あらすじ
第1巻
当代最高の暗殺者と知られる一人の男性は、老いのために今回の仕事を最後に引退して所属組織で後進の育成を行う予定だった。しかし仕事を終えたあと、組織に用済みの存在として殺されてしまう。男性が目覚めると、そこは今までいた世界とはまったく違う別の世界で、目の前には「女神」を名乗る一人の女性が立っていた。女神から「とある世界を滅ぼす存在となる勇者を暗殺する」という依頼を受けた男性は、さまざまなスキルや今の知識と経験を持ったまま、剣と魔法が常識の異世界へと転生する。そして再び目覚めた男性は、自分がルーグ=トウアハーデという生まれたばかりの赤ん坊に転生していた。転生してから5年が経過し、ルーグは世界中の言語や文字、世界情勢などを学びつつ、身体も鍛えていた。ある日、父親のキアン=トウアハーデから呼び出されたルーグは、トウアハーデ家の裏の顔である暗殺者としての試練を課せられる。
第2巻
トウアハーデ家の次期当主になるための最終試験の一つとして、ルーグ=トウアハーデは商業都市ムルテウのバロール商会に武者修行へと駆り出される。バロール商会の現当主のベイムネク=バロールの協力もあって商売のノウハウを叩き込まれたルーグは、商人としても実績を積み重ね、ついには新店舗の立ち上げを任せられた。新店舗は既存店舗にはない別分野へ進出するモデルケースとしての役目があり、絶対に失敗できない。ルーグはその店の目玉商品として、転生前の世界では当たり前に存在していた化粧品「乳液」を売り出す。転生後の世界では女性は肌を痛めながらも、化粧を繰り返すのが常識なために肌をケアするという発想がなく、いつまでも肌を瑞々しく保てる乳液は王族、貴族をはじめとしたあらゆる女性にとって渇望する商品となって大ヒットする。こうして、ムルテウの武者修行を終えてトウアハーデ家に戻ったルーグだったが、今度は魔法の師匠であり、幼なじみの友人でもあるディア=ヴィコーネの暗殺依頼が舞い込むのだった。
関連作品
小説
本作『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』は、月夜涙の小説『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』が原作となっている。原作小説版は、月夜涙が「小説家になろう」に投稿していた同名小説で、スニーカー文庫から刊行された。イラストはれい亜が担当している。
登場人物・キャラクター
ルーグ=トウアハーデ
四大国家「アルヴァン王国」にあるトウアハーデ男爵家の長男。別世界の老齢な男性の暗殺者が知識と経験を有したまま転生しているため、非常に落ち着いた性格で、大人と同じ考え方を持つ。周囲には子供らしい振る舞いをしているため、転生者であることはバレていない。転生時に女神から「転生先の世界を滅ぼす存在となる勇者の暗殺」を依頼され、幼い頃から入念な準備をしている。転生時に自分で選んだスキルを五つ習得しており、日々の鍛錬も欠かしていないために身体能力は大人をはるかに凌駕している。トウアハーデ家は暗殺者という裏の顔があり、ルーグ=トウアハーデ自身も父親のキアン=トウアハーデからさまざまな暗殺術の手ほどきを受けている。手術で「トウアハーデの魔眼」を得たことで、動体視力と深視力が大幅に強化され、さらに魔力を可視化する能力を持つ。また、暗殺対象者に近づきやすくなるために、生まれた時から「男爵家の長男であるルーグ=トウアハーデ」「鍛冶師の子供であるサフィル=オグマ」「世界有数の商会・バロール商会の不貞の子供であるイルグ=バロール」という三人分の戸籍を持っている。
ディア=ヴィコーネ
四大国家「アルヴァン王国」の隣国、スオイゲルにあるヴィコーネ伯爵家の娘。強力な魔力を有し、魔法に長けているため「天才魔術士(マスター・オブ・マジック)」の異名を持つ。ルーグ=トウアハーデより3歳年上。ルーグの魔法の師匠で、幼なじみでもある。ふだんは大人びているが、寂しがり屋で甘えん坊な性格をしている。ルーグに好意を寄せている。
タルト
ルーグ=トウアハーデに専属で仕える使用人の少女。ルーグと同い年。貧しい村の出身で、口減らしのために捨てられたが、生きるためにトウアハーデ領に仕事を探しにきてルーグと出会う。その後、魔力を有することや、捨てられたあとの行動が暗殺者向きだったことからルーグの専属使用人として雇われた。ルーグのことを崇拝しており、ルーグから暗殺術も会得してさまざまな面でルーグをサポートしている。
キアン=トウアハーデ
四大国家「アルヴァン王国」にあるトウアハーデ男爵家の現当主を務める男性。ルーグ=トウアハーデの父親。王国一の医術の名家で、王族や大貴族の治療を行ったり、各地に弟子を派遣して医療に従事させている表の顔と、王族と公爵家からのみ依頼を受けてアルヴァン王国の暗部を暗殺する裏の顔を持つ。そのため、男爵家でありながら強い発言力と財力を誇る。暗殺者としてはトウアハーデ歴代最強ともいわれている。ふだんは穏やかな優しい性格で、暗殺もアルヴァン王国安寧のために行っている。
マーハ
ルーグ=トウアハーデが、商業都市ムルテウで武者修行している時に出会った女性。もともとは商家の娘だったが、両親が亡くなり孤児院にいた際に、補佐役を探していたルーグから声をかけられる。孤児院でひどい虐待を受けていたため人間不信に陥っていたが、今ではルーグのことを兄のように慕っている。魔力を持っていることや両親から高度な教育を受けていたため、暗殺稼業やバロール商会の商売などさまざまな面でルーグをサポートしている。
ベイムネク=バロール
世界有数の商社と知られるバロール商会の現当主を務める男性。暗殺者という裏の顔を持つトウアハーデ家のことを知っている人物で、キアン=トウアハーデの要請でルーグ=トウアハーデを自分が娼婦に産ませた息子「イルグ=バロール」として受け入れる。ルーグの正体は実の息子や本妻にも秘密にしている。商才に長けており、ルーグが開発した「乳液」をきっかけに立ち上げた新ブランドを、あっという間に化粧業界のトップにまで成長させた。
クレジット
- 原作
-
月夜 涙
- キャラクター原案
-
れい亜
書誌情報
世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する 7巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉
第1巻
(2019-10-04発行、 978-4041086995)
第4巻
(2021-11-09発行、 978-4041118085)
第5巻
(2022-09-09発行、 978-4041125533)
第6巻
(2023-07-10発行、 978-4041134191)
第7巻
(2024-03-08発行、 978-4041144435)
関連リンク
- 似ている作品
- 嘆きの亡霊は引退したい ~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~
- 再召喚された勇者は一般人として生きていく?
- 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…
- オークが女騎士を育成してみた
- 転生しても猫は猫
- 外れスキル「影が薄い」を持つギルド職員が、実は伝説の暗殺者
- 最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか
- 追放された元雑用係、規格外の技術で「最高の修繕師」と呼ばれるようになりました~SSSランクパーティーや王族からの依頼が止まりません~
- 二度転生した少年はSランク冒険者として平穏に過ごす ~前世が賢者で英雄だったボクは来世では地味に生きる~
- 魔王討伐したあと、目立ちたくないのでギルドマスターになった