世界観
高校1年生の小田切双葉、葉山照、西川葉子の3人による、日常的な学園生活をほのぼのとしたギャグテイストで描いている。長い連載期間を経ているにも関わらず、作中ではコミックス第11巻まで作中時間は一切進んでいなかったが、第12巻でようやく進級を果たす。
あらすじ
小田切双葉は中央女子高等学校に転校して来た女子高生。転校初日から持ち前の明るさで周りに溶け込んでいくなかで、双葉は特に2人の同級生と仲良くなる。1人は三つ編みで丸メガネをかけた見るからに委員長タイプの葉山照。もう1人は、照の友達の元お嬢様で、今は極貧生活を強いられている西川葉子。こうして、偶然にも自分と同じ「葉」の字の付く友達を得た双葉の、新しい高校生活が始まる。
タイアップ
きらら×きららプロジェクト
本作『三者三葉』のTVアニメ化を記念したタイアップ企画「きらら×きららプロジェクト」により、2016年5月3日から9月末まで、叡山電鉄にて本作のヘッドマークを装着したデオ720形電車が運行された。車内にラッピングを施したラッピング車両も運行され、こちらには「三者三葉×叡山電車」オリジナルコラボロゴが使われている。
メディアミックス
TVアニメ
2016年4月から6月まで木村泰大監督によるTVアニメ版がTOKYO MX他にて放送された。キャラクターデザインは山崎淳、音楽は睦月周平が担当している。主なキャストは小田切双葉役を金澤まい、葉山照役を今村彩夏、西川葉子役を和久井優が演じている。TVアニメ版は漫画版と異なり、葉子視点で物語が描かれている。
小説
2007年6月27日に芳文社KR文庫より小説『三者三葉 葉子様の夏休み』が発売された。著者は斎藤ゆうすけで、イラストは原作者の荒井チェリーが担当している。内容は西川葉子を主人公とした連作短編小説となっている。
登場人物・キャラクター
小田切 双葉 (おだぎり ふたば)
中央女子高等学校に通う高校1年生の女子。大食漢で数々の大食い記録を持っており、出禁にされている店もあるほど。食べることに対する執着が強く、料理を作るのも大好き。明るく誰とでも仲良くなれるフレンドリーな性格だが、少々お馬鹿な一面があり友達に本気でツッコミを入れられることがある。苦手なものは幽霊で、その理由は存在を認識できても殴れないから。 勉強は基本的にはしないタイプだが、それでも中の上レベルの成績をキープしている。
葉山 照 (はやま てる)
中央女子高等学校に通う高校1年生の女子。三つ編みで丸メガネをかけた典型的な委員長タイプ。しかし実際は腹黒く、周りからの評価を得るために計算して優等生を演じている。毒舌家でもあるが、これもあえて意図的に毒を吐いている節がある。小田切双葉と西川葉子といる時にはツッコミ役に回ることが多い。成績は常に上位をキープしているが運動神経は悪く、体力もない。 無類の動物好きで動物に囲まれて暮らすのが夢で、将来的には「葉山動物王国」を作りたいと考えている。
西川 葉子 (にしかわ ようこ)
中央女子高等学校に通う高校1年生の女子。容姿端麗、運動神経抜群のお金持ちのお嬢様だったが、父親の会社が倒産したことにより現在は貧乏な暮らしをしている。そのため以前の優雅な雰囲気はほとんど失われ、現在はすっかり庶民の暮らしが染みついている。1日の小遣いは200円で昼食は菓子パン1つ。その菓子パンに付いているシールを集めてお皿をもらうことを楽しみにしている。 一応貧しいなりに貯金をしようとしているが、自炊が絶望的に苦手なため、なかなかお金が貯められない。また、以前のワガママで高飛車な性格が災いしてか基本的にツンケンしているように見られており、友達がほとんどいない。
葉山 光 (はやま こう)
葉山照の姉で中央女子高等学校に通う高校2年生の女子。間延びした口調ののんびりした人物で、ぼーっとしていることが多い。妹の照と同様に毒舌家だが、本人にはまったくその自覚がなく100%の天然で黒い発言をしている。オリジナルの健康料理を振る舞うのが好きで、さまざまな料理を作っては周りの知人に食べさせている。しかし、その料理は人が倒れるほどに強烈な味で、知人からは恐れられている。 くじ運が非常に強く、懸賞や福引きでよく商品を当てている。
近藤 亜紗子 (こんどう あさこ)
中央女子高等学校に通う高校1年生の女子。西山芹奈とは小学生の頃からの付き合いで仲が良く、行動をともにすることが多い。芹奈とは異なり、長いものには巻かれるタイプで、葉山照には逆らわず上手に付き合っていきたいと考えている。一方で天然なところがあり、言ってはいけないことを平気で口にすることもある。そのため、薗部篠からは「空気が読めない人」と評されている。
西山 芹奈 (にしやま せりな)
中央女子高等学校に通う高校1年生の女子。自分がやりたかった委員長の座についている葉山照を何かと敵視している。実際に「調子に乗っている」と難癖をつけて呼び出したこともあるが、その時は照の毒舌に返り討ちに遭い泣かされた。勉強もそこそこできるが、いつも照に一歩及ばず敗北している。エセ優等生であることや動物好きであることなど、照とは実はさまざまな共通点がある。
辻 小芽 (つじ ささめ)
中央女子高等学校に通う高校1年生の女子。辻一芽の妹で、兄の大食いチャレンジを応援していることから、兄の自信を喪失させた小田切双葉を敵視している。しかし、一方で双葉の友達の西川葉子のことは「スタイルが良くて運動神経も抜群」と一目置いており、憧れの存在としている。勉強は不得意で、運動も葉山照同様に苦手。
山路 充嗣 (やまじ みつぐ)
かつて西川家の使用人を務めていた23歳の男性。わがまま放題に育てられた西川葉子を心配しており、いつも物陰から見守っている。小田切双葉いわく「本物のストーカー」。現在はフリーターをしているが、働きぶりは真面目でよく正社員の話を持ちかけられる。しかし、葉子を守るという使命を最優先しているため「それだけは困ります!」ときっぱり断っている。 使用人時代にはさまざまな資格を取得しており、なんでもそつなくこなすことのできる優秀な人物。好きなタイプは、高圧的で上から物を言うわがままな女性。
薗部 篠 (そのべ しの)
かつて西川家のメイドを務めていた女性。もともとお菓子作りが好きで、西川家のメイドを辞めてからは「秘密の花園」という自分の店を持った。実年齢は30代前半だが、10代に見えるほど若々しい。常に無表情なので何を考えているかわかりにくいが、感情は豊かで特に人間関係の面白そうなことには目がない。かつての同僚である山路充嗣とはソリが合わず、顔を合わせるといつも険悪な雰囲気になる。 趣味はアリの巣壊し。
竹園 優 (たけぞの ゆう)
西川葉子と小さい頃から付き合いのある、小学5年生のお金持ちの男の子。葉子とは子供の時に将来を約束した仲で、葉子の婚約者を自称しているが、葉子には子供の頃の口約束だと軽くあしらわれている。いつも葉子の側にいる山路充嗣のことを邪魔に思っており、顔を合わせると険悪な雰囲気になる。さらにクラスメイトの臼田桜に付きまとわれ、被害を受けている。 そういう背景もあり肝心の葉子へのアタックは上手くいっていない。
臼田 桜 (うすだ さくら)
小田切双葉のいとこで、竹園優のクラスメイトの女の子。自己評価は「とびぬけてとは言わないけどそこそこいけてる」で、まずまずかわいらしいことを自覚している。23歳までに金持ちと結婚するという人生設計を立てており、幸せは金で買えると本気で考えている。現時点のダーリン候補はクラスメイトの優で、彼に猛アタックを仕掛けているものの、あまり上手くいっていない。 将来はアイドルになって芸能関係の仕事をしたいと考えているが、歌は聞いた人が卒倒するレベル。
辻 一芽 (つじ はじめ)
他校に通う高校2年生の男子。大食いに自信があるが、自分が失敗した大食いチャレンジを小田切双葉が成功させたため、双葉のことを一方的にライバル視している。辻小芽からは「不器用で頭も悪く、人より秀でているのは大食い」と評されている。また、葉山照の良い部分ばかり見て想像を膨らませた結果、実際の腹黒さを知らずに照のことを好きになる。
満腹さん (まんぷくさん)
満腹食堂の店主を務める男性。カタコトの日本語で、語尾に「アル」と付けてしゃべるがれっきとした日本人。大食い御用達のさまざまなチャレンジメニューを考案しているが、料理の腕は一流で、舌の肥えた元お嬢様の西川葉子もその味に感動を覚えるほど。
小田切双葉の母 (おだぎりふたばのはは)
小田切双葉の母親。幼少期から異様な食欲を誇る双葉のことを気に掛けていたが、その暴走を止めることができなかった。現在は家計を守るために、折り込みチラシにある食べ物関係のイベント広告を、双葉に見つからないように捨てている。
西川 孝清 (にしかわ こうせい)
事業に失敗して無一文になった西川葉子の父親。年齢は39歳ながら、現在も好きなことをして暮らしているため見た目は若々しい。事業失敗後も、さまざまな仕事をして葉子へ仕送りをしていた。一時期「石を金にする」などの怪しげな事業をしていた時もあったが、葉子の街で暮らすようになってからは駅の地下街で占い師として活躍していた。 その持ち前の洞察力で人気を得ているが、開業するにあたって購入した水晶のローン返済が残っている。現在はその占い師も廃業して、再び仕事を転々としている。
竹園優の母 (たけぞのゆうのはは)
竹園優の母親。優が別荘で過ごす時は保護者として連れ添ってくれている。西川葉子とは顔なじみ。臼田桜からは「老後の世話のことを考えていかなきゃならない」と考えられており、点数稼ぎのために色々とアプローチをかけられている。
エル
葉山照が拾った捨て猫で、現在は西山芹奈が飼っている猫。長生きして欲しいという願いを込めて「絵多亜名流」という名前を付けているが、普段は「エル」と呼んでいる。芹奈いわく「頭のいい子で甘えん坊」。
ベル
葉山照の飼っている猫。名前は悪魔「ベルゼブブ」から取っている。命名者は葉山光。照からの寵愛を受けており、一緒のベッドで寝ている。また、見た目も猫の雑誌に写真が載せられるほど可愛い。
場所
中央女子高等学校 (ちゅうおうじょしこうとうがっこう)
小田切双葉らが通う女子高。偏差値は特別高くもなく低くもなく、葉山照いわく「並の学校」。特色は学校行事の多さで「合唱祭」があったり、冬には「競歩大会」が開催されている。
満腹食堂 (まんぷくしょくどう)
小田切双葉がひいきにしている食堂。さまざまなメニューがあることはもちろん、大食い御用達のチャレンジメニューも充実している。これまでに特盛りラーメンやバケツ杏仁豆腐などをチャレンジメニューとして提供している。お店の名物はハヤシライス。
ルイ子 (るいこ)
小田切双葉たちが泊まった民宿。見た目はかなりのボロ宿だが、サービスがいいことや料理が美味しいことから知る人ぞ知る名宿と知られている。特に夜の食事が自慢で、その土地の食材をふんだんに使った山の幸や海の幸、舟盛りが出てくる。
動物タウン (どうぶつたうん)
大自然の中で動物たちと触れ合うことができる施設。東京ドーム9個分の広大な敷地に犬、猫、馬、羊、鳥類等の世界の動物が暮らしている。ドッグショーやアニマルショーも催されており、動物好きにはたまらない人気スポット。
猫だまし (ねこだまし)
葉山照が葉山光に連れられて来た場所で、猫と触れあいながら美味しいデザートとお茶を楽しむことができる猫カフェ。西山芹奈は既にここの常連で、偶然葉山姉妹と芹奈の3人が同じ時間に出くわした。光と芹奈が初めて会った場所でもある。
秘密の花園 (ひみつのはなぞの)
薗部篠が店長を務めるケーキ屋で、西川葉子はここでアルバイトをしている。忙しい時はお手伝いで葉子の友人が手伝いに来ることもあり、その際は篠が友人にメイド服を着用させて楽しんでいる。
イベント・出来事
ツチノコ捕獲大会 (つちのこほかくたいかい)
小田切双葉、葉山照、西川葉子で行ったツチノコの捕獲大会。最初、葉子は「たけのこ採り」と勘違いしていた。双葉はツチノコを捕獲して食べることを目的としており、照は捕獲してペットとして飼うことを目的としていた。最終的に竹園優がツチノコらしき生物を用意し、野に放ったが双葉によって生で食べられてしまう。
きもだめし
竹園優の別荘で行われた墓地にあるお札を取って来るイベントで、文字通りの肝試し。その準備は当時その別荘でアルバイトをしていた山路充嗣が担当した。道中には日本人形や幽霊の掛け軸、心霊写真などが置かれている。
がまん大会 (がまんたいかい)
夏に行われた小田切双葉の住む地域の商店街のイベント。暑さをどのくらい我慢できるかを競うもので、暖房をつけた室内でキムチ鍋などの激辛料理を食べなくてはならない。この大会で葉山光が優勝している。優勝賞金は5万円。
その他キーワード
納豆キャンディ (なっとうきゃんでぃ)
葉山光が栄養を取っていない西川葉子を心配して持たせた手作りのキャンディ。葉子はこのキャンディを自分で食べずに小田切双葉にあげたが、双葉は口に入れた瞬間あまりの衝撃にその場に倒れた。味は納豆感はまったくないものの非常に不味く、このキャンディを双葉同様に口にした山路充嗣は「納豆味の方がマシ」と評している。
幸せを呼ぶツボ (しあわせをよぶつぼ)
体調を崩して学校を休んだ西川葉子を心配した竹園優が持ってきた、手のひらサイズに収まる小さなツボ。もともとは優の父親が幸運を呼ぶラッキーアイテムとして50万円の大金をはたいて買ったもの。しかし葉子もこれと同じものを昔持っていたことがあり、葉子によれば効果はまったくないらしい。
米の形のクッション (こめのかたちのくっしょん)
小田切双葉が見つけて購入した米の形をしたクッション。一点もので、パウダービーズが入っているので手触りは抜群。双葉は「私のために作られたような一点ものを発見できるなんてまさに奇跡」と興奮し即購入した。本人は気に入って学校にも持って来ていたが、西川葉子からは「蟻の卵」と勘違いされていた。
ふしぎきのこ
小田切双葉が西川孝清からもらったキノコ。お願い事をしてこのキノコを食べると、願いが叶うとされている。しかし、なぜ願い事が叶うのかは不明で、そもそも願いが本当に叶うのかどうかも怪しい。見た目はただの干しシイタケ。
ノーリクパ人形 (のーりくぱにんぎょう)
西川孝清が買ってきた人形。手や足の組み方によって、さまざまな願いを叶えられるという。ちなみに叶えられる願いは「世界征服をしたい場合」「人類を滅亡させたい場合」「お星様を操りたい場合」「今すぐ8兆円欲しい場合」の4つ。
食べられる草花 (たべられるくさばな)
西川葉子が学校の図書館で見つけて読んでいる本。そのタイトル通り食べられる草花を数多く紹介しており、食費を切り詰めたい葉子がこの本を片手に食べられる草花を探していた。その結果風邪を引いてしまい、あまり意味がなかった。
復讐日記 (ふくしゅうにっき)
葉山照が常日頃から持ち歩いているメモ帳。照が対人関係において不愉快な思いをした時にその記録を書き記して残しておくもの。表紙の違うものが何冊も確認されてる。もう書き込めなくなった復讐日記を燃やすこともある。
葉山動物王国 (はやまどうぶつおうこく)
動物好きの葉山照が、将来的に島を1つ買って作ろうと考えている王国。さまざまな動物が見られる施設で、「お金を取って見せる系」の利益を重視した動物園のような施設。
石取りゲーム (いしとりげーむ)
西川葉子が竹園優の別荘で行ったゲーム。ルールは葉子が海に投げた石を優が潜って探すというもの。しかし海の中には石が無数にあり、葉子が投げた石を探し出すのは非常に困難。しかも、葉子は投げた石をしっかりと覚えているので、適当な石を持ってきてもクリアにはならないという非常に厳しいゲーム。
特盛りラーメン (とくもりらーめん)
満腹食堂にある大食いのチャレンジメニューで、完食できなかった場合は罰金5000円が課せられる。当初は成功者が誰もいない過酷なものだったが、小田切双葉が1回でこのチャレンジを成功させ、特盛完食第一号となった。ちなみに辻一芽は10回チャレンジして一度も成功していない。
バケツ杏仁豆腐 (ばけつあんにんどうふ)
満腹食堂にある大食いのチャレンジメニュー。15分の時間制で完食したら賞金5000円。しかし、失敗したら1万円の罰金が課せられる。挑戦時には、タピオカ用の太いストローを用いる。小田切双葉がバケツ杏仁豆腐に挑戦し見事に成功させており、その時のタイムは14分30秒。
激盛蟹あんかけチャーハン (げきもりかにあんかけちゃーはん)
満腹食堂にある大食いのチャレンジメニュー。完食した場合は500円で食べられるが、失敗した場合は5000円の罰金が課せられる。辻一芽が満腹食堂で初めて成功したチャレンジメニューで、この結果を受けて満腹さんは激盛蟹あんかけチャーハンを企画失敗だとしてチャレンジメニューから削除した。
激辛鍋カレー (げきからなべかれー)
満腹食堂にある大食いのチャレンジメニュー。完食の場合は無料になる。鍋一杯のカレーと山盛りご飯のセットで小田切双葉が挑んだが、そのあまりの辛さにギブアップした。薗部篠がチャレンジ成功者第一号。