読もう! コミックビーム

読もう! コミックビーム

エンターブレインが刊行する月刊漫画雑誌「コミックビーム」をひたすら応援する4コマ漫画集。各作品内容のいかんによらず、4コマ目に必ず「読もう! コミックビーム!」といった、とってつけたようなキャッチコピーが入るのが特徴。編集部のひっ迫した台所事情や編集者の近況報告など、「コミックビーム」を取り巻く種々の出来事を描いた作品から、作者である桜玉吉の日常を描いた作品、不条理系の作品など、「コミックビーム」とは一切無関係な4コマ漫画の数々が収録されている。欄外の年表には、「コミックビーム」における新連載や巻頭カラー作品などのタイトル名、定期購読が可能になった時期、うつ病患者が続出などといった、当時の編集部の赤裸々な情報を記載。1999年から2004年まで、「週刊ファミ通」誌上で月2回のペースで掲載されていた。

正式名称
読もう! コミックビーム
ふりがな
よもう こみっくびーむ
作者
ジャンル
自伝・伝記
 
日常
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概要・あらすじ

売れ行きが芳しくない月刊漫画雑誌「コミックビーム」を支援するため、桜玉吉は同誌に対する熱いエールの数々を4コマ漫画という形で世に発表する。しかし、応援4コマの内容は赤字続きの編集部の苦境をことさら強調して危機感を煽り、休刊が規定路線であるかのように皮肉るなど、いずれも辛らつかつシニカルな視点で描かれたものであった。

玉吉のコミックビームに対する深い愛情と憎しみ、さらに諦観といった複雑な感情が入り混じった作品群によって、数年にわたり同誌への応援がなされていく。

登場人物・キャラクター

桜 玉吉 (さくら たまきち)

男性漫画家。風変わりな黄色い面を被ったチョビ髭の人物として描かれており、編集部の内外で起こった出来事や、日常生活における自身の心象風景のすべてを強引に「コミックビーム」の宣伝へと結び付けていく。温泉が好きで、特に温泉地である伊豆への思い入れは人一倍。当地に新たな住まいを探すほど入れ込んでいた。作者である桜玉吉本人。

O村

「コミックビーム」の編集長を務める、漫画をこよなく愛する強面の男性。広告部署に話を通さずに「コミックビーム」誌上で広告を募集したり、宣伝になるからと会社に内緒で「朝日新聞」のインタビューを受けたりするなど、猪突猛進かつ即断専行なタイプ。諸般の事情により、請われても自分の子供には「コミックビーム」を見せることはない。

ヒロポン

「コミックビーム」の編集者でデスク職の男性。作中では常に鼻提灯をふくらませた、優男風に描かれている。『読もう! コミックビーム』連載中に幾度となく体調不良に陥り、ついに休職。最終的に人事部の一員として会社に復職し、業務上は「コミックビーム」とほぼ無関係の存在になった。

ちょりぞう

桜玉吉のアシスタントをしている男性。「コミックビーム」をどう思うか?という玉吉の問いに対し、一言「読んでない」と答えていた。玉吉には、漫画にトーンを張っていても、その漫画の内容を読んでいない人物と評されている。

玉吉の娘 (たまきちのむすめ)

桜玉吉の娘。玉吉とは離れて暮らしており、時折メールを玉吉に送ってくる。「週刊ファミ通」の広告で「コミックビーム」の存在を知り読みたがっていたが「人間が駄目になる」という理由で玉吉は許可しなかった。

集団・組織

エンターブレイン

「コミックビーム」の発行元で、『読もう! コミックビーム』の連載開始当時の社名はアスキーだった。2000年に現在の社名に改名する。

場所

調布真光書店 (ちょうふしんこうしょてん)

調布市の駅前に存在する書店。店頭に「コミックビーム」を置き、よく宣伝ポスターを張っていたため、桜玉吉が個人的に贔屓にしていた。

その他キーワード

コミックビーム

エンターブレインから出版されている月刊漫画雑誌。『読もう! コミックビーム』の連載開始当時(1998年)は売り上げの低迷によって先行きを危ぶまれていた。創刊当時は20人の編集部員を抱えていたが、のちに3人にまで縮小される。一時期は若い読者から「お金を出し合って広告主になれないか」と心配されるほどに財政がひっ迫していた。 『読もう! コミックビーム』の最終回(2004年)では、通産100号を達成したことが描かれている。

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