概要・あらすじ
29歳でアルバイト生活を送る実相寺二矢(じっそうじおとや)は、大学時代の友人の切通昌則(きりとおしあきのり)の通夜に出かける。切通は「特撮美術研究会(特美研)」の主催者であり同志であった。切通は「特美研」のメンバーに遺言を残していた。それは、自分の「劇光服」のゼノパドンを、劇光服を装着したメンバーの手により裁断してほしいというものだった。劇光服とは、「怪人の父」と言われた美術造形家・狭山章との面会をきっかけに、実相寺と切通により提案された「特美研」独自のヒーロースーツである。それは、劇中の変身ヒーローの必殺技を実演できるスーツであり、場合によっては電流、圧縮空気、火器などを使用するため、危険を伴うものであった。通夜の後、実相寺は切通の遺言を実行するべく、元「特美研」の部員、真理りま、中野考文(なかのたかふみ)、芹沢耀(せりざわよう)を連れて自分のマンションに戻る。そして部屋に安置してあるゼノパドンをベンチに固定。3名の元部員の立ちあいのもと、劇光服、空気軍神ミカドヴェヒターを装着。高圧ガスで軍刀を射出する、超高速の居合でゼノパドンの裁断を試みる。
登場人物・キャラクター
実相寺 二矢 (じっそうじ おとや)
アルバイトで生計を立てる29歳の男性。帝都工業大学時代は「特撮美術研究会(特美研)」に所属した。劇光服は、空気軍神ミカドヴェヒター。「海底に遺棄された改造兵士で、生者でありながら死者でもある」という、劇中のミカドヴェヒターに肉体を近づけるため、骨格が浮き出たやせ細った体を維持している。「自らは空洞で、器でしかない」と達観しており、劇光服での変身に異常な執着を抱いている。
真理 りま (まり りま)
大手玩具メーカー「テカラトミー」に勤務する27歳の女性。メガネとお団子ヘアーが特徴。高校時代は特撮キャラのコスプレで「平塚クィーン」の称号を得ていた。帝都工業大学進学後は、「特撮美術研究会(特美研)」に所属する。劇光服は「魔改探偵ペーアサーダ」。
中野 考文 (なかの たかふみ)
神奈川県警勤務の警察官の男性。レンズの上部に縁があるメガネと、唇の右下のホクロ、四角い顔とガッチリした体格が特徴。帝都工業大学「特撮美術研究会(特美研)」の元メンバーで、劇光服は「壁人キボーガー」。
芹沢 耀 (せりざわ よう)
東京(とうけい)大のポストドクター(博士研究員)の男性。ノリの軽い27歳。飛び級で大学進学した秀才で、帝都工業大学「特撮美術研究会(特美研)」の元メンバー。劇光服は「蝶忍アヤミユーリー」。
成田 一縷 (なりた いちる)
有名特美造形師・成田優作の孫娘。帝都電力で原発の廃炉プロジェクトで働く。黒髪ロングヘアーが特徴の美女で、帝都工業大学「特撮美術研究会(特美研)」の元メンバー。劇光服は「星雲菩薩ネビュラブッディ」。
切通 昌則 (きりとおし あきのり)
帝都工業大学「特撮美術研究会(特美研)」の創設者の男性。実相寺二矢(じっそうじおとや)と同い年だが、現役入学のため、学年はひとつ上。ゼノパドン、シャゴラスといった怪人の劇光服を製作。「怪人の父」である美術造形家の狭山章との面会を経て、実相寺とともに、特美研独自のヒーロースーツ、劇光服の製作を提案する。29歳の若さで死亡。
その他キーワード
劇光服 (げきこうふく)
帝都工業大学「特撮美術研究会(特美研)」独自のヒーロースーツ。実相寺二矢(じっそうじおとや)と切通昌則(きりとおしあきのり)が、「怪人の父」と言われた美術造形家の狭山章と面会したことがきっかけで誕生。戦後まもなく、無法な米兵と戦った元特攻隊員によるヒーロー「劇光仮面」の話に触発された。劇中の変身ヒーローの必殺技を再現できることをコンセプトにし、電流や圧縮空気、火器などを使用することもあり、危険を伴う。また素材も、金属などの実用性の高いものを使うことが多く、重量が重いのも特徴。
書誌情報
劇光仮面 6巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2022-05-30発行、 978-4098613632)
第2巻
(2022-10-28発行、 978-4098615063)
第3巻
(2023-04-28発行、 978-4098617449)
第4巻
(2023-10-30発行、 978-4098626373)
第5巻
(2024-04-30発行、 978-4098628162)
第6巻
(2024-10-30発行、 978-4098631117)