概要・あらすじ
東都は母親の再婚によって、東映、東大、東京の三人と、同い年の義理のきょうだいになった。両親は長期の海外出張に行ってしまったので、義父である東洋一の住まいである人魚館と呼ばれる古くて広い洋館に四人だけで住む事になる。きょうだいたちはそれぞれに癖があり、一筋縄ではいかない性格をしていた。
しかも屋敷には座敷童子が住んでおり、都の部屋にあった隠し金庫の中から人魚のミイラが出てきたりと、非日常的な事が次々と起こる。人魚の霊に目をつけられた都は、中庭にあった祠の奥にある幻の海に引きずり込まれそうになるが、座敷童子から危険を知らされた映、大、京の三人が駆けつけて、都を助け出した。恐ろしい目に遭った都だったが、それをきっかけにきょうだいたちとの絆を芽生えさせる。
登場人物・キャラクター
東 都 (あずま みやこ)
母親の再婚によって人魚館に住む事になった高校生の少女。霊感はないのだが、座敷童子の姿が見える。人魚館にやって来てから危険な目に遭う事が多いが、東映、東大、東京や座敷童子に守られている。
東 映 (あずま あきら)
東洋一の連れ子の少年で、東都にとっては母親の再婚によって新しくできた義理のきょうだい。年齢は都と同い年で、都と同じ高校に通っている。口調はぶっきらぼうだが、本当は優しい性格で、都の事を守ってくれる。物理が大好きで、幽霊は信じていないが妖怪は科学的に説明がつくと思っている。女子生徒からの人気が高い。
東 大 (あずま だい)
東洋一の連れ子の少年で、東都にとっては母親の再婚によって新しくできた義理のきょうだい。年齢は都と同い年の公立の進学校に通う高校生で、生徒会長も務めている。眼鏡をかけており博学で、世界中の伝承などに詳しい。
東 京 (あずま きょう)
東洋一の連れ子の少年で、東都にとっては母親の再婚によって新しくできた義理のきょうだい。年齢は都と同い年の私立の男子校に通う高校生。関西弁を話し、ノリが軽く、女の子が大好き。
座敷童子 (ざしきわらし)
人魚館に住んでいる守り神で、7歳くらいの子供の姿をしている。髪型はおかっぱで、着物を着ている。めったに人前には姿を現さないが、都の事が気に入っており、都が人魚に殺されそうなところを、東映に知らせる。
都の母 (みやこのはは)
東都の母親で、東洋一と子連れ再婚をした。仕事で海外に長期出張する事が多く、あまり家にいない。放任主義なところがあり、都を新しい家に預けたまま自分は長期の海外出張に行ってしまった。
東 洋一 (あずま よういち)
都の母と再婚した実業家の男性で、人魚館の持ち主。子連れの未亡人に弱く、息子である東映、東大、東京はすべて再婚相手の連れ子で、血のつながりはない。のんびりした性格で、子供に対しては基本的に放任主義。
若宮 美奈子 (わかみや みなこ)
高校生の少女で、東都のクラスメイト。美人で、タロット占いが得意なのだが、東映に想いを寄せるあまり、都に対してやきもちを焼いて嫌がらせをしてくる。何者かに殺されて、バラバラ死体として発見される。
川口 笙子 (かわぐち しょうこ)
高校生の少女。東都のクラスメイトで、若宮美奈子の取り巻きの一人。美奈子といっしょになって都への嫌がらせに加担していた。美奈子が亡くなった2日後に、何者かに殺されて、バラバラ死体として発見される。
高田 栄子 (たかだ えいこ)
高校生の少女。東都のクラスメイトで、若宮美奈子の取り巻きの一人。美奈子や川口笙子から馬鹿にされていた事を恨んで、魔法書の力を使って美奈子と笙子を殺した。東映が好きで、邪魔な都を葬り去ろうとするが、呪いが自分に跳ね返って死んでしまう。
場所
人魚館 (にんぎょかん)
東洋一の持つ古くて大きな洋館。中庭には、人魚館の名前の由来にもなった「人魚塚」という社があり、屋敷を建てた先々代の当主が捕まえた人魚が祀られていると言い伝えられている。
その他キーワード
魔法書 (まほうしょ)
読むものに超能力を与える不思議な書物で、人魚館の地下に現れた部屋に置かれていた。高田栄子によって人殺しのために用いられた。人を妬み呪う心に呼ばれて異世界からやって来たと考えられるが、詳細はわからないまま崩壊してしまう。