今日からゾンビ!

今日からゾンビ!

荒木宰の代表作の一つ。原作は『ワンダーランド』の石川優吾が担当し、同作とは並行連載。ゾンビが存在する現代日本を舞台に、ゾンビ化した女子高校生の田畑風花が、ゾンビだけが暮らす村で繰り広げられるゾンビライフや交流を描いたゾンビパニック・ギャグコメディ。小学館「ビッグコミックスペリオール」2016年9号から2017年9号まで連載。

正式名称
今日からゾンビ!
ふりがな
きょうからぞんび
原作者
石川 優吾
作画
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
グロテスク・エログロ
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ゾンビだらけの日本が舞台

本作は現代日本を舞台にしており、古くから人々を襲うゾンビたちが世界各地で増殖しているという独特の世界観が描かれている。しかし、ゾンビの存在を知っているのは一部の大人だけで、特に都市部の若者たちは、ほとんどその存在自体を認識していない。また定番の設定として、ゾンビに少しでも噛まれるとゾンビ化してしまうというルールがある。そのため、ゾンビ化した家族をやむを得ず殺さなければならない悲劇や、公的機関によるゾンビの大量処分といった事件も発生している。しかし、ゾンビの中には自我や知能を保ちながら、限られた領域のみで人間のような生活を送る者も存在する。本作は、そんなゾンビたちの日常を描いた楽しくも奇妙なコメディが展開される。

グラビアアイドルからゾンビへ

売れないグラビアアイドルの風花は、撮影に向かう途中でゾンビの群れに襲われる。なんとか危機を逃れた風花は、「いいゾンビ」と名乗る男性、スケキヨに助けられるが、不可抗力で彼に脚の付け根を噛まれてゾンビ化してしまう。そして風花は、スケキヨに導かれて開発が頓挫したニュータウンの廃墟へと連れて行かれる。そこは、かろうじて自我を保ったゾンビたちが寄り添いながら暮らす「ゾンビ村」だった。脚の付け根以外は美少女そのものの風花だったが、ふつうの人間に戻ることは叶わず、表向きには行方不明と処理される。そして風花はスケキヨたちの助けを借りながら、ゾンビ村での生活を余儀なくされることとなる。

ゾンビ村での新たな人生

ゾンビ村で新たな人生を歩み始めた風花だが、そこは驚きとグロテスクな光景が広がる場所だった。ゾンビたちは、秘伝の妙薬がなければ体がさらに腐ってしまうため、さまざまなリスクを抱えながらも、死後の日常を懸命に生き抜いていた。風花は、薬局のマスコットに脳を移植されたトメさんや、廃遊園地の孤児ゾンビ・ミチルをはじめとする個性的なゾンビたちと出会い、ゾンビライフの楽しさと厳しさを体験していく。一見、のんびりと平和に見えるゾンビ村には、村民の生存にかかわるトラブルや、ゾンビだけのリレー大会といったイベントも存在し、風花がそれらを通じてさまざまなゾンビたちとの友情を深めていく様子が見どころとなっている。また、ゾンビ作品ならではのグロテスクな描写とのギャップから生まれるシュールなギャグやブラックジョークも、本作の魅力となっている。

登場人物・キャラクター

田畑 風花 (たばた ふうか)

17歳の女子高校生。「ぷぅか」という芸名でモデル活動を始めてから数年が経つものの、アイドルとしてはなかなか芽が出ず、仕方なくグラビアアイドルとして活動している。山奥でゾンビに遭遇するが、マネージャーからその存在を知らされるまで、ゾンビのことをまったく知らなかった。ゾンビたちに襲われたところをスケキヨに助けられるが、慌てて逃げようとした際に勢いで彼に噛まれてしまい、脚の付け根からゾンビ化してしまう。そんな中、スケキヨにゾンビ村へ案内され、ゾンビ少女としての生活を始めることになった。元々は怖がりな性格で、ゾンビのグロテスクさに慣れるまでは失神や嘔吐を繰り返していた。ゾンビ化の影響で、生肉以外の食べ物を美味しく食べられなくなってしまう。

スケキヨ

ゾンビの青年。黄土色の短髪をツンツンヘアにしている。爽やかなイケメンに見えるが、実は両足の一部がゾンビ化しており、油断すると足がちぎれてしまう。ゾンビ村での生活にすっかり馴染んでおり、青年会にも所属している。チャッピーというチワワのような見た目の狼ゾンビを飼っている。ある日、山奥でゾンビに襲われていた風花を助けるが、不可抗力で彼女の脚を噛んでしまう。その後、ゾンビ化した風花をゾンビ村に案内し、さまざまなことを教える。 

クレジット

原作

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