸の国を、1つにまとめた王族の末裔の男性。常に笑顔だが、国民に重い税を課したり、歯向かう者には制裁を加えて見せしめにする独裁者。「魔女の宝の副産物」である「ミスリル」で作られたアームを装着しており、そこから発せられる電撃で攻撃したり防御することを可能としている。また、未来を予知することができる「根無しのカカシ」を所有している。

ゴルディバ

王族の男性。「魔女の宝」をはじめ、力、富、名声のすべてを欲している。「サラマンドラの繭」を所有している他、身体に寄生させ自身を金属化する「魔女の宝」である「ミダスの金蚕蟲」で肉体を金属化しており、強固な防御力を誇っている。

ジャガ

海を縄張りに活動する盗賊団「悪喰アンコウ」に所属する男性。鼻が利き、ありとあらゆる匂いを嗅ぎ分けることが可能で、匂いから相手の人間性すらも判別することができる。船長のガルボアのことを強く慕っている。

ガルボア

海を縄張りに活動する盗賊団「悪喰アンコウ」の船長を務める男性。盗賊界においては有名人で「海呑み」の二つ名を持ち、部下からの信頼も厚い。しかし、ブルーシールと戦った際にはなすすべなく敗北している。

ブルーシール

現金争奪額でトップの座に君臨する、ルーキー盗賊の男性。別名「金の亡者」。これまでいくつもの盗賊団や貴族などから宝を盗み続け、破産させている。「世の中金で買えないものはない」という考えの持ち主で、とにかく金に対する執着が強く、何かするたびに金銭を要求する守銭奴。使用武器は「魔女の宝の副産物」の長槍「南の十字鍵」。

オリーブ

「常闇の三大盗」の1人に数えられる女性。別名「緑母神」。違和感なく人の懐に入る盗賊技術「自然体」を天才的に使いこなす人物で、野生動物を相手にも違和感なく近づくことができる。一貫した平和主義者ではあるが、オリーブ自身のことは「正義でも悪でもない」と語っており、どこかつかみどころがない。そのため、マシマロからは苦手とされている。

ハヴァ

「常闇の三大盗」の1人に数えられる男性。別名「紫皇帝」。「三ツ首コンドル」時代は「魔女の宝」である「唄う髑髏」の力を用いて団員を洗脳し、他の「魔女の宝」を強奪するために無理な戦闘を繰り返させていた。これにより「常闇の三大盗」以外のすべての団員が命を失うこととなり、「三ツ首コンドル」解体の直接の原因となった。 関係性の上下に異常なこだわりを持ち、人から見下されることを極端に嫌い、自分が常に誰よりも上に立ちたいと考えている。

デビルズ・ヴァレンタイン (でびるずゔぁれんたいん)

「魔術王の指輪」で生み出された、100体の悪魔の融合体。不死ではないが再生能力があり、足や腕を切り落としてもすぐに生えてくる。蓄えられた魔力も強大で、マシマロの「魔女の眼」で魔力の流れを見たうえでも避けきれないほどの攻撃スピードを併せ持っている。

集団・組織

常闇の三大盗 (とこやみのさんだいとう)

王国が危険視している3人の盗賊。過去に「魔女の宝」を持つ王国に逆らい、甚大な被害を及ぼしたが、その事実は王国側によってもみ消されている。そのため、世間的には腕の立つ3人の伝説的な大盗賊と認知されており、一部ではカリスマ的な人気を誇っている。

三ツ首コンドル (みつくびこんどる)

「常闇の三大盗」の3人が首領を務めていた盗賊団。当時、「三ツ首コンドル」の「魔女の宝」の所有数は20を超え、団員も全員仲が良く、アジトでは毎日盗んだ宝自慢で朝まで騒いでいた。しかし、現在は「常闇の三大盗」以外の団員はすべて死亡しており、組織も解体されている。

その他キーワード

魔女の眼 (うぃっちあい)

マシマロの目。魔力を見ることができ、敵が魔力を使う者であればその魔力の流れを読んで攻撃をかわすことも可能。また、眼に自分の身をゆだねることで膨大な魔力と戦闘能力を得ることが可能だが、その場合は体力の消耗が激しく、短時間で動けなくなってしまう。

生命樹の杖 (せふぃろとのつえ)

「魔女の宝」No.02。対価を払えば人を生き返らせることができる杖だが、生き返らせることができる人間は1人に限られている。「三ツ首コンドル」の団員を生き返らせたいと願うマシマロが、特に強く追い求めている宝の1つ。

唄う髑髏 (うたうどくろ)

「魔女の宝」No.03。この髑髏から発せられる歌声を聞いた者は、思考・行動が「唄う髑髏」の持ち主の意のままに操られてしまう。しかし、「魔女の宝の副産物」や「魔女の宝」を持つ者に対しては、それらが帯びる魔力で歌声が遮断されるため、洗脳することはできない。

サラマンドラの繭 (さらまんどらのまゆ)

「魔女の宝」No.05。アカドラの洞窟で見つかった伝説のドラゴンの幼体だが、見た目はその名の通り非常に巨大な繭。「竜殺しの大剣」が魔力を帯びることになったもととなっているものでもある。所有者はゴルディバ。

百年薔薇 (ひゃくねんばら)

「魔女の宝」No.08。持ち主を自動的に守り続ける最強の盾で、その範囲は個人だけに留まらず、範囲を広げれば建造物すべてに至るほどの広範囲における自動防御が可能。所有者はオリーブだが、のちにマシマロとスーたちの手に渡されている。

魔術王の指輪 (そろもんのゆびわ)

「魔女の宝」No.09。1000年を生きる、史上最大の生物である「大陸鯨」の背中にある魔宮に眠っている指輪。悪魔を同時に100体まで生み出せる力があり、その悪魔は呼び出した者の命令に従うだけでなくそれぞれが自律して動くこともできる。また、融合してより巨大で強力な悪魔であるデビルズ・ヴァレンタインになることも可能。

禁断の果実 (くいーんずあっぷる)

「魔女の宝」No.10。知恵を与えるしゃべるリンゴで、その知恵には現存する科学力すら超越するものも含まれている。現在、大陸を支配している王族の権力の象徴でもある先進的な技術力は、この「禁断の果実」の知恵をもとに実現したものである。

パンドラの匣 (ぱんどらのはこ)

「魔女の宝」No.13。マシマロが所有する目のついた宝箱。マシマロが持つ「魔女の宝」の中では特に付き合いが長く、「パンさん」と呼ばれ親しまれている。宝箱の中は異次元空間になっており、マシマロがこれまでに手に入れたお宝を保存する美術館となっている。また、その中にマシマロ自身も入ることができる。

根無しのカカシ (ねなしのかかし)

「魔女の宝」No.20。見た目は普通のカカシだが、未来を見通すことのできる予知能力がある。人と話すことも可能で、自分が「魔女の宝」だと悟られないように、意図的に魔力を抑えることもできる。

B・B・D (ぶらっくばーどだいや)

「魔女の宝」No.23。全身がブラックダイヤで出来た巨大な鳥で、人を乗せて飛行することはもちろん圧縮率を変え手のひらサイズになることも可能。また、黄金を見つける能力も備えておりそこまでの道案内もできる。主にマシマロの移動手段として活躍している。

ゴーレムの心臓 (ごーれむのしんぞう)

「魔女の宝」No.45。もともとは盗賊団「青尻トカゲ」のもとで厳重に保管されていたが、マシマロによって強奪された。見た目は大きなハート型のオブジェだが、土を操って形作る能力を持つ。大量に土がある場所で使用するとその真価を発揮する。

黒猫の地図 (くろねこのちず)

「魔女の宝」No.51。見た目は黒猫だが、大陸すべての「魔宮」と呼ばれる「魔女の宝」の所蔵場所を示した地図を出すことができる。また、その「魔宮」に現在「魔女の宝」があるかどうかが分かる印も出してくれるという優れもの。所有者のオリーブからは「チーちゃん」と呼ばれ可愛がられている。

南の十字鍵 (さざんくろす)

「魔女の宝」の近くで魔力を浴びせ続けられたことにより生成された、「魔女の宝の副産物」と呼ばれる長槍。斬ったものの錠を開閉でき、世界中の宝箱や金庫を開けられる。そのため、所有者のブルーシールもこれだけは手放すまいと常に身の周りに置いている。

竜殺しの大剣 (りゅうごろしのたいけん)

「魔女の宝」の近くで魔力を浴びせ続けられたことにより生成された、「魔女の宝の副産物」と呼ばれる大剣。約600年前に竜退治に使用した剣が代々村に受け継がれ、とある村の秘宝となっていたが、現在は王国騎士のサルサに奪われている。

ミスリル

「魔女の宝」の近くで魔力を浴びせ続けられたことにより生成された、「魔女の宝の副産物」と呼ばれる鉱物。キリンジの持つアームに採用されており、その硬度は高くギロチンの刃でも傷一つつかないほど。通常の打撃と斬撃であればほとんど防御できるが、魔力を帯びた攻撃には弱い。

魔女の宝 (まじょのたから)

この大陸に59個存在するという宝で、No.01~59までのナンバーが振られている。すべて集めた者は大陸を支配できるほどの魔力を宿し、第二の魔女になるといわれている。「魔女の宝」自体にも魔力が込められており、それぞれ異なる能力を持つ。特に一桁ナンバーの「魔女の宝」はより強力な力を持つといわれており、入手難易度も高い。 この「魔女の宝」の近くで魔力を浴びせ続けられ、「魔女の宝」ほどではないものの微量の魔力を帯びた物を「魔女の宝の副産物」と呼ぶ。

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