不良愛煙家集団ヤニーズ

不良愛煙家集団ヤニーズ

喧嘩が強く女装が趣味の高校生、葉桜ナツを中心に物語が展開されるヤンキーギャグ漫画。埼玉県が舞台のモデルになっていて、作中では実際の地名の一部を変更したものが使われている。丸山哲弘のデビュー作で、「チャンピオンRED」2002年10月号から2004年9月号にかけて連載された。

正式名称
不良愛煙家集団ヤニーズ
ふりがな
ふりょうあいえんかしゅうだんやにーず
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

転校してきた不良少年の城戸亮輔は、初日から砕玉最高等学校の不良のヘッドである吉河拳児に因縁をつけられる。いつものことだとやりすごそうとしていたところ、女装癖のある不良愛煙家のヤニーズこと葉桜ナツと、撲刀(ぼくとう)を振り回す生徒会長の武流セイラが乱入してくる。そこで亮輔は、目で動きを追えないほどのスピードで繰り広げられる壮絶な喧嘩を目撃することとなる。

ここではじめて、亮輔は自分がとんでもない学校へ転校してきたことを知るのだった。

登場人物・キャラクター

葉桜 ナツ (はざくら なつ)

砕玉最高等学校の生徒。高校生にもかかわらず喫煙をしており、学校に灰皿がないことを不満に思っている。見た目はセーラー服を着たヤンキー女子だが、中身はれっきとした男。喧嘩は滅法強く、その噂は校内だけに留まらず、他校にも鳴り響いている。また、ヤニを摂取していないと女性っぽくなってしまう。

武流 セイラ (たけながれ せいら)

砕玉最高等学校の生徒会の生徒会長を務める女子生徒。主に撲刀(ぼくとう)を武器として使用するが、素手での戦闘力も高く、一般人レベルの相手であれば、連戦でも6人抜きできるほどの実力を持つ。説教臭い性格で話が長く、一度説教を始めると10分はしゃべり続ける。生徒会長という身分ながらSMの趣味があり、女王様のような恰好をしてムチで相手をいじめるのが趣味。

城戸 亮輔 (きど りょうすけ)

砕玉最高等学校に転校してきた不良転校生。元々喧嘩には自信があったが、葉桜ナツの強さを目の当たりにして自信を失う。とはいえ実力は相当に高く、普通の不良ならば束になっても叶わないほどの強さを誇る。ナツの所属するヤニーズの仲間になったと噂されたことで、転校初日からクラスメイトから距離を置かれ、ナツと共にさまざまなトラブルに巻き込まれることとなる。

吉河 拳児 (よしかわ けんじ)

砕玉最高等学校の男子生徒で不良を束ねるヘッド。去年まで学校をシメていた。常に他の生徒に因縁をつけて絡んでいるため、周りの生徒からは距離を置かれている。葉桜ナツとは犬猿の仲で、ことあるごとに衝突しているが、ナツとやり合うだけあって喧嘩はかなり強く、音を置き去りにするほどの速さでマッハパンチを放つ。ちなみにロリコン。

西尾 (にしお)

大柄高校に所属する男子高校生。城戸亮輔が転校する前は同級生だった。ブルマを盗んだ罪を亮輔になすりつけ、学校に居られなくして転校させたが、のちに真犯人であることがバレて自分も転校するハメになった。簡単にカツアゲが成功するので大柄高校に転校して良かったと思っている。

東野 (ひがしの)

大柄高校に所属する男子高校生。大柄高校の実質トップで、葉桜ナツを見てビビる大柄高校の他の不良とは違い、東野だけは常に挑発的な態度をとっていた。ナイフの扱いが得意で、ナイフを持てば最強と言われていたが、ナツに対してはまったく歯が立たなかった。

葉桜 千春 (はざくら ちはる)

葉桜ナツの妹で小学5年生。ナツのことは「お兄ちゃん」と呼んでいる。タバコ(ニコチン)が切れると女らしくなってしまうナツが嫌で、常にタバコを吸わせている。小学生ながらナツに無理矢理タバコを吸わせるほどの腕力を誇り、怒るとナツを相手にマウントポジションを取れるほど。

安達 (あだち)

沢西高等学校の男子生徒。怪我を負った吉河拳児を倒すために武流セイラに大金を渡し、砕玉最高等学校で何をしてもいいという約束をとりつけた。ポケットから手を出さないまま相手を攻撃する特殊な技を使い、当初は城戸亮輔を圧倒していたが実際には本人は何もしておらず、安達に仕える黒服が代わりに攻撃していただけだった。

(あや)

砕玉最高等学校の卒業生で生徒会の元生徒会長。葉桜ナツの先輩で、現在は喫茶店「アバズレ」のママとして働いている。ナツから呼び捨てにされたり、タメ口をきかれることに腹を立てている。初めて会った城戸亮輔を気に入りすぐにラブホテルに誘うなど、非常に積極的な女性。

嵯峨 俊治 (さが としはる)

JCの住所録を狙って安達家の兵隊を半殺しにし、その側近の黒服までも撃破した実力者。格闘技の経験の有無や喧嘩自体の経験値の高さをも凌駕する、「自分が最強だという思い込み」が誰よりも強い男で、その思い込みにより自身が本来持つ倍以上の能力を引き出している。

ロバート・サップ (ろばーとさっぷ)

安達の父親が雇った筋骨隆々の外国人ボディーガード。カタコトだがしっかりと日本語を話すことができる。葉桜ナツの必殺技「フライング根性ヤキ」を初めて回避した人物で、パワーに秀でておりその力は素手のパンチで床や天井を破壊してしまうほど。

カズオ

JC苦情握殺課を統括している男性。短髪にアゴ髭を生やしている。喧嘩においては相手の先を読むことに長けており、城戸亮輔と嵯賀俊治の攻撃を見切って倒した。しかし、誰の行動でも読めるわけではなく、なかには行動が読めない人物も存在する。

迫水 奈那 (さこみず なな)

「一番」や「最強」という響きが好きで格闘技を続けてきた女子高生。高校生の中では最強と言われていた嵯賀俊治を葉桜ナツが倒したという噂を聞きつけ打倒ナツを目指している。スピードはナツより劣るが、パワーは申し分なく巨体の男を一発で沈めるほどの力を持つ。

涼木 涼子 (すずき りょうこ)

JC苦情握殺課のメンバー。SMの技術に長じた、メガネをかけた女性。特に縛ることが得意で、実生活でも常に自らをロープで縛っている。極上のMでもあるため、喧嘩においては相手の目を見ればどこをどう狙ってくるかを察知できる能力を持つ。

岩坂 忍 (いわさか しのぶ)

砕玉浄化隊の隊長。喫煙者を排除するという大義名分を掲げており、自分の理念のために行動をしている。喫煙者に対しては例え若い女性が相手でも容赦することなく攻撃を仕掛け、謝っても攻撃の手を緩めない残忍な性格。葉桜ナツの必殺技「フライング根性ヤキ」を至近距離で避けられるほどの動体視力を持つ。

三浦 マイ (みうら まい)

砕玉浄化隊の隊員。見た目は女性そのものだが、実は葉桜ナツと同じく女装している男。唯一異なる点として、男であるということを完全に隠している。足技が得意で、女性だと思い込んでいる同僚からは美脚が魅力であるという評価を受けている。

ほのか

病院に勤める女性看護師。言いたいことをあまり言えない気弱な性格なため患者からは毎日セクハラされ、同僚からはいじめられている。生きていても仕方ない、と自殺をしようとする。

袋小路 (ふくろこうじ)

病院に勤める女性看護師。ほのかの先輩にあたる人物。本人は本気で人を助けようと真面目に仕事をしているが、おかしなミスを頻発して起こしてはいつも人を殺しかけている。ほのかに命を救う職業についているのに死ぬという言葉を使うのはやめなさいと諭す。

(つつみ)

砕玉最高等学校の女性教諭で、葉桜ナツをはじめとする砕玉最高等学校の一部の問題児には手を焼いている。見た目は非常に若いが実年齢は不明。かなり気が弱く、普段は普通に授業を行っているものの、ケンカ等で授業が中断しても何も言えないでいる。

スーさん

天下の大会に出場していた老人。特攻隊帰りで、敵機を撃墜した後に太平洋を横断して帰ってきたという逸話を持つ。嵯賀俊治が天下の大会に出たいと言い出したことで、急遽参加資格を賭けて特別試合を行った相手。見た目はパンチの風圧で飛んでいってしまうほど貧弱な老人だが、天下の試合中になるとすさまじい力を発揮する。

集団・組織

ヤニーズ

タバコをこよなく愛する愛煙家のこと。通常は葉桜ナツ一人を指すが、砕玉最高等学校に城戸亮輔が転校したての頃は亮輔もヤニーズの一人に数えられており、場合によってはナツ周辺の人々を含めた総称として使われることもある。

生徒会 (せいとかい)

武流セイラが生徒会長を務める砕玉最高等学校の風紀管理組織。生徒会メンバーがセイラの気に入らない行動をとった場合は調教されるなどセイラの独裁状態で、生徒会室には「会長最高最強」という額縁に入れられた文字が飾ってある。

JC (じぇいしー)

正式名称は「邪道シガレット(タバコ)産業秘密結社」で、一般的には「JC」で通っている。非合法のハッパをタバコに似せて販売している団体。低コストで製造・販売しておりそのおかげで多くのジャンキーに広く愛されている。非合法のものだが普通のタバコの自販機で一緒に売られている。

JC苦情握殺課 (じぇいしーくじょうしょりか)

非合法のハッパをタバコに似せて販売する、多くのジャンキーに愛されるJCに文句を言ってくる人間や、逆らう人間を黙らせるための組織。組織の頭はカズオで、自由に兵隊を使えることからも所属人数は多い。

砕玉浄化隊 (さいたまじょうかたい)

タバコを吸う者を排除することを目的としている組織。タバコを吸う者はそれが例え若い女性であっても決して許さず、血がでるまで足蹴にするほどの過激な集団。浄化隊の隊長は岩坂忍。隊員たちの服装は警察のような制服に統一されている。

場所

砕玉最高等学校 (さいたまさいこうとうがっこう)

真面目な生徒もいれば不良の生徒もいる普通の私立高校。最寄駅は山越駅で商業施設が立ち並ぶ商店街「山越サンロード」などもあり、日常生活には困らない環境。生徒会のトップである武流セイラが教師にワイロを送って校内暴力を見過ごしてもらうなど多少問題がある。

大柄高校 (おおつかこうこう)

県立高校で、砕玉最高等学校とは昔から仲が悪い。今は冷戦状態にあるが、最近再び砕玉最高等学校のある山越駅やその周辺へカツアゲに出張している。実質的なヘッドはナイフ使いの東野で多くの不良を一人で束ねている。

沢西高等学校 (ざわにしこうとうがっこう)

安達の通う高校。安達をトップにおき、それなりに名前も知れているようだが、その功績は安達自身というよりも彼の率いる黒服によるところが大きい。学校内には不良生徒はそれほど多くない。

その他キーワード

フライング根性ヤキ (ふらいんぐこんじょうやき)

葉桜ナツが使用する必殺技。自らのタバコを投げるだけのただのポイ捨てだが、その威力は凄まじく下駄箱を破壊し、撲刀(ぼくとう)を折るなど一見して銃で撃っているのかと疑ってしまうほど。喰らうと火傷の跡が残る。

橘花 (きっか)

嵯峨俊治の使用する必殺技。自分を最強と思い込むことによって普段の倍以上の力を引き出し放つ凄まじい威力とスピードのパンチ。旧日本軍の双発ジェットの同名の特殊攻撃機から名前が付けられている。

核爆弾投下 (らっきぃすとらいく)

ロバート・サップの使用する必殺技。葉桜ナツの「フライング根性ヤキ」をそのまま拳で床へと押し込んで破った技でもある。いわゆる普通のパンチだが、床へと放ったパンチの衝撃で天井までヒビが入るほどの威力。

玉砕攻撃 (ばんざいあたっく)

スーさんが使用する天下の必殺技。高くジャンプした後に相手の足元を狙ったボールがその後急激に浮き上がり男性特有の急所を狙いに行く。この投法は特攻に行くこと計6回中6回成功という偉業を成し遂げた零戦の操縦技術をもとに編み出した。

千春特性ニコチンドリンク (ちはるとくせいにこちんどりんく)

タバコを吸わない葉桜ナツに対して葉桜千春が使用したニコチンを摂取できるドリンク。作り方は簡単でペットボトルにフィルターを取ってほぐしたタバコを入れてよく振り、水が体に悪そうな色になったらできあがり。このドリンクは注射器から体内に流し込むこともできる。

(ほまれ)

彩が砕玉最高等学校生徒会歴代最強と言われていた頃に使っていた伝説の撲刀(ぼくとう)。彩が間接的に葉桜ナツを倒すために武流セイラに託した。普通の撲刀よりも耐久性に優れ、ナツの必殺技「フライング根性ヤキ」を刀身に受けても真っ二つにされなかった。また、貯水タンクを軽々切り裂く攻撃力も併せ持つ。

特注ジャックナイフ (とくちゅうじゃっくないふ)

東野が普通のナイフでの戦闘や奇襲に失敗した際に最後の手段として使用した、刃渡り45センチの特注違法ナイフ。見た目はナイフというよりも槍のようなもので、リーチも長い。また、斬るだけでなく電流を流すスタンガン機能も備わっている。

天下 (てんか)

葉桜ナツが岩坂忍に仕掛けたスポーツ。簡単に言うと一対一のドッジボールで基本的なルールも同じ。相手と10歩離れて行う競技ということ、通常はボールは両手で持って下手で投げるが、片手でキャッチできた場合のみ片手で上から投げる権利が与えられるという点が異なる。また、腕をクロスさせて取った場合は3歩相手に近づいてボールを投げることが許される。

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