ゾンビランドサガ

ゾンビランドサガ

TVアニメ『ゾンビランドサガ』のコミカライズ作品。ゾンビとなって復活した少女たちが、佐賀を救うためアイドルとして奮闘する姿を、プロデューサーの巽幸太郎の目を通して描く、ゾンビアイドル奮闘記。TVアニメの話の裏側を、幸太郎の視点で描いているのが特徴で、アニメとはまた一味違う独自のストーリー展開となっている。「サイコミ」で2018年10月9日から配信の作品。

正式名称
ゾンビランドサガ
ふりがな
ぞんびらんどさが
原作者
広報広聴課ゾンビ係
漫画
ジャンル
アイドル
 
ギャグ・コメディ
関連商品
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あらすじ

サガ覚醒編

巽幸太郎は寂れた佐賀県を救うべく、死んだ七人の少女たちをゾンビとして蘇(よみがえ)らせ、彼女たちをご当地アイドルにしようと考えていた。しかし、彼女たちをアイドルとして盛り上げるには何が必要なのかわからず、思い悩んでいた。そんな中、幸太郎は通りすがりの人々の会話から佐賀に本店を構える鳥肉料理専門店「ドライブイン鳥」の存在に思い至り、ドライブイン鳥とタイアップすることを思いつく。早速、幸太郎はドライブイン鳥に営業をかけようとするが、あいにく社長は留守で不在だった。仕方なく幸太郎はドライブイン鳥で食事をしていると、そこに謎の男が現れる。その貫禄ある立ち振る舞いから、彼こそがドライブイン鳥の社長だと早合点した幸太郎は、彼に連れられ呼子に赴く。そこで佐賀の本当の姿を改めて再確認した幸太郎は、自分の進むべき道を見定めるのだった。その後、ドライブイン鳥に戻って来た幸太郎は、営業のため社長と対面するが、その人物は先程の男性とはまったくの別人だった。

サガ激闘修行編

巽幸太郎フランシュシュをアイドルとして売り出し始め、少しずつ目的に向かって前進していた。しかしプロデューサーの仕事は多忙を極め、さらに水野愛紺野純子のアイドルとしてのスタンスの違いを危惧した幸太郎は、フランシュシュの方向性についても悩むこととなる。そんな中、幸太郎は謎の男と再会する。今の状況を謎の男に相談した幸太郎は、彼からの助言を参考に嬉野温泉へと向かう。そして、そこで新たな境地に至った幸太郎は、新曲を創作して無事にサガロックフェスティバルを乗り切ることに成功する。幸太郎はこの成功でフランシュシュを新たなステージに進めようとするも、それには自らのプロデュース能力をさらに磨く必要があると考えていた。思い悩む幸太郎であったが、そこに謎の男が現れ、修行のために「佐賀の三賢者」に会うように助言される。幸太郎は佐賀を巡り、三賢者の試練を乗り越えることで、己の進むべき道を再確認するのだった。

サガ懐古浪漫編

みごとに試練を乗り越えた巽幸太郎であったが、そこに再び謎の男が現れ、「佐賀の真実」を知るためにも吉野ヶ里遺跡に行くよう助言を受ける。しかし訪れた幸太郎が目にしたのは、びっくりするくらい何もない吉野ヶ里遺跡の様子だった。何を探せばいいのかもわからず、途方に暮れる幸太郎は、フランシュシュのメンバーを引き連れ、彼女たちと共に吉野ヶ里遺跡を散策する。そして、彼女たちが何もない吉野ヶ里遺跡を楽しく歩いている姿を見て、「何もない」と思っていた吉野ヶ里遺跡にも確かな見所があり、仲間たちとなら楽しめるということに気づく。そして幸太郎は佐賀県民が陥りがちな「佐賀には何もない」という負い目を感じていることに思い至り、「佐賀を救う」という目標に対して、思いを新たにするのだった。

作風

本作『ゾンビランドサガ』はTVアニメ『ゾンビランドサガ』のコミカライズ作品。ただアニメはゾンビアイドルグループ「フランシュシュ」のメンバーに焦点を当てた物語であるのに対し、本作はプロデューサーの巽幸太郎に焦点を当てた物語となっており、アニメ本編の裏で幸太郎が何をしていたのかを語る内容となっている。このためTVアニメ版を見ていれば本作を一層楽しめる内容となっているが、本作単体でも楽しめるように、TVアニメ版の簡潔なあらすじが本作中で説明されている。また、本作は幸太郎を中心に描かれるストーリーで構成されているが、『ゾンビランドサガ』の佐賀をPRするというコンセプトはそのままで、アニメ本編では見られない幸太郎視点で佐賀の名所や名物を紹介したり、グルメを堪能したりするのが特徴となっている。

モデルになった町

本作『ゾンビランドサガ』は佐賀県を舞台にしており、同時に佐賀をPRすることを目的とした作品となっている。そのため、作中には吉野ヶ里遺跡や嬉野温泉など佐賀の名所が紹介されている。また、作中では「さくらメモ」という源さくらが佐賀の名所を紹介する一口メモが掲載されており、これを読むことでより深く佐賀県の名所を知ることができる。作中では名所だけではなく、ドライブイン鳥の焼き鳥や呼子の海産物など、佐賀県内で食べられるグルメもピックアップされている。

単行本の装丁

本作『ゾンビランドサガ』は「佐賀をPRすること」が作品のメインテーマとなっているため、第1巻にはドライブイン鳥の料理、サガ激闘修行編には伊万里焼と、単行本には佐賀の名物が描かれている。第1巻刊行当初はナンバリング刊行されて講談社より出版されていたが、第2巻以降は出版社が小学館へと移行。それに伴って第2巻以降はナンバリングが廃止され、「サガ激闘修行編」「サガ懐古浪漫編」という風に、「〇〇編」というサブタイトルが付く形となった。また、第1巻も電子書籍版が販売されるに伴って小学館より新装版が販売されるようになり、「サガ覚醒編」という副題が付いた。なお、ナンバリング刊行は廃止しているが、話数はそのまま継続しており、内容も継続した内容となっている。

関連作品

TVアニメ

本作『ゾンビランドサガ』はTVアニメ『ゾンビランドサガ』を原作としている。TVアニメ版は2018年10月から12月にかけてAT-X、TOKYO MX、サガテレビほかで放送された。内容はゾンビとして復活した少女たちが、アイドルグループ「フランシュシュ」を結成し、佐賀を救うためアイドル活動をするというもの。キャッチコピーは「私たち、生きたい!」。制作には佐賀県の広報広聴課が全面協力しており、佐賀の名所やグルメが随所に登場するのが特徴。アニメは1話放送後、Twitterのトレンドになるほど人気となり、モデルとなった佐賀県の観光、産業にも大きな反響をもたらした。これによって第2期『ゾンビランドサガ リベンジ』の制作が決定し、第2期は2020年4月から放送された。キャストは、源さくらを本渡楓、二階堂サキを田野アサミ、水野愛を種田梨沙が演じている。

登場人物・キャラクター

巽 幸太郎 (たつみ こうたろう)

ゾンビアイドルグループ「フランシュシュ」のプロデューサーを務める男性。黒髪を七三分けにセットしている。赤のベストに蝶ネクタイを付け、マントのようにジャケットを羽織っている。入浴中もサングラスをかけているため、素顔は不明。語尾に「じゃい」を付けて、唐津弁でしゃべる。謎多き人物で、「佐賀を救う」という目的のために、源さくらたちをゾンビとして蘇らせ、アイドルとしてデビューさせようとしている。やることなすこと支離滅裂で、さくらたちに無理難題を押し付けている。「ゾンビ」を「ゾンビィ」と呼ぶ。さくらたちには横暴に振る舞っているが、意外にも仕事に対しては真摯に取り組んでおり、裏ではフランシュシュのメンバーが個性をつぶし合わないように気遣ったり、地道に営業周りをしている。フランシュシュの方向性に悩んでいたが、たびたび出会う謎の男の助言に従い、佐賀の三賢者のもとや吉野ヶ里遺跡を訪れる。

源 さくら (みなもと さくら)

ゾンビアイドルグループ「フランシュシュ」に所属する少女ゾンビ。芸名は「ゾンビ1号」。享年は17歳。赤髪のストレートロングヘアで、元気一杯の明るい性格をしている。唐津弁で話す。生前はアイドルにあこがれており、アイドルの水野愛の存在に勇気をもらい、自分もアイドルになる夢を抱いていた。しかし家から出た直後、軽トラックにはねられて亡くなり、ゾンビとなって復活する。フランシュシュメンバーの中では最も早く自我を取り戻した。ゾンビとなって復活したあとは生前の記憶をほとんど失い、巽幸太郎の言葉に戸惑うばかりであったが、初のステージでアイドルへの渇望を無意識に思い出し、それを確かめるためアイドルとなる決心を固める。ふつうの女子高校生であったため、メンバーの中では唯一肩書きがない。

二階堂 サキ (にかいどう さき)

ゾンビアイドルグループ「フランシュシュ」に所属する少女ゾンビ。芸名は「ゾンビ2号」。享年は18歳。赤のメッシュを入れた金髪をサイドポニーにし、赤いスカジャンにロングスカートを履いている。佐賀弁で話す。20世紀末に九州制覇を成し遂げたレディース暴走族チーム「怒羅美(どらみ)」の初代特攻隊長で、「伝説の特攻隊長」の肩書きを持つ。勝気な性格で柄が非常に悪く、その言動は絵に描いたようなヤンキー。行動派であるが、考えなしに行動するためにトラブルメーカー的な存在。このため当初はほかのメンバーと衝突したり、怯(おび)えられたりすることもあったが、もともとが面倒見のよい姉さん気質であるため、すぐに仲間たちとも打ち解けた。佐賀は故郷であるため思い入れが非常に強く、佐賀のローカルネタに関して詳しい。

水野 愛 (みずの あい)

ゾンビアイドルグループ「フランシュシュ」に所属する少女ゾンビ。芸名は「ゾンビ3号」。享年は16歳。黒髪のショートボブに、黄色の花をかたどった髪飾りをしている。00年代を代表する「伝説の平成アイドル」で、アイドルグループ「アイアンフリル」のセンターを務めていた。気が強いが努力家で、当初は巽幸太郎の方針に反発したり脱走したりしていたが、その後は現状を受け入れフランシュシュとして活動を始める。唯一のアイドル経験者であるため、メンバーを指導する立場に就く。アイドルの難しさを肌身で感じているために、簡単にはうまくいかないと考えており、メンバーには「失敗も糧にがんばる」という方針を掲げている。だが、同じアイドルでもプロ意識の高い紺野純子とは明確なスタンスの違いとなっており、二人の関係を巽幸太郎からも心配されている。

紺野 純子 (こんの じゅんこ)

ゾンビアイドルグループ「フランシュシュ」に所属する少女ゾンビ。芸名は「ゾンビ4号」。享年は19歳。長く伸ばした白い髪を後ろで二つ結びにしている。生真面目な性格で、当初はゾンビとなった現状を受け入れられずに脱走を図っていたが、次第に仲間たちと打ち解け、アイドルになることを受け入れていく。80年代の日本を席巻した「伝説の昭和アイドル」で、「アイドルは完璧なステージでファンを魅了するもの」という確固としたプロ意識を持つ。時代的な背景もあって非常にプロ意識が強く、同じアイドルでも「失敗も糧にがんばる」というスタンスの水野愛とは意見が対立することが多い。また、ソロで活動していたためにグループ活動は初めてで、そのことを巽幸太郎からも心配されている。飛行機事故で亡くなったため、高い場所を苦手としている。

ゆうぎり

ゾンビアイドルグループ「フランシュシュ」に所属する女性ゾンビ。芸名は「ゾンビ5号」。享年は19歳。長く伸ばした茶色の髪をハート状のお団子にまとめている。明治維新にもかかわったとされる「伝説の花魁」で、大らかな性格をしている。ゾンビとなって復活したことや、アイドルとして活動することを前向きにとらえ、マイペースに日々を楽しんでいる。

星川 リリィ (ほしかわ りりぃ)

ゾンビアイドルグループ「フランシュシュ」に所属する少年ゾンビ。芸名は「ゾンビ6号」。享年は12歳。水色の髪をツインテールにした美少女然としており、天真爛漫で無邪気な性格をしている。かわいい物好きで、その言動と姿から当初はフランシュシュのメンバー全員から女の子と思われていたが、れっきとした男の子。一人称は「リリィ」だが、実はこれは芸名で、本名は「豪正雄」。生前は大河ドラマの出演をきっかけに大ブレイクし、全チャンネルのゴールデン番組主演を達成した「伝説の天才子役」と知られている。しかしその多忙さで衰弱したうえに、ヒゲが生え始めたことに気づいた際のショックが原因となって心臓発作を起こして亡くなる。アイドル活動にも積極的で、ゾンビになったことも前向きにとらえている。

山田 たえ (やまだ たえ)

ゾンビアイドルグループ「フランシュシュ」に所属する女性ゾンビ。芸名は「ゾンビ0号」。享年は29歳。フランシュシュメンバーの中では未だに自我を取り戻していないため、黒い髪をボサボサに伸ばし、うめき声を上げながら徘徊している。巽幸太郎からの紹介では「伝説の山田たえ」の肩書きのみで、経歴などはいっさい不明。フランシュシュメンバーの中では最年長者。本能で行動しており、手当たり次第になんにでもかみついてしまうため、専らほかのメンバーに面倒を見られている。アイドルながらまともに歌も歌えず、ダンスも仲間たちとそろえることができないが、その自由さが逆にファンには受けている様子。一応、仲間意識はあるようで、時おり思わぬ行動を取って仲間たちを助けている。グループ名である「フランシュシュ」は山田たえのくしゃみが名前の由来となっている。

謎の男 (なぞのおとこ)

眼鏡をかけた恰幅のいい体型をした中年の男性。巽幸太郎がドライブイン鳥に行った際に出会う。妙に貫禄のある人物で、幸太郎に次々と的確なアドバイスを送るため、幸太郎はドライブイン鳥の社長だと勘違いしていた。しかし後日、対面したドライブイン鳥の社長はまったくの別人だったため、その正体は不明。「BAR New Jofuku」で幸太郎と再会したのを皮切りに、思い悩む彼にたびたび助言を与えるが、その正体は謎のまま。幸太郎もこの人物を気にしているが、毎回名前を聞きそびれている。

集団・組織

フランシュシュ

巽幸太郎がプロデュースしたゾンビアイドルグループ。佐賀を救うためにゾンビとして蘇った七人の少女たちが結成したアイドルグループで、いわゆる「ご当地アイドル」。メンバーは全員ゾンビであるため、本名ではなく「ゾンビ〇号」という芸名を名乗っている。幸太郎はイントネーションが独特なため、「ゾンビ」を「ゾンビィ」と表記し、「ゾンビィアイドル」「ゾンビィ〇号」とも表記する。ふだんのゾンビたちは土色の肌をしているが、ステージに上がる際には幸太郎の特殊メイクでふつうの人間と遜色のない見た目となっている。そのため、「フランシュシュ」のファンは彼女たちがゾンビであることは設定としか思っておらず、メンバーも設定を隠れ蓑(みの)にして正体を隠している。当初は幸太郎が仮の名前を付けており、最初は「デス娘(仮)」で、その次は「グリーンフェイス」だったが、幸太郎のネーミングセンスが不評だったため、メンバーで話し合った結果、山田たえのくしゃみをきっかけにして「フランシュシュ」のグループ名となった。

クレジット

原作

広報広聴課ゾンビ係

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