さんだらぼっち

さんだらぼっち

一見ぼんやりとしている玩具職人のとんぼは、借金の取り立てをする始末屋でもある。知恵を巡らせたかけひきで複雑な事情を抱えた難題を解決していくさまを描く人間ドラマ。

正式名称
さんだらぼっち
作者
ジャンル
時代劇
 
ヒューマンドラマ
レーベル
小学館文庫(小学館)
巻数
全6巻完結
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概要・あらすじ

とんぼは吉原大門前の玩具屋の職人として竹とんぼなどを作っている。一方、裏では借金の取り立てなどをする始末屋としても活躍。江戸時代の人々の生活や性風俗が繊細に描かれる中で、とんぼと出戻りの志摩との男女関係が進展していく。

登場人物・キャラクター

とんぼ

ボサボサ髪で脳天を結んで立てた禿(かむろ)風の青年。一見ぼんやりしていて頼りない。店の前で拾われた捨て子だったが、本人は母を悪人にしたくないため、自分がはぐれたのだと言う。吉原大門前五十間町通りの玩具屋で働く職人で、竹とんぼは江戸で一番とも言われている。一方、裏ではつけ払いの取り立てをする始末屋としても働いている。 理由を並べたり、条件を出したりする相手に、知恵や交渉で立ち向かって支払わせていく。ただ、知恵が先立ちすぎて、先方の気持ちを読めないことがある。持ち前の知恵と玩具屋で鍛えた竹細工の技術を活かして、さまざまなからくりを発明する。扇風機、洗濯機など。竹とんぼでの飛行にも成功している。 玩具屋の娘で出戻りの志摩のことを思っているが、関係はなかなか進展しない。後に、夫婦となり双子を授かって幸福に暮らしていく。

志摩 (しま)

とんぼより少し歳上の女性。玩具屋の一人娘で、浜野屋の清吉のところに嫁いだが、3年前に離縁して戻ってきた。とんぼが気になるものの、幼いころから面倒を見てきたので、子供扱いしてしまう。とんぼを誘うような言動もするが、伝わらなかったり、邪魔が入ったりでうまくいかないことが多い。 夫婦になってからもとんぼを尻に敷いているが、とんぼのいいところも悪いところも理解しているいい内儀さんである。ごくまれに「始末」をすることもある。

茂平 (もへい)

後頭部に小さな髷があるメガネをかけた小柄な老人。吉原大門前五十間町通りの玩具屋の店主だが、つけの取り立てをする始末屋のほうが本業。店はとんぼに任せきりで証文を買いに回っている。始末屋の仕事もほとんどをとんぼにやらせていて、難しい「始末」を自分でやっているらしい。 また、とんぼが相手の気持ちを読みきれなかった場合など、いざというときに出ていくことがある。志摩ととんぼの仲がうまくいくことを期待しているが、傍観していることが多い。始末屋を引退する気は、まだないらしい。

与の字 (よのじ)

吉原の幇間。垂れ目で鼻が上を向いた坊主頭の男。客の酔狂によく付き合う変わり者として知られる。情が深く、惚れた太夫のために、「自分の小指」を客に渡す小指用に差し出したこともある(太夫が客に自分の本気を示すために小指を切って渡すという手管がある。死体から用立てて使うことがあった)。

稲造 (いなぞう)

四角い鼻で鼻の下が長い青年。貧乏な遊び人で、イナ公の「イナ」は「イナセ」の「イナ」だと名乗っていた。後に、甲州の農家の出身で、本名は稲吉であることがわかる。神田の米屋で奉公していたが性に合わず、3年で店を飛び出して遊び暮らしていると判明。米吉という兄がいる。とんぼと気が合い、「始末」に協力することもある。

文治 (ぶんじ)

目が小さく眉が太いがっしりした体格の男。本所業平の目明かしで「業平文治」として知られる。事件の不自然な顛末によく気付く腕利き。とんぼが無実の罪を着せられそうになったところを助けたことから知り合い、とんぼに手伝いをしてもらうこともあった。

青蛙堂 (せいあどう)

坊主頭で大きな目につぶれた鼻の男。つけを払わないですませる「事割屋(ことわりや)」。とんぼと対することが多いが、まれにとんぼの代わりに始末をすることもある。女房が娘を産んですぐに逃げてしまったため、娘のたまと二人暮らし。女はこりごりと言いながら、近くに住む小唄の師匠・駒に惚れている。 駒は妾で旦那がいるが、老齢の旦那から駒と一緒になるように勧められたものの、意地を張って断った。後日、旦那の窮地を救って駒と一緒になる。『サイボーグ009』の007の顔をしている。

ネズミ男 (ねずみおとこ)

蒲鉾形の垂れ目に尖った2本の出っ歯の人物。元オカマの義賊として評判。短筒を持って花魁を人質にとり、オカマも見世に置くように要求して立てこもった。実際は花魁たちも苦しめていた店への嫌がらせだった。立てこもり事件で知り合ったとんぼが気に入り、「始末」の協力をすることがある。

お夏・陽平 (おなつようへい)

とんぼと志摩の子。男と女の双子。当時、双子の片方は里子に出すのが一般的だったが、とんぼが強硬に反対して二人とも家に残した。

その他キーワード

さんだらぼっち

『さんだらぼっち』の用語。米俵の両端に当てる蓋のしかけ。米がこぼれないように始末をつける役目がある。漢字では「桟俵法師」と書く。

書誌情報

さんだらぼっち 全6巻 小学館〈小学館文庫〉 完結

第1巻

(1983年6月発行、 978-4091907417)

第2巻

(1983年9月発行、 978-4091907424)

第3巻

(1983年11月発行、 978-4091907431)

第4巻

(1984年4月発行、 978-4091907448)

第5巻

(1984年7月発行、 978-4091907455)

第6巻

(1984年11月発行、 978-4091907462)

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